原産:地中海沿岸/南西アジア 科:セリ(Apiaceae) 属:ピンピネラ/ミツバグサ(pimpinella) 種:アニス(anisum) 英名:アニス(anise) 別名:セイヨウウイキョウ/アニシード(Aniseed) 開花時期:6月~8月 花の色:白色〇黄色● 葉色:緑色● 香る部位:果実 草丈:約30~90cm 草姿:直立 分類:一年草 誕生花:12月30日 花言葉:「活力」「思いやり」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アニスは学名pimpinella anisum、 別名「セイヨウウイキョウ」や「アニシード(Aniseed)」とも呼ばれる地中海沿岸及び南西アジアが原産の一年草です。属名のピンピネラ(pimpinella)はラテン語で「二重の羽状」を意味する「dipinella」からきていると考えられており、葉の形に由来します。また種小名のanisumはギリシャ語で「アニス」を意味する「anison」からきています。
アニスの特徴(魅力)
- 最大90cmまで垂直に茎を伸ばす
- ↳若い茎や根はマイルドなアニスの風味がありスープ等にいれて食べられる
- 葉は上部と下部で葉の形が違う
- ↳若い葉はアニスの風味がありサラダ等に利用される
- 花は傘を開く様に茎頂部で咲き誇り非常に上品な花姿をつくります
- 果実は2枚の心皮からなる双懸果
- ↳果実は乾燥させてお菓子や煮込み等のスパイスに利用されます
- 種から育てる事が出来るため大量植栽しやすい
アニスの茎は横への広がりが殆どなく高さ30~90cmの間で成長します。葉は基部から出る根生葉と、茎に互生につく茎葉があり、根生葉と下部につく葉は縁部分にギザギザと鋸歯がある一方で、裂けがないか殆どなく円形をしているのに対して、上部の茎につく葉は櫛の様に細かく裂け2回羽状複葉しています。花は白色(~薄黄色)の直径約0.3cmの小さな小花が茎の頂部に集まり傘を開いた時の様な形に複散形花序に咲かせます。果実は2枚の心皮からなる双懸果です。
開花時期は初夏から晩夏、花色は白色から薄黄色、個々の小花は花弁が5枚の5数花で直径約0.4cmになり、花序は茎の頂部に小花が集まり複散形花序に花を咲かせます。草姿は直立で高さは約30(90)cm × 幅は約30(45)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は基部では円形で縁部分に鋸歯があり、茎葉では1~2回羽状複葉する、葉序は互生葉序もしくは根生葉につきます。
アニスの香りと効果
アニスの香りは「スパイシーな香り」や「甘い香り」や「甘草の香り」と表現される食欲をそそる様な良い香りがする所が特徴です。これらの独特で美味しそうな香りの由来になっているのは、アニスの精油成分の中で約9割を占めている「アネトール」の働きによるものです。
アネトールの香りは「スパイシーな香り」「甘草の香り」「官能的な香り」等に例えられる人気の高い香り成分の一つで、また甘みを感じさせる風味ももっています。植物ではアニスやフェンネル等に豊富に含まれており、一般的には食品(お菓子や飲料等)の香料やお香等に利用されています。適量の摂取であればバクテリアや真菌等に対して抗菌作用ももち安全性高く利用できます。ただし大量に摂取すると有害な作用を引き起こす可能性があり、ラット実験では肝臓ガンが僅かに増加した報告もされています。利用する際は適量を心がけましょう。
アニスの利用方法
アニスは種や葉、茎等が食用として利用出来ます。アニスは食欲を刺激するスパイシーで官能的な香りがあり、また風味にも甘味があり美味しいです。
アニスの種(アニスシード)は乾燥させたものをスパイスとして、砕くか原型のまま利用します。例えばクッキーやパンの生地にアニスシードを混ぜ込んで焼きアニスのフレーバーな香りと風味を楽しんだり、また煮込み料理の中にアニスシードをいれて風味付けしたりする事が出来ます。
アニスの若葉や茎は、種と比べるとマイルドな風味で特に茎はセロリの様な食感をもちます。葉はサラダにして食べられる事もありますが、一般的にはお好みの味付けのスープで煮込み食べられる事が多いです。
アニスの栽培
アニスは春になって暖かく(約20度)なり始めたら種を撒き、夏から秋に花を鑑賞して種を収穫した後は枯れる一年草として楽しみます。基本的に栄養の少ない土壌でも育つため、肥料は不要ですが肥沃な土壌を好むため植え付け前に土壌改善は行っておきましょう。沢山の花を咲かせ大きく成長させるには日当たりのよい場所に植えてあげる必要があり、またしっかりとした水やりも必要です。
アニスの収穫
- 葉の収穫は、生育期間中であれば何時でも出来ます。若く柔らかなものを選んで収穫しましょう。
- 種の収穫は晩夏から秋です。花が枯れて乾き褐色になってきたら、花の下から剪定して収穫します。収穫したら花を逆さまに吊るして、トレイか皿を下に置き、種が乾燥して自然に落ちるのを待ちます。
ピンピネラの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。