- 原産:アフリカ
- 科:アヤメ(Iridaceae)
- 属:フリージア(freesia)
- 種:ヒメヒオウギ(laxa)
- 同義語(synonym):Anomatheca laxa
- 別名:フリージア・ラクサ/アノマテカ・ラクサ/フラワーリング・グラス(flowering grass)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:赤色●桃色●橙色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約15~30cm
- 誕生花:6月20日
- 花言葉:歓喜/青春の喜び/楽しい思い出
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒメヒオウギとは!?
ヒメヒオウギは学名freesia laxa(synonym:Anomatheca laxa)、以前はアノマテカ(Anomatheca)属に会ったため現在も「アノマテカ・ラクサ」とも呼ばれており、また別名では「フリージア・ラクサ」や「フラワーリング・グラス(flowering grass)」とも呼ばれるアフリカ原産の多年草です。
ヒメヒオウギの語源(由来)
- 属名のfreesiaの由来は、デンマーク植物学者のChristian Friedrich Ecklonが、親友のドイツ人医師のフレーゼ(F・H・T・Freese)に献名した事に因みます。
- 種小名のlaxaはラテン語で「ゆるい」「ルーズ」を意味しています。
ヒメヒオウギの特徴(魅力)
- ヒメヒオウギは茎の頂部で横に水平に広がりながら数個の花を緩くつける可憐な花姿が魅力の多年草です。
- 花は直径約2cmと小振りで細い茎に疎らに咲かせる事から可憐で楚々とした雰囲気をつくります。
- 花は6個の花被片があり、ふつう3個の花被片の基部の色が濃くなります。
- 花色は赤色・桃色・橙色・青色・紫色・白色と非常に豊富です。
- ヒメヒオウギの葉は剣形で基部から扇形に広がり個性的な葉姿をつくります。
- ヒメヒオウギはフリージアと比べて比較的に耐寒性が高く育てやすい所が魅力です。
- ヒメヒオウギは理想的な環境では地面下の球茎(球形に肥大した地下茎)やこぼれ種によりどんどん広がり雑草化しやすいです。
ヒメヒオウギは草丈が約15(~30)cm、茎は直立もしくは斜上に伸び、地面下に球茎(球形に肥大した地下茎)があります。葉は基部から扇形に広がり、葉色は緑色、葉身は剣形をしています。花序は穂状花序、穂状花序はほぼ水平(横)に広がります。花は直径約2cm、花被片は6個、花被片の色は赤色・桃色・橙色・青色・紫色・白色があり、花被片の3個は基部の色がふつう濃くなり、雄蕊は3個、雌蕊は1個(先端で分岐)あります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
ヒメヒオウギの園芸品種の紹介
フリージアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
フリージアの珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
ヒメヒオウギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ヒメヒオウギは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
ヒメヒオウギは通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な砂壌土を好みます。雨の後もジメジメした状態が長く続いたり、浸水する様な土壌では球茎が腐敗したり軟弱な成長になったりします。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。必要に応じて田土や黒土などを入れ土壌を改善しましょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け方法
- 植え付ける時期は9月~11月です。
- 球根は約5cmの深さに植え付けます。
鉢土づくり
日当り
ヒメヒオウギは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
ヒメヒオウギの培養土は通気性の高い、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ヒメヒオウギは球根を植え付ける秋と花が咲く春は沢山の水を欲しがります。そのため春と秋は、土壌の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行いましょう。一方で、冬の休眠期と夏は水やりを減らし乾燥気味に育てます。
肥料の与え方
ヒメヒオウギの肥料は土壌から芽が出てきたタイミングで緩効性肥料を置き肥しましょう。肥料は多過ぎると、球茎や根がが腐敗する原因となるため注意が必要です。
おすすめの緩効性肥料
剪定のやり方
ヒメヒオウギは下から順に花が咲いていくため、個々の花が咲き終わるごとに一つ一つずつ摘んでいくと全体として花が長く楽しめます。花穂の全体が萎れてきたら花茎の根元から切り取りましょう。
夏越しする方法
ヒメヒオウギは夏になると地上部が枯れて球茎のみが残り休眠します。休眠中は乾燥気味の環境で育てる必要があり、長雨にあたりジメジメとした環境が続いたり高温多湿が続くと真菌(カビ)などの影響を受けて球茎が腐敗しやすくなります。そのため必要に応じて夏越し対策が必要です。
夏越し対策は「球茎の掘りあげる」「地植えのまま育てる」の2パターンがあります。球茎を掘りあげる場合は掘りあげ後の管理の仕方、地植えのまま育てる場合は土壌の排水性などが大切になります。
夏越し対策
- 梅雨前に球茎を掘りあげる場合
- 花が終わり葉が枯れてきたら梅雨前に球根を掘りあげます。
- 球根を掘りあげたら、葉を切り落として、腐敗の原因となる土を水洗いで綺麗に落とします。
- 直射日光の当たらない風通しの良い環境で暫く乾燥させます。
- 古い皮や根は病気の原因となる菌が潜んでおり腐敗の原因となるため取り除きます。
- 球根をネット袋などの中に入れて、風通しがよく雨の当たらない日陰で管理しましょう。
- 秋に植え直します。
- 地植えのまま育てる場合
- 周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動します。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
ヒメヒオウギは軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで育てることも可能です。ただし強い霜が降りる地域では枯れる可能性があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
ヒメヒオウギの冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヒメヒオウギは分球によって増やす事ができます。
ヒメヒオウギの分球方法
- ヒメヒオウギの分球時期は球茎を掘りあげて保存する初夏頃が最適です。
- 葉が枯れてきたらスコップを使い球茎を掘りあげます。
- 子球を取り外し、夏越し対策の所で説明した方法で秋まで保管します。
- 直径1cm以上の球茎は翌年開花する可能性がありますが、それ以下の球茎は開花する可能性が低くなります。
播種で増やす
ヒメヒオウギの種蒔の方法
播種時期:9月~10月・3月~4月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に撒き約0.5cm覆土します。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ヒメヒオウギの病気
ヒメヒオウギの害虫
- アブラム