- 原産:北アメリカ/中央アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ヒマワリ/ヘリアンサス(Helianthus)
- 種:ヒマワリ(annuus)
- 別名:ニチリンソウ/ヒグルマ/ヒグルマソウ/ヒマワリソウ(日周り草)/コモン サンフラワー(common Sunflower)
- 開花時期:7月~9月
- 実の時期:8月~11月(開花後1ヶ月半~2ヶ月後)
- 花の色:赤色●橙色●黄色●茶色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約100~400cm(ギネスでは917cm)
- 誕生花:7月6日/7月20日/7月25日/8月5日/8月22日/8月31日
- 花言葉:愛慕/崇拝/情熱/私はあなただけを見つめる/あなたを幸福にする
- 用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒマワリ(向日葵)とは!?
ヒマワリ(向日葵)は学名Helianthus annuus、別名では「ニチリンソウ」や「ヒグルマ」や「コモン サンフラワー(common Sunflower)」等とも呼ばれる北アメリカ及び中央アメリカが原産の一年草です。日本では鑑賞用として栽培されていたものが逸出して日本各地で帰化しており道端や人家周辺等で自生しています。
ヒマワリ(向日葵)の語源(由来)
- 属名のHelianthusは古代ギリシア語で「太陽」を意味する「λιος(hḗlios)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語からきており、太陽を思わせる様な花の形に由来します。
- 種小名のannuusはラテン語で「毎年」「1年続く」を意味しており、ヒマワリが一年草である所に由来します。
- ひまわりの由来は太陽の動きに合わせて花が回るように動く所からきています。
ヒマワリ(向日葵)の特徴(魅力)
- ヒマワリは夏に開花する花を鑑賞する目的や花後に出来る種を収穫して食べたりペットや鳥等の餌に利用する目的で育てられる一年草です。
- ヒマワリの花は非常に大きく直径約10~40cmの大きさがあります。
- ヒマワリの花は外周を囲う舌状花と多数(800~3000)の筒状花で構成される頭状花序です。
- ヒマワリは茎が枝分かれすることなく単一の大きな花を咲かせる品種と枝分かれして沢山の花を咲かせる品種があります。
- 小花(筒状花)は螺旋状に配置され外側から内側に向かい開花します。
- ヒマワリは向日性の性質があり太陽の動きを追うように花が回転します。
- ヒマワリの豪華な花は切り花としても人気が高く管理の仕方にも左右されますが約5~8日の日持ちがあります。
- ヒマワリの種(果実の中身)は生のまま食べられたり焙煎されてスナック感覚で食べられたりします。
- 種はペットや鳥等の餌に利用される事もあります。
- 種は一つの花序に800~3000個つきます。
- ヒマワリは背が高く茎は垂直に100~400cm(ギネスの記録では917cm)の間で伸びます。
- ヒマワリは種撒きしてから開花が見られるまで約80日から120日です。
- ヒマワリは種から容易に育つため大量植栽しやすいです。
- 大量植栽されたヒマワリは素晴らしい景観をつくり爽やかで明るい雰囲気をつくります。
ヒマワリ(向日葵)の根は直根性で深さ300cmまで達する事があります。茎の色は緑色で粗い白色の毛が生えており、成熟すると茎は木質化します。茎は直立(殆ど垂直に伸びる)で通常枝分かれが少なく高さ約100(~400)cmの間で成長します。葉序は殆どが互生葉序(下部で対生葉序)、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約10(~30)cm、幅約5(~20)cm、葉身の形は卵形で縁部分に鋸葉があります。花序は直径約10(~40)cmの頭状花序で2種類の小花(筒状花・舌状花)で構成されています。舌状花の色は黄色もしくは赤色(~茶色)をしており約16~32個が花序の外周を囲むようにつきます。筒状花は緑色から黄色(橙色)で裂片が5個・雄蕊5個・2個の心皮が合着した雌蕊があり、一つの花序に約800~3000個あります。花後の果実は痩果、果実の形は卵形で長さ約1(~2.5)cm、果実の色は黒色もしくは白色か複色です。
ヒマワリの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 開花してるものを好みの長さで切りバケツに入れて収穫します。
- 水揚げは水に漬けて水切りと必要に応じて湯揚げを行います。
- 茎は産毛等の影響でバクテリアが増えやすく導管が詰まったり腐敗する原因となるため浅水の花瓶に延命剤(抗菌剤)もしくは漂白剤を1滴垂らして花瓶に生けましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 高温環境では日持ちが悪くなり花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは5~8日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
おすすめの延命剤
ヒマワリの花言葉(本数)
ヒマワリには様々な花言葉があります。またヒマワリの花言葉は、花の本数により意味が変わってくる事もあります。そのため事前に調べておき、ヒマワリの花束を贈る際などに、花言葉も添えてプレゼントすると喜ばれるかもしれません。
- 花束に1本
- 一目惚れ
- 花束に3本
- 愛の告白
- 花束に4本
- あなたを一生愛し続けます
- 花束に6本
- あなたに夢中です
- 花束に7本
- 密かな愛
- 花束に8本
- 思いやりに感謝します
- 花束に9本
- いつまでも一緒にいてほしい
- 花束に11本
- あなたは最愛の人です
- 花束に12本
- 私の最愛の人になって下さい
- 花束に40本
- あなたに永遠の愛を誓います
- 花束に99本
- 永遠の愛
- 花束に108本
- 私と結婚して下さい
ヒマワリ(向日葵)の収穫時期や食べ方の紹介
- 食用部分:種
- 収穫時期:開花後1~2ヶ月後(花が下を向き種が乾燥して膨らんでくる)
- 食べ方:スナック/サラダ/パン等
- 含有成分:不飽和脂肪(リノール酸・オレイン酸等)
- 効能:不飽和脂肪がLDLコレステロールを下げる
ヒマワリ(向日葵)の収穫
ヒマワリの種は開花後1ヶ月半から2ヶ月すると収穫出来るようになります。外観で確認すると、花は花首の所でお辞儀をする様に曲がり、花弁も殆どなくなり、種は乾燥して黒っぽく、膨らみ熟しています。
収穫は雨が数日降っていないタイミングで花の下の茎部分で剪定して収穫します。しっかり乾燥しているようであれば種を花から取り外して集めます。乾燥が足りない場合は茎の部分にゴムや紐をつけて逆さにして乾燥させましょう。
ヒマワリ(向日葵)の食べ方(スナック)
- ヒマワリの種の下準備をします。
- 種(正しくは果実)の殻を剥き種の中身を水洗いして汚れを取りましょう。
- オーブンを180度に予熱します。
- 天板にクッキングシートを敷き上に種を並べます。
- 予熱が終わったら種を乗せた天板を入れて10分程度加熱しましょう。
- 種が黄金色になっていたら完成です。
- 焙煎が十分でないと感じる場合は再度5分程度加熱します。
- 完成された種のスナックは塩をかけてツマミにしたりサラダに入れ食べる事が出来ます。
- 保存する場合は密閉容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
- 悪くなる前に出来るだけ早く食べてください。
おすすめの食用品種
- マンモスロシア(Mammoth Russian)
- ギガンテウス(Giganteus)
- サンジラ(Sunzilla)
- タイタン(Titan)
ヒマワリ(向日葵)の栽培方法
園芸では、大きく豪華な花を鑑賞する目的だったり、その花を収穫して切り花として利用する目的だったり、また花後に出来る種を収穫して利用する目的で育てられる事が多いです。ヒマワリは背が高くなる事から花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。色鮮やかな 黄色の花は、明るく元気のよい印象を与えるため、フレッシュで爽やかな雰囲気あるお庭や、赤色や青色等の複数の花を組み合わせカラフルなお庭を等によくあうでしょう。
ヒマワリ(向日葵)は春に種を撒き育てる一年草です。ヒマワリは移植を嫌うため、種は通常は直播きです。また根を深くまではるため、花壇に種を撒く前に十分な深さまで耕し種を撒きましょう。
ヒマワリ(ヘリアンサス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒマワリ(ヘリアンサス)の珍しい種類、主な種や園芸品種等の紹介【2021】
ヒマワリ(向日葵)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒマワリ(向日葵)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して綺麗な花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上当たる日向に植えましょう。日当たりの悪い環境では弱々しい茎となったり、光を求めて不規則な成長となる事があります。
作土層
ヒマワリ(向日葵)の根はとても深くまで張ります。そのため作土層は約30~50cmまでしっかり耕してくおくと生育がよくなります。
土壌の土質
ヒマワリ(向日葵)は栄養の乏しい土壌など幅広い土壌で育てる事が出来ますが、基本的には通気性がよく肥沃な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして握って土塊を作ってみます。
- バラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。必要に応じて保水性・保肥力を高める用土(黒土等)を混和しましょう。
- 土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
- 必要に応じて堆肥(腐葉土等)を混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒマワリ(向日葵)は日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
ヒマワリ(向日葵)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ヒマワリ(向日葵)は乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 しかし、やや湿り気のある土壌で最も生産性が高まるため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
ヒマワリ(向日葵)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヒマワリ(向日葵)は肥沃な土壌であれば肥料がなくても育ちますが、しっかり花を咲かせるため肥料を与える事は大切です。
肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中も追肥を定期的に与えましょう。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。また成分はリンとカリが多い製品を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
追肥
ヒマワリの追肥は、生育期間中持続的に行います。基本的には液肥で与えるといいでしょう。液肥で与える場合は10~14日に一度のペースで水やりの際に与えます。
また必要に応じて化成肥料や緩効性肥料を利用すると、省力化に繋がり追肥作業が楽になります。
剪定のやり方
ヒマワリ(向日葵)の剪定は品種によりことなります。
一株に一花を咲かせる品種であれば花がら摘みは不要です。種を収穫したら株を抜きとりましょう。
一株に沢山の花を咲かせる品種であれば、開花後に花が萎れてきたり花弁が散ってきタイミングで花がら摘みを行いましょう。花の下の節の部分で剪定して、次の開花を促しましょう。
播種で増やす
ヒマワリ(向日葵)の種蒔の方法
播種時期:4月~6月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約5日~10日
発芽条件:
ヒマワリ(向日葵)の種は一般に移植を嫌うため直播きされます。根が深くまで伸びるため播種の前にしっかり深くまで耕し、堆肥を入れておきましょう。
種を撒いたら指で軽く種を押(鎮圧)して上から1cm程度覆土しましょう。1度撒いた種は乾燥させると極端に発芽率が落ちるため、必ず土と種を乾燥させないように水やりを行い管理して下さい。