ハブカズラ(ポトス)は属の中に約15種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は、オウゴンカズラとも呼ばれ黄金の様な美しい葉色と優雅に広がる草姿が魅力的なポトスとその園芸品種です。
ハブカズラ(ポトス)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ハブカズラ(ポトス)の主な種の目次
ポトスの特徴や園芸品種


- 原産:ソシエテ諸島
- 学名:Epipremnum aureum
- 草丈:約300~2000cm
- 分類:多年草
- 開花時期:自然開花は稀
- 花色:黄色●白色〇
- 葉色:緑色●黄色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:弱い
- 誕生花:4月17日
- 花言葉:長い幸/永遠の富/華やかな明るさ
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/壁面緑化/日陰植物
ポトスとは!?
ポトスは学名Epipremnum aureum、以前はポトス属(Pothos aureus)にありましたが、1962年に花が観察された際にハブカズラとの類似性が高まり、1964年にハブカズラ属に移動されました。属は移動されましたが、現在も以前の属名のポトスの名前で広く流通しており、また別名では「オウゴンカズラ」や「エピプレムヌム・アウレウム」とも呼ばれるソシエテ諸島が原産の多年草です。
ポトスの語源(由来)
- 属名のEpipremnumはギリシャ語で「上に」を意味する「epi」と、「茎」を意味する「premnom」の2語の造語です。
- 種小名のアウレウム(aureum)は「黄金」を意味しており、葉の色が黄金の様に見える事に由来しています。
- オウゴンカズラの由来は葉の色が「黄金」を連想させて、ツル状に伸びる草姿が「カズラ」を思わせる所からきています。
- ポトスの由来は以前の属がポトス(Pothos)属にあった事から、現在もこの名称で親しまれています。
ポトスの特徴(魅力)
- ポトスは光沢のある美しい葉や優雅に広がるツル性の茎を鑑賞する目的で育てられる植物です。
- 茎はツル性、多くの場合は匍匐するように茎が広がり地面や斜面を覆いますが、気根(付着根)を他の植物や物体に接着して自らの茎を固定して登る事も可能です。
気根(付着根)とは、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付く事が出来るため、岩壁や木造の構造物などを登る事が出来ます。
- そのため園芸では、気根の付着しやすいヘゴ支柱やトーテム・ポール等を準備したり、岩壁や木壁等に這わせて育てられます。気根が出て定着するまでに時間がかかる場合があるため、ある程度の誘引とサポートが必要です。
茎は匍匐して下垂するため、鉢植えやハンギングバスケットなどに植えられて優雅な樹形を鑑賞する目的で育てられたりします。
- 花は遺伝的障害があるため自然に開花する事は基本的にありません。ジベレリンを噴霧する事で開花が誘導され人工的に花が咲く事もあります。
- 花はサトイモ科でよく見られる肉穂花序をしており、多肉質な花軸に小さな花が多数つき、肉穂花序を包むように外周に仏炎苞があります。
葉は光沢があり、やや黄色みを帯びるため、和名「オウゴンカズラ」や学名「aureum(黄金)」の由来にもなっており、また多くの園芸品種は鮮やかな黄色や白色の班が入るため、園芸ではカラーリーフとして楽しまれます。
- ポトスは、密閉された空間でホルムアルデヒド等の汚染物質を除去して空気を浄化する事が研究で確認されており、観葉植物として育てる事で室内の空気の質を改善する事が出来ます。
- ホルムアルデヒドとはシックハウス症候群の原因の一つとして知られる物質です。粘膜を刺激するため目がチカチカとしたり、鼻水が出たり、喉の痛みや咳などを引き起こす原因となっています。
- ポトスはシュウ酸カルシウムの針状結晶を含有しているため、軽度な毒性があり食べる事は出来ません。
- ポトスを摂取すると、シュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で口内が炎症して荒れたり、嘔吐を引き起こしたり、尿路結石になる等のリスクが生じる可能性があります。また肌に樹液に触れた場合もシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因で炎症を引き起こす事があります。
- また人だけではなく猫や犬にとっても有毒なため、誤って食べないように注意する必要があります。
- ポトスは耐陰性が強いため屋内の観葉植物として育てられたりシェードガーデンに利用されたりします。
- 光量が50luxほどの場所でも生き残り、500lux~5000luxの場所で活発に成長します。ただし強光にあたると葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こし生育不良を引き起こすため注意が必要です。
ポトスは茎を水の中につけるだけでも容易に育てる事が出来ます。
- お洒落なガラス容器で育てるとインテリアとしても楽しめて、またガラスの中も観察出来るため根の成長も確認出来る所も魅力です。
ポトスの草姿はツル性(気根)、茎の長さは約300(~2000)cm、茎の直径は最大4cm、茎の色は緑色もしくは黄褐色になります。
※気根(付着根)は、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付き体を固定します。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はありcm、葉身の長さ約10(~20)cm、葉身の形は卵形もしくは先端が尖る心形をしています。※成熟した株では葉の大きさが長さは100cm、幅は45cmに達することがあります。
花序は肉穂花序、肉穂花序は多肉質な花軸に花柄のない小さな花が多数密生するようについており、肉穂花序を包む様に外周には仏炎苞があります。肉穂花序の色は白色から薄い黄色、仏炎苞の色は白色から薄い黄色をしています。
ポトスの水耕栽培のやり方

ポトスは土に植えなくても、水だけで育てる事が可能です。ポトスをガラス容器と水だけで育てた場合、中身が見えるため根の成長が楽しめたり、またお洒落なガラス容器を使うとインテリアにもなります。
ポトスの水耕栽培のはじめ方
- ポトスの水耕栽培は剪定することによって余る茎を使います。
- 茎はガラス容器の大きさに合わせて約10~20cmの大きさで切り、下部にある葉を取り除きます。
- 水が入ったガラス容器の中にポトスの茎を挿します。
- 管理場所は直射日光の当たらない500lux以上の場所で管理しましょう。
- 基本的には明るい場所の方が茎や葉の成長も良いですが、直射日光による強い日差しは葉焼けを引き起こすため避けて下さい。
- 成長を求めない場合は光量が50luxほどのやや暗い場所でも、枯れる事がなく株はある程度耐えてくれます。
- 水は定期的に替えて容器もしっかり洗いましょう。
- 水を替える頻度は、夏は頻繁に冬は少なくても大丈夫と季節によっても変わりますが、基本的には1~2週間を目安にして交換するとよいでしょう。
- 水を交換しない場合、水の中の酸素が減り根腐れを引き起こす原因となったり、雑菌が増えて根の周りがヌルヌルとなり腐敗して根腐れを引き起こす原因となったりします。
- ポトスは肥料がなくても光を浴びる事である程度成長しますが、しっかり成長させたい場合は液体肥料を与える事も大切です。
- 液体肥料を与える頻度は1~2ヶ月に1度のペースで与えてあげましょう。その際、肥効が強いと肥焼けする事も多いため水耕栽培用の液肥を利用しましょう。
おすすめの水耕栽培用の液肥
ポトスの園芸品種の紹介
ネオン(epipremnum aureum ‘neon’)は、葉全体がライムグリーンの鮮やかな色合いをしており、また発色よく光沢のある葉色がネオンサインの発光を思わせる魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
シャングリラ(epipremnum ‘Shangri La’)は、葉が2つに折りたたまれ不規則に捻れているため個性的な外観の葉の形をしており、濃い緑色の葉色が落ち着いた印象を与える園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~3000cmに成長します。
マーブルクィーン(epipremnum ‘marble queen’)は、主脈から葉ふち部分にかけて黄色(クリーム色)の班が入るため、かすれた様な印象や明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
Nジョイ(epipremnum aureum ‘njoy’)は、境界面でハッキリと分かれるように白色の班(切班)が入るため、洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
マンジュラ(epipremnum aureum ‘manjula’)は、フロリダ大学により品種改良された園芸品種です。葉の幅が広くハートのような外観をした葉の形が特徴で、主脈から葉ふち部分にかけて黄色(クリーム色)の班が入るため、かすれた様な印象や明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめます。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
ライム(epipremnum aureum ‘lime’)は、葉全体が黄色またはライムグリーンになるため、明るく開放的な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
エメラルド(epipremnum aureum ‘emerald’)は、宝石のエメラルドを思わせるようなやや青みがかる緑色の葉色をしており、また葉のふち部分を中心にクリーム色の班が入るため、明るい印象や落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
グローバルグリーン(epipremnum aureum ‘GLOBAL GREEN’)は、青みを帯びる濃い緑色の葉の中心に、ライムグリーンの班(中班)が入る二色の葉色が魅力的な園芸品種です。エメラルドグリーンの美しい葉色は、落ち着いた印象や安心感を与えたり、また南国の海を思わせるような開放感ある雰囲気を作ります。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
ゴールデン・ポトス(epipremnum aureum ‘golden pothos’)は、主脈から葉ふち部分にかけてかすれた様な黄色(クリーム色)の班が入るため、明るい印象やメッキの剥がれたような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
パール&ジェード(epipremnum aureum ‘pearls and jade’)は、品種名の真珠と翡翠からも分かる通り、真珠を思わせるような白色の班とエメラルドを思わせるような青みの入る濃い緑色の二色の葉色が魅力的な園芸品種です。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
スノークイーン(epipremnum aureum ‘snow queen’)は、葉の殆どの部分に白色の班が緑色の部分は殆どありません。班は主脈から葉のふち部分にかけて入るため、ホウキではいた様な掠れた色合いをしており、白色の葉色は明るく輝くような印象や洗練された雰囲気を作ります。草姿はツル性、長さ約100~300cmに成長します。
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