スモークツリー(ハグマノキ)は属の中に約8種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、煙に例えられる花や紅葉する葉が魅力的なスモークツリー(ハグマノキ)やその園芸品種や、また雑種とその園芸品種等が親しまれています。
スモークツリー(ハグマノキ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
スモークツリー(ハグマノキ)の主な種の目次
①スモークツリー(ハグマノキ) 開花時期:5月~8月 | ②その他の園芸品種 |
スモークツリー(ハグマノキ)の特徴や園芸品種
原産:南ヨーロッパ/中央アジア/中国
学名:Cotinus coggygria
草丈:約200~700cm
分類:落葉低木
開花時期:5月~8月
花色:赤色●桃色●黄色●紫色●白色〇
葉色:緑色●黄色●赤色●紫色●黒色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:4月28日/6月18日/11月25日
花言葉:賢明/煙に巻く
用途:カラーリーフ/背が高い花/切り花
スモークツリー(ハグマノキ)とは!?
スモークツリー(ハグマノキ)は学名Cotinus coggygria、別名「白熊の木」や「スモークブッシュ(smoke bush)」等とも呼ばれる南ヨーロッパ及び中央アジア、中国が原産の落葉低木です。
スモークツリー(ハグマノキ)の語源(由来)
- 属名のCotinusはギリシャ語で「オリーブ」を意味する「kotinus」からきています。
- 種小名のcoggygriaはギリシャ語で「スモークツリー」を意味する「kokkugia」からきています。
- スモークツリーの由来は花の形が煙(スモーク)の様に見える所からきています。
- ハグマノキ(白熊の木)の由来は花がヤク(白熊)の毛を束ねて作られた仏具の払子に似ている所からきています。
スモークツリー(ハグマノキ)の特徴(魅力)
- スモークツリー(ハグマノキ)はその名前からも分かる通りスモーク(煙)を思わせる様な花姿が特徴です。
- ただし煙の様な花姿をつくるのは雌株のみです。
- 雄株の花の花糸は伸びないためスモーク状の花姿にはなりません。
- 雌株は花が終わると結実しなかった不稔性の雌蕊(花柱)が長く伸びてスモーク状の花姿をつくります。
- スモークツリー(ハグマノキ)の花は非常にボリューミーで独特なフォルムをしているため切り花やドライフラワーやプリザーブドフラワー等の花材として高い人気があります。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが約10~14日の日持ちがあります。
- ドライフラワーとしては自然乾燥させるか着色液で染めてブリザードフラワー等にして楽しまれます。
- スモークツリー(ハグマノキ)の葉は通常緑色ですが秋になると赤色(~橙色)から紫色に美しく紅葉します。
- 品種によっては赤色や紫色等の葉が一年(冬除く)を通して見られるためカラーリーフとしても楽しめます
- スモークツリー(ハグマノキ)はシンボルツリーとして高い人気があります。
- ふわふわとしたスモーク状の花や赤色や紫色等の色鮮やかな葉は遠くから見ても目立ち景観植物として働きます。
- スモークツリー(ハグマノキ)は育て方(剪定)により木(単幹)に育てたり株立ち状に育てる事が出来ます。
- スモークツリー(ハグマノキ)は夏の暑さや冬の寒さに強く非常に丈夫なため地植えした場合は放ったらかしでも育てられます。
- スモークツリー(ハグマノキ)を触ると人によっては被れる場合があります。
- 重症化する事はないものの肌が敏感な人は注意が必要です。
スモークツリー(ハグマノキ)の茎は木質で樹皮は灰褐色をしています。茎は枝分かれがよく広がる傾向があり高さ約200(~700)cm 、幅約200(~700)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は通常光沢のある緑色で秋になると赤色(~橙色)に紅葉します。また葉色は品種により赤色・橙色・黄色・紫色・黒色があります。葉身の大きさは長さ約3(8)cm × 幅は約2(6)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形です。花序は長さ約15~30cmの円錐花序、個々の花は直径約0.5(~1)cmあり花弁は5個、雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)があります。花後の果実は核果です。
スモークツリー(ハグマノキ)の切り花の楽しみ方
- スモークツリー(ハグマノキ)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- スモークツリー(ハグマノキ)の収穫は出来るだけ花柱が長く伸び綺麗に色付いたタイミングで行いましょう。
- 収穫したら根元割りを行い水揚げをよくします。
- 根元割りしたら花瓶に生けて楽しみましょう。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水換えと根元割りを行います。
- ↳管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは10~14日程度です。
スモークツリー(ハグマノキ)のドライフラワーの作り方
- スモークツリー(ハグマノキ)の収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫は出来るだけ花柱が長く伸び綺麗に色付いたタイミングで行いましょう。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させます。
スモークツリー(ハグマノキ)の栽培方法
園芸では、もくもくした煙の様な大きく豪華な花を鑑賞する目的だったり、その花を収穫して切り花として利用する目的だったり、幾つかの品種で見られる赤色の葉や紫色の葉をカラーリーフとして楽しむ目的で育てられる事が多いです。スモークツリー(ハグマノキ)は非常に大きく成長して目立つため、木(単幹)に仕立てシンボルツリーとしたり、株立ち状に仕立て生垣として利用されたり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
スモークツリー(ハグマノキ)を育てる際に注意する事は「日向に植える」くらいです。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため放ったらかしでも育ちます。また夏の暑さや冬の寒さにも強いため一度植えれば毎年花が楽しめます。
スモークツリー(ハグマノキ)の主な園芸品種
スモークツリー(ロイヤルパープル)は晩春から夏に赤色(~赤桃色)の煙状の花を咲かせますが、一般的に春から秋にかけて長く楽しめる紫色(~赤紫色)の葉をカラーリーフとして鑑賞する目的で育てられる園芸品種です。スモークツリー(ロイヤルパープル)は成熟すると高さ幅ともに非常に大きくなるため、お庭のイメージを作る景観植物として働きます。また上品な紫色と葉は、高貴(貴族等)な印象やミステリアス印象を与えるため、格式が高そうな気品のあるお庭や、ミステリアスで幻想的な雰囲気のお庭等によく会うでしょう。
スモークツリー(ワインクラフト ブラック)は季節により変わる葉色が魅力の園芸品種です。スモークツリー(ワインクラフト ブラック)の葉の色は春は濃い紫色、夏は殆ど黒色、秋になると赤色(~橙色)に美しく紅葉して、落葉する冬を除いて美しいカラーリーフが楽しめます。またスモークツリー(ワインクラフト ブラック)は樹高が180cm迄と非常に背が低いため、庭の花壇等でも育てやすい所も魅力です。一方で晩春から夏に紫色(~赤色)の煙状の花を咲かせますが、葉と比べるとあまり重要視されていません。
スモークツリー(ゴールデン スピリット)は季節により変わる葉色が魅力の園芸品種です。スモークツリー(ゴールデン スピリット)の葉の色は春は初々しいイエローグリーンで現れ、夏は鮮やかな黄色、秋になると赤色(~橙色)に美しく紅葉して、落葉する冬を除いて美しいカラーリーフが楽しめます。またスモークツリー(ゴールデン スピリット)は樹高が240cm迄と非常に背が低いため、庭の花壇等でも育てやすい所も魅力です。一方で晩春から夏に桃色の花は霞の様に咲きボリューム感が少ないため、葉と比べるとあまり重要視されていません。
スモークツリー(ヤングレディ)はクリーム色から薄桃色の煙状の花が、株を覆う様に咲く圧倒的ボリュームの花姿が魅力の園芸品種です。またスモークツリー(ヤングレディ)は樹高が180cm迄と非常に背が低いため、庭の花壇等でも育てやすい所も魅力です。葉色は緑色で秋になると赤色(~橙色)へと美しく紅葉します。
スモークツリー(リトルルビー)は一般的なスモークツリーと比較して成熟しても高さが200cm程度と矮性なため、小さなお庭や鉢植えでも育てやすい所が魅力の園芸品種です。また雌株では、結実しなかった桃色(~赤色)の雌蕊(花柱)が長く伸びるため、スモークのようにふわふわとした赤みの強い桃色の花が鑑賞出来ます。