サポナリア属の種は約41種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは2種類の原種と、いくつかの園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■サポナリア属の簡易比較

学名:Saponaria ocymoides
生活形:多年草
草丈:約10~40cm
開花:5月~7月
花色:桃色・白色
葉色:緑色
生育型:匍匐型
備考:この植物は、ヨーロッパの山岳地帯の岩場や斜面などに自生しています。生育型は匍匐型で茎が地表を這いマット状に広がる性質があり、常緑のため年間を通して葉があり、晩春から夏にかけて花を咲かせます。本種の際立つ魅力は、耐乾性が非常に高いためロックガーデンなどで岩表面を覆う地被植物として利用できる点、ほふく性に広がる性質や枝垂れる性質を活かして地被植物やハンギング仕立てで楽しめる点、開花期になると株を覆うように花が咲くため桃色や白色の花絨毯が楽しめる点、葉が小振りなため緻密な見た目になり洗練された印象を感じさせる点などにあります。本種は基本的に、寒さや乾燥に強いですが、極端な高温や多湿を苦手にしているため栽培時には注意が必要です。

学名:Saponaria officinalis
生活形:多年草
草丈:約30~90cm
開花:桃色・白色
花色:桃色・白色
葉色:緑色
生育型:叢生型
備考:この植物は、生育型が叢生型で、地中にある根茎から多数の茎が直立し群生を作りながら、開花期の初夏から初秋になると淡い桃色の花を多数咲かせます。本種の際立つ魅力は、香りがよく可憐な見た目をしている淡い桃色の花にあります。この花は、夕暮れ頃から開花が始まるため、基本的に夜間に最も強烈な甘い芳香が漂い、昼頃になると香りはやや薄れます。また花は香りだけでなく鑑賞価値も高く、株を覆うように咲き誇る淡い桃色の花は、お庭で栽培すると可愛らしい印象や可憐な印象を添えることが出来るでしょう。またこの植物にはサポニンが含まれており、葉や根を煮ることで、サポニンが含まれる液体が抽出され、これは油脂を溶かすことが出来るため、ヨーロッパ等では布製品を洗う石鹸として古くから利用されていました。一方で、このサポニンには毒性があるため、食べることが出来ません。間違えて大量に摂取すると嘔吐・下痢・腹痛などを引き起こす可能性があるため食べないよう注意しましょう。
■サポナリア属の主な種と園芸品種の紹介
ツルコザクラ


ツルコザクラとは!
ツルコザクラ(学名: Saponaria ocymoides)は、別名で「サポナリア・オキモイデス」「ロック・ソープワート(rock soapwort)」とも呼ばれるナデシコ科サポナリア属の多年草です。
ツルコザクラの原産地はオーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイスで、自生地は山岳地帯の岩場、斜面、森林の開けた場所などにあります。
ツルコザクラの特徴
- ツルコザクラの魅力:この植物は、ヨーロッパの山岳地帯の岩場や斜面などに自生しています。生育型は匍匐型で茎が地表を這いマット状に広がる性質があり、常緑のため年間を通して葉があり、晩春から夏にかけて花を咲かせます。本種の際立つ魅力は、耐乾性が非常に高いためロックガーデンなどで岩表面を覆う地被植物として利用できる点、ほふく性に広がる性質や枝垂れる性質を活かして地被植物やハンギング仕立てで楽しめる点、開花期になると株を覆うように花が咲くため桃色や白色の花絨毯が楽しめる点、葉が小振りなため緻密な見た目になり洗練された印象を感じさせる点などにあります。本種は基本的に、寒さや乾燥に強いですが、極端な高温や多湿を苦手にしているため栽培時には注意が必要です。
- 草姿:草丈は約10~40cm、生育型は匍匐型で、茎の種類は匍匐茎または横臥茎(直立後に倒れ匍匐する)です。茎は旺盛に分枝して広がるため密なマット状になる傾向があり、また斜面があれば真下に下垂する性質もあります。
- 花の特徴:開花期は5月~7月頃、花序は密な2出集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせ、上記を繰り返します。花はナデシコ科の植物でよく見られるナデシコ型花冠になり、長い筒状の萼から5枚の花弁を展開させます。花の色は桃色または白色になり、株を覆うようにたくさんの花が咲くため、開花期には花絨毯が楽しめる植物です。
- 地被植物:ツルコザクラは、生育型が匍匐型で地表をマット状に広がります。そのため、絨毯のような地被植物として利用する事が可能です。本種の魅力は常緑で、年間を通して緑の葉で地面を覆える点や、開花期になると花が株を覆い花絨毯が形成される点、耐乾性が高いため砂礫質な場所やロックガーデンなどで利用出来る点などにあります。一方で、多湿環境や畑のような肥沃な土壌では生育不良になり、枯れてしまうことがあるため、栽培環境には注意が必要です。
- 枝垂れ植物:ツルコザクラは、草姿が匍匐型で茎は柔軟で壁面から真っ直ぐ下に下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できたり、またロックガーデンや石垣の側に植えると岩肌を被覆するように枝垂れる草姿が鑑賞できたりします。
サボンソウ


サボンソウとは!
サボンソウ(学名: Saponaria officinalis)は、別名で「シャボンソウ」「ソープワート(common soapwort)」「バウンシングベット(bouncing-bet)」「ワイルドスウィートウィリアム(wild sweet William)」「ソープウィード(soapweed)」とも呼ばれるナデシコ科サポナリア属の多年草です。
サボンソウの原産地はヨーロッパと西アジアで、自生地は野原や河川沿い、また人為的攪乱を受けた道端、牧草地、荒れ地などに見られます。
サボンソウの特徴
- サボンソウの魅力:この植物は、生育型が叢生型で、地中にある根茎から多数の茎が直立し群生を作りながら、開花期の初夏から初秋になると淡い桃色の花を多数咲かせます。本種の際立つ魅力は、香りがよく可憐な見た目をしている淡い桃色の花にあります。この花は、夕暮れ頃から開花が始まるため、基本的に夜間に最も強烈な甘い芳香が漂い、昼頃になると香りはやや薄れます。また花は香りだけでなく鑑賞価値も高く、株を覆うように咲き誇る淡い桃色の花は、お庭で栽培すると可愛らしい印象や可憐な印象を添えることが出来るでしょう。またこの植物にはサポニンが含まれており、葉や根を煮ることで、サポニンが含まれる液体が抽出され、これは油脂を溶かすことが出来るため、ヨーロッパ等では布製品を洗う石鹸として古くから利用されていました。一方で、このサポニンには毒性があるため、食べることが出来ません。間違えて大量に摂取すると嘔吐・下痢・腹痛などを引き起こす可能性があるため食べないよう注意しましょう。
- 草姿:草丈は約30~90cm、生育型は叢生型で、地中にある根茎から複数の直立茎を出し、 草姿は殆ど分枝しない直立茎が何本も伸びる整然とした群生を形成します。
- 花の特徴:開花期は6月~9月頃、花序は2出集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせ、上記を繰り返します。花はナデシコ科の植物でよく見られるナデシコ型花冠になり、長い筒状の萼から5枚の花弁を展開させます。花の色は白色または淡い桃色で、紫色に染まる萼とのコントラストも楽しめます。