ジャノヒゲ属は属の中に約67種がありアジアを原産とする常緑多年草です。一般に園芸では、葉がとても細く地面の被覆力が非常に高いジャノヒゲ、園芸品種に黒色の葉をもつコクリュウ等がありグランドカバーや寄せ植え等にも利用されるオオバジャノヒゲ等が親しまれます。
ジャノヒゲは日当たりを気にせずに育てる事ができ、また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①ジャノヒゲ 開花時期:7月~8月 | ②オオバジャノヒゲ 開花時期:6月~7月 |
③ノシラン 開花時期:7月~9月 |
原産:日本/東アジア/フィリピン
学名:Ophiopogon japonicus
草丈:約10~20cm
分類:常緑多年草
開花時期:7月~8月
花色:桃色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:11月27日/12月11日
花言葉:「変わらぬ思い」「深い思いやり」
特徴:ジャノヒゲは学名Ophiopogon japonicus、別名「リュウノヒゲ」や「ネコダマ」とも呼ばれる東アジア原産の常緑多年草で、日本では北海道から九州まで分布しており、山野の林床等に自生しています。和名「ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)」の由来は、一般的には細長い葉が蛇(龍)の口髭に見える事からきていると言われています。また他説では能面で使われる老人の面(尉・ジョウ)の顎髭がジャノヒゲの葉の様にみえる事から「ジョウノヒゲ」と呼ばれ徐々に転訛(訛る)して「ジャノヒゲ」になったと言う説があります。また属名オフィオポゴン(ophiopogon)ギリシャ語で「蛇」を意味する「ophis」と「髭」を意味する「pogon」の2語からきており葉の形に由来しています。種小名のジャポニカス(japonicus)はラテン語で「日本の」を意味しており、自生地に由来します。
ジャノヒゲの特徴(魅力)
- 日本庭園等で伝統的に利用されています
- 緑色の濃い葉は常緑で優れた縁取りやグランドカバーとなります
- ↳地面下で匐枝(匍匐茎)を伸ばして広がる
- 秋に葉の間から覗くメタリックブルーの綺麗な果実は「龍の玉」や「はずみ玉」と呼ばれています
- 非常に丈夫で育てやすく長雨等による浸水にも耐える
- 耐陰性が高く直射日光が当たらない場所でも育ちます
ジャノヒゲとヤブランは同じスズラン亜科にあり、とても似た草姿をしていて、また海外ではジャノヒゲとヤブランを「モンキーグラス」と呼び同一カテゴリーで扱われる事もあります。そのため、しばしば同一視されて間違われる事もあるようです。両方の違いをしっかり知っておき間違えないようにする事も大切でしょう。
園芸では、古くから日本庭園の地被植物として利用されており、花壇の縁どりやグランドカバーとして植えられています。ただし踏圧(踏まれる)に極端に強いわけではないため、小道に等に植える場合は飛び石等を用意して踏まれないようにした方が良いでしょう。また日向から日陰まで場所を選ばすに育つため、シェードガーデン等もよく利用されています。
園芸品種には葉の縁部分に白色の覆輪が入り引き締まった印象をあたえる「シルバードラゴン」や、イエローグリーンの葉が足元を明るく彩る「黄金葉玉竜」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
開花時期は夏から晩夏、花色は紫色もしくは白色、個々の花は花被片が6個あり、花序は長さ約2~5cmの総状花序に花を咲かせます。草姿は地面を被覆しる様に広がり高さ約10(20)cm × 幅は約25(40)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形(長さ10~20cm × 幅2~4mm)で、葉序は根生葉につきます。
ジャノヒゲは早春もしくは秋に株分けする事で増やすことが出来ます。非常に丈夫で地植えしたものでは水やりや肥料を基本的に必要とせず、ほったらかしでも育てる事が可能です。
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原産:日本
学名:Ophiopogon planiscapus
草丈:約10~30cm
分類:常緑多年草
開花時期:6月~8月
花色:白色〇紫色●
葉色:緑色●黒色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
花言葉:飾らない人
特徴:オオバジャノヒゲは学名Ophiopogon planiscapus、別名「ブラックモンドグラス(black mondo grass)」とも呼ばれる日本固有の常緑多年草です。日本では本州、四国、九州に分布しておら山林の日陰等に自生しています。和名「オオバジャノヒゲ」の由来はジャノヒゲと比べると葉が大きく、また細長い葉が蛇(龍)の口髭に見える事からきています。また属名オフィオポゴン(ophiopogon)ギリシャ語で「蛇」を意味する「ophis」と「髭」を意味する「pogon」の2語からきており葉の形に由来しています。種小名のplaniscapusはラテン語で「花茎の扁平な」を意味しています。
オオバジャノヒゲ
- 中央から外側へと弧を描きながら優雅に広がる草姿
- ↳地面を被覆する草姿から花壇の縁どりや飛び石の間の下草等に利用される
- スラリと剣の様に伸びる洗練された葉の形
- ↳お洒落で引き締まる美しい黒葉
- 匐枝を地中で伸ばして広がり群生する
- 黒葉との対比が美しい上品な白色(~薄紫色)の花
- ↳花の形は小さなゆりの花を連想させる
- 非常に丈夫で長雨等による浸水にも耐える
- 耐陰性があり直射日光の当たらない明るい場所でも育つ
園芸では、地面を被覆する様に広がる草姿から花壇の縁どりやグランドカバーとして植えられています。ただし踏圧(踏まれる)に極端に強いわけではないため、小道に等に植える場合は飛び石等を用意して踏まれないようにした方が良いでしょう。またオオバジャノヒゲは日本の在来種のため和風のお庭等にもよく合い、日向から日陰まで場所を選ばすに育つためシェードガーデン等もよく利用されています。
開花時期は初夏から晩夏、花色は白色もしくは紫色、個々の花は直径約0.7cmで花被片が6個あり、花序は小花が穂状に集まり長さ約2~5cmの穂状花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面を被覆する様に匐枝で広がり高さは約15(30)cm × 幅は約30(50)cmに成長します。葉色は緑色もしくは黒色、葉身は線形(長さ約10~30cm × 幅は約0.4~0.7cm)で、葉序は根生葉につきます。
オオバジャノヒゲは早春もしくは秋に株分けする事で増やすことが出来ます。非常に丈夫で地植えしたものでは水やりや肥料を基本的に必要とせず、ほったらかしでも育てる事が可能です。
コクリュウは剣の様にスラリと伸びる葉の形と、引き締まった印象を与える美しい黒葉が魅力の園芸品種です。また初夏から咲く白色(~薄紫色)の花は、黒葉との対比がとても美しく、より洗練された雰囲気をつくります。高さは約20cm × 幅は約45cmに成長します。 (´・ω・)p楽天で購入q |
原産:日本/朝鮮
学名:Ophiopogon jaburan
草丈:約30~60cm
分類:常緑多年草
開花時期:7月~9月
花色:白色〇
葉色:緑色●黄色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:強い
花言葉:「ひっそり」
特徴:ノシランは学名Ophiopogon jaburan、別名「ジャイアントリリーターフ(Giant Lilyturf)」とも呼ばれる日本及び朝鮮が原産の常緑多年草で、日本では北海道・本州・四国・九州まで分布しており林床や林縁等に自生しています。和名「ノシラン」の由来は扁平な花茎と葉が御祝儀等の縁起物で使われるノシの形に似ており、また花の形がランに似ている所からきています。また属名オフィオポゴン(ophiopogon)ギリシャ語で「蛇」を意味する「ophis」と「髭」を意味する「pogon」の2語からきており葉の形に由来しています。種小名のjaburanは日本語で「ヤブラン」と読み、恐らくヤブラン(Liriope muscari)と似ている事から付けられた名前と思われます。
ジャノヒゲの特徴(魅力)
- 日本庭園等で下草として利用されています
- 中央から外側へと弧を描きながら優雅に広がる草姿が美しい
- ↳地面を広く被覆して優れた縁取りやグランドカバーとなる
- 剣の様にスラリと伸びる洗練された葉の形
- 秋に葉の間から覗くメタリックブルーの綺麗な果実は
- 非常に丈夫で育てやすく長雨等による浸水にも耐える
- 自生地は林床等にあり耐陰性が高く直射日光が当たらない場所でも育ちます
ジャノヒゲとヤブランは同じスズラン亜科にあり、とても似た草姿をしていて、また海外ではジャノヒゲとヤブランを「ジャイアントリリーターフ」と呼び同一カテゴリーで扱われる事もあります。そのため、しばしば同一視されて間違われる事もあるようです。両方の違いをしっかり知っておき間違えないようにする事も大切でしょう。
ノシラン | ヤブラン |
草丈が高い(約30~60cm) | 草丈が低い(約30~40cm) |
葉が長い (長さ約30~80cm × 幅は約1.0~1.6cm) | 葉が幅広い (長さ30~60cm × 幅は1~2cm) |
白色の花が下向きに咲く | 紫色(白色もある)の花が横向きから上向きに咲く |
花後の実は楕円形でメタリックブルー | 花後の実は球形で黒色 |
園芸では庭園等の地被植物として利用されており、花壇の縁どりやグランドカバーとして植えられています。また日向から日陰まで場所を選ばすに育つため、シェードガーデン等もよく利用されています。園芸品種には緑色の葉に薄黄色(クリーム色)班が縦に何本も入る「ビッタータス」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
開花時期は夏から秋、花色は紫色もしくは白色、個々の花は花被片が6個あり、花序は小花が3個~8個ずつ束生して穂状に花を咲かせます。草姿はロゼット状に広がり高さ約30(60)cm × 幅は約60(120)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形(長さ約30~80cm × 幅は約1.0~1.6cm)で、葉序は根生葉につきます。
ジャノヒゲは早春もしくは秋に株分けする事で増やすことが出来ます。非常に丈夫で地植えしたものでは水やりや肥料を基本的に必要とせず、ほったらかしでも育てる事が可能です。
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