- 原産:フィリピン諸島
- 科:マメ(Fabaceae)
- 属:ヒスイカズラ/ストロンギロドン(Strongylodon)
- 種:ヒスイカズラ/マクロボトリス(Strongylodon macrobotrys)
- 別名:ストロンギロドン・マクロボトリス/ジェードバイン(Jade Vine)/エメラルド・バイン(emerald vine)/ターコイズ・ジェードバイン(turquoise jade vine)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:青色●緑色●
- 葉色:緑色●
- 分類:常緑ツル性木本
- 登攀方法:巻き付き茎
- 草丈:約600~1800cm
- 花言葉:私を忘れないで
- 誕生花:4月13日
- 用途:壁面緑化
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒスイカズラとは!?
ヒスイカズラは学名Strongylodon macrobotrys、別名「ジェードバイン(Jade Vine)」や「ストロンギロドン・マクロボトリス」とも呼ばれるフィリピン諸島原産の常緑ツル性木本です。
ヒスイカズラの語源(由来)
- 属名のStrongylodonは古代ギリシア語で「丸形」や「球形」を意味する「strongylos」からきており、丸みを帯びる花の萼に由来します。
- 種小名のmacrobotrysは「大きい」や「長い」を意味する「makros」と、古代ギリシア語で「ぶどうの房」を意味する「botrys」の2語からなり、花の形と色に由来します。
- 和名のヒスイカズラの由来は花の色が宝石の翡翠を連想させる所からきています。
ヒスイカズラの特徴(魅力)
- ヒスイカズラは茎がつる性の性質を持つため壁面を登り成長する事が出来ます。花は「エメラルド」や「翡翠」などを想像させるような青みを帯びる緑色の花色をしており、鉤爪のような外観をした花が複数集まり逆さまに咲く花姿が非常にボリューミーで、また他の植物では見れないような個性的な外観をつくる植物です。
- 樹形はツル性、茎は基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎を他の植物や物体に絡ませて自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が右か左に旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花期は3月~5月、花序は長さが約100~300cmあり、逆さまに吊り下がるように咲いており、節ごとに約1~8個の花が束状に付くため、非常にボリューミーな花姿をつくります。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花ですが、花弁の形が鉤爪状になったり花弁が折りたたまれているため非常に個性的な外観をしており、その外観から羽根を折りたたんだ「蝶々」に例えられたりもします。
- このような外観になったのはコウモリがぶら下がり花の蜜を吸いやすくするためや、特定のコウモリの力を借りて受粉しやすくするために花の形が進化したと言われています。
- ヒスイカズラの宝石のような美しい青緑色の花色は、花弁にアントシアニンとフラボンが1:9の比率で同時に存在することから、見られる美しい色調です。
- 花の形はマメ科でよく見られる蝶形花ですが、花弁の形が鉤爪状になったり花弁が折りたたまれているため非常に個性的な外観をしており、その外観から羽根を折りたたんだ「蝶々」に例えられたりもします。
- 葉は小葉が3個集まり掌状に広がる形から、クローバーのような外観の葉の形をしています。
- ヒスイカズラは耐寒性が低いです。基本的に冬の寒さや霜に当たると枯れるため冬越しさせる場合は冬越し対策をする必要があります。
- 冬越しさせる方法は温室に入れたり、日光の当たる室内などに入れて上げる等の方法が考えられます。
ヒスイカズラの樹形はツル性(巻き付き茎)、茎の長さ約600(~1800)cm、茎の色は緑色もしくは紫色、茎は木質化すると灰褐色になります。※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は三出複葉、三出複葉は小葉が3個あり、小葉の長さ約7(~25)cm、幅は約5(~13)cm、小葉の形は卵形または楕円形、葉のふち部分が波打つ傾向にあります。
花序は総状花序に似ており、総状花序風の花序は長さが約100(~300)cm、節毎に花が約1(~8)個束状に束生して総状に並び花序は下向きに垂れ下がります。花冠は蝶形花冠、花弁は旗弁(1個)・翼弁(2個)・竜骨弁(2個)があり、雄蕊10個、雌蕊1個あります。花弁の色は青みを帯びた緑色、萼の色は青色から紫色です。
果実は豆果(1枚の心皮からなり、腹縫線と背縫線が一方もしくは二方ともが裂けて種子を放出する)、豆果は長さは最大15cm、形は円筒型、色は緑色から成熟すると 淡い褐色になります。果実には種が約12個入っており、種の形は楕円形です。
ヒスイカズラの園芸品種
ヒスイカズラの育て方
花壇の土づくり
日当り
ヒスイカズラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
ヒスイカズラは湿った森の中や小川のそばなどに自生しており、やや湿り気のある土壌を好みますが、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避ける必要があります。基本的に水はけの良い土壌を好むため、植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒスイカズラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
培養土
ヒスイカズラは通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ヒスイカズラは、浸水したり水分が停滞する様なジメジメした環境を嫌いますが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため定期的に水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
剪定のやり方
ヒスイカズラは剪定せずに育てる事も出来ます。ただし剪定せずに育てた場合、ツルが奔放に伸びて本来あるべき場所から逸出してしまったり、外観を崩してしまったり、またツルが成熟して古くなると生産性が落ちて花や葉の数が減る事があります。そのため必要に応じて剪定が行われます。
ヒスイカズラは茎が基本的に自立しないため、茎が巻き付くための資材を準備してあげる必要があります。資材があれば自らで茎を固定して成長するため基本的に誘引は不要です。
ツル誘引の目的と方法
ヒスイカズラは自らの茎を他の植物や物体に螺旋状に巻き付けて体を固定します。そのため、茎を巻き付けやすい園芸資材を準備してあげる必要があります。また花が下垂するように咲く傾向があるため、園芸資材は、バーゴラやアーチ等がおすすめです。ツルを這わせる資材を準備しておけば、自らの力で茎を固定して成長するため誘引は不要です。
ヒスイカズラの剪定方法
- ヒスイカズラの剪定は花が終わったら直ぐに行いましょう。
- 株全体を観察して枯れた枝・損傷した枝(折れてる枝等)・病気の枝を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している枝の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して不要と思われる枝を剪定しましょう。
- 間違った方向に伸びた枝は、外観を崩したり、歩行者のじゃまになったり、入るべき場所じゃない所に侵入して撤去が難しくなる可能性があります。そのため根元から剪定するか枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定しましょう。
- 生産性の落ちた古い枝は、葉が少なく外観を悪くしたり花の数を減らしたりする原因にもなります。古い茎を切る事でエネルギーが生産性の高い新しい芽や若い茎に向かうため、株全体のバランスを見ながら必要に応じて古い枝を剪定しましょう。剪定は古い茎の根元から間引き剪定するか、もしくは枝分かれさせたい部分の芽の上で剪定します。
夏越しする方法
ヒスイカズラは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:10b~11a
ヒスイカズラは基本的に冬の寒さと霜に耐えられません。そのため冬越しさせたい場合は気温が13度を下回らない温室または屋内に入れて管理するのが一般的です。
挿し木や株分けで増やす
ヒスイカズラは挿し木で増やす事も可能です。
挿し木の方法
- ヒスイカズラの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ヒスイカズラの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:
発芽日数:約
発芽条件:
植物の病気
ヒスイカズラの病気
ヒスイカズラの害虫