原産:日本/東アジア
科:アカネ(rubiaceae)
属:クチナシ(Gardenia)
種:クチナシ(jasminoides)
別名:センプク/サンシン/ガーデニア(gardenia)
品種:ゴールデンマジック(golden magic)
開花時期:6月~7月
花の色:白色〇黄色●
葉色:緑色●
香る部位:花
分類:常緑低木
樹高:約60~90cm
誕生花:6月7日/6月28日
花言葉:「沈黙」「清潔」「洗練」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」
用途:香りが良い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クチナシ(ゴールデンマジック)とは!?
クチナシ(ゴールデンマジック)は花が成熟するにつれて花色が白色から鮮やかな黄色へと色変わりしていき、まるでマジックを見ているかのような驚きがある魅力的な園芸品種です。花は八重咲きで直径が約5~8cmで、花弁は白色から薄黄色になり、最後は鮮やかな黄色へとかわります。
開花時期は初夏から夏、花色は白色から黄色へと色変わりして、個々の花は直径が5~8cmで八重咲きします。樹形は丸みを帯び高さは約60(90)cm × 幅は60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
クチナシとは!?
クチナシは学名Gardenia jasminoides、別名「センプク」や「サンシン」や「ガーデニア(gardenia)」とも呼ばれる常緑低木です。クチナシは日本及び東アジアが原産で、日本では本州の静岡県以西・四国・九州に分布して森の中等に自生しています。
クチナシの語源(由来)
- 属名のガーデニア(Gardenia)の由来はスコットランドの植物学者兼医者のDr. Alexander Gardenへの献名です。
- 種小名のjasminoidesはラテン語で「ジャスミン」を意味する「jasminum」とギリシャ語で「に似た」を意味する「oides」の二語からきており、ジャスミンに似ていることに由来します。
- 和名のクチナシの由来は諸説ありますが花後に出来る実に口がない所からきています。
クチナシの特徴(魅力)
- クチナシは他の香りの花も圧倒する程の強い香りがあります。
- ↳香りはココナッツやジャスミンの香りに例えられ開花期は数メートル離れても香りが感じられます。
- クチナシは切り花にすれば屋内でも香りが楽しめます。
- ↳ただし切り花としての寿命は短く日持ち2~3日程度です。
- クチナシの花は中国では花弁を蜂蜜漬けにしたりお茶の香り付けにしたりして食用として利用されています。
- 花後に出来るクチナシの果実は非常に装飾的で秋頃に収穫されます。
- ↳クチナシの果実は様々な薬効があり生薬名「サンシシ」で漢方薬に配合されています。
- クチナシは背が低く地面を被覆する様に成長する品種や背が高く成長する品種等がありお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
クチナシの茎は若い時は緑色で成熟すると樹皮の色は灰褐色になります。茎は直立もしくは、幾つかの品種では這うように広がり高さ30(~300)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序もしくは輪生葉序につきます。葉色は緑色で艶のある光沢があり、葉身の大きさは長さ約3(~25)cm、幅約1.5(~8)cmあり、葉身は楕円形です。花は香りがよく、最大直径10cmまでになり、花弁は通常5~6個、八重咲きする事もあります。花後の果実は長さ約2(~3)cmの楕円形で、側面に5~7の稜があり、果実は成熟するにつれて緑色から黄色、橙色へと色が変わっていきます。
開花時期は初夏から夏、花色は白色もしくは黄色で、個々の花は直径が5~10cmで花は(5~)6裂するか、八重咲きします。樹形は這性のものや直立するものがあり高さは約30(300)cm × 幅は30(180)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形、葉序は対生葉序もしくは輪生葉序につきます。
クチナシの香りと効果
クチナシは花には「ココナッツ」「柑橘類」「ジャスミン」等に表現される濃厚でエレガントな芳香があり、開花期間中は数メートル離れた場所でも漂う強い香りがあります。そのため花を切り花としてお部屋に飾るとクチナシの香りが部屋の中に充満します。
クチナシの香りの由来となる主な精油
リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
α-ファルネセンは「柑橘系」「ラベンダー」「木の香り」等に例えられるマイルドで甘い香りがあり、一般に植物ではクチナシ等に含まれています。
テルピネオールは「木の香り」「柑橘系」「ライラック」「フローラル」等に例えられる爽やかで優しい香りがあり、風味(フレーバー)はウッディな中に柑橘類の甘みを感じさせます。一般に植物では月桂樹やローズマリー、マジョラム等に含まれており、精油は食品(飲料等)の香料や化粧品等に利用されています。テルピネオールの精油の効果には、株式会社ファンケルが研究発表した「作動記憶に関わる脳領域の活動を高める効果」があり会話能力や読み書き能力を高める効果や、また認知症の予防効果等が期待されています。またカビやバクテリアによる食品の腐敗を防ぐ抗菌・殺菌作用があります。
ゲラニオールは「フローラル」「柑橘系」「甘い」「ローズ」等に例えられるマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーです。一般に植物ではゼラニウムやクチナシ等に含まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されています。ゲラニオールの精油の効果には、まだ研究段階で科学的根拠が不十分なものもありますが「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等があります。
クチナシの切り花の楽しみ方
- クチナシの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花が4分の3以上開いてるものを選びます。
- 収穫したクチナシはバケツの中で不要な葉を取り除きます。
- 葉を取り除いたら茎の根元をハサミで十字に切り根元割りを行いましょう。
- 根元割りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- 花瓶の中での日持ちは2~3日程度です。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
クチナシの栽培方法
園芸では、クチナシの強烈な香りと清楚な花姿を楽しむ目的で育てられる事が多く、また品種によって這うように広がる樹形であればグランドカバーに、こんもり茂る樹形であれば生垣に、背が高くなる品種であれば庭木にして楽しまれます。園芸品種には、這うように広がり地面の被覆としても利用できる「ラディカンス(gardenia jasminoides ‘Radicans’)」や花が成熟するにつれて白色から黄色へと色がかわる「ゴールデンマジック(golden magic)」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。
クチナシを育てる際は、肥沃な土壌と湿り気を好むため植える前に堆肥を入れて土質をしっかり改善しておきましょう。また暑さの厳しい地域であれば強い日差しで、葉やけを引き起こす可能性もあるため、植え場所に注意が必要です。寒さには比較的に耐えますが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあります。寒冷地では鉢植えで育て、冬の間は屋内に入れるのも1つの方法です。増やし方は一般的に挿し木で増やしますが、果実(種)をつける品種であれば種によって増やす事もできます。
クチナシの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クチナシの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2021】
クチナシ(ゴールデンマジック)の育て方
花壇の土づくり
地植え
クチナシ(ゴールデンマジック)は直射日光が午前中のみ日が当たる半日影で育てる事が理想ですが、明るい日陰で育てる事も出来ます。ただし、日向で育てると強い日差しで葉焼けを引き起こす事があるため避けた方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌のPH
クチナシ(ゴールデンマジック)は土壌のPH5.0~6.0の間を好みます。PHが高すぎるアルカリ性の土壌ではクチナシが必要とする栄養がとれず葉が黄変(クロロシス)する等の生育不良になる可能性があります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたり、PHが低すぎる場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
クチナシ(ゴールデンマジック)は通気性と排水性が良く、適度に肥沃な土壌であれば問題なく育てる事が出来ます。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
クチナシ(ゴールデンマジック)は直射日光が午前中のみ日が当たる半日影で育てる事が理想ですが、明るい日陰で育てる事も出来ます。ただし、日向で育てると強い日差しで葉焼けを引き起こす事があるため避けた方が良いでしょう。
培養土
培養土は酸性土壌を好むためPH5.0~6.0の土を選びましょう。自作する場合は酸性用土を使いながら通気性が良く適度に肥沃な培養土を作ります。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土+黒土=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+ピートモス(無調整)=3:3:4
水やりの仕方
クチナシ(ゴールデンマジック)は乾燥に比較的に耐える事が出来るため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 ただし水が十分に与えられないと成長が止まったり蕾が綺麗に開かず落ちる事があります。そのため必要に応じて、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
クチナシ(ゴールデンマジック)はやや湿り気のある土壌を好みます。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
クチナシ(ゴールデンマジック)に与える肥料は元肥(寒肥)とお礼肥の2回です。また肥沃な土壌を好むため、必要に応じて土壌を改善する堆肥を入れます。
元肥(寒肥)
クチナシ(ゴールデンマジック)の寒肥は休眠中の冬から早春に与えます。
寒肥はクチナシと同様に酸性土壌を好むツツジやサツキの肥料を選ぶと良いでしょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施します。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
お礼肥
クチナシ(ゴールデンマジック)のお礼肥は花が終わる初夏から夏に与えます。翌年の開花の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
クチナシのお礼肥は多くの場合は速効性の高い配合肥料(ぼかし肥料)等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
おすすめの肥料
剪定のやり方
クチナシ(ゴールデンマジック)は基本的に剪定を殆ど必要としません。剪定する場合は翌年の花芽に影響を与えるため剪定時期に気をつけながら「間引き剪定」を行いましょう。
間引き剪定
クチナシ(ゴールデンマジック)の間引き剪定は、開花が終わったら直ぐに行いましょう。何故なら夏以降に行うと翌年に開花する花芽に影響を与えるからです。
間引き剪定のやり方は、枯れた茎や古い茎、樹形を乱す不要な茎を根元付近で強く剪定して取り除くだけです。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、主要な茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
夏越しする方法
クチナシ(ゴールデンマジック)は夏の暑さに耐えますが、強い日差しや乾燥を苦手にしているため、必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと乾燥対策として、西日の当たらない半日影に移動するといいでしょう。
- 地植えで育てている場合は、株を弱らせない為に、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
- 乾燥対策として地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
クチナシ(ゴールデンマジック)は強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
クチナシの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り、必要に応じて不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
クチナシ(ゴールデンマジック)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木
クチナシ(ゴールデンマジック)の最も適した挿し木時期は6月から9月です。新しく成長した茎をとり上部にある葉を残し下部の葉は取り除きましょう。その時に植物ホルモンが集中している節の少し下で、切り口を斜めにすると成功率が上がります。切り口に発根ホルモンを付け湿らせた培地に挿して下さい。
播種で増やす
クチナシの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
クチナシの病気
- 斑点病
- サビ病
- すす病
- 灰色カビ病
- がんしゅ病
クチナシの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ
- ロウムシ
- オオスカシバ