
- 原産:南ヨーロッパ
- 科:セリ(Apiaceae)
- 属:オルラヤ(Orlaya)
- 種:グランディフローラ(grandiflora)
- 英名:ホワイトレースフラワー(white laceflower)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約10~80cm
- 誕生花:6月7日
- 花言葉:可憐な心/ほのかな想い/細やかな愛情
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オルラヤ・グランディフローラとは!?
オルラヤ・グランディフローラは学名Orlaya grandiflora、 別名では「ホワイトレースフラワー(white laceflower)」等とも呼ばれており、南ヨーロッパを原産とする一年草です。
オルラヤ・グランディフローラの語源(由来)
- 属名のOrlayaはモスクワの医師のJohann Orlayへの献名です。
- 種小名のgrandifloraはラテン語で「大きな」「壮大な」を意味する「grandis」と、「花」を意味する「flos」の2語からなり、大きな花を意味しています。
オルラヤ・グランディフローラの特徴(魅力)
- オルラヤ・グランディフローラは、レース模様の繊細な花姿と、パセリの葉にも似た羽状に裂ける装飾的な葉が魅力的な1年生の植物です。
- 花は非常に小さな花が茎の頂部で平面的(複散形花序)に集まり直径5cmの花を咲かせます。
- 花(小花)は外側の花弁が大きくなる傾向にあり、特に複散形花序の1番外側にある小花の外側の花弁2個が著しく大きくなります。
- 小花と小花の間には光を通す均一な空間があり、小花の花弁がレースの編み物の様な上品な模様をつくるため、花は繊細な印象を与えます。
- 葉は非常に細かく裂けて細くなるため、花と同様にレースの編み物の様な上品な外観をつくります。
- そのため雑多な印象を与えず、洗練された雰囲気をつくります。
- 花は収穫して切り花やフラワーアレンジメントの素材として利用されます。
- 花は白色でレースの編み物の様な形をしているため、部屋に飾ることで清潔感や上品な雰囲気をつくります。
- 切り花やフラワーアレンジメントとして楽しむ場合は持続的に収穫するため週をまたぎ数回にわけて種を撒くとよいかもしれません。
オルラヤ・グランディフローラは草丈が約10(~80)cm、根は直根性、茎は直立して、斜上に分枝します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身は2~3回羽状複葉、小葉は線形もしくは披針形です。花序は複散形花序、複散形花序は直径約5cm、散形花序が約8(~10)個集まる複合花序です。散形花序は外側の2個の花弁が大きくなる傾向にあり、特に複散形花序の外側の散形花序の外側の小花の外側の2個の花弁が著しく大きくなります。花は花弁が5個、花弁の色は白色です。果実は楕円形で直径約0.2cm、目立つ稜があります。果実は卵形、長さ0.7(~0.9)cm、棘が密生します。
オルラヤ・グランディフローラの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花(小花)が半分以上が開き、茎に弾力が出てきたタイミングで行うとよいでしょう。あまり収穫が早いと萎れやすくなります。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは湯揚げを行います。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果によって蕾が開きやすくなったり腐敗が抑制され日持ちが長くなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約3~7日です。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
湯揚げ
湯揚げとは約80度に沸騰させたお湯に切り花の切り口をつけて、内部の気泡(空気)を膨張させて外に押し出し、水揚げを改善する方法です。
①湯上げする際は熱や水蒸気が余計な部分に当たらないように切り花の下部(約20cm)を残して花全体を新聞紙で包みます。
②切り花をお湯につけた後は冷水に浸ける必要があるため、予めバケツ等に冷水を入れて準備しておきましょう。
③鍋で沸騰させたお湯(約80度)に約30秒ほど切り花の切り口をつけましょう。
④お湯に浸け終わったら予め準備しておいた冷水に浸けて2時間程度水揚げを行います。
⑤水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い再度花瓶に生けて楽しみます。
おすすめの延命剤
- 花に十分な栄養を与え、花を大きく咲かせ、蕾をしっかり開かせます。
- 水のみと比べて切り花の日持ちが大幅に長くなります。
- pHを下げて雑菌の増殖を抑制して、水揚げを促進します。
- 萎凋や変色を抑制します。
- 花瓶の中の水のぬめりを抑え水を清潔に保ちます。
- 全ての切り花に利用できます。
オルラヤ・グランディフローラの園芸品種の紹介
レースフラワーの種類は下記のリンクから紹介しています。
レースフラワーの種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
オルラヤ・グランディフローラの育て方
花壇の土づくり
日当たり
オルラヤ・グランディフローラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花が小さくなる可能性があります。
作土層
オルラヤ・グランディフローラがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
オルラヤ・グランディフローラは土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オルラヤ・グランディフローラは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花が小さくなる可能性があります。
培養土
オルラヤ・グランディフローラは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
オルラヤ・グランディフローラは乾燥に強いため地植えしている場合は降水のみでも育てられます。ただし生育初期や成長期に十分に水が与えられる事で最も生産性が高ままります。そのため土の表面(数cm)が乾いてきたらしっかり水やりを行いましょう。
鉢植え
オルラヤ・グランディフローラを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
オルラヤ・グランディフローラは、有機物を含む十分肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。植え付け時に土質を改善して元肥を入れておきましょう。栄養の乏しい土壌で育てる場合、鉢植えで育てる場合などは栄養が足りなくなる事があるため定期的に肥料を与えましょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料は肥効が長く続く配合肥料もしくは緩効性肥料を選び、成分は山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は規定された量を土壌に入れます。
- 緩効性肥料の場合は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥を行います。
- 配合肥料の場合は、植え穴に有機肥料や配合肥料を施して、穴(溝)に少量の土を戻し、その上に苗を植え付ける溝施肥を行いましょう。
追肥の与え方
- オルラヤ・グランディフローラの追肥は生育期間中に行う肥料です。
- 本葉が出てきたら与え始めます。
- 追肥は肥料の効きが早い速効性肥料を選びましょう。
- ふつうは液肥を定期的に与えます。
- 肥料の与え方は7~10日の頻度で水やりの際に液肥を一緒に与えましょう。
播種で増やす
オルラヤ・グランディフローラの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約7日~21日
発芽条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、直播きする場所の土壌を整えるか、ポットに種まき用の培養土を入れて準備します。
- 直根性で移植を嫌うため基本的には直播きしましょう。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に0.1cmほど薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
- 本葉が2枚出てきたら約10~20cm間隔で間引きましょう。