アジアンタム(ホウライシダ)は属の中に約170~250種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、葉の羽片が扇状に広がり孔雀の尾羽を思わせる優雅な葉の形が魅力的なクジャクシダ、羽片が鳥足状につき優雅に葉が広がるアラゲクジャク、成熟すると葉が優雅に枝垂れるコバホウライシダ等が親しまれています。
アジアンタム(ホウライシダ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アジアンタム(ホウライシダ)の主な種の目次
クジャクシダの特徴や園芸品種
原産:日本/東アジア/北アメリカ
学名:Adiantum pedatum
草丈:約15~45cm
分類:多年草
開花時期:-
花色:-
葉色:緑色●赤色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
用途:カラーリーフ/グランドカバー/日陰植物
特徴:クジャクシダは学名Adiantum pedatum、別名「クジャクソウ」や「アジアンタム・ペダツム」とも呼ばれる日本及び東アジア、北アメリカ原産の多年草です。日本では北海道・本州・四国に分布しており、涼しく明るい森林内に自生しています。
クジャクシダの語源(由来)
- 属名のアジアンタム(adiantum)は古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味する「ἀδίαντον(adíanton)」からきており、葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
- 種小名のpedatumは「鳥の足の様な」を意味しており、葉の形に由来しています。
- クジャクシダの由来は羽片が「孔雀の尾羽」の様に扇状に広がる姿からきています。
クジャクシダの特徴(魅力)
- クジャクシダは「孔雀の尾羽」や「扇」に例えられる個性的な葉の形をしている所が特徴です。
- ↳非常に優雅に広がる葉の姿から観葉植物として人気が高いです。
- 芽(若芽)が赤色(~桃色)をしておりカラーリーフにもなります。
- クジャクシダは耐陰性が高く屋内で観葉植物として楽しまれたり
- ↳シェードガーデンで楽しむ事が可能です。
クジャクシダは地面下に短く匍匐する根茎をもっており、根茎から何本も葉柄を伸ばし叢生します。芽(若芽)の時は赤色(~桃色)をしており、成熟した葉柄の色は赤褐色、葉柄の下部には淡褐色のやや幅広い鱗片がつき、葉柄の長さは約15~40cmの間で成長します。葉の色は緑色もしくは赤色で毛は生えておらず、葉身は偽叉状で小羽片は四角形で縁部分が浅裂から中裂する。包膜は小羽片の縁部分(裂片の間)にあり胞子囊群は偽包膜(葉の縁部分が後方に曲がる)に保護されています。
クジャクシダの栽培方法
園芸では、孔雀の尾羽を連想させる優雅な葉の形を楽しむ目的だったり、赤色(~桃色)をした若芽を楽しむ目的で育てられる事が多いです。直射日光が当たらない間接光のみの場所で育てられるため、屋内で観葉植物やテラリウムとして楽しまれたり、シェードガーデン(日陰の庭)で地面を被覆する植物として利用されたりします。
クジャクシダを育てる際に注意する事は「強い日差し」や「乾燥」です。クジャクシダは基本的に強い日差しに当たると葉やけを引き起こし葉がボロボロになりやすいため、直射日光が当たらない日陰等で育てられます。また基本的に乾燥を許容しません。そのため土壌の保水性をよくしたり、土壌が乾燥しているようだったら必要に応じて水やりを行う必要があります。
クジャクシダの主な園芸品種
(´・ω・)p楽天で購入q |
アラゲクジャクの特徴や園芸品種
原産:インド/マレーシア/ポリネシア/オーストラリア/ニュージーランド/アフリカ
学名:Adiantum hispidulum
草丈:約30~50cm
分類:多年草
開花時期:-
花色:-
葉色:緑色●桃色●
耐暑性:普通
耐寒性:普通
用途:カラーリーフ/グランドカバー/日陰食物
特徴:アラゲクジャクは学名Adiantum hispidulum、別名「アジアンタム・ヒスピドゥラム」とも呼ばれるインド・マレーシア・ポリネシア・オーストラリア・ニュージーランド・アフリカが原産の多年草です。
アラゲクジャクの語源(由来)
- 属名のアジアンタム(adiantum)は古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味する「ἀδίαντον(adíanton)」からきており、葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
- 種小名のhispidulumはラテン語で「毛深い」「剛毛」を意味する「hispidus」からきており、葉柄が毛深い事に由来します。
アラゲクジャクの特徴(魅力)
- アラゲクジャクは葉柄に粗い毛があり英名rough maidenhair fernの由来にもなっています。
- 葉(葉身)は「孔雀の尾羽」や「扇」に例えられる個性的な葉の形をしています。
- ↳非常に優雅に広がる葉の姿から観葉植物として人気が高いです。
- 芽(若芽)が桃色をしておりカラーリーフにもなります。
- 包膜は円形で葉の縁部分に並びます。
- アラゲクジャクは耐陰性が高く屋内で観葉植物として楽しまれたり
- ↳シェードガーデンで楽しむ事が可能です。
- アラゲクジャクは他のシダ植物と比べて直射日光や乾燥に耐性があると評価されています。
アラゲクジャクは地面下に短く匍匐する根茎をもっており、根茎から何本も葉柄を伸ばし叢生します。芽(若芽)は桃色で、成熟すると葉柄の色は黒色から赤褐色になり、また葉柄には白色の剛毛が生えており、高さ約30~50cmの間で成長します。葉の色は緑色もしくは赤色、葉身は偽叉状で小羽片は四角形で縁部分が浅裂から中裂します。包膜は円形で小羽片の縁部分に並んでついています。
アラゲクジャクの栽培方法
園芸では、孔雀の尾羽を連想させる優雅な葉の形を楽しむ目的だったり、桃色をした若芽を楽しむ目的で育てられる事が多いです。直射日光が当たらない間接光のみの場所で育てられるため、屋内で観葉植物やテラリウムとして楽しまれたり、シェードガーデン(日陰の庭)で地面を被覆する植物として利用されたりします。
アラゲクジャクを育てる際に注意する事は「強い日差し」や「乾燥」です。アラゲクジャクは基本的に強い日差しに当たると葉やけを引き起こし葉がボロボロになりやすいため、直射日光が当たらない日陰等で育てられます。また基本的に乾燥を許容しません。そのため土壌の保水性をよくしたり、土壌が乾燥しているようだったら必要に応じて水やりを行う必要があります。
アラゲクジャクの主な園芸品種
アラゲクジャク |
コバホウライシダの特徴や園芸品種
原産:南アメリカ
学名:Adiantum raddianum
草丈:約30~50cm
分類:多年草
開花時期:-
花色:-
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:弱い
用途:グランドカバー/日陰植物
特徴:コバホウライシダは学名Adiantum raddianum、別名「カラクサホウライシダ」や「デルタ・メイデンヘアー・ファーン(Delta maidenhair fern)」とも呼ばれる南アメリカ原産の多年草です。
コバホウライシダの語源(由来)
- 属名のアジアンタム(adiantum)は古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味する「ἀδίαντον(adíanton)」からきており、葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
- 種小名のraddianumはイタリアの植物学者ジュゼッペ・ラッディ(Giuseppe Raddi)への献名です。
- コバホウライシダの由来はホウライシダと比べて葉が小さい所からきています。
- カラクサホウライシダの由来は葉の形が唐草模様を連想させる所からきています。
コバホウライシダの特徴(魅力)
- コバホウライシダは成熟するにつれて葉が枝垂れ
- ↳優雅な草姿をつくる事から観葉植物として高い人気があります。
- 小羽片(小葉)は「扇形」もしくは「三角形」をしており
- ↳小羽片の縁部分には凹の様な形の胞子囊群があります。
- コバホウライシダは耐陰性が高く屋内で観葉植物として楽しまれたり
- ↳シェードガーデンで楽しむ事が可能です。
コバホウライシダは地面下に短く枝分かれしながら匍匐する根茎をもっており、根茎から何本も葉柄を伸ばし叢生します。葉柄の色は黒紫色で輝きがあり、葉柄の下部には暗褐色の鱗片がつき、葉柄は基部から弧状に広がり長さ約30~50cmの間で成長します。葉の色は緑色、葉身の大きさは長さ15(~30)cm幅約6(~15)cmあり、葉身の形は3~4回羽状複葉して小羽片は扇形もしくは倒三角形で、縁部分が浅裂する。包膜は円腎形で小羽片の縁部分(裂片の間)にあり胞子囊群は偽包膜に保護されています。
コバホウライシダの栽培方法
園芸では、優雅に枝垂れる葉の形を楽しむ目的で鉢植えにして楽しまれる事が多く、屋内で観葉植物として楽しまれたり、またシェードガーデン(日陰の庭)で地面を被覆する植物として利用される事もあります。
コバホウライシダを育てる際に注意する事は「強い日差し」「乾燥」「寒さ」の3つです。コバホウライシダは基本的に強い日差しに当たると葉やけを引き起こし葉がボロボロになりやすいため、直射日光が当たらない日陰等で育てる必要があります。また基本的に乾燥を許容せず水が足りなくなると葉が枯れたり落ちる原因にもなります。そのため土壌の保水性をよくしたり、土壌が乾燥しているようだったら必要に応じて水やりを行う必要があります。また冬の寒さにも非常に弱いです。そのため屋外で育てている場合は屋内に移動する必要があります。
コバホウライシダの主な園芸品種
ミクロフィラム (´・ω・)p楽天で購入q | フリッツルーシー (´・ω・)p楽天で購入q | フレグランス(Fragrantissimum) (´・ω・)p楽天で購入q |
ホウライシダの特徴や園芸品種
原産:日本/アジア/ヨーロッパ/北アメリカ
学名:Adiantum capillus-veneris
草丈:約10~40cm
分類:常緑多年草
開花時期:-
花色:-
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:普通
用途:グランドカバー/日陰植物
特徴:ホウライシダは学名Adiantum capillus-veneris、別名「カラクサホウライシダ」や「デルタ・メイデンヘアー・ファーン(Delta maidenhair fern)」とも呼ばれる日本およびアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する常緑多年草です。日本では本州(関東以西)・四国・九州に分布しており、海岸や川沿いの岩場などに自生しています。
ホウライシダの語源(由来)
- 属名のアジアンタム(adiantum)は古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味する「ἀδίαντον(adíanton)」からきており、葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
- 種小名のcapillus-venerisはラテン語で「髪」を意味する「capillus」と、「金星」を意味する「veneris」の2語からなります。
- ↳英名のvenus hair fernは種名に由来します。
- ホウライシダの由来は桃源郷の「蓬莱」に由来すると言われています。
ホウライシダの特徴(魅力)
- ホウライシダの葉柄は黒紫色で光沢があります。
- 小羽片(小葉)は「扇」を連想させる個性的な葉の形をしており
- ↳2回羽状複葉に葉をつけます。
- 一般的な植物が嫌う様な湿気の多い日陰で育ちます。
- ↳そのため湿気が多く間接光しか当たらないような浴室等で楽しむ事も出来ます。
- ↳一方で乾燥する場所では葉が変色したり落ちるため育てられません。
ホウライシダは地面下に短く匍匐する根茎をもっており、根茎から何本も葉柄を伸ばし叢生します。葉柄の色は黒紫色で光沢があり、葉柄の下部には明るい褐色の鱗片が多数つき、葉柄は基部から弧状に広がり長さ約10~40cmの間で成長します。葉の色は緑色、葉身の大きさは長さ6(~27)cm幅約8(~24)cmあり、葉身の形は2回羽状複葉して小羽片は扇形もしくは倒三角形で、縁部分が浅裂する。包膜は小羽片の縁部分(裂片の間)にあり胞子囊群は偽包膜に保護されています。
ホウライシダの栽培方法
園芸では、個性的な葉の形や優雅に枝垂れる草姿を楽しむ目的で鉢植えにして楽しまれる事が多く、屋内で観葉植物として楽しまれたり、またシェードガーデン(日陰の庭)で地面を被覆する植物として利用される事もあります。
ホウライシダを育てる際に注意する事は「強い日差し」や「乾燥」です。ホウライシダは基本的に強い日差しに当たると葉やけを引き起こし葉がボロボロになりやすいため、直射日光が当たらない日陰等で育てられます。また基本的に乾燥を許容しません。そのため土壌の保水性をよくしたり、土壌が乾燥しているようだったら必要に応じて水やりを行う必要があります。
ホウライシダの主な園芸品種
ホウライシダ |
その他の種や園芸品種の紹介
ハスバシダ(adiantum reniforme) | アジアンタム・マクロフィルム(adiantum macrophyllum) |