サポナリア属は属の中に約14~20種がありユーラシアの広い地域に分布する多年草です。一般に園芸では、地面を被覆する様に広がり晩春から夏にかけて株一面に花を咲かせるツルコザクラ、地下茎で広がり垂直に伸びる茎を群生させる様に伸ばしながら香りのよい花を咲かせるサボンソウ等が親しまれています。
サポナリアは基本的には夏の暑さや冬の寒さに強く手のかからない植物ですが、ジメジメとした過湿を嫌うため土質には注意が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①ツルコザクラ | ②サボンソウ |
原産:ヨーロッパ
学名:Saponaria ocymoides
草丈:約15~30cm
分類:常緑多年草
開花時期:5月~7月
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ツルコザクラは学名Saponaria ocymoides、別名「サポナリア・オキモイデス」や「ロック ソープワート(rock soapwort)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の常緑多年草です。主に岩場や石の多い場所等の乾燥した斜面等に自生しており、石灰質(アルカリ性)の土壌を好んでいます。和名「ツルコザクラ」の由来は茎がツル性に伸びシバザクラの花を連想させる所からきています。また種小名のオキモイデス(ocymoides)はラテン語で「バジルに似ている」(Ocimum)を意味して、類似点は少なく表面的なものと考えられています。
ツルコザクラの最大の特徴(魅力)は芝桜を連想させる様な地面を被覆する草姿と株一面に咲く美しい花姿にあります。茎は全体が赤みを帯びており、非常に分枝がよく這うように伸び斜上して直径約1cmの小さな花を穂状に咲かせます。葉は丸みを帯び白色の毛が生えるため、細く芝の様な葉を付けるシバザクラと比較する事が出来ます。
開花時期は晩春から夏、花色は赤色や桃色、白色があり、個々の花は花弁が5枚(5数花)もしくは八重咲き、花序は集散花序に咲きます。草姿は這性で高さ約15(30)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色で白色の毛が生え、葉身は卵形もしくは披針形、葉序は対生葉序につきます。
ツルコザクラは這うように広がる草姿から主にグランドカバーとして花壇やロックガーデン等に植えられており、特に花壇の縁沿いに植えれば上部から下部へと茎葉が垂れる優美な草姿を鑑賞する事が出来ます。花色は品種によって桃色や赤色、白色があり、お庭の雰囲気に合わせて可愛らしいロマンティックなお庭なら桃色の花を選んだり、明るくカラフルなお庭なら赤色の花を選ぶ等するといいでしょう。
ツルコザクラは挿し木や株分け、播種によって増やす事が出来ます。育てる際は冬の寒さにとても強い一方で、長雨等による夏の過湿を嫌うため土の排水性等には注意が必要です。
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原産:ユーラシア大陸
学名:Saponaria officinalis
草丈:約30~90cm
分類:多年草
開花時期:5月~7月
花色:桃色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:7月30日
花言葉:「清廉」「賢明な行動」
特徴:サボンソウは学名Saponaria officinalis、別名「シャボンソウ」や「ソープワート(common soapwort)」とも呼ばれるユーラシア大陸に広く自生するの多年草です。サボンソウ(シャボンソウ)の名前の由来は葉や根を煮沸した後、液体を石鹸として利用されていた事に由来しており、種小名のオフィキナリス(officinalis)はラテン語で「薬用の」を意味しています。
サボンソウの最大の特徴(魅力)は殆ど分枝せずに垂直に伸びる草姿と甘い香りのする穂状の花にあり、地面下には根茎でゆっくりと広がります。地面下にある根茎には「サポニン」と呼ばれる成分が含まれており、水に入れると泡立つ性質から油脂を落とす石鹸として利用されます。ただしサポニンは有毒なため基本的に食べる事は出来ず、過剰に摂取すると吐き気や下痢等を引き起こすため注意が必要です。根茎から伸びる茎は殆ど分枝する事なく垂直に何本も伸びて群生する様な草姿を作り、また倒伏も殆どなく広がりが少ないため洗練された見た目になるでしょう。晩春から夏にかけて咲く花は、夜に甘い香りを強く放つ事で知られており、個々の花は寿命が3日程と短いものの長い花穂に次々と小花を咲かせるため長く花を楽しむ事が出来ます。
開花時期は晩春から夏、花色は桃色もしくは白色、個々の小花は筒状で花先が5裂して直径約2.5cm、花序は集散花序に咲きます。草姿は直立して根茎により広がり高さ約30(90)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形もしくは披針形、葉序は対生葉序につきます。
サボンソウは挿し木や株分け、播種によって増やす事が出来ます。育てる際は冬の寒さにとても強い一方で、長雨等による夏の過湿を嫌うため土の排水性等には注意が必要です。
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