原産:南・西ヨーロッパ/西アジア
科:キク(Asteraceae)
亜科:アザミ(Carduoideae)
属:ヒゴタイ/エキノプス(echinops)
種:ルリタマアザミ/リトロ(ritro)
別名:エキノプス・リトロ/ウラジロヒゴタイ
開花時期:6月~9月
花の色:青色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約60~120cm
誕生花:7月11日/7月17日/8月14日
花言葉:「鋭敏」「権威」「傷つく心」「 豊かな感情」
用途:背が高い花/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ルリタマアザミとは!?
ルリタマアザミは学名echinops ritro、別名「エキノプス・リトロ」や「ウラジロヒゴタイ」とも呼ばれる西・南ヨーロッパ及び西アジア原産の多年草です。
ルリタマアザミの語源(由来)
- 属名のechinopsは古代ギリシャ語で「ハリネズミ」を意味する「ἐχῖνος(ekhînos)」と、「顔」「目」を意味する「ὄψ(óps)」の2語からなり、花がハリネズミの様な外観をしている事に由来します。
- 和名ルリタマアザミの由来は、花が「瑠璃(ルリ)色」で「玉(タマ)」の様な形をしており、葉が「アザミ」の様な形をしている所からきています。
ルリタマアザミの特徴(魅力)
- ルリタマアザミは「瑠璃」に例えられる濃い青色の宝石の様な花が魅力です。
- ↳青色の花は白色との対比が非常に美しく洗練された魅力をだします。
- 花は個性的な球形の形から切り花として花瓶に生けて利用されたりドライフラワーにしてフラワーアレンジメント等に利用されたりします。
- ↳切り花としては管理の仕方にも左右されますが日持ち7~10日程度です。
- 茎は殆ど枝分かれすることなく垂直に伸びて
- ↳上部でわかれ沢山の花を咲かせます。
- 干ばつに強く乾燥に長く耐える事から水やりの手間が殆どありません。
- ↳また肥料も殆ど必要としないため環境が合えば放ったらかしで育てられます。
- ↳ただし多湿に弱いため環境が悪いと夏の高温多湿で枯れる事もあります。
ルリタマアザミの茎は若い時は白色の毛が生えているため外観が白く、毛が落ちると緑色に戻ります。茎は分枝しないか上部で分枝して、横への広がりが殆どなく高さ約60(~120)cmまで成長します。葉は基部から出る根生葉もしくは茎に互生葉序につき、葉色は表面は緑色で裏面は白色、葉の大きさ長さ8(~20)cm幅約2(~8)cmあり、葉身は1~2回羽状中裂(~全裂)します。花序は直径約3(~5)cmの頭花で散房花序に花が集まり、個々の花は青色(~紫色)もしくは白色、長さ1.5(2)~cmの菱形の総苞から筒状の小花を出し球状に集まります。
開花時期は初夏から秋、花色は青色(~紫色)もしくは白色、個々の花は筒状で菱形の総苞から筒状の小花を出し、花序は小花が集まり直径約3~5cmの頭花をつくり散房花序に花を咲かせます。草姿は直立で上部で分枝して高さ約60(~120)cm × 幅は約30(~60)cmまで成長します。葉色は緑色もしくは白色、葉身は1~2回羽状中裂~全裂して、葉序は根生葉もしくは互生葉序につきます。
ルリタマアザミの切り花の楽しみ方
- ルリタマアザミの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- ルリタマアザミの収穫は花の色が変わってきたタイミングで行います。
- 収穫したルリタマアザミは葉を残すと水揚げが悪くなりまた直ぐに葉も萎れるため基本的には葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたらルリタマアザミを水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- 日持ちは管理の仕方で変わりますが約7~10日程度です。
- ↳管理は数日(約1~3日)ごとに水換えと水切りを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
ルリタマアザミのドライフラワーの作り方
- ルリタマアザミの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花が完全に開いた後の最高の色が出ているタイミングで行います。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させるのが一般的です。またこれ以外にも水の入っていない深めの花瓶に挿して花を楽しみながら乾燥させる方法もあります。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
ルリタマアザミの栽培
園芸では、宝石の様に美しい青色の花を鑑賞する目的だったり、切り花やドライフラワーとして花を利用する目的で育てられる事が多いです。スラリと伸びる茎は殆ど広がらず、垂直に60(~120cm)まで伸びるため花壇の中で高さや立体感を出す事ができます。また鉢植えの中でコンパクトに育てれば長雨を避ける事も出来ますし、玄関先等に飾る事も出来ます。
ルリタマアザミは育てる際に注意する事は「浸水や過湿」くらいです。基本的には栄養が乏しく乾燥した土壌でも育つため、環境が合えば放ったらかしでも育ちます。ただし、粘土質な土壌や浸水する様な土壌等で育てると、寿命が短くなったり枯れる事もあるため注意が必要です。
ヒゴタイ(エキノプス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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ルリタマアザミの育て方
花壇の土づくり
ルリタマアザミは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなったり生育が悪くなるため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。また長雨に当たると根腐れを引き起こしたり病気になりやすいため、軒下等の雨に当たらない環境で育てた方がよいかもしれません。
ルリタマアザミは根が深くまで張るためしっかり耕し作土層は深くしておく必要があります。乾燥に強く栄養の少ない不毛な土壌でも育つ一方で、雨が降った後いつまでも湿っている様な土壌では根腐れをまねき枯れる事もあるため注意が必要です。そのため、適度に有機物(腐葉土等)が入る砂質(川砂やパーライト等)が多い砂壌土に植えてあげるといいでしょう。
植付けの前に土壌診断を行い、必要に応じて通気性を高めるパーライトや軽石等を入れ、肥沃さを高める堆肥等の改良用土を入れて土壌を改善しましょう。
鉢土づくり
ルリタマアザミは日当り好むため直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし長雨が当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
ルリタマアザミは乾燥にとても強いため、地植えしている場合は基本的に降水のみで育てられます。
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になる事があります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
一方で水のやり過ぎは根腐れを引き起こし、生育不良になる可能性があるため注意が必要です。
肥料の与え方
ルリタマアザミは栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち基本的に肥料を必要としませんが、春に軽く肥料を与える事も出来ます。ただし多すぎる肥料は茎が徒長したり病気に弱くなる等の望ましくない結果を招く事も多いです。
肥料の与え方
- 肥料は基本的に不要ですが、与える場合は春に施肥しましょう。
- ↳必要に応じて土質を改善する堆肥を入れて緩効性肥料を置き肥します。
剪定のやり方
ルリタマアザミは定期的な剪定不要ですが、持続的な開花を促す目的で花を剪定する事が出来ます。
花は小花が落ちても、装飾的な総苞が長く残るため、花を切りとった後にドライフラワーとして再利用するのもいいでしょう。
冬越し後の株は春からの新しい成長を促す目的で、前年の古い茎を強く切り戻しましょう。
夏越しする方法
ルリタマアザミは夏の暑さの中でも問題なく成長しますが、長雨等により過湿が続くと根腐れを起こし株が弱る事があります。
ルリタマアザミの夏越し対策
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 土壌の排水性を高め浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:3a~9b
ルリタマアザミは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
挿し木や株分けで増やす
ルリタマアザミの株分け手順
- ルリタマアザミの株分け時期は成長が始まる前の早春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- 掘り起こした株をナイフ等を利用して、芽や根を付けた状態で個々に株を切り分けます。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
根挿しの方法
- ルリタマアザミの根挿しに適した時期は冬です。
- スコップで株を掘り上げて太い根を5~10cm前後で切り取ります。
- 無菌の挿し木用の培養土(バーミキュライトやピートモス等)を準備して少し湿らせておきます。
- 培養土の中に切り分けた根を横向きに埋めましょう。
- 芽が出るまで培養土を湿らせ管理します。
播種で増やす
ルリタマアザミの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約14日
光条件:
ルリタマアザミの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ルリタマアザミの病気
- うどんこ病
- 根腐れ病
ルリタマアザミの害虫
- アブラムシ
- フキノメイガ