シロガネヨシ属(パンパスグラス)は属の中に約20種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページではいくつかの原種と、7種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■シロガネヨシ属(パンパスグラス)の主な種と園芸品種の紹介
パンパスグラス



パンパスグラスとは!
パンパスグラス(学名: Cortaderia selloana)は、別名では「シロガネヨシ」「お化けススキ」「コルタデリア・セロアナ」とも呼ばれるイネ科シロガネヨシ属の多年草です。
パンパスグラスの原産地はアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、パラグアイ、ウルグアイで、自生地は草原、荒れ地、湿地、河川沿い、海岸沿い等です。
パンパスグラスの特徴
- パンパスグラスの魅力:この植物の魅力は、巨人が食べる綿菓子を想像させるような美しい花穂にあります。この花穂は白色・ベージュ・薄い桃色の絹毛で覆われてフワフワとした外観をしており、長さは100cmに達するため強い存在感があり、庭園などの広い空間の中でも非常によく目立ち、フォーカルポイントとして働きます。そのため、園芸ではこの花穂を鑑賞する目的、または収穫してフラワーアレンジメントなどで楽しむ目的などで栽培されます。その一方で、世界の熱帯・乾燥帯・温帯の地域を中心に侵略的に広がり在来種を脅かす存在で、日本でも生態系被害防止外来種リストに掲載されています。また葉縁部に細かな鋸歯があり、肌が擦れると切れて怪我をしやすいです。そのため、栽培時はこれらに十分注意が必要です。
- 草姿:草丈は約200~400cm、生育型は叢生型で、株は根茎でゆっくり広がりながら株を充実させ群生をつくります。根茎から発生する茎(稈)には葉が密に互生し、この葉は細長く放射状に広がります。また開花期になると稈は小穂を付けます。
- 葉の特徴:葉は茎(稈)に互生につきます。葉の概形は線形で、長さは約60~200cm、色は緑色をしています。葉の向きは成熟度により変化し、生育初期は直立しますが、成熟してくると葉先端が湾曲して弧状に倒れる。そのため、複数の葉で作られる株の姿は噴水のようにドーム状に広がる外観となります。
- 花の特徴:開花期は8月~10月、花序は円柱状の円錐花序で、長さは約30~100cm、直立する花軸に多数の短い小枝が並び、小枝には多数の小穂が密につきます。小穂は基部に多数の長い絹毛が生え、絹毛は白色・ベージュ・桃色をしているため、花序全体は綿菓子のようなふさふさとした外観をしています。また本種は雌雄異株で、雌株と比べて雄株の花は絹毛が短く量も少ないため、見栄えとボリューム感が劣ります。
- 景観植物:パンパスグラスは、大株になると高さ400cmに達する事があり、長さ100cmに達する巨大な花穂を咲かせます。そのため、遠くから見ても強い存在感があり、景観のひとつとして楽しむ事ができます。
- フラワーアレンジメント:パンパスグラスは、白色・ベージュ・薄い桃色のふわふわとした花穂を収穫し、フラワーアレンジメントに利用できます。例えば、ドライフラワーやプリザーブドフラワーに加工して、花瓶などにいれて部屋に飾ったり、スワッグやブーケなどに入れる花材として利用するのも良いでしょう。アレンジメントの中にこの植物を加えることで、そのふわふわした質感がボリューム感を出したり、またナチュラルで素朴な見た目からカントリー調の雰囲気を演出することができます。
- 雑草化:パンパスグラスは、熱帯・乾燥帯・温帯を中心に世界中の広い地域で帰化しており、その繁殖力の高さから、在来種への影響が懸念されており、日本でも生態系被害防止外来種リスト(正式名:我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト)に掲載されています。本種が意図せず定着して取り除きたい場合は、手による抜き取り、またはグリホサート系の除草剤を利用して除草されます。
パンパスグラスの園芸品種の紹介
ロゼア(ピンク)
学名:Cortaderia selloana ‘rosea’
花の色:桃色
葉の色:緑色
草丈:約200cm
備考:開花期になると、ピンク色の綿菓子のような巨大な花穂が咲く品種です。そのため、恋心をくすぐるようなロマンチックなお庭や、可愛いをテーマにするお庭などによくあいます。
タイニーパンパス
学名:Cortaderia selloana ‘tiny pampas’
花の色:ベージュ
葉の色:緑色
草丈:約60cm
備考:矮性品種の中でも、特に草丈が60cm程度までにならない小さな品種です。そのため、スモールガーデンや鉢植えで育てやすくなっています。
ピンクフェザー

学名:Cortaderia selloana ‘pink feather’
花の色:桃色
葉の色:緑色
草丈:約100~250cm
備考:桃色の絹毛が密生し、上品な羽毛を想像させる豪華な花を咲かせる品種です。そのため、恋心をくすぐるようなロマンチックなお庭や、可愛いをテーマにするお庭などによくあいます。
ミニパンパス

学名:Cortaderia selloana ‘mini pampas’
花の色:白色・ベージュ
葉の色:緑色
草丈:約100cm
備考:名前が示す通り一般的なパンパスグラスと比べて矮性な品種です。そのため、スモールガーデンや鉢植えで栽培しやすくなっています。
プミラ

学名:Cortaderia selloana ‘pumila’
花の色:白色・ベージュ
葉の色:緑色
草丈:約100~180cm
備考:株は中型で、十分な大きさに成長し、開花期には長さ120cmに達する巨大な花穂をつけます。
ホワイトフェザー
学名:Cortaderia selloana ‘white feather’
花の色:白色
葉の色:緑色
草丈:約100~300cm
備考:白色の絹毛が密生し、上品な羽毛を想像させる豪華な花を咲かせる品種です。