科:キク(Asteraceae)
属:キク(Chrysanthemum)
種:ノジギク(japonense)
別名:野路菊
開花時期:10月~11月
花の色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約50cm
誕生花:
花言葉:
用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ノジギクとは!?
ノジギクは学名Chrysanthemum japonense、日本固有種で本州(兵庫より西)・四国・九州に分布しており、太平洋沿岸や瀬戸内海近くの山野に自生しています。ノジギクは明治17年に高知県出身の植物学者の牧野富太郎により仁淀川付近で発見・命名されました。現在は宅地造成等で数が減ってきており準絶滅危惧種に指定されています。
ノジギクの語源(由来)
- 属名のChrysanthemumは古代ギリシア語で「金」を意味する「χρυσός(chrysos)」と、「花」を意味する「ἄνθεμον」の2語からなり、花の色に由来しています。
- 種小名のjaponenseは「日本の」を意味しており自生地に由来します。
- ノジギクの由来は「野」や「路地」に生えるキクを意味すると言われています。
ノジギクの特徴(魅力)
- ノジギクは直径約3~5cmの花(頭花)を散房花序に多数咲かせます。
- 花(頭花)は白色の舌状花と黄色の筒状花で構成されています。
- 茎は白色の短い毛で覆われるため灰緑色をしています。
- 茎は直立もしくは倒れます。
- ↳越冬した茎から新芽が出て広がり大株へと成長していきます。
- 葉は縁部分が深く裂け小動物の掌の様な形をしています。
ノジギクの茎は緑色もしくは赤みを帯び白色の短い毛が密生するため灰緑色の外観をしています。茎は直立もしくは倒れて斜上になり分枝しながら高さは50cmまで成長します。葉は茎に対して互生葉序になり、葉色は緑色で白色のうぶ毛があり、葉身の大きさは長さ約3(~5)cm幅約2(4)cmあり、葉身は卵形で3回~5回羽状浅裂(~中裂)しています。花序は頭花が散房花序に集まり、個々の花(頭花)は直径約3~5cmで白色の舌状花と黄色の筒状花が組み合わさります。
ノジギクの切り花の楽しみ方
- ノジギクの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- ノジギクの収穫は花が4分の3以上開いてるものを選びます。
- 収穫したキクはバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら水に漬けて水折りを行いましょう。
- 水折りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳管理の方法でも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水折りと水換えを行います。
- ↳また花瓶の水に糖(小さじ1)もしくは延命剤(栄養入り)を入れると蕾が開きやすくなります。
水折り法
水折り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で茎を指でポキッと折り、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水折りはハサミと相性の悪い植物や、茎が硬い植物、茎の繊維が多い植物等に向いている水揚げ方法になります。水折りする事で茎の繊維の多くが剥き出しになるため、特定の植物では水切りよりも水揚げがよくなったりします。
水折りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水折りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水折りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中に漬けた状態で、茎の根元から約5cm上の部分に両手の親指を付けて、反対側に押すようにポキッと茎を折ります。
オススメの延命剤
ノジギクの栽培方法
ノジギクを育てる際に注意する事は殆どありません。綺麗な花を咲かせたい場合は「日向」に植えたり「肥沃」な土壌に植えて「肥料」や「水やり」をしっかり与える必要がありますが、基本的に丈夫なため放ったらかしでも育てる事が可能です。
キクの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
キクの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種等の紹介【2021】
ノジギクの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ノジギクは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所でも育てられますが茎が細く徒長して倒伏しやすくなったり開花が悪くなったりします。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌のPH
ノジギクは土壌のPH6.0~7.0の間を好みます。PHが高すぎたり低すぎたりすると要素障害を引き起こし葉が黄化(クロロシス)したり縁部分が褐色(ネクロシス)になり生育不良になる可能性が高くなります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
ノジギクは丈夫なため痩せ地でも育ちますが、その場合は貧弱な花しか咲きません。大きく綺麗な花を咲かせる場合は、保肥力が高く肥沃で適度に栄養成分も入った土壌で育てる必要があります。
そのため、植付けの前に土壌診断を行い、土壌改善を行いましょう。
土壌を掘る時に土が硬かったり濡らした土を握った時に塊が崩れない等する場合は、粘土に近い土壌のため必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れます。
逆に濡らした土を握った時に土がバラバラと崩れる場合は砂土に近いため、田土や黒土を混ぜます。
花壇の土が肥沃な土壌の場合は黒っぽい腐植の色をしています。それ以外の土色では肥沃さが足りない場合があります。その場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみましょう。
植える際の注意点
ノジギクは、夜の時間が長くなる事で花芽を形成する短日植物です。そのため、太陽とは別に人工照明が近くにあると日長に影響を与えて花が上手く咲かない事があります。基本的には人工照明のない場所に植付けてあげましょう。
鉢土づくり
日当り
ノジギクは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また3時間から5時間までの半日影でも育てる事が可能です。
培養土
培養土はキク専用の培養土があるため、それを利用するといいでしょう。自作する場合は、やや比重の重い、通気性・保水性・保肥力に優れた肥沃な土壌をつくり育てましょう。
- 黒土+腐葉土+赤玉土=5:3:2
- 赤玉土+腐葉土+牛ふん堆肥=5:3:2
- 荒木田土+腐葉土+川砂=5:3:2
水やりの仕方
地植え
ノジギクは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。
鉢植え
ノジギクを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ノジギクは放ったらかしでも育てられますが、花をしっかり咲かせるためには、元肥と追肥をしっかり与える事が大切です。
元肥
ノジギクの元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間に前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選びましょう。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びましょう。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
追肥
ノジギクの追肥は、定植後暫くは規定された量の緩効性肥料を与えます。花芽がついた後は沢山の肥料を欲しがるため液肥を併用します。液肥は2週間に一度のペースで与えましょう。
緩効性肥料は水平型(窒素・リン・カリのバランスが良い)の肥料を選びましょう。液肥はリン酸が多めに入る山型肥料を選びます。
剪定のやり方
ノジギクは剪定せずに育てる事も出来ます。コンパクトに花を咲かせボリュームのある株を作る場合は夏の間(7月~8月初めまで)に地面から10cmの所で切り戻しを行うといいでしょう。
夏越しする方法
ノジギクは夏の暑さに強く基本的に対策不要で育てられます。土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行い、乾燥で株が弱らないようにしましょう。
冬越しする方法
Hardiness:
ノジギクは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
翌年の成長に備えて、株の周囲に穴を掘り有機質肥料を入れたり、株元に堆肥を盛りマルチングしてあげるとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
挿し木の方法
- の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- ↳この頃になると新鞘がある程度成熟して弾力をもっており、未熟な枝と違い乾燥しにくく、また古い枝のように発根力が低くないため挿し木の成功率が高いです。
- 挿し穂は長さ約5~7cmで取ります。
- ↳その時に植物ホルモンが集中している節の少し下で、切り口を斜めにすると成功率が上がります。
- 挿し穂の下葉を落として30分程度水を入れたコップ等で水揚げを行います。
- 水揚げ後は切り口に発根ホルモンを付けて湿らせた培地に挿し穂を挿します。
- 土壌が完全に乾燥しない様に明るい日陰等で水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- ノジギクを株分けする時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株分けを行う前日夜に水をしっかり与えておくと株分け後の活着が良くなります。
- スコップを使い出来るだけ根を傷めないように外側から株を掘り起こします。
- 株を掘り起こしたら土を落とすため軽く振ったり手で優しく解しましょう。
- ↳土を落とすことで根が確認しやすくなります。
- 株の根元から芽(冬至芽)が出ているため、これを地下茎から切り取り移植します。
播種で増やす
ノジギクの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ノジギクの病気
- うどんこ病
ノジギクの害虫
- アブラムシ
- ハダニ
- スリップス