原産:日本/東アジア 科:シソ(Lamiaceae) 属:ミント/ハッカ(mentha) 種:ニホンハッカ(canadensis) 同義語(syn.):mentha arvensis var. piperascens 別名:和ハッカ/ワシュハッカ/ジャパニーズ・ミント(Japanese Mint) 開花時期:8月~10月 花の色:白色〇桃色●紫色● 葉色:緑色● 分類:多年草 草丈:約10~60cm 誕生花:3月16日/5月28日 花言葉:「美徳」「効能」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ニホンハッカは学名mentha canadensis(syn. mentha arvensis var. piperascens)、別名「和ハッカ」や「ジャパニーズ・ミント(Japanese Mint)」等とも呼ばれ日本及び東アジアを原産とする多年草です。属名のミント(mentha)の由来はギリシャ神話に出てくる「メンテー(mínthē)」からきており、冥王ハーデスとメンテーの浮気に嫉妬したペルセポネーが、嫉妬に狂い「お前等くだらない雑草に変わってしまえ」とメンテーを踏み付け雑草(ミント)に変えたという伝説に由来しています。
ニホンハッカの特徴(魅力)
- 根茎で旺盛に広がる(特に湿地)
- ↳しばしば植えてはイケナイと言われる所以
- ↳ただ引っ張れば簡単に取り除ける
- 最大60cmの高さまで茎を何本も伸ばして群生する
- ↳茎は白色の短毛が生える
- 葉は皺が少なく短い軟毛が生え滑らかな見た目をしている
- ↳他のミントと比較してメントールの含有率が高い(ハッカ油の中に約8割)
- ↳その為フローラルな香りが少なく爽やかでスッキリした香りがあります
- ↳葉はハーブティーにして飲まれる
- ↳またデザートの彩りや香り付けとして利用されます
- ↳葉には胃腸の調子を整えたり風邪の予防等の薬効がある
- 花は節を囲うように多数の小花が集まり段々に咲く
ニホンハッカは地面下を根茎で広範に広がり、節から茎を垂直に伸ばして高さ約10~60cmまで成長します。葉は細長く披針形もしくは長楕円形の形で葉先が尖り、皺がなく軟毛が生え、縁部分に鋸葉があります。花は花先が深く4裂する筒状の小花が、節を囲うように沢山付き段々と開花します。
開花時期は晩夏と秋、花色は白色もしくは薄紫色か薄桃色、個々の花は花先が深く4裂して、花序は節に小花が多数集まり輪散花序に花が咲きます。草姿は直立で根茎により広範に広がり高さ約10(60)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形もしくは長楕円形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
ニホンハッカの香り
ニホンハッカの精油成分には他のミントと比べてもメントールが最も多く含まれており(60~80%)、ミント特有のスッキリとした爽やかな香りを作っています。またその他にも精油成分にはメントン・イソメントン・リモネン・酢酸メチル等が含まれますが、これらもミント特有の爽やかな香りを作っています。
ニホンハッカの香りは一般的に葉を触ったり潰す事で強い香りがします。これは香りの成分を生成している白色の腺毛が茎や葉、花(萼)にあり、これらを触る事で腺毛が潰されて香り成分が流失しているからです。ちなみに葉や茎等が傷つけられる事で香りが出るのは、害虫等の外的から身を守り食べられない様にする為と考えられています。
ニホンハッカの薬効
ニホンハッカに多く含まれるメントールは、胃腸の調子を整えてお腹の張りや下痢、便秘等を改善します。また自律神経を整える事で体の不調が改善され、その他にも頭痛や風邪、副鼻腔感染症の症状と疾患に対しても良いとされています。
ニホンハッカは一般的に使用される容量(ハーブティーや料理等での使用)での摂取であれば、安全性は高く食べたり飲んだりする事で健康促進にも繋がります。ただし、多量に茎葉を摂取したり、直接精油を摂取(日本では禁止されてる)したりするとお腹を下したり、胸焼けする等の副作用が出る可能性もあるため避けて下さい。
ニホンハッカの楽しみ方
ニホンハッカの葉は、メントール特有の爽やかで清涼感ある香りが特徴のため「ハーブティー」にして飲用されたり、また「ケーキ」や「ゼリー」等の上に乗せて香り付け飾り付けとして利用されるのが一般的です。
ハーブティーとして楽しむ場合は「新鮮な葉」もしくは「乾燥させた葉」どちらも利用可能です。新鮮な葉を利用する場合はミントの葉を一掴み程度(10g)とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて1~2分間蒸らします。蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーをカップに移します。その際、お好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。※乾燥させた葉を利用する場合は上記の手順で葉の量を1g程度にします。
ニホンハッカの栽培
園芸では、一般的に香りの良い葉を収穫する目的でハーブガーデン等で育てられます。植える場所は花壇や鉢植え等が一般的ですが、花壇に植えると縦横無尽に根茎が広がるため雑草化する可能性があります。手で抜くこと自体は簡単なためそこまで問題になりませんが、囲いを作り逸出しない様に育てたり、鉢植えの中で育てた方が無難です。
ニホンハッカを育てる際は、強い日差しに当たらない場所を選んだり、湿り気が保てる土壌を選べば、基本的にほったらかしでも育てられます。ただし放ったらかしにすると、どんどん根茎で広がっていくため駆除しにくい場所等に入り込まれたら面倒くさい事になるでしょう。増やし方は根茎で広がるため株分けが最も簡単です。また挿し木やこぼれ種でも増やす事が出来ます。
ミント(ハッカ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。