コマクサ属は属の中に約8種があり東アジアと北アメリカに自生する多年草です。一般に園芸では、幅が広めのハート形の花が可愛らしいハナケマンソウ、細長いハート形の花を咲かせるヒメケマンソウ、日本原産で灰緑色のパセリの様な葉とハート形の可愛らしい花が魅力的なコマクサ等が親しまれます。
コマクサは冬の寒さに強い一方で、夏の強い日差しや暑さを苦手にしているため夏越しの際は管理に注意が必要です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①ハナケマンソウ 開花時期:4月~6月・(10月~11月に再開花する事がある) | ②ヒメケマンソウ 開花時期:4月~6月・(10月~11月に再開花する事がある) |
③ディケントラ・ククラリア 開花時期:4月~6月・(10月~11月に再開花する事がある) | ④コマクサ 開花時期:7月~8月 |
⑤その他の種や園芸品種 |
原産:北アメリカ
学名:Dicentra formosa
草丈:約30~45cm
分類:多年草(宿根草)
開花時期:4月~6月(9月~10月に再開花する事がある)
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:ハナケマンソウは学名Dicentra formosa、 別名「アメリカコマクサ」や「ディケントラ・フォルモーサ」とも呼ばれる北アメリカを原産とする多年草です。アメリカ西部の湿り気のある森林や川岸などに自生しています。
ハナケマンソウの語源(由来)
- 属名のDicentraはギリシャ語で「2回」を意味する「di」と、「拍車」を意味する「kentron」の2語からきており、花の形に由来します。
- 種小名のformosaはラテン語で「美しい形」を意味しており、美しい花に由来します。
ハナケマンソウの特徴(魅力)
- ハナケマンソウはハートの形をした袋状の花が魅力です
- ↳花は春から初夏にかけて咲き稀に秋に返り咲く事があります
- ハナケマンソウはコマクサよりも花の幅が広く大きく膨らみます
- ↳ただしコマクサよりも花弁が短めです
- ハート形をした桃色の花は可愛らしくロマンチックな雰囲気をつくります
- ハナケマンソウの花茎は垂直に最大45cmまで伸び頂部で曲がります
- 葉は縁部分が深くカットされシダ植物の様な装飾的な形をしており
- ↳地面を被覆するグランドカバーとしても使えます
- ↳宿根草のため冬の間は葉がなくなります
- 耐陰性が高くシェードガーデン等で重宝されます
ハナケマンソウは地面下に根茎をもちます。葉は根茎から出る根生葉のみで構成されており、葉色は緑色、葉身は2~3回羽状に浅裂~深裂します。花茎は直立して上部が頷く様に曲がり高さ30~45cmに成長して、花が円錐状に約2~30個集まり円錐花序をつくり、個々の花はハートの形をしていて、花弁が4個あり基部で合着していて、外側の花弁は膨らみハートの様な形をつくり先端部分が横に開き内側の2個は垂直に伸び下に突き出ており、花の基部には二つの萼片がついています。花後に受粉すると中央部が枝豆の様に膨らみ果実(蒴果)が出来ます。
開花時期は春から初夏(秋に返り咲く事もある)、花色は赤色や桃色、白色があり、個々の花は花弁が4個(基部で繋がる)で外側の2個は袋状で先端が外に開き内側の2個は垂直になり、花序は花が2~30個集まり円錐花序をつくります。草姿は直立で根茎により広がり高さ約30(45)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は2~3回羽状に浅裂~深裂して、葉序は根生葉につきます。
ハナケマンソウの栽培
園芸では、ハナケマンソウの可愛らしい花を鑑賞する目的であったり、縁部分が深くカットされたシダ植物の様な装飾的な葉を鑑賞する目的であったり、地面を覆う被覆植物として利用する目的で育てられます。
ハナケマンソウを育てる際に注意する事は「夏の暑さ」「乾燥」「多湿」の3つです。基本的に夏の暑さや乾燥等に弱いため日向を避けた場所で管理したり、水やりをしっかりする等の対策が必要になるでしょう。また高温多湿によって根が腐敗して枯れる事もあるため、長雨に当たる事を避けたり土壌の排水性を高める等の対策も必要です。
ハナケマンソウ(オーロラ)はハート形をした白色の花を吊り下げるように咲く花姿と、シダ植物の様に深くカットされた装飾的な葉が清楚な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です | ハナケマンソウ(アルバ)はハート形に膨らむ白色の花と、シダ植物の様に深くカットされた装飾的な葉が清楚な雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です |
原産:北アメリカ
学名:Dicentra eximia
草丈:約30~45cm
分類:多年草
開花時期:4月~6月・9月~10月
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:ヒメケマンソウは学名Dicentra eximia、 別名「フリンジ ブリーディング ハート(fringed bleeding heart)」とも呼ばれる北アメリカを原産とする多年草です。主にアメリカ東部のアパラチア山脈に分布し岩場等に自生しています。
ヒメケマンソウの語源(由来)
- 属名のDicentraはギリシャ語で「2回」を意味する「di」と、「拍車」を意味する「kentron」の2語からきており、花の形に由来します。
- 種小名のeximiaはラテン語で「例外的な」「通常とことなる」を意味しています。
- ヒメケマンソウの由来はケマンソウを小さくしたような花姿からきています。
ヒメケマンソウの特徴(魅力)
- ヒメケマンソウはハートの形をした袋状の花が魅力です
- ↳花は春から初夏にかけて咲きしばしば秋に返り咲きます
- ヒメケマンソウはハナケマンソウよりも花の幅が狭く細長い外観をしています
- ↳外側の花弁の先端がハナケマンソウよりも大きくて横に大きく反ります
- ハート形をした桃色の花は可愛らしくロマンチックな雰囲気をつくります
- ヒメケマンソウの花茎は垂直に最大45cmまで伸び
- ↳頂部でアーチ状に曲がります
- 葉は縁部分が深くカットされシダ植物の様な装飾的な形をしており
- ↳地面を被覆するグランドカバーとしても使えます
- ↳宿根草のため冬の間は葉がなくなります
- 花後に出来る種にはエライオソームと呼ばれる蟻が好む粒子がついているため
- ↳蟻によって種が運ばれ予想外の場所から芽を出す事もあります
- 耐陰性が高くシェードガーデン等で重宝されます
ヒメケマンソウは地面下に鱗の様な鱗片のある根茎をもちます。葉は根茎から出る根生葉のみで構成されており、葉色は緑色、葉身は長さ約20~35cm幅約10~15cmあり2~4回羽状に浅裂~深裂します。花茎は直立して上部でアーチ状に曲がり高さ30~45cmに成長して、花は円錐状に5個以上の花が集まり円錐花序をつくり、個々の花はハートの形をしていて、花弁が4個あり基部で合着していて、外側の花弁は長さ2.5cmでハートの様な形をつくり先端部分が横に大きく開き、内側の2個は垂直に伸び下に突き出ており、花の基部には二つの萼片がついています。花後に受粉すると中央部が枝豆の様に膨らみ果実(蒴果)が出来ます。
開花時期は春から初夏(秋に返り咲く事もある)、花色は赤色や桃色、白色があり、個々の花は花弁が4個(基部で繋がる)で外側の2個は袋状で先端が外に開き内側の2個は垂直になり、花序は花が5個以上集まり円錐花序をつくります。草姿は直立して根茎によりゆっくり広がり高さ約30(45)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は3~4回羽状に浅裂~深裂して、葉序は根生葉につきます。
ヒメケマンソウの栽培
園芸では、ヒメケマンソウの可愛らしい花を鑑賞する目的であったり、縁部分が深くカットされたシダ植物の様な装飾的な葉を鑑賞する目的であったり、地面を覆う被覆植物として利用する目的で育てられます。
ヒメケマンソウを育てる際に注意する事は「夏の暑さ」「乾燥」「多湿」の3つです。基本的に夏の暑さや乾燥等に弱いため日向を避けた場所で管理したり、水やりをしっかりする等の対策が必要になるでしょう。また高温多湿によって根が腐敗して枯れる事もあるため、長雨に当たる事を避けたり土壌の排水性を高める等の対策も必要です。
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原産:北アメリカ/コロンビア
学名:Dicentra cucullaria
草丈:約15~30cm
分類:多年草
開花時期:4月~6月・(10月~11月に再開花する事がある)
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
特徴:ディケントラ・ククラリアは学名Dicentra cucullaria、 別名「ダッチマン・ブリッチーズ(Dutchman’s britches)」や「ダッチマン・ブリーチズ(Dutchman’s breeches)」とも呼ばれる北アメリカ・コロンビアが原産の多年草です。
ディケントラ・ククラリアの語源(由来)
- 属名のDicentraはギリシャ語で「2回」を意味する「di」と、「拍車」を意味する「kentron」の2語からきており、花の形に由来します。
- 種小名のcucullariaは「フード付き」を意味していて、花の形に由来します。
- 英名ダッチマン・ブリッチーズの由来は花の形と色が西洋で履かれていた白色のレギンスに似ている所からきています。
ディケントラ・ククラリアの特徴(魅力)
- ディケントラ・ククラリアは「レギンス」や「フード」等に例えられる可愛らしい袋状の花の形が魅力です
- ↳花の後方に角の様に突き出る距が非常に個性的な雰囲気をつくります
- ↳花は春から初夏にかけて咲きしばしば秋に返り咲きます
- ディケントラ・ククラリアの花茎は垂直に最大30cmまで伸び
- ↳頂部で3~14個の花が連なり吊り下がる様に花が咲きます
- 葉は縁部分が深くカットされシダ植物の様な装飾的な形をしており
- ↳地面を被覆するグランドカバーとしても使えます
- ↳宿根草のため冬の間は葉がなくなります
- 花後に出来る種にはエライオソームと呼ばれる蟻が好む粒子がついているため
- ↳蟻によって種が運ばれ予想外の場所から芽を出す事もあります
- 耐陰性が高くシェードガーデン等で重宝されます
ディケントラ・ククラリアは地面下に塊茎をもちます。葉は塊茎から出る根生葉のみで構成されており、葉色は緑色、葉身は長さ約10~36cm幅約4~18cmあり2~4回羽状に浅裂~深裂します。花茎は直立して高さ約15~30cmの間で成長して、花茎に3~14個の花が穂状に連なり総状花序につき、個々の花は白色で、形はハートの形で花弁が4個あり、外側の花弁は長さ約1~2cmで膨らみ後方に突き出る距があり先端部分は横へと反り黄色から褐色をしていた、内側の2個の花弁は下に垂直に伸びます。
開花時期は春から初夏(秋に返り咲く事もある)、花色は白色と黄色、個々の花は花弁が4個(基部で繋がる)で外側の2個は袋状で先端が外に開き内側の2個は垂直になり、花序は花が3~14個集まり総状花序をつくります。草姿は直立して高さ約15(30)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は3~4回羽状に浅裂~深裂して、葉序は根生葉につきます。
ディケントラ・ククラリアの栽培
園芸では、レギンスやフード等に例えられる個性的で可愛らしい花を鑑賞する目的であったり、縁部分が深くカットされたシダ植物の様な装飾的な葉を鑑賞する目的であったり、地面を覆う被覆植物として利用する目的で育てられます。
ディケントラ・ククラリアを育てる際に注意する事は「夏の暑さ」「乾燥」「多湿」の3つです。基本的に夏の暑さや乾燥等に弱いため日向を避けた場所で管理したり、水やりをしっかりする等の対策が必要になるでしょう。また高温多湿によって根が腐敗して枯れる事もあるため、長雨に当たる事を避けたり土壌の排水性を高める等の対策も必要です。
ディケントラ・ククラリア |
原産:日本/東アジア
学名:Dicentra peregrina
草丈:約10~15cm
分類:多年草
開花時期:7月~8月
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:弱い
耐寒性:強い
誕生花:7月28日
花言葉:「誇り」「貴重品」「高嶺の花」「気高い心」
特徴:コマクサは学名Dicentra peregrina、 別名「高山植物の女王」や「カラフトコマクサ」とも呼ばれる日本及び東アジアを原産とする多年草です。日本では北海道から本州に分布しており砂礫の多い高山等に自生しています。しかし野生の花の盗掘も多く姿を消した山も多数あります。
コマクサの語源(由来)
- 属名のDicentraはギリシャ語で「2回」を意味する「di」と、「拍車」を意味する「kentron」の2語からきており、花の形に由来します。
- 種小名の「peregrina」はラテン語で「外来の」を意味しています。
- 和名のコマクサの由来は花の形が馬(駒)に似ている所からきています。
コマクサの特徴(魅力)
- コマクサは花の形が「馬」に例えられる個性的な形をしており
- ↳外側の花弁が大きく横へとカールしています
- 葉は基部から出る根生葉だけで構成されており
- ↳ロゼット状に広がり地面を被覆します
- 葉は縁部分が深くカットされシダ植物の様な装飾的な形をしており
- ↳粉を吹いた様な白緑色で上品な雰囲気をつくります
- 常に風などで砂礫が動き他の植物では適応出来ないような環境でも生息しています
- ↳ただし盗掘も多くコマクサが消えた山も多数あるようです
コマクサの根は砂礫中を長く伸び時に50~100cmに達します。葉は根生葉のみで構成されロゼット状の草姿をつくり、葉色は白色の粉を帯びた様な白緑色、葉身は2~3回羽状に浅裂~深裂します。花茎は直立して高さ10~15cmまでになり、花茎の頂部で穂状に数個の花が集まり総状花序をつくり、個々の花は、花色が桃色(~赤色)で花弁が4個あり基部で合着していて、外側の花弁は外側に強く反り返り、内側の2個は垂直に伸び下に突き出ており、花の基部には二つの萼片がついています。花後に受粉すると中央部が枝豆の様に膨らみ果実(蒴果)が出来ます。
開花時期は夏から晩夏、花色は赤色や桃色、白色があり、個々の花は花弁が4個で外側の2個は外向きにカールし内側の2個は下側に突き出ており、花序は総状花序に小花が集まり咲きます。草姿は直立して高さ約10(15)cm × 幅は約15(20)cmまで成長します。葉色は緑色(~白緑色)、葉身は2~3回羽状に浅裂~深裂、葉序は根生葉につきます。
コマクサは根伏せもしくは株分けか自家採種した種を撒く事で増やす事が出来ます。育てる際は高山植物のため冬の寒さに強い一方で、夏の高温に弱いため注意が必要です。
コマクサ |
四季咲きコマクサ(バーニングハーツ)は学名Dicentra ‘burning hearts’、日本の塩崎晃氏によって、コマクサ(Dicentra peregrina)とヒメケマンソウ(Dicentra eximia)が交配され生まれた交雑種です。 四季咲きコマクサ(バーニングハーツ)の特徴は、ハート形に膨らむ花の形と、花弁の先が強くカールする所、葉がパセリの様に細く裂けて白銀色の葉色がシルバーリーフとしても魅力的な所等があり、ヒメケマンソウからは四季咲きを受け継いでおり春と秋に花を咲かせます。 開花時期は春から初夏(秋に再開花する場合もある)、花色は赤色個々の花は花弁が4個で外側の2個は外向きにカールし内側の2個は下側に突き出ており、花序は総状花序に花が集まり咲きます。草姿は直立して高さ約15(30)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色(~白緑色)、葉身は2~3回羽状に浅裂~深裂、葉序は根生葉につきます。 (´・ω・)p楽天で購入q | 四季咲きコマクサ(キングオブハーツ)は日本原産のコマクサと北アメリカ原産のハナケマンソウの種間交雑で生まれた園芸品種です。コマクサのコンパクトでパセリの様な可愛らしい灰緑色の葉と、ハナケマンソウの四季咲き性(秋に返り咲く事がある)の良い所が合わさり、春と秋に気品のある濃い赤色の花を咲かせます。高さ約30(45)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。 |