原産:南アフリカ
科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
属:アガパンサス(Agapanthus)
種:プラエコクス・オリエンタリス(praecox subsp. orientalis)
別名:コモンアガパンサス(common agapanthus)
品種:クィーンマム(queen mum)
開花時期:5月~8月
花の色:青色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約90~120cm
誕生花:6月11日/6月19日
花言葉:恋の訪れ/誠実な愛/ラブレター/知的な装い
用途:切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アガパンサス(クィーンマム)とは!?
アガパンサス(クィーンマム)は、開花後も球状を保つ美しい花姿と、茎の頂部で非常に密につく花、空の色を連想させる様な白色と青色の美しい2色の花色が魅力の園芸品種です。青色と白色の2色の花色は、クリアで清々しい空の色を連想させるため、爽やかで落ち着いた雰囲気のお庭をつくる時や、清楚で気品のあるお庭をつくりたい時等におすすめの品種です。
開花時期は晩春から夏、花色は白色と青色、個々の小花は直径約5の漏斗形で花被片が6個あり、花序は頂部に小花が集まり散形花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で地面下に地下茎をもち高さ約90(120)cm × 幅は約40(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は剣形です。
アガパンサス(プラエコクス)とは!?
アガパンサス(プラエコクス)は学名Agapanthus praecox、別名「コモンアガパンサス(common agapanthus)」等とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。
アガパンサス(プラエコクス)の語源(由来)
- 属名のAgapanthusは古代ギリシャ語で「愛」「愛情」を意味する「ἀγάπη(agápē)」と「花」を意味する「ἄνθος(ánthos)」の2語の造語です。
- 種小名のpraecoxはラテン語で「早熟」を意味しており早咲きな事に由来しています。
アガパンサス(プラエコクス)の特徴(魅力)
- アガパンサス(プラエコクス)は高さが100cmまで伸びる花茎をもちます。
- 花は放射状に百合の様な小花が集まり球状の形で咲きます。
- ↳花の蕾は開くと下向きになる事もありますが比較的に球状を維持します。
- 球状の豪華な花は切り花としての人気も高く花瓶の中で1週間程度の日持ちがあります。
- 地面下には地下茎があり短い塊茎から葉をだします。
- ↳根は非常に強くコンクリートを破壊する事もあるようです。
- 葉は緑色で光沢があり革質です。
- 葉の長さは平均して50(最大70)cmありロゼット状に優雅に広がり地面を被覆します。
- アガパンサス(プラエコクス)はムラサキクンシランと比べると寒さに強く地植えで育てやすい所が魅力です。
アガパンサス(プラエコクス)は地面下に地下茎をもち短い塊茎から葉をだします。葉は個々の株に6(~20)個あり、地際からロゼット状に直立もしくはアーチ状に広がり、葉色は緑色で光沢があり革質、葉の大きさは平均長さ約20(~70)cm幅約3(~5)cmあり、葉身は剣形をしています。花は花茎が高さ30(~100)cmまで伸び、花序は散形花序につき、個々の花は直径約5cmの漏斗形で花被片が6個と雄蕊が6個と雌蕊があります。花後に出来る果実は蒴果で3室あり、黒色の種子を生成します。
アガパンサス(プラエコクス)の切り花の楽しみ方
- アガパンサス(プラエコクス)の収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- アガパンサス(プラエコクス)は収穫すると蕾が開きにくい傾向があるため、蕾がある程度開いたものを選ぶといいでしょう。
- ↳蕾のままでも十分美しく切り花として楽しめます。
- 収穫したアガパンサス(プラエコクス)はバケツに漬けて水切りを行います。
- ↳水切りとは茎(切り口)を水に漬けたまま切り口をハサミやナイフで斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。
- 水揚げが終わったら花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約3日)ごとに水を換え再度水切りを行う事もできます。
アガパンサス(プラエコクス)の栽培方法
園芸では、茎の頂部で花が半球状に多数集まり咲くボリュームある花姿を鑑賞する目的だったり、球状に咲く豪華な花を切り花として屋内で鑑賞する目的だったり、また光沢のある美しい葉をグランドカバーとして利用する目的等で利用されます。
園芸品種には、 白色の花が上品で清潔感を感じさせる「ゲティホワイト」や白色と紫色の二色の花色がエレガントな雰囲気をつくる「フローラプレノ」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
アガパンサスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アガパンサスの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種の紹介【2021】
アガパンサス(クィーンマム)の育て方
花壇の土づくり
アガパンサス(クィーンマム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。また3時間~5時間の半日影までに植えて育てる事が出来ます。
アガパンサス(クィーンマム)は水捌けがよく、有機物が豊富に入る肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
アガパンサス(クィーンマム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の例
- 赤玉土6割+腐葉土4割+元肥(適量)
水やりの仕方
アガパンサス(クィーンマム)は浸水する様な状態を嫌いますが、旺盛に成長すり春や夏はしっかり水やりを行いましょう。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
冬は成長がとまるため、水やりを控えめにして乾燥気味に育てます。
肥料の与え方
アガパンサス(クィーンマム)の肥料は欲しがる植物です。健康な成長を促すために春から秋まで持続的に肥料を施しましょう。
- 肥料は元肥(寒肥)と追肥を与えます。
- 元肥(寒肥)は、早春もしくは植付け時に全面施肥するか、株の近くに穴を掘り寒肥として施しましょう。
- 元肥(寒肥)は緩効性肥料もしくは配合肥料で与え、窒素・リン酸・カリのバランスが良い水平型かリン酸が多い山型を選びましょう。
- 追肥は成長が始まる春から秋まで持続的におこないます。
- 追肥はバランス良く栄養がはいる水平型(N=P=K=)の緩効性肥料もしくは液肥を、規定された量だけ与えましょう。
剪定のやり方
アガパンサス(クィーンマム)の剪定は基本的に不要ですが、花が枯れた後に花茎の基部まで切り戻したり、枯れた葉や病気になった葉を適時取り除く事で、健康な成長を助ける事に繋がります。
夏越しする方法
アガパンサス(クィーンマム)は夏の暑さに強く夏越し対策は基本的に不要です。
冬越しする方法
Hardiness:8a~11b
アガパンサス(クィーンマム)は強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
アガパンサス(クィーンマム)の冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り、必要に応じて不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
アガパンサス(クィーンマム)は3年~4年おきに株分けする事が出来ます。株分けする時期は春が最も最適で、株分けを行う前日夜に水をしっかり与えておくと株分け後の活着が良くなります。
スコップを使い株を掘りあげたら根と葉茎をしっかり付けた束を2個から3個に分けるように手もしくはハサミを使い切り分けます。株分け後は直ぐに植付けて水をしっかり与えてください。
播種で増やす
アガパンサス(プラエコクス)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:不規則
発芽条件:
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
アガパンサス(プラエコクス)の病気
- うどんこ病
- 根腐れ
アガパンサス(プラエコクス)の害虫
- アブラムシ