ホップ(カラハナソウ)は属の中に約5種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、花に針葉樹や柑橘類を思わせる香りがありビールの原料に使われたりハーブティーなどにして飲まれる事もあるホップ(セイヨウカラハナソウ)、日本在来種で雑草として嫌われる事もありますが園芸品種の中には白色の班が入るものもありカラーリーフにもなるカナムグラ等が親しまれています。
カラハナソウ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ホップ(カラハナソウ)の主な種の目次
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の特徴や園芸品種
- 原産:コーカサス地方
- 学名:Humulus lupulus
- 草丈:約600~1200cm
- 分類:多年草
- 開花時期:
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●黄色●
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:強い
- 誕生花:10月28日
- 花言葉:希望/軽快/不正/不公平/信じる心
- 用途:カラーリーフ/壁面緑化/香りが良い
ホップ(セイヨウカラハナソウ)とは!?
ホップ(セイヨウカラハナソウ)は学名Humulus lupulus、別名では「セイヨウカラハナソウ」や「コモン・ホップ(common hop)」等とも呼ばれるコーカサス地方が原産の常緑ツル性木本です。
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の語源(由来)
- 属名のHumulusの由来は諸説あり、語源不明ですが、ゲルマン語の「homele」や「Humel」などが、ある時点でラテン語かされたものと考えられています。
- 種小名のlupulusは「小さな狼」を意味しており、ツルが植物を絞め殺すという誤った認識があり、そこから由来しています。
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の特徴(魅力)
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)は、雌株の花をビールの風味付け等に使う目的で商業的に広く栽培される植物です。
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)はツル性の茎を利用して壁面を登るためグリーンカーテンとして利用されることもあり、また開花期になると松かさ(雌花)のような可愛らしい外観の花をつけます。
- 草姿はツル性、茎は柔軟で基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎や鉤爪状の毛を他の植物や物体に絡ませたり引っ掛け自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 茎には鉤爪状の硬い毛が下向きに生えており、鉤爪状の毛を他の植物体や物体に引っ掛ける事で植物体を固定して、安定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花は夏から秋、花は雌雄異株のため雄花を咲かせる雄株と雌花を咲かせる雌株が別個体にあります。
- 雌株の雌花は「松かさ」のようなコロンとした可愛らしい外観をしており、花弁状の苞が外側で何枚も重なり、本物の小さな花を保護しています。
- 雌花は成熟すると「針葉樹」や「柑橘類」を想像させる心地よい香りをもちます。
- 雄株の雄花は、花軸が円錐状に枝分かれして、1個1個の花が緩く離れた状態で花を咲かせます。
- 雌株の雌花は「松かさ」のようなコロンとした可愛らしい外観をしており、花弁状の苞が外側で何枚も重なり、本物の小さな花を保護しています。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- ホップは、商業的にビールの原料として利用する目的で広く栽培されています。
- ホップの花は、ビールに苦味や香りを与え、また泡立ちの成分となったり、抗菌性があるため防腐効果を高めたりしています。
- ホップはハーブとしても利用されており、乾燥させた花の苞はお湯で蒸らしハーブティーとして飲用される事もあります。
- ホップは健胃効果・鎮静効果・殺菌効果などがあるとされています。
- ホップの花は乾燥後にポプリとして利用されたりフラワーアレンジメントに利用されたりします。
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)は、建物の壁面や窓際などにネットを張り、そこにツルを誘引する事でグリーンカーテンとして利用出来ます。
- グリーンカーテンは、夏の強い日射しを遮り、植物の蒸散による気化熱で熱を奪うため、優れた断熱効果を生み出します。そのため夏場の冷房費などを節約する事が出来ます。
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)は冬になると地上部が枯れてしまいますが、春になると根茎から芽を出して再度成長を始めます。
- ホップ(セイヨウカラハナソウ)は、成長が非常に早く、1日数十センチのペースで茎が伸びる事もあり、理想的な環境と誘引のやり方によっては、1年で高さが1200cmまで達する事もあります。
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の草姿はツル性(巻き付き茎・鈎・刺)、茎の長さ約600(~1200)cm、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎には鉤爪のような毛が生えます。
※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
※鈎・刺とは、枝や葉柄、托葉や根などが変化して、刺状もしくは鈎状の突起物になり、植物体の表面から突起したものです。鈎・刺を他の植物体や物体に引っ掛けて登る事が出来ます。
葉序は対生葉序(稀に互生葉序)、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は長さ幅ともに約5(~13)cm、葉身の形は心形または葉のふち部分が掌状に中裂(~深裂)して裂片が3(~5)個あり、裂片の形は楕円形または卵形、葉は微細な毛があり粗い手触りがあります。
花は雌雄異株、雌雄異株は雄株と雌株があり、それぞれ別個体(雄株・雌株)に雄花と雌花が生じます。雌花の花序は穂状花序、穂状花序の形は楕円形、約10(~50)個の花(小花)が密に付き、花(小花)の外側には花弁状の苞があり、苞の色は緑色または黄色、穂状花序は葉腋から腋性します。雄花の花序は円錐花序、円錐花序は緩く枝分かれしながら円錐状に約20(~100)個の花(小花)を付け、花(小花)は5個の萼片、5個の雄蕊があります。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の利用方法
ホップは商業的にはビールを作る際に利用されますが、それ以外にも花を乾燥させてハーブティーに利用されたり、香りを楽しむ目的でポプリにされたりします。
ホップの乾燥方法
ホップ(セイヨウカラハナソウ)は生のまま利用される事もありますが、多くの場合は乾燥させた後に利用されます。何故なら乾燥させる事で精油が濃縮されて利用しやすくなったり、水分を多く含むと保存中に腐敗しますが、乾燥させておくと腐敗しにくくなるからです。
- ホップの収穫は8月~9月
- ホップを指で潰した時に弾力があり、匂いを嗅ぐと針葉樹や柑橘類を思わせる香りがあり、黄色の粉を放出する場合は収穫の準備が整っています。
- ホップを収穫したら直ぐに乾燥させましょう。
- ホップをザルなどに広げ通気性がよい状態にして、風通しの良い明るい日陰などで乾くまで管理しましょう。
- ホップの乾燥を促進させるためファンなどで風を送り乾燥を早める事が出来ます。
- 一部の人は食器乾燥機やオーブンなどを利用して乾かす事もあるようです。
- ただし熱を加えて乾燥させると精油が揮発してしまうため、低温で乾燥させる事が理想です。
- ホップをザルなどに広げ通気性がよい状態にして、風通しの良い明るい日陰などで乾くまで管理しましょう。
- 乾燥の終わり
- 乾燥にかかる時間は温度・湿度・風量などに左右されるため1日で終わる事もあれば数日かかる事もあります。
- ホップが乾燥すると苞は紙のようにパサパサとなり芯は脆く指で曲げると折れてしまいます。
- ホップの保存方法
- ホップは酸素に当たると酸化してしまい品質が落ちてしまいます。そのためジップロックなどに入れ、空気を抜いた状態で保存します。
ホップのハーブティーの淹れ方
ホップのハーブティーには、様々な薬効があると言われており、胃を丈夫にする健胃効果、バクテリアなどの働きを抑制する殺菌効果、イライラや不安などの気分を落ち着かせる鎮静効果などが期待できます。
- ハーブティーに必要な物を準備します。
- 急須・カップ・お湯・乾燥させたホップ(苞)
- 乾燥させたホップの花(苞)を大さじ一杯取り急須に入れます。
- 急須の中にお湯を180~200ml入れて蓋をします。
- 蓋を閉めておかないと精油(揮発成分)が抜けるため注意です。
- 急須の中で約2分~5分蒸らしましょう。
- 蒸らす時間で苦味や濃さが変わるため好みの時間に合わせます。
- 蒸らし終わったら急須の中のお茶をカップに注ぎ入れます。
- お好みで蜂蜜やレモン等を加えてください。
おすすめのティーポット
ホップ(セイヨウカラハナソウ)の園芸品種の紹介
- カスケード(humulus lupulus ‘cascade’)は、アルファ酸を多く含んでいるため、ビールの原料として最も広く使用されている品種です。夏から秋に咲く淡緑色の松ぼっくりの様な花は、香りが良くハーブティーやポプリの素材としても魅力的があります。長さは約300~500cmまで成長します。
- オーレウス(humulus lupulus ‘aureus’)は、葉全体が鮮やかな黄色(~黄緑色)の葉色をしているため、春から晩秋にかけてお庭の雰囲気を明るくしたりカジュアルで開放感を感じさせたりするイエローリーフとして楽しむ事が出来る園芸品種です。また一般的なホップと同様に雌株では、コロッとした可愛らしい外観の花を楽しむ事ができます。草姿はツル性、長さ約400~800cmに成長します。
カナムグラの特徴や園芸品種
- 原産:日本/東アジア
- 学名:Humulus japonicus
- 草丈:約100~600cm
- 分類:一年草
- 開花時期:8月~10月
- 花色:黄色●緑色●
- 葉色:緑色●白色〇
- 耐暑性:強い
- 耐寒性:-
- 花言葉:力強い
- 用途:カラーリーフ/壁面緑化
カナムグラとは!?
カナムグラは学名Humulus japonicus、別名「律草(リツソウ)」や「ジャパニーズ・ホップ(Japanese hop)」等とも呼ばれる日本と東アジアが原産の一年草です。日本では北海道から九州まで広く分布しており、荒地や道端等に自生しています。
カナムグラの語源(由来)
- 属名のHumulusの由来は諸説あり、語源不明ですが、ゲルマン語の「homele」や「Humel」などが、ある時点でラテン語かされたものと考えられています。
- 種小名のjaponicusは「日本の」を意味しており、自生地に由来しています。
- 和名のカナムグラ(鉄葎)の由来は、ツルが「鉄」のように強靭で、雑草のようにツルが絡み合い繁茂する様子から「葎(広範に渡り生い茂る雑草のこと)」からきています。
カナムグラの特徴(魅力)
- カナムグラは、ツルが強靭で旺盛に成長して絡み合い薮のようになり制御不能になりやすい事から雑草として見られる事が多く、近縁のホップのように魅力的な花を咲かせない事から園芸目的で育てられる事は少ない植物です。
- 草姿はツル性、茎は柔軟で基本的に自力せず倒れやすい傾向にあり、巻き付き茎や鉤爪状の毛を他の植物や物体に絡ませたり引っ掛け自らの体を固定します。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 巻き付き茎は巻き付く事が出来ない岩壁等は登る事が出来ません。そのため、ツルを巻き付けるトレリスやバーゴラ等の資材を準備して育てましょう。
- 茎には鉤爪状の硬い棘が下向きに生えており、鉤爪状の棘を他の植物体や物体に引っ掛ける事で植物体を固定して、安定して登る事が出来ます。
- また近縁のホップと比較して、カナムグラは鉤爪状の硬い棘の他に短い毛が密生しています。
- 巻き付き茎とは、茎自体が他の植物や物体に巻きついて登る習慣がある茎の事です。巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定して登る事が出来ます。
- 開花は晩夏から秋、花は雌雄異株のため雄花を咲かせる雄株と雌花を咲かせる雌株が別個体にあります。
- 雌株の雌花は「松かさ」のようなコロンとした小さな花を付け、花弁状の苞が外側で何枚も重なり、本物の小さな花を保護しています。
- 雌花は成熟すると「針葉樹」や「柑橘類」を想像させる香りがありますが、近縁のホップ程の香りはありません。
- 雄株の雄花は、花軸が円錐状に枝分かれして、1個1個の花が緩く離れた状態で花を咲かせます。
- 雌株の雌花は「松かさ」のようなコロンとした小さな花を付け、花弁状の苞が外側で何枚も重なり、本物の小さな花を保護しています。
- 葉は掌状に中裂から深裂しており裂片が5~9個あります。
- そのため葉に裂片がない、または裂片が3~5個ある近縁のホップと比べる事が可能です。
- 葉はふつう緑色ですが、明るく爽やかな印象を与える黄色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- カナムグラは、精油やアルファ酸が不足しているため、ホップのようにビールの原料として利用される事はほとんどありません。
- カナムグラは近縁のホップ程ではありませんが、花や葉がハーブとして利用される事もあります。
- カナムグラは健胃効果・利尿作用などがあるとされています。
- カナムグラは成長が速く強靭なツルが奔放に伸びて複雑に絡み合い薮のようになります。またツルは硬く棘があり撤去が難しい事もある事から有害な雑草として扱われる事もあります。
- 特にアメリカなどでは環境に害を及ぼす外来種として扱われており、欧州では輸入や増殖も禁止されています。
- カナムグラは駆除したい場合は、茎に生えた棘で怪我をする事があるため、長袖の作業着を着て厚手の軍手などを付けて作業しましょう。基本的に一年草のため毎年枯れますが、土壌に種が残っている場合は、種の寿命が尽きるまで除草を続ける必要があります。
- 花が種をつけて、種を土壌に撒かれると数年は種が生き残ってしまうため、種をつける前に除草剤で枯らすか、ツルを剪定して撤去します。
- 土壌に種が残っている場合は、数年間様子を見ながら除草剤で枯らしたり、花をつける前に剪定して撤去したり、また種が発芽しないように防草シートを敷いて様子を見るのもひとつの方法です。
カナムグラの草姿はツル性(巻き付き茎・鈎・刺)、茎の長さ約100(~600)cm、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎には稜に沿うように鉤爪状の鋭い棘が並び、短い短毛が密生します。
※巻き付き茎は茎頂が物体に接触すると、茎の先端が時計回りに旋回するように動き、他の植物や物体に茎を巻き付けて体を固定します。
※鈎・刺とは、枝や葉柄、托葉や根などが変化して、刺状もしくは鈎状の突起物になり、植物体の表面から突起したものです。鈎・刺を他の植物体や物体に引っ掛けて登る事が出来ます。
葉序は対生葉序(稀に互生葉序)、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は長さ幅ともに約5(1~15)cm、葉身の形は心形、葉のふち部分は掌状に中裂(~深裂)して裂片が5(~9)個あり、裂片の形は楕円形、葉は微細な毛があり粗い手触りがあります。
花は雌雄異株、雌雄異株は雄株と雌株があり、それぞれ別個体(雄株・雌株)に雄花と雌花が生じます。雌花の花序は穂状花序、穂状花序の形は楕円形、花(小花)を保護するように外側に花弁状の苞が重なるように何枚もあり、苞の色は緑色または黄色、苞の長さは約0.7(~1)cm、苞の形は卵形、穂状花序は葉腋から腋性します。雄花の花序は円錐花序、円錐花序は緩く枝分かれしながら円錐状に花(小花)を付け、花(小花)は5個の萼片、5個の雄蕊があります。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、雌花が受粉すると赤紫色を帯び果実をつくります。