ピラカンサ(トキワサンザシ)は属の中に約7~10種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、園芸品種が最も多く赤色の果実と真っ白な花が魅力的なピラカンサ(トキワサンザシ)、果実が蜜柑の橘を思わせるような外観と色をしているタチバナモドキ等が親しまれています。
ピラカンサ(トキワサンザシ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の主な種の目次
ピラカンサ(トキワサンザシ)の特徴や園芸品種
- 原産:ヨーロッパ/西アジア
- 学名:Pyracantha coccinea
- 草丈:約100~600cm
- 分類:常緑低木/常緑小高木
- 開花時期:4月~5月
- 果実時期:8月~12月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●黄色●紫色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:10月26日/11月23日
- 花言葉:慈悲/防衛/愛嬌/燃えゆる想い/美しさは貴方の魅力
- 用途:
- カラーリーフ/生垣
ピラカンサ(トキワサンザシ)とは!?
ピラカンサ(トキワサンザシ)は学名Pyracantha coccinea、別名では「スカーレット・ファイアソーン(Scarlet Firethorn)」とも呼ばれる常緑低木もしくは常緑小高木です。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の語源(由来)
- 属名のPyracanthaはギリシャ語で「火」や「熱」を意味する「pur」と、ギリシャ語で「棘」を意味する「akantha」の2語からなり、真っ赤に実る果実と、棘のある枝に由来します。
- 種小名のcoccineaはラテン語で「緋色」を意味しており、赤色の果実の色に由来します。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の特徴(魅力)
- ピラカンサ(トキワサンザシ)は秋から冬にかけて房状に実る真っ赤な果実が魅力の植物です。
- 園芸では果実や花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を囲う生垣として利用されたり、底の浅い鉢植えに植えられて盆栽として育てられたりしています。
- 樹形はブッシュ状で枝分かれがよく、生育旺盛なため徒長枝などがよく出て枝が暴れる傾向にあります。
- 枝には鋭い棘があります。
- 花は円錐状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせます。
- 果実は赤色で直径約0.6cmの球形をしており、晩夏頃から冬にかけて房状に実ります。
- 果実は渋く苦いため生で食べられる事はありませんが、自生地等ではゼリーやジャム等に加工した後で食べられる事もあります。
- 果実はヒヨドリなどの鳥が食べにくる事もあるため、木に集って赤色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく洗練された印象を与える白色の葉色などもあるため、品種によってはカラーリーフとしても楽しめます。
- ピラカンサ(トキワサンザシ)は年に数回剪定して形状がしっかり整えられるフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- ピラカンサ(トキワサンザシ)は、花や果実を楽しみながらも生垣としての機能(目隠し・耐風・防音など)をしっかり果たしてくれる所が魅力です。
- ピラカンサ(トキワサンザシ)は剪定を繰り返す事で細い枝葉が増え、 密に茂る生垣になります。
- ピラカンサ(トキワサンザシ)を生垣として利用する場合の植付け間隔は約50cmです。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の樹高は約100(~600)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよく密に枝が茂ります。枝には棘があり、樹皮の色は灰褐色です。
葉序は互生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄は0.2(~0.5)cm、葉身の大きさは長さ約2(~4)cm、幅約0.7(~1.5)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)もしくは卵形か披針形、ふち部に鋸歯があります。
花序は円錐花序(または散房花序)、円錐花序は円錐状に花が多数集まります。花は平開して、花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は20個、雌蕊は1個です。
果実はナシ状果(偽果とも呼ばれており、子房を包む花托が肥大して多肉質になり果実の大部分を占める)、ナシ状果は直径約0.6cm、形は球状、色は赤色もしくは橙色です。
ピラカンサ(トキワサンザシ)の園芸品種の紹介
- ハーレクイン(pyracantha coccinea ‘harlequin’)は、葉のふち部分に明るい印象を与える白色の覆輪が入り、また春になると葉全体がほんのり桃色に染まる事からロマンチックな雰囲気をつくるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。また他のピラカンサと同様に花を咲かせ、秋に真っ赤な果実を実らせます。樹形はブッシュ状、高さ約50~100cmに成長します。
- レッドスター(pyracantha coccinea ‘red star’)は、一般的なトキワサンザシと比べて棘の量が少ないため管理がしやすい所が魅力です。また花が多く多花性のため春は明るく輝くような雰囲気をつくり、秋には沢山の真っ赤な果実を実らせます。樹形はブッシュ状、高さ約100~300cmに成長します。
- レッドクッション(pyracantha coccinea ‘red cushion’)は、クッションの名前からも分かる通り一般的なトキワサンザシと比べて背が低くマウンド状のコンパクトな樹形を形成します。春に白色の花が円錐状に沢山咲き、秋に真っ赤な果実を実らせます。樹形はマウンド状、高さ約60(~120)cm、幅は約100(~150)cmに成長します。
- オレンジグロウ(pyracantha coccinea ‘orange glow’)は、花後に赤色の果実ではなく、南国の開放的な色を連想させるような橙色の果実を実らせる園芸品種です。樹形はブッシュ状、高さ約100(~250)cm、幅は約100(~250)cmに成長します。
楽天で購入 | ||
タチバナモドキの特徴や園芸品種
- 原産:中国
- 学名:Pyracantha angustifolia
- 草丈:約100~400cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:生垣
タチバナモドキとは!?
タチバナモドキは学名Pyracantha angustifolia、別名では「ホソバノトキワサンザシ」や「ナローリーフ・ファイアソーン(narrowleaf firethorn)」等とも呼ばれる常緑低木です。
タチバナモドキの語源(由来)
- 属名のPyracanthaはギリシャ語で「火」や「熱」を意味する「pur」と、ギリシャ語で「棘」を意味する「akantha」の2語からなり、真っ赤に実る果実と、棘のある枝に由来します。
- 種小名のangustifoliaは「狭い」を意味するラテン語の「angusti」と「葉」を意味する「folia」の2語からなり、葉の幅が狭い事に由来します。
- タチバナモドキの由来は果実の形や色が蜜柑の「橘(タチバナ)」に似ている事から、橘のモドキ(偽物)の名前がついています。
タチバナモドキの特徴(魅力)
- タチバナモドキは、種小名や英名からも分かる通り「葉の幅が狭く」長い所が特徴で、また蜜柑の「橘」やお餅を連想させるような横にポチャっと広がる可愛らしい外観をした橙色の果実が魅力的な植物です。
- 園芸では果実や花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を囲う生垣として利用されたり、底の浅い鉢植えに植えられて盆栽として育てられたりしています。
- 樹形はブッシュ状で枝分かれがよく、生育旺盛なため徒長枝などがよく出て枝が暴れる傾向にあります。
- 枝にはしばしば鋭い棘があります。
- 花は半球状に小花が集まるため、ボリュームある雰囲気をつくり、また白い花色が明るい印象や清潔感を感じさせます。
- 果実は橙色で大きさは直径約0.6cm、形は潰されたような扁球形をしており、晩夏頃から冬にかけて房状に実ります。
- 果実は渋く苦いため人が食べる事はありませんが、鳥にとっては貴重な食料源となっているため、木に集って橙色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- 果実は有毒なシアン化水素が少量含まれており、恐らく苦味の原因となっています。
- 果実は渋く苦いため人が食べる事はありませんが、鳥にとっては貴重な食料源となっているため、木に集って橙色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
- タチバナモドキは年に数回剪定して形状がしっかり整えられるフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- タチバナモドキは、花や果実を楽しみながらも生垣としての機能(目隠し・耐風・防音など)をしっかり果たしてくれる所が魅力です。
- タチバナモドキは剪定を繰り返す事で細い枝葉が増え、 密に茂る生垣になります。
- タチバナモドキを生垣として利用する場合の植付け間隔は約50cmです。
タチバナモドキの樹高は約100(~400)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよく密に枝が茂ります。枝にはしばしば棘があり、樹皮の色は黄褐色から赤褐色です。
葉序は互生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄は0.1(~0.3)cm、葉身の大きさは長さ約2(~5)cm、幅約0.5(~0.8)cm、葉身の形は狭楕円形もしくは倒披針形です。
花序は散房花序、散房花序は半球状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に花が多数集まります。花は平開して、花弁は5個、花弁の色は白色、雄蕊は20個、雌蕊は1個です。
果実はナシ状果(偽果とも呼ばれており、子房を包む花托が肥大して多肉質になり果実の大部分を占める)、ナシ状果は直径約0.6cm、形は潰れたような扁球形、色は橙色もしくは赤色です。
タチバナモドキの園芸品種の紹介
楽天で購入 | ||
カザンデマリの特徴や園芸品種
- 原産:ヒマラヤ(ネパール・ブータン・チベット等
- 学名:Pyracantha crenulata
- 草丈:約100~500cm
- 分類:常緑低木
- 開花時期:4月~5月
- 花色:黄色●白色〇
- 葉色:緑色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 用途:
カザンデマリとは!?
カザンデマリは学名Pyracantha crenulata、別名では「ネパール・ファーンソーン(Nepal firethorn)」や「ヒマラヤ・ファーンソーン(Himalayan firethorn)」等とも呼ばれるヒマラヤ(ネパール・ブータン・チベット等)を原産とする常緑低木です。
カザンデマリの語源(由来)
- 属名のPyracanthaはギリシャ語で「火」や「熱」を意味する「pur」と、ギリシャ語で「棘」を意味する「akantha」の2語からなり、真っ赤に実る果実と、棘のある枝に由来します。
- 種小名のcrenulataは「小さな丸い歯をもつ」を意味しています。
カザンデマリの特徴(魅力)
- カザンデマリは、枝を覆うように咲く花姿と赤色(赤橙色)の果実が魅力の植物です。
- 園芸では果実や花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、境界を囲う生垣として利用されたり、底の浅い鉢植えに植えられて盆栽として育てられたりしています。
- 樹形はブッシュ状で枝分かれがよく、生育旺盛なため徒長枝などがよく出て枝が暴れる傾向にあります。
- 枝には多くの鋭い棘があります。
- 花は短枝に半球状に小花が集まるためボリュームある花姿をつくり、また枝を覆うように花が咲きます。
- 果実は赤色で大きさは直径約0.8cm、形はやや潰れた球形をしており、晩夏頃から冬にかけて房状に実ります。
- 果実は渋く苦いため人が食べる事はありませんが、鳥にとっては貴重な食料源となっているため、木に集って橙色の果実を食べる鳥の姿を観察する事が出来ることもあります。
カザンデマリの樹高は約100(~500)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよく密に枝が茂ります。枝には多くの棘があり、樹皮の色は黄褐色から赤褐色、新鞘には毛があります。
葉序は互生葉序、葉色は光沢のある緑色、葉柄は0.2(~0.6)cm、葉身の大きさは長さ約2(~7)cm、幅約0.5(~1.8)cm、葉身の形は狭楕円形もしくは倒披針形、縁部分に鋸歯があります。
花序は散房花序、散房花序は半球状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に花が多数集まります。花は直径約0.6(~0.9)cm、形は平開して、花弁は5個、花弁の色は白色もしくは薄い黄色です。
果実はナシ状果(偽果とも呼ばれており、子房を包む花托が肥大して多肉質になり果実の大部分を占める)、ナシ状果は直径約0.8cm、形は球形、色は赤色もしくは赤橙色です。