原産:ヨーロッパ
科:キク(Asteraceae)
属:アザミ(Cirsium)
種:リブラレ(rivulare)
別名:プラム・シスル(plume thistle)/ブルック・シスル(brook thistle)
開花時期:5月~8月
花の色:赤色●桃色●紫色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約50cm~150cm
誕生花:
花言葉:
用途:背が高い花/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
キルシウム(リブラレ)とは!?
キルシウム(リブラレ)は学名Cirsium rivulare、別名「プラム・シスル(plume thistle)」や「ブルック・シスル(brook thistle)」とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
キルシウム(リブラレ)の語源(由来)
- 属名のCirsiumは古代ギリシャ語で「アザミの1種」を意味する「κίρσιον」に由来します。
- 種小名のリブラレ(rivulare)はラテン語で「小川を愛する」を意味します。
キルシウム(リブラレ)の特徴(魅力)
- キルシウム(リブラレ)の花は茎頂部で1~4個の花(頭花)をまとまり咲かせるためボリューミーです。
- 花を支える総苞片は先端部分だけ少し反り返ります。
- 花は筒状花が集まる頭花で蜜が豊富にあるため蝶々や蜜蜂等の蜜源植物に最適です。
- 花は切り花としても魅力的で7~10日程度の日持ちがあります。
- 葉は根生葉と茎葉があります。
- ↳茎葉は茎の様に細いため目立たず茎と花だけの様な美しいシルエットを作ります。
- 葉は縁部分が深くカットされた装飾的な形をしています。
- ↳縁部の鋸歯の先には鋭い棘があるため扱う際には注意が必要です。
開花時期は晩春から晩夏、花色は紫色や桃色、赤色があり、花序は筒状花が集まる直径約3cmの頭花です。草姿は直立高さ約50(~150)cm × 幅約30(60)cmに成長します。葉色は緑色、葉身は羽状中裂(~深裂)して縁部分に鋸歯と鋭い棘があり、葉序は根生葉と互生葉序があります。
キルシウム(リブラレ)の切り花の楽しみ方
- キルシウム(リブラレ)の収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- キルシウム(リブラレ)の収穫は花が開いてるものを選びます。
- 収穫したキルシウム(リブラレ)はバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら水に漬けて水切りを行いましょう。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは7~10日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
キルシウム(リブラレ)の栽培方法
園芸では、綿毛の様にふわふわした花を鑑賞する目的で育てられたり、また蝶々や蜜蜂が飛び交うようなお庭(ビオトープ・バタフライガーデン等)をつくる目的で育てられる事が多いです。茎は垂直に伸びて、比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、また切り花として利用する目的で植えられたりします。
アザミの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アザミの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
キルシウム(リブラレ)の育て方
花壇の土づくり
キルシウム(リブラレ)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。また3時間~5時間の半日影までに植えて育てる事が出来ます。
キルシウム(リブラレ)はやや湿った土壌を好みます。そのためしっかり水分を保持(保水性)しながら通気性のある、肥沃な土壌で育てましょう。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、またバラバラと崩れる場合は必要に応じて保水性を高める田土や黒土を入れたり、その他にも肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れたりして土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
キルシウム(リブラレ)は基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で管理しましょう。
ノアザミは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒)5割+腐葉土3割+バーミキュライト2割+元肥(適量)
- 黒土5割+腐葉土3割+パーライト(極小粒)2割
水やりの仕方
キルシウム(リブラレ)は乾燥にそこまで強くありません。そのため土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行いましょう。
肥料の与え方
キルシウム(リブラレ)は有機物がしっかり入る肥沃な土壌であれば、多くの肥料はいりません。
植え付け時もしくは休眠中の晩冬に元肥を入れておけば基本的には追肥不要です。鉢植えで育てていて栄養が足りなくなると感じる場合は必要に応じて追肥を与えましょう。
- 肥料は元肥(①②)と必要に応じて追肥を与えましょう。
- ①元肥(植え付け時)は窒素・リン・カリがバランスよく入る緩効性肥料を選び全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- ②晩冬に入れる元肥(寒肥)は窒素・リン・カリがバランスよく入る緩効性肥料もしくは配合肥料を選び、株元から少し離した場所に穴を掘り施しましょう。
- ↳また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、元肥(寒肥)と一緒に土質を改善する堆肥や腐葉土等も入れてあげるといいでしょう。
- 追肥は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型の緩効性肥料肥料を選び、規定量を1~3ヶ月に一度施しましょう。
剪定のやり方
キルシウム(リブラレ)の剪定は「摘芯」と「花がら摘み」の2つに分かれます。
摘芯
摘芯とは生育初期に茎の成長点を指やハサミで摘む事で、頂芽の成長を止めてしまい側芽の成長を促す方法です。
摘芯は必ず必要な作業というわけではありませんが、摘芯を行う事で草丈を抑えて茎の数を増やしたり、また茎の数が増える事で花の数が増えます。ただし花が増えると花の大きさは小さくなります。また草丈が抑えられると切り花には使いにくくなるかもしれません。
花がら摘み
開花期間中は一般的に花がら摘みが必要です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り枯れてしまったり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。また枯れた花を摘む事は、新しい花の開花を促す事に繋がります。
夏越しする方法
キルシウム(リブラレ)は基本的には夏の暑さに強く夏越し対策不要です。
ただし乾燥で株が弱ることもあるため、夏の間は西日の当たらない半日影で管理した方が良いかもしれません。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
キルシウム(リブラレ)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
キルシウム(リブラレ)は春もしくは秋に株を掘りあげて分割する事で、株分けする事が出来ます
播種で増やす
キルシウム(リブラレ)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~11月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約5~14日
発芽条件:
種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せるか、被せずそのままにします。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
キルシウム(リブラレ)の病気
- うどんこ病
キルシウム(リブラレ)の害虫
- アブラムシ