- 原産:日本
- 科:メギ(Berberidaceae)
- 属:メギ(Berberis)
- 種:メギ(thunbergii)
- 別名:コトリトマラズ/ヨロイドオシ/ジャパニーズ バーベリー(Japanese barberry)
- 品種:赤葉メギ/アトロプルプレア(Berberis thunbergii ‘atropurpurea’)
- 開花時期:4月~5月
- 果実時期:10~11月
- 花の色:黄色●
- 葉の色:紫色●黒色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約120cm
- 誕生花:10月17日
- 花言葉:過敏/激しい気性/貴方の助けになる
- 用途:カラーリーフ/生垣
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
赤葉メギとは!?
赤葉メギは別名「メギ・アトロプルプレア」とも呼ばれ、殆ど黒色にも見える赤紫色の上品な葉が魅力的な園芸品種です。赤紫色の上品な葉は、奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、刺激的でありながら落ち着いた印象も与えるため、華やかでオシャレなお庭や、エレガントで優雅な雰囲気漂うお庭等によく合うでしょう。樹高は約180cmまで成長します。
メギとは!?
メギは学名Berberis thunbergii、別名「コトリトマラズ」や「ヨロイドオシ」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州、四国、九州に分布しており山地や丘陵等に自生しています。
メギの語源(由来)
- 属名のBerberisは、アラビア語でメギ属の中にある植物の「果実」を意味する「berberys」に由来しています。
- 種小名のthunbergiiは、スウェーデンの植物学者で博物学者のカール・ペーテル・ツンベルク(Carl Peter Thunberg)への献名です。
- メギ(目木)の由来は枝や根を煎じた物が洗眼薬として利用されていた事からきています。
- コトリトマラズの由来は枝に棘が多くて小鳥も止まらないという例えからきています。
メギの特徴(魅力)
- メギは、枝に鋭い棘があり、ブッシュ状に枝が密に茂る樹形が特徴の植物です。
- 園芸では葉色が豊富にある事からカラーリーフとして楽しまれる事が多く、庭木として利用されたり、生垣として利用されたりします。
- 樹形は株立ち状で、地際から何本も茎が立ち上がり、枝分かれがよくブッシュ状に密に茂ります。
- 枝の節や葉の付け根には0.5~1.2cmの鋭い棘があるため手入れをする際は注意が必要です。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色や、上品な印象を与える紫色の葉色、華やかな印象を与える赤色の葉色などがあるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事が出来ます。
- 葉は落葉性のため冬になると全て落ちてしまいます。
- 花は小さく葉の展開後に開花するためあまり目立ちません。
- 花は葉腋から散形花序もしくは総状花序に複数の花が咲き、鮮やかな黄色の花色をしています。そのため赤色や紫色の葉の品種を選ぶと、黄色の花との美しいコントラスト(対比)が楽しめます。
- 果実はグミのような可愛らしい外観をしており、多くは冬の間も残るため、花の少ないウィンターガーデンを華やかに彩ります。
- 果実は食味が悪いため食用にされることはほとんどなく、また鳥もあまり食べないようです。
- メギの生垣は、自然な樹形をいかしたインフォーマルな生垣として使われる事が多く、フォーマルな生垣のような整った形はしていません。
- メギは豊富な葉色があるためカラーリーフとして楽しみながら生垣を作れる所が魅力です。
- メギは鋭い棘があるため生垣を超えての人や動物の侵入を防ぐ事が出来ます。
- 枝は鋭い棘をもつため、歩行者が枝や棘で傷つかないように剪定してあげる必要があります。
- メギの生垣の植え付け間隔は50cm以上、成熟時の横幅を目安にしながら植え付けましょう。
- メギは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
メギの樹高は約100~200cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)で、枝分かれがよく密にブッシュ状に茂ります。樹皮は灰褐色から褐色をしており、茎には葉が変形した長さ約0.5(1.2)cmの鋭い棘があります。
葉序は長枝には互生葉序、短枝には束生(葉・花・茎等が1箇所から束状に生える)、葉色は緑色(品種により赤色・橙色・黄色・紫色・黒色等がある)、葉柄はあり、葉身の大きさは長さ約1(~5)cm幅約0.5(1.5)cm、葉身の形はヘラ形もしくは楕円形です。
花序は総状花序もしくは散形花序に約2(~6)個の花を付けます。花は直径約0.6cm、黄色の花弁が6個(基部に蜜腺がある)、雄蕊が6個、雌蕊が1個あります。
果実は液果(果皮のうち特に中果皮が水分を多く含む細胞になり液質もしくは多肉質な果実)、液果の大きさは長さ約0.7(~1)cm、形は楕円形、色は熟すと赤色になる。
メギの園芸品種の紹介
- 金メギ(Berberis thunbergii ‘Aurea’)は、別名「黄金葉メギ」や「メギ・オーレア」等とも呼ばれており、色鮮やかなイエローリーフが魅力の園芸品種です。一般的な種と比べると比較的に矮性で枝があまり伸びないため、剪定が基本的に不要で育てやすいと言われています。また葉の色は季節により変わり、春に最も鮮やかな黄色の葉は、夏になるとイエローグリーンへと変わり、秋になると橙色から赤色へと美しい紅葉を見せます。高さは約120cm × 幅は約150cmまで成長します。
- ローズグロウ(Berberis thunbergii ‘Rose Glow’)は、若葉に入る不規則な桃色の班と、成熟すると殆ど黒色になる上品な赤紫色の葉が魅力の園芸品種です。桃色と黒色(~赤紫色)の2色の葉色は小悪魔的な魅力を感じさせるため、可愛らしさの中に大人の雰囲気があるチャーミングなお庭等によくあいます。樹高は約150cmまで成長します。
- 赤葉メギ(Berberis thunbergii ‘atropurpurea’)は別名「メギ・アトロプルプレア」とも呼ばれ、殆ど黒色にも見える赤紫色の上品な葉が魅力的な園芸品種です。赤紫色の上品な葉は、奥ゆかしく艶やかな印象を与えたり、刺激的でありながら落ち着いた印象も与えるため、華やかでオシャレなお庭や、エレガントで優雅な雰囲気漂うお庭等によく合うでしょう。樹高は約180cmまで成長します。
- オレンジサンライズ(Berberis thunbergii ‘orange sunrise’)は殆ど丸い可愛らしい葉の形と、金色(~黄色)の縁取りのある赤色(~橙色)の葉色がエネルギッシュな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。一般的な種と比べると広がりが少なく垂直に茎が伸びるため花壇で高さとひ立体感を出したい時や鉢植え等で育てる時におすすめです。樹形は株立ち状で高さ約150cm × 幅は約50cmまで成長します。
- アドミレイション(Berberis thunbergii ‘admiration’)は高さ幅ともに約60cmまでしか成長せずコンパクトな樹形をしているため育てやすい所が魅力で、また金色(~黄色)の縁取りのある赤色(~橙色)の葉色が太陽の輝きを連想させるようなエネルギッシュな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形は株立ち状で高さ約60cm × 幅は約60cmまで成長します。
- ゴールデンロケット(Berberis thunbergii ‘golden rocket’)は一般的な種と比べると横への広がりが少なく垂直に茎が円筒形に成長する習慣(決まりのように繰り返す癖)があり、また明るい雰囲気をつくるイエローリーフが魅力の園芸品種です。明るい黄色の葉色は、単体でもお庭を明るく彩りポジティブな雰囲気を作りますが、対比する赤色や青色の葉や花と合わせるとカラフルで元気な雰囲気のお庭をつくる事も出来ます。高さは約120cmまで成長します。
- オレンジ ロケット(berberis thunbergii ‘orange rocket’)は、葉全体が珊瑚やトウガラシを連想させる様な赤色(~赤橙色)の葉色をしています。そのため、刺激的で華やかな印象やカジュアルで温かみを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は株立ち状、高さは約120~150cm、幅は約60~90cmに成長します。
- ゴールデン リング(berberis thunbergii ‘golden ring’)は、葉のふち部分に黄色の覆輪が入り、葉全体が濃い紫色(赤紫色)をしているため、上品で落ち着いた雰囲気の中に光輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状、高さ約120cm、幅は約120cmまで成長します。
- ボナンザゴールド(berberis thunbergii ‘bonanza gold’)は、葉全体が鮮やかな黄色の葉色をしているため、お庭の雰囲気を明るくしたりカジュアルで開放感を感じさせたりするイエローリーフとして楽しむ事が出来る園芸品種です。樹形は株立ち状で枝が密に茂りブッシュ状になり、高さ約50(~100)cm、幅は約50(~100)cmに成長します。
- クリムゾンピグミー(berberis thunbergii ‘crimson pygmy’)は、背が低く横へと広がるドーム状の樹形をつくる事から、花壇の縁どりや鉢植えなどでも育てやすく、また葉全体が赤紫色をしている事から華やかな中に上品さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる魅力的な園芸品種です。樹形は株立ち状で枝が密に茂りブッシュ状になり、高さ約30(~60)cm、幅は約60(~90)cmに成長します。
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メギの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
メギの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種等の紹介【2021】
赤葉メギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
赤葉メギは直射日光が6時間以上あたる日向から直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
作土層
赤葉メギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
赤葉メギは極端に水捌けの悪い土壌等を除き、様々な土壌に適応する能力があります。基本的には、水捌けがよく腐植がしっかり入った肥沃(生産性の高い土)な土壌を好むため、植え付けの前に土壌診断を行い、堆肥を入れなどしてしっかり土壌改善を行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
赤葉メギは日当りを好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
赤葉メギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
赤葉メギは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし夏場等で雨が降らず乾燥が続く場合や、土の中に指を入れて湿り気がない場合などは、水やりを行いましょう。
鉢植え
赤葉メギを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
赤葉メギはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。必要に応じて冬に土質を改善する堆肥と肥料を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びましょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施します。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
赤葉メギを剪定する目的は、古い枝を剪定して生産性の高い若い枝の成長を促したり、樹形を整えて美観や飛び出た枝が肌や服に引っかかる事を防ぐ目的で行われます。
剪定のやり方
- メギの剪定時期は晩冬(1月~2月)に計1回だけ、もしくは晩春(5月~6月)と秋(9月~10月)に再び剪定を行い計2~3回おこないます。
- 晩冬の剪定は株へのストレスが少なく、春からの回復も早いため、最も適した剪定時期です。
- 晩春と秋の剪定は形を整える目的で行います。多くの場合は春から夏にかけて強く成長するため樹形が乱れます。そのため生垣などで育てる場合は刈り込み剪定を行い、ある程度樹形を整える必要があります。
- 晩冬(1月~2月)のやり方
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している茎の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察してバランスを見ながら茎数本に1本の間隔で、古い枝(太い・色褪せている等)を根元近く、もしくは枝分かれさせたい節(芽)の上で剪定しましょう。
- 古い枝は新しい枝と比べて生産性が落ちており葉が少なくなったり、花が少なくなったりします。またエネルギーが古い茎にも分散されるため、生産性の高い新しい茎の成長が抑制される事があります。
- 樹形を制御するために地際から出てくる不要な蘖を、根元から間引き剪定して取り除きましょう。
- 必ず必要な作業ではありませんが、樹形を小さくコンパクトにしたい場合は、この時期に剪定します。好みの高さや幅で「バッサ」「バッサ」と刈り込み剪定もしくは切り戻し剪定しましょう。
- 冬は休眠中のため、強い剪定によるストレスや枯れこみが少なく、また春から強く成長するため回復も早いためです。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 晩春(5月~6月)と秋(9月~10月)の剪定のやり方
- 生垣などで育てる場合は樹形を整える目的で、軽い刈り込み剪定を行います。自然なシルエットを作るように丸みを帯びた樹形に刈り込むとよいかもしれません。
- 植物は春から初夏にかけて活発に成長するため多くの場合で樹形が崩れて、枝が奔放に伸びている場合があります。生垣として利用している場合は、枝が歩行者に当たり怪我をさせる事もあるため剪定が必要になる事もあります。
- 生垣などで育てる場合は樹形を整える目的で、軽い刈り込み剪定を行います。自然なシルエットを作るように丸みを帯びた樹形に刈り込むとよいかもしれません。
夏越しする方法
赤葉メギは夏の暑さに強く基本的に夏越し対策不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:4a~8b
赤葉メギは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は特にありません。
挿し木や株分けで増やす
メギは挿し木によって増やす事ができます。
メギの挿し木の方法
- メギの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ7~15cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に幾つかの節を入れ挿し穂を深く挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
メギの種蒔の方法
播種時期:周年
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
メギは寒さを経験しないと発芽しません。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)等に約6~8週間入れて寒さを経験させた後に種を撒く必要があります。処理を行うメリットは発芽が揃いやすい所にあります。
植物の病気
メギの病気
- サビ病
- うどんこ病
メギの害虫
- アケビコノハ