- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ヒマワリ/ヘリアンサス(Helianthus)
- 種:ヒメヒマワリ(debilis subsp.cucumerifolius)
- 別名:ヘリアンサス・デビリス/キューカンバーリーフ・サンフラワー(Cucumberleaf sunflower)
- 開花時期:7月~9月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草/多年草
- 草丈:約60~180cm
- 誕生花:8月15日/9月7日
- 花言葉:憧れ/崇拝/誘惑
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒメヒマワリとは!?
ヒメヒマワリは学名helianthus debilis subsp.cucumerifolius、別名では「ヘリアンサス・デビリス」や「キューカンバーリーフ・サンフラワー(Cucumberleaf sunflower)」とも呼ばれる北アメリカが原産の一年草もしくは多年草です。
ヒメヒマワリの語源(由来)
- 属名のHelianthusは古代ギリシア語で「太陽」を意味する「λιος(hḗlios)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語からきており、太陽を思わせる様な花の形に由来します。
- 種小名のcucumerifoliusはラテン語で「キュウリ」を意味する「cucumer」と、ラテン語で「葉」を意味する「folius」の2語からなります。
- ヒメヒマワリの由来はヒマワリと比べて小さな花姿からヒマワリにヒメの名がついています。
ヒメヒマワリの特徴(魅力)
- ヒメヒマワリはデビリス種(Helianthus debilis)の変種の一年草もしくは多年草です。
- ヒメヒマワリはヒマワリと比べて全体的に小さく茎はよく分枝して多数の花を咲かせる所が特徴です。
- ヒメヒマワリの花は直径約3.5~8cmの大きさがあります。
- 花色は通常は黄色ですが白色の花色をもつ品種もあります。
- ヒメヒマワリの花は切り花としても利用されており管理の仕方にも左右されますが約5~8日の日持ちがあります。
- ヒメヒマワリは種から容易に育つため大量植栽しやすいです。
ヒメヒマワリの茎の色は緑色で赤色(~紫色)の斑点があり、無毛もしくは白色の毛が生えています。茎は枝分かれが多く直立して高さ約60(~180)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄は長さ0.8(~8)cm、葉身の大きさは長さ約2.5(~9)cm、幅約2(~7.5)cm、葉身は三角形もしくは卵形です。花序は直径約3.5(~8)cmの頭状花序で2種類の小花(筒状花・舌状花)で構成されています。舌状花の色は黄色で約11~14個が花序の外周を囲むようにつきます。筒状花は茶色で裂片が5個あり、一つの花序に多数つきます。花後の果実は痩果です。
ヒメヒマワリの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 開花してるものを好みの長さで切りバケツに入れて収穫します。
- 水揚げは水に漬けて水切りと必要に応じて湯揚げを行います。
- 茎は産毛等の影響でバクテリアが増えやすく導管が詰まったり腐敗する原因となるため浅水の花瓶に延命剤(抗菌剤)もしくは漂白剤を1滴垂らして花瓶に生けましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 高温環境では日持ちが悪くなり花が萎れやすくなります。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは5~8日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
浅水法
浅水法とは花瓶等の容器に入れる水の量を減らして、浅い水で花を生ける方法です。
浅水は、水に浸かる茎の面積が減るため、腐敗のリスクを低減することが出来ます。そのため浅水は主に茎が柔らかく腐敗しやすい花等で行われます。
おすすめの延命剤
ヒメヒマワリの栽培方法
園芸では、夏に咲く鮮やかな黄色の花を鑑賞する目的だったり、その花を収穫して切り花として利用する目的で育てられます。比較的に背が高くなる事から花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。色鮮やかな 黄色の花は、明るく元気のよい印象を与えるため、フレッシュで爽やかな雰囲気あるお庭や、赤色や青色等の複数の花を組み合わせカラフルなお庭を等によくあうでしょう。
ヒマワリ(ヘリアンサス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒマワリ(ヘリアンサス)の珍しい種類、主な種や園芸品種等の紹介【2021】
ヒメヒマワリの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒメヒマワリは日光のよく当たる場所で最もよく成長して綺麗な花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上当たる日向に植えましょう。日当たりの悪い環境では弱々しい茎となったり、光を求めて不規則な成長となる事があります。
土壌の土質
ヒメヒマワリは自生地が砂浜などにあり、基本的に通気性や排水性のよい砂壌土を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして握って土塊を作ってみます。
- バラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。必要に応じて保水性・保肥力を高める用土(黒土等)を混和しましょう。
- 土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
- 必要に応じて堆肥(腐葉土等)を混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒメヒマワリは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
ヒメヒマワリは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ヒメヒマワリは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。
鉢植え
ヒメヒマワリを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヒメヒマワリは年に1回肥料を与えれば、基本的には追肥不要で育てられます。
元肥
元肥は植え付け時に与える肥料の事です。元肥は肥効が長い緩効性肥料を選びましょう。また成分はリンとカリが多い製品を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
剪定のやり方
ヒメヒマワリは開花後に花が萎れてきたり花弁が散ってきタイミングで花がら摘みを行いましょう。花の下の節の部分で剪定して、次の開花を促します。
夏越しする方法
ヒメヒマワリは夏の暑さに強いため、夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
ヒメヒマワリは軽い霜であれば、屋外で越冬することもありますが、強い霜の降りる地域では枯れてしまいます。そのため冬越しさせる場合は対策をとりましょう。
冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株を掘り起こして鉢植えに植え直し室内か温室に入れます。
- それも難しい場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
ヒメヒマワリの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約14日~21日
発芽条件:
ヒメヒマワリの種は一般に移植を嫌うため直播きされます。根が深くまで伸びるため播種の前にしっかり深くまで耕し、堆肥を入れておきましょう。
種を撒いたら指で軽く種を押(鎮圧)して上から1cm程度覆土しましょう。1度撒いた種は乾燥させると極端に発芽率が落ちるため、必ず土と種を乾燥させないように水やりを行い管理して下さい。
植物の病気
ヒメヒマワリの病気
- 斑点病
- 輪紋病
- うどんこ病
- 灰色カビ病
- さび病
- べと病
- 菌核病
- 青枯病
ヒメヒマワリの害虫
- ハダニ