ペンステモン属の種は約281種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは5種類の原種と、10種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ペンステモン属の簡易比較

学名:Penstemon digitalis
生活形:多年草
草丈:約90~150cm
開花:5月~8月
花色:白色・紫色・桃色
葉色:緑色・赤紫色・紫色・黒色
生育型:一時ロゼット型
備考:歯の色は緑色の他、紫色・赤紫色・暗紫色と選べるためカラーリーフとしてたのしめる。花の形は指ぬきに似ていて、白色を基調として、紫色から桃色が乗る色合いが上品な印象を与えます。

学名:Penstemon hartwegii
生活形:多年草
草丈:約30~70cm
開花:5月~8月
花色:赤色・桃色・橙色・紫色・白色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:花の長さは3~4cmと近縁種と比べて大きめで、花の形は筒状または漏斗状をしておりラッパのような個性的な見た目をしています。花の色は色鮮やかで、花冠筒部の内部が白色をしている傾向があるため、コントラストが楽しめます。

学名:Penstemon heterophyllus
生活形:多年草
草丈:約30~150cm
開花:5月~8月
花色:青色・紫色・桃色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:花の方はベルの様な可愛らしい見た目をしており、空の色を想像させる色鮮やかな青色の花色が魅力的な種です。耐乾性がとても高く、水資源の少ないゼリスケープなどでも栽培されます。

学名:Penstemon barbatus
生活形:多年草
草丈:約30~100cm
開花:5月~7月
花色:赤色・桃色・橙色・紫色・白色
葉色:緑色
生育型:一時ロゼット型
備考:花穂は花が細長かったり、花が咲いては散ることでボリューム感よりも楚々としたナチュラル感を感じさせやすい傾向にあります。
■ペンステモン属の主な種と園芸品種の紹介
●主な原種
ペンステモン・ジギタリス
ペンステモン・ジギタリスとは!
ペンステモン・ジギタリス(学名: Penstemon digitalis)は、別名で「シロツリガネヤナギ」「フォックスグローブビアードタン(foxglove beard-tongue)」「タラススロープペンステモン(talus slope penstemon)」「ホワイトビアードタン(white beardtongue)」と呼ばれるオオバコ科ペンステモン属に分類される多年草です。
ペンステモン・ジギタリスの原産地はアメリカ合衆国(中部・東部)で、自生地は草原や開けた潅木地、人為的攪乱を受けた道端や牧草地などに見られます。
ペンステモン・ジギタリスの特徴
- 草姿:本種は春から秋にかけて生育し、地面から垂直に伸びる多数の茎を伸ばして、ライン状の洗練された草姿を形成し、冬になると茎が枯れてロゼット葉のみが残り地表を覆います。そのため、四季折々の姿が楽しめる植物です。
- 花の美しさ:5月~8月の開花期になると、垂直に伸びる茎に花が穂状に並び開花するため、洗練された花姿が楽しめます。花は指ぬきのように穴のあいた個性的な見た目をしており、白色と紫色(淡い桃色)の花色が上品な印象を感じさせます。そのため、エレガントなお庭などによく調和します。
- カラーリーフ:葉の色は一般的に緑色をしていますが、園芸品種の中には紫色・赤紫色・暗紫色をしている品種もあります。そのため、開花期以外もお庭を彩ることが可能になり、また紫色の葉がお庭を上品に彩ります。
- 蜜源:花は蜜源として花蜂を引き寄せる働きがあります。花蜂が花の筒部に顔を入れて、蜜を集める姿はとても可愛らしいため、これを観察して楽しみたい人などにおすすめの植物です。
ペンステモン・ジギタリスの園芸品種の紹介
●ハスカーレッド

学名:Penstemon digitalis ‘husker red’
花の色:白色・紫色
葉の色:濃緑色・赤紫色・暗紫色
草丈:約50~80cm
備考:葉の色は濃緑色から赤紫色または暗紫色を呈し、格式の高さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。花の色は白色を基調として、ほんのりと紫色が乗るため、開花期には明るさと上品さを演出することができます。
ペンステモン・ハートウェギー


ペンステモン・ハートウェギーとは!
ペンステモン・ハートウェギー(学名: Penstemon hartwegii)は、別名で「ハートウェグビアードタン(Hartweg’s beardtongue)」と呼ばれるオオバコ科ペンステモン属に分類される多年草です。
ペンステモン・ハートウェギーの原産地はメキシコで、自生地は山岳地帯の岩場や高原などに見られます。
ペンステモン・ハートウェギーの特徴
- 草姿:本種は地面から垂直に伸びる多数の茎を伸ばして、ライン状の洗練された草姿を形成します。
- 花の美しさ:5月~8月の開花期になると、垂直に伸びる茎に花が穂状に並び開花するため、洗練された花姿が楽しめます。花序は総状に集散花序が配置され、次々と花が咲くためボリューム感のある花穂になります。花の長さは3~4cmと近縁種と比べて大きめで、花の形は筒状または漏斗状をしておりラッパのような個性的な見た目をしています。花の色は赤色・橙色・桃色・紫色などの色鮮やかな花色が見られ、喉部が白色になる傾向があります。そのため、カラフルで華やかなお庭などによく調和します。
- 育てやすさ:本種は耐寒性や耐乾性、栄養の乏しい環境に強いため比較的育てやすいです。しかし、夏場の多湿を苦手にしており、特に日本の夏の高温多湿で株が弱りやすい傾向があります。そのため、栽培時は夏の管理に注意が必要です。
ペンステモン・ハートウェギーの園芸品種の紹介
ペンステモン・ヘテロフィルス

ペンステモン・ヘテロフィルスとは!
ペンステモン・ヘテロフィルス(学名: Penstemon heterophyllus)は、別名で「バンチリーフペンステモン(bunchleaf penstemon)」「フットヒルペンステモン(foothill penstemon)」「フットヒルビアードタン(foothill beardtongue)」と呼ばれるオオバコ科ペンステモン属に分類される多年草です。
ペンステモン・ヘテロフィルスの原産地はアメリカ合衆国(カリフォルニア州)で、自生地はシエラネバダ山脈の草原や林縁、日当たりの良い開けた森林などに見られます。
ペンステモン・ヘテロフィルスの特徴
- 草姿:本種は春から秋にかけて生育し、地面から垂直に伸びる多数の茎を伸ばして、ライン状の洗練された草姿を形成し、冬になると地上部の大部分が枯れて株元に少しの葉を残し越冬します。
- 花の美しさ:5月~8月の開花期になると、垂直に伸びる茎に花が穂状に並び開花するため、洗練された花姿が楽しめます。花序は総状に集散花序が配置され、次々と花が咲きますが、花弁が落ちやすいため、花穂全体のボリューム感はあまりなく、楚々とした雰囲気を感じさせます。花は鐘(ベル)のような見た目をした筒状で、花色は青色から紫色を呈し上品さや爽やかさを感じさせます。そのため、青をテーマにしたブルーガーデンやエレガントなお庭などによく調和します。
- ゼリスケープ(乾式庭園):ペンステモン・ヘテロフィルスは耐乾性がとても高い植物です。そのため、水資源を節約しながら作り出すゼリスケープに利用されることもあります。
- 育てやすさ:本種は耐寒性や耐乾性、栄養の乏しい環境に強いため比較的育てやすいです。しかし、夏場の多湿を苦手にしており、特に日本の夏の高温多湿で株が弱りやすい傾向があります。そのため、栽培時は夏の管理に注意が必要です。
ペンステモン・ヘテロフィルスの園芸品種の紹介
ペンステモン・バルバタス

ペンステモン・バルバタスとは!
ペンステモン・バルバタス(学名: Penstemon barbatus)は、別名で「ヤナギチョウジ」「ゴールデンビアードペンステモン(golden beard penstemon)」「ビアードリップペンステモン(beardlip penstemon)」と呼ばれるオオバコ科ペンステモン属に分類される多年草です。
ペンステモン・バルバタスの原産地はアメリカ合衆国からメキシコで、自生地は山岳地帯の斜面、開けた潅木地などに見られます。
ペンステモン・バルバタスの特徴
- 草姿:本種は春から秋にかけて生育し、地面から垂直に伸びる多数の茎を伸ばして、ライン状の洗練された草姿を形成し、冬になると茎が枯れてロゼット葉のみが残り地表を覆います。そのため、四季折々の姿が楽しめる植物です。
- 花の美しさ:5月~7月の開花期になると、垂直に伸びる茎に花が穂状に並び開花するため、洗練された花姿が楽しめます。花序は総状に集散花序が配置され、次々と花が咲きますが、花弁が落ちやすいため、花穂全体のボリューム感はあまりなく、楚々とした雰囲気を感じさせます。花の形は細長い管状でシャープな見た目をしており、赤色・橙色・桃色・紫色などの色鮮やかな花色が見られます。そのため、花姿からナチュラルな雰囲気のお庭や、また色彩からカラフルで華やかなお庭などによく調和します。
ペンステモン・バルバタスの園芸品種の紹介
ペンステモン・ピニフォリウス

ペンステモン・ピニフォリウスとは!
ペンステモン・ピニフォリウス(学名: Penstemon pinifolius)は、別名で「パインリーフペンステモン(pine leaved penstemon)」「パインニードルペンステモン(pine needle penstemon)」と呼ばれるオオバコ科ペンステモン属に分類される多年草または亜低木です。
ペンステモン・ピニフォリウスの原産地はアメリカ合衆国(アリゾナ州・ニューメキシコ州)とメキシコで、自生地は山岳地帯の岩場や高原などに見られます。
ペンステモン・ピニフォリウスの特徴
- 草姿:本種は地際から多数の茎を伸ばして、高さ20~50cmまでのブッシュ状の茂みを形成します。そのため、植え込みや花壇などの縁取り、地被植物として利用することができます。
- 葉の特徴:本種の葉は、近縁種の葉と比べて長さが3cm程度と短く、形が線形で松の葉のような見た目をしています。線形の小さな葉は、繊細な見た目をしているため、薮のような野暮ったい印象を与えにくく洗練された印象を感じさせます。
- 花の美しさ:5月~8月の開花期になると、花が穂状に連なり咲くため華やかな花姿を見せます。この花は細長い管状をしているためシャープな見た目をしており、花の色は鮮やかな緋色または赤橙色をしているため華やかな色彩効果をうみだします。そのため、南国を想像させるようなトロピカルなお庭や、色をテーマにするカラフルなお庭などによく調和するでしょう。
- ゼリスケープ(乾式庭園):ペンステモン・ピニフォリウスは耐乾性がとても高い植物です。そのため、水資源を節約しながら作り出すゼリスケープに利用されることもあります。
- 育てやすさ:本種は耐寒性や耐乾性、栄養の乏しい環境に強いため比較的育てやすいです。しかし、夏場の多湿を苦手にしており、特に日本の夏の高温多湿で株が弱りやすい傾向があります。そのため、栽培時は夏の管理に注意が必要です。
ペンステモン・ピニフォリウスの園芸品種の紹介
●その他の品種
●アップルブロッサム
学名:Penstemon ‘apple blossom’
形態:草丈は約40~60cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形・線形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は口の広い漏斗状になり、花の色は淡い桃色で、花冠筒部が白色です。
本種の魅力:一般的なペンステモンと比べて矮性なためスモールガーデンや鉢植えで栽培しやすいです。地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また淡い桃色と白色の花が可愛らしさを感じさせます。
●ガーネット

学名:Penstemon × gloxinioides ‘garnet’
形態:草丈は約60~120cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形または線形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は漏斗状になり、花の色は鮮やかな桃色を基調として花冠筒部の内部が白色をしています。
本種の魅力:地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また鮮やかな桃色の花が可愛らしい色彩効果を生み出すため、可愛いをテーマにするお庭にもよく調和します。
●サンバーストアメジスト
学名:Penstemon x mexicali ‘sunburst amethyst’
形態:草丈は約50cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は口の広い筒状で、花の色は紫色を基調として、花冠裂片部が白色に紫色の脈が入ります。
本種の魅力:一般的なペンステモンと比べて矮性なためスモールガーデンや鉢植えで栽培しやすいです。地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また鮮やかな紫色の花色が高貴な印象を与え、気品のあるエレガントガーデンとよく調和します。
●ダークタワー
学名:Penstemon ‘dark towers’
形態:草丈は約50~80cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は披針形・線状披針形、葉の色は暗紫色・濃緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は筒状になり、花の色は桃色を淡い桃色・白色の複色です。
魅力:地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また桃色から白色の花色がグラデーションのような色彩効果を生み出し、可愛らしさを感じさせる品種です。また際立つ魅力として、本品種は葉の色が暗紫色で、重厚的なカラーリーフとして楽しめる点にあります。そのため、高貴な印象を与えるエレガントなお庭などによく調和するでしょう。
●ファイヤーバード

学名:Penstemon × gloxinioides ‘firebird’
形態:草丈は約60~120cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形または線形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は漏斗状になり、花の色は鮮やかな赤色をしています。
本種の魅力:地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また鮮やかな赤色の花と、濃赤色の萼と茎が派手さと華やかさを感じさせる品種です。
●プレーリートワイライト
学名:Penstemon ‘prairie twilight’
形態:草丈は約50cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は筒状になり、花の色は桃色または明るい紫色を基調として、花冠裂片部が白色をしています。
本種の魅力:一般的なペンステモンと比べて矮性なためスモールガーデンや鉢植えで栽培しやすいです。地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また鮮やかな桃色と白色の花色と、濃紫色の萼と茎が可愛らしさの中に上品さを感じさせる品種です。
●ルビーレース
学名:Penstemon ‘ruby lace’
形態:草丈は約40~60cm、生育型は叢生型で、茎は直立茎で基本的に分枝しない。葉は線状披針形、葉の色は緑色です。開花期間は5月~8月、花序は密錐花序で集散花序が総状に配置され、花は2唇形で花冠筒部は口の広い筒状になり、花の色は濃紫色です。
本種の魅力:一般的なペンステモンと比べて矮性なためスモールガーデンや鉢植えで栽培しやすいです。地面から多数の茎が垂直に伸びるため、ライン状の洗練された草姿を形成し、エレガントな雰囲気をつくります。垂直に伸びる茎に穂状に並び開花する花は、洗練された花姿を形成するため気品を感じさせ、また濃紫色の花が高貴さを感じさせます。そのため、エレガントガーデンなどによく調和します。