原産:北アメリカ
科:ヒガンバナ(Amaryllidaceae)
属:アリウム/ネギ(Allium)
種:ケルヌーム(cernuum)
別名:ノッディング オニオン(nodding onion)/レディース リーク(lady’s leek)
開花時期:5月~7月
花の色:桃色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約30~45cm
誕生花:5月16日/7月23日
花言葉:正しい主張/くじけない心
用途:
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アリウム(ケルヌーム)とは!?
アリウム(ケルヌーム)は学名Allium cernuum、別名「ノッディング オニオン(nodding onion)」や「レディース リーク(lady’s leek)」とも呼ばれるヨーロッパ及び北アメリカ原産の多年草です。
アリウム(ケルヌーム)の語源(由来)
- 属名のAlliumはラテン語の「alium」からきており、ネギ属の何れかの球根状の植物に由来します。
- 種小名のcernuumはラテン語で「お辞儀」「前向き」を意味しており、恐らく花の姿に由来します。
アリウム(ケルヌーム)の特徴(魅力)
- アリウム(ケルヌーム)は花茎の頂部付近がガチョウの首の様にUターンに曲がるため花全体が吊り下がる様に開花します。
- ↳お辞儀する様な花姿から英名nodding(頷く)onion(オニオン)や種小名の由来にもなっています。
- 花は茎の頂部で8個から最大30個の花を半球状に吊り下げ開花させます。
- 個々の花は直径0.5cmと非常に小さく花被片は大きく開かずに緩くカップ状に開きます。
- 葉は細長い線形で基部からでロゼット状に広がります。
- 茎や葉は傷つけるとニンニク特有の匂いがあります。
- 葉や球根は食用として利用されており自生地等の幾つかの地域ではサラダ等にして食べられています。
アリウム(ケルヌーム)は地面下に球根をもちます。葉は基部から出るのみで茎葉はなく、葉色は緑色でやや白色を帯び、葉身の大きさは長さ約10(~20)cm幅約0.1(~0.6)cmあり、葉身の形は線形です。花茎は30(~45)cmに伸びて上部でお辞儀するようにUターンして曲がり、花序は約8~35個の花が茎頂に集まり散形花序をつくり、個々の花は花被片が6個、雄蕊が6個、雌蕊が1個あります。花後に出来る果実は蒴果で種子は黒色です。
開花時期は晩春から夏、花色は桃色、個々の花は6個の花被片と6個の雄蕊と1個の雌蕊があり、花序は8~30個の小花が集まり散形花序をつくります。草姿はロゼット状で地面下に球根(鱗茎)があり高さは約30(45)cm × 幅は約30(45)cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は線形です。
アリウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アリウムの珍しい種類と主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
アリウム(ケルヌーム)の育て方
花壇の土づくり
アリウム(ケルヌーム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし暑さの厳しい地域では、暑さや乾燥を避けるため西日の当たらない半日影で育てた方がよい事もあります。植える場所は地域に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
アリウム(ケルヌーム)は、基本的に水捌けと通気性がよく適度に肥沃な土壌を好みます。水分が停滞する様な粘土質な土壌では球根(鱗茎)が腐敗する原因になるため避けましょう。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れ土壌改善を行いましょう。
球根(鱗茎)の植え付けは9月~10月に行います。植え付ける深さは約5~10cmもしくは球根(鱗茎)2~3個分の深さに植え付けます。
鉢土づくり
アリウム(ケルヌーム)は基本的に直射日光が6時間以上あたる日向で管理しましょう。
アリウム(ケルヌーム)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥(適量)
- 赤玉土(5割)+腐葉土(3割)+パーライト(2割)+元肥(適量)
水やりの仕方
アリウム(ケルヌーム)を浸水する様な状態を嫌いますが、旺盛に成長する時期はしっかり水やりを行いましょう。また活着すると、乾燥に強くなります。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
アリウム(ケルヌーム)は多くの肥料を必要としません。肥料は植付け時もしくは秋に元肥を入れるのみです。また基本的には不要ですが早春に再度追肥する事もできます。
- アリウム(ケルヌーム)の植付けは秋に行われるため、元肥は秋に入れます。
- 元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料(有機肥料)を選び成分は窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料もしくは、リンが多めに入る山型肥料を選びましょう。
- 元肥の入れ方は全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- 追肥は基本的に不要です。
- 追肥する場合は早春に緩効性肥料を与えましょう。
剪定のやり方
アリウム(ケルヌーム)の剪定は基本的に不要です。
枯れた葉や花を必要に応じて取り除きましょう。
夏越しする方法
アリウム(ケルヌーム)は夏の高温多湿を苦手にしています。そのため、夏の間は西日の当たらない半日影等で育てるといいかもしれません。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
アリウム(ケルヌーム)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アリウム(ケルヌーム)は分球によって増やす事ができます。
分球
アリウム(ケルヌーム)は花や葉が枯れる7月頃に球根を掘りあげ分球して増やすことが出来ます。分球後は秋まで保管して再度植え直します。
播種で増やす
アリウム(ケルヌーム)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・10月~11月
発芽適温:約20度
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- アリウム(ケルヌーム)の種を秋に撒き、春に発芽させる場合はそのまま種を撒いて問題ありません。
- 冬の寒さを経験させない場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で6~8週間保管して種を撒きます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に軽く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
アリウム(ケルヌーム)の病気
- アリウム腐敗病
- 黒斑病
- さび病
- 疫病
アリウム(ケルヌーム)の害虫
- アブラムシ