原産:南アフリカ
科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
属:ツルバギア(Tulbaghia)
種:ビオラセア/ルリフタモジ(violacea)
別名:ツルバギア・ビオラセア/ソサエティ ガーリック(Society Garlic)
開花時期:5月~10月
花の色:桃色●紫色●
葉色:緑色●黄色●
分類:多年草
草丈:約30~60cm
花言葉:「残り香」「小さな背信」「落ち着きある魅力」
誕生花:12月10日/11月28日
用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/香りが良い/切り花
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ルリフタモジとは!?
ルリフタモジは学名Tulbaghia violacea、別名「ツルバギア・ビオラセア」や「ソサエティ ガーリック(Society Garlic)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。
ルリフタモジの語源(由来)
- 属名のTulbaghiaはオランダ領だった頃のケープの知事を務めたRyk Tulbaghにちなみます。
- 種小名のviolaceaは「紫色」を意味しており花の色に由来しています。
- ルリフタモジの由来は花色が「瑠璃」の色を思わせる所と、葉が「ニラ(二文字はニラの異名)」に似ている所からきています。
ルリフタモジの特徴(魅力)
- ルリフタモジは地面下に、根が肥大化した塊茎をもちます。
- 塊茎は年々増えて広がり群生をつくります。
- ルリフタモジは晩春から秋にかけて長く開花する花が魅力です。
- 花茎を最大60cmまで伸ばし頂部に紫色(~桃色)の花を8~20個つけます。
- ツルバギアは夜に香りを漂わせる事が多いですが、ルリフタモジは日中も甘く繊細な香りがあります。
- ルリフタモジの花姿は可憐で切り花としても魅力的です。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが約5~7日の日持ちがあります。
- ルリフタモジの葉は塊茎から約4(~9)個出てロゼット状に広がります。
- そのため地面の被覆植物として利用出来ます。
- 葉の色は通常緑色ですが幾つかの品種では白色(~薄黄色)の班が入るものもありカラーリーフとして楽しまれる事もあります。
- ルリフタモジの葉は傷つくとニンニクの様な強い香りがあり悪臭と感じる人も多いです。
- 強烈な香りから害虫が忌避するためコンパニオンプランツとして利用される事もあります。
- 南アフリカでは自生するルリフタモジの葉を葉野菜として食べています。
- また抗真菌効果があると研究報告があり薬用ハーブとして利用される事もあるようです。
ルリフタモジは地面下に根茎が肥大化した塊茎をもちます。葉は塊茎から4(~9)個出てロゼットの様な草姿をつくり、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約30(~40)cm、幅約0.5(~2.5)cmあり、葉身の形は線形もしくは剣形です。花茎は高さ約30(~60)cmまで伸び、花序は8(~20)個の花が集まり散形花序をつくります。個々の花は桃色(~薄紫色)で、大きさは長さ幅ともに約2.5cm、形は筒状で花先で6裂して星型に広がります。花後に出来る果実は蒴果です。
ルリフタモジの切り花の楽しみ方
- ルリフタモジの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けましょう。
- 管理場所は出来るだけ直射日光の当たらない低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水換えと水切りを行います。
- 萎れた花を手で丁寧に摘み取ると閉じている蕾も咲きやすくなります。
- ↳管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは5~7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
ルリフタモジの栽培方法
園芸では、上品な紫色の花を鑑賞する目的だったり、その花を収穫して切り花として利用する目的だったり、また優雅に放射状に広がる葉を地被植物として利用する目的だったり、幾つかの品種で見られる黄色(白色)の葉をカラーリーフとして利用する目的で育てらます。こんもりした草姿をつくる事から、花壇の縁どりに利用されたり、また中央に植えて高さと立体感を出したりして利用されます。
ツルバギアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ツルバギアの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ルリフタモジの育て方
花壇の土づくり
日当り
ルリフタモジは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなるため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向、もしくは3時間から5時間の半日影で育てましょう。
土壌の土質
ルリフタモジは良好な水捌けがない場合、根腐れ(腐敗)を引き起こし生育不良を引き起こす可能性があります。そのため通気性と排水性のよい土壌に植えて上げましょう。また適度に肥沃な土壌を好むため必要に応じて腐葉土等をいれてあげましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ルリフタモジは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ルリフタモジは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
ルリフタモジは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は基本的に降水のみでも育てられます。雨が降らないなど、土の表面(数cm)が乾いてきたら、必要に応じて水やりを行いましょう。
ルリフタモジは水分が停滞して何時までもジメジメする土壌や、浸水したりすると、塊茎が腐敗するなどして生育不良になります。そのため、水やりは土がきちんと乾燥しているか確認しながら行うとよいでしょう。
肥料の与え方
ルリフタモジの多くの肥料を必要としません。肥料は植付け時に与える元肥もしくは早春に寒肥を入れるのみです。
元肥
ルリフタモジの元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間に前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選びましょう。肥料の成分は山型肥料(リン酸多め)を選びます。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離れた場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施すか、株元から少し離した場所に緩効性肥料を置き肥しましょう。
剪定のやり方
ルリフタモジの剪定は基本的には不要ですが、花が終わったら花茎を基部まで切り戻したり、枯れた葉等を適時取り除き外観を美しく保つ事ができます。
夏越しする方法
ルリフタモジは夏の暑さに強く夏越し対策は基本的に不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7b~10a
ルリフタモジは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ルリフタモジは株分け(分球)により増やすことが出来ます。
株分け手順
- ルリフタモジの株分け時期は秋が最適です。
- 株を掘り起こし栄養を貯めて肥大化した塊茎を手で個々にわけます。
- 塊茎を必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
ルリフタモジの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約14~21日
光条件:
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ルリフタモジの病気
- 根腐れ
ルリフタモジの害虫