オトギリソウ(ヒペリカム)属は属の中に約225~715種があり熱帯・亜熱帯・温帯地域に分布する多年草です。一般に園芸では、塗料が剥がれた様な葉色からアルミニウム・プラントとも呼ばれるカディエレイ種や、円形の可愛らしい葉と親株の近くに子株を生み出す姿が魅力的なペペロミオイデス、這うように広がる草姿からハンギングバスケット等にもおすすめなグラウカ種等が親しまれます。
オトギリソウ(ヒペリカム)は基本的には夏の暑さに強い一方で、冬の寒さに弱いため管理のしやすい鉢植え等で育てられる事が一般的です。
種毎の詳しい育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
ピレアの主な種の目次 | |
①カディエレイ種 | ②ペペロミオイデス種 |
③インボルクラータ種 | ④グラウカ種 |
原産:中国/メキシコ
学名:pilea cadierei
草丈:約15~60cm
分類:多年草
開花時期:9月~11月(滅多に咲かない)
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:10月20日
花言葉:「救われる人々」「少女の恥じらい」
特徴:ピレア(カディエレイ)は学名pilea cadierei、別名「アルミニウム・プラント(aluminium plant)」や「ウォーターメロン・ピレア(watermelon pilea)」とも呼ばれる中国及びベトナム原産の多年草です。属名のピレア(pilea)はラテン語で「帽子」を意味する「pileus」からきており痩果を覆う萼に由来しています。また種小名のcadiereiはフランス人宣教師のR. P. Cadiereへの献名です。
ピレア(カディエレイ)の特徴(魅力)
- 葉は光沢があり鉄の質感を連想させる
- ↳アルミニウムやスイカに例えられる個性的な葉色
- ↳葉は厚みがあり肉質
- 茎は垂直に伸び広がりが少なく育てやすい
ピレア(カディエレイ)の茎は垂直に伸び野生では60cmに達する事もありますが、通常観葉植物として育てられた場合は30cm程度の高さに抑えられます。葉の大きさは長さ2.5~6cm × 幅は1.5~3cm、葉色は濃い緑色で葉脈間に塗料が剥がれ後のような銀色(~白色)の班が入る事からアルミニウム・プラントやウォーターメロン(スイカ)に例えられます。花は球状に小花が集まり秋に咲きますがら観葉植物として育てられた場合は滅多に咲くことはありません。
開花時期は秋(滅多に咲かない)、花色は白色から薄桃色(~薄黄色)、雌雄同株で小花が球状に集まり頭花に咲きます。草姿は直立で高さ約15(60)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色で葉脈間に銀色の班が入り、葉身は楕円形で縁部分に鋸葉があり、葉序は対生葉序につきます。
栽培
園芸では、ピレア(カディエレイ)の美しい葉を鑑賞する目的で育てられます。冬の寒さに弱い事や事から、管理のしやすい鉢植えの中で育てられる事が多く、春から秋は屋外の半日影に、冬の間は日当たりの良い窓際等に飾られて楽しまれます。増やし方は切り戻しした際に出る茎を利用して挿し木や水挿しして増やされます。
ピレア(カディエレイ) |
原産:中国
学名:pilea peperomioides
草丈:約30cm
分類:常緑多年草
開花時期:滅多に咲かない
花色:桃色●黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:10月20日
花言葉:「救われる人々」「少女の恥じらい」
特徴:ピレア(ペペロミオイデス)は学名pilea peperomioides、別名「チャイニーズ・マネー・プラント(Chinese money plant)」や「ミッショナリー・プラント(missionary plant)」とも呼ばれる中国及原産の常緑多年草です。属名のピレア(pilea)はラテン語で「帽子」を意味する「pileus」からきており痩果を覆う萼に由来しています。また種小名のpeperomioidesは「ペペロミアのような」という意味があり、Peperomia(サダソウ属)に由来しています。
ピレア(ペペロミオイデス)の特徴(魅力)
- 蓮の葉を連想させる様な真ん丸の葉っぱ
- ↳葉の大きさは直径約10cmまでになる
- 茎は垂直に伸び広がりが少なく育てやすい
- 親株の傍に小さな可愛い子株が出来る
- ↳繁殖が簡単(挿し木でも繁殖出来る)
ピレア(ペペロミオイデス)の茎は垂直に伸び成熟すると高さ30cmまで伸びます。葉は長い葉柄があり弧を描くように葉を横向きにつけ、形は直径10cmまでの円形(楯形)です。子株は親株の幹もしくは根茎から成長し、こんもりとした姿にまで急速に成長します。またその様子からラッキープラントとして扱われる事もあり海外では「lucky thaler」等とも呼ばれています。花は寒くなると見られる事があると言われますが、滅多に咲きません。
開花時期は秋から冬(滅多に咲かない)、花色は白色から薄桃色(~薄黄色)、小花と花穂が円錐状に集まり円錐花序の様に咲く。草姿は直立で高さ約30cm × 幅は約30cmまで成長します。葉色は緑色で光沢があり、葉身は楯形で、葉序は対生葉序につきます。
栽培
園芸では、ピレア(ペペロミオイデス)の美しい葉を鑑賞する目的で育てられます。冬の寒さに弱い事から、管理のしやすい鉢植えの中で育てられる事が多く、春から秋は屋外の半日影もしくは屋内の窓際等で楽しまれ、冬の間は日当たりの良い窓際等に飾られて楽しまれます。劣悪な環境では下葉が落ちやすいため、注意が必要です。また増やし方は親株の近くに子株が出来るため、これを株分けして増やすか、切り戻しした際に出る茎を利用して挿し木や水挿しして増やす事が出来ます。
ピレア(ペペロミオイデス) |
原産:中・南アメリカ
学名:pilea involucrata
草丈:約15~30cm
分類:常緑多年草
開花時期:春(滅多に咲かない)
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●茶色●黄色●橙色●黒色●銀色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:「救われる人々」「少女の恥じらい」
花言葉:10月20日
特徴:ピレア(インボルクラータ)は学名pilea involucrata、別名「フレンドシップ・プラント(friendship plant)」とも呼ばれる中・南アメリカ原産の常緑多年草です。属名のピレア(pilea)はラテン語で「帽子」を意味する「pileus」からきており痩果を覆う萼に由来しています。また種小名のインボルクラータ(involucrata)は「総包の」という意味があり、花を囲む苞葉に由来しています。
ピレア(インボルクラータ)の特徴(魅力)
- 葉は葉脈間が凸凹して縁部分はギザギザとした鋸歯がある
- ↳葉色は一般的に葉脈が褐色で葉裏が暗赤色をしている
- ↳品種によって葉色が豊富にある
- 挿し木が簡単で容易に増やせます
- ↳友達と共有しやすく英名「フレンドシップ・プラント」の由来にもなる
開花時期は冬(滅多に咲かない)、花色は白色から薄桃色、花序は集散花序の様に咲く。草姿は直立で高さ約15(30)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色や茶色、黄色や橙色、黒色や銀色、白色があり、葉身は楕円形もしくは卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
栽培
園芸では、ピレア(インボルクラータ)の美しい葉を鑑賞する目的で育てられます。冬の寒さに弱い事から、管理のしやすい鉢植えの中で育てられる事が多く、春から秋は屋外の半日影もしくは屋内の窓際等で楽しまれ、冬の間は日当たりの良い窓際等に飾られて楽しまれます。一方劣悪な環境では下葉が落ちやすいため、注意が必要です。増やし方は一般的に切り戻した茎を利用して、挿し木や水挿しして増やされます。
ピレア(シルバーツリー)は灰色(~灰緑色)の落ち着いた葉色と中央に白色の班が入る二色の葉色が、シックで落ち着いた印象を与える魅力的な園芸品種です。高さ約15(30)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。 |
原産:中央・南アメリカ
学名:pilea glauca
草丈:約10cm
分類:常緑多年草
開花時期:(滅多に咲かない)
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
誕生花:10月20日
花言葉:「救われる人々」「少女の恥じらい」
特徴:ピレア(グラウカ)は学名pilea glauca、別名「フレンドシップ・プラント(friendship plant)」とも呼ばれる中・南アメリカ原産の常緑多年草です。属名のピレア(pilea)はラテン語で「帽子」を意味する「pileus」からきており痩果を覆う萼に由来しています。また種小名のグラウカ(glauca)はラテン語で「灰青色の」という意味があり、葉の色に由来しています。
ピレア(グラウカ)の特徴(魅力)
- 非常に背が低く地面を這うように広がる
- ↳ハンギングバスケットに植えると優美に枝垂れる茎葉が見られる
- ↳茎は赤み(桃色)を帯び美しい
- 葉は非常に小さく円形をしている
- ↳葉色は白色の粉をまぶした様な青緑色
- 挿し木が簡単で容易に増やせます
- ↳友達と共有しやすく英名「フレンドシップ・プラント」の由来にもなる
開花時期は(滅多に咲かない)、花色は白色から桃色、花序は小花が球状に集まり頭花に咲く。草姿は這性で高さ約10cm × 幅は約45cmまで成長します。葉色は緑色(~青緑色)で、葉身は円形をしており、葉序は対生葉序につきます。
栽培
園芸では、ピレア(グラウカ)の青緑色の美しい葉や、鉢植えから優雅に垂れる草姿等を鑑賞する目的で育てられます。冬の寒さに弱い事から、管理のしやすい鉢植えの中で育てられる事が多く、春から秋は屋外の半日影もしくは屋内の窓際等で楽しまれ、冬の間は日当たりの良い窓際等に飾られて楽しまれます。増やし方は一般的に切り戻した茎を利用して、挿し木や水挿しして増やされます。
ピレア(グレイジー)は灰みを帯びる上品な青緑色の葉色が、上品で落ち着いた雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。草姿は這性で高さ約10cm × 幅は約45cmまで成長します。 |