クロッカス属(サフラン属)の種は約250種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでは8種類の原種と、19種類の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■クロッカス属(サフラン属)の簡易比較

学名:Crocus sativus
生活形:多年草
草丈:約10~30cm
開花:10月~12月
花色:紫色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:本種は主に食用として利用されており、雌蕊の柱頭はサフランと呼ばれる高級な料理用スパイスです。また花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。

学名:Crocus vernus
生活形:多年草
草丈:約10~15cm
開花:2月~4月
花色:紫色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:近縁種のクロッカスと比べて花が大きく華やかです。花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。

学名:Crocus chrysanthus
生活形:多年草
草丈:約10cm
開花:2月~4月
花色:黄色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:開花が早く、花色が豊富です。花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。

学名:Crocus tommasinianus
生活形:多年草
草丈:約10~15cm
開花:2月~4月
花色:紫色・桃色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:本種はハナサフランと比べて花が小ぶりで、筒部が細長く伸びてほっそりとしており、白色の筒部と紫色の裂片のコントラストが美しい植物です。

学名:Crocus sieberi
生活形:多年草
草丈:約10cm
開花:2月~3月
花色:紫色・黄色・白色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。

学名:Crocus minimus
生活形:多年草
草丈:約10cm
開花:2月~3月
花色:紫色・濃紫色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:花の色が薄い紫色を基調として、3枚の外花被の裏側に濃い紫色をした羽状の中斑が入る点が特徴となります。花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。

学名:Crocus speciosus
生活形:多年草
草丈:約10~15cm
開花:10月~12月
花色:白色・青色・紫色
葉色:緑色
生育型:ロゼット型
備考:花の色は一般的に薄い青色から濃い青色(青紫色)で、花脈の色が濃くなり独特な模様が浮かぶ植物です。花は漏斗状またはゴブレット状で上向きに直接地面から生えたように咲くため、個性的な花姿が楽しめます。
■クロッカス属(サフラン属)の主な種と園芸品種の紹介
サフラン



サフランとは!
サフラン(学名: Crocus sativus)は、別名で「薬用サフラン」「オータムクロッカス(autumn crocus)」「サフランクロッカス(saffron crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
サフランは野生に自生している原種ではありません。ギリシャに自生しているCrocus cartwrightianusが遺伝的に最も近いと考えられており、恐らくこの種が選抜されたか突然変異した栽培種と考えられています。
サフランの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。秋になると休眠から覚めて球根から葉と花を展開し、冬は葉を展開したまま生育を続け、春も葉を展開し光合成を活発に行い球根を肥えさせ、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:開花期は10月~12月頃で、秋咲きするクロッカスです。花序は単生で球根から地上に届かない極短い花茎を伸ばし、花茎の先端に花を付けます。この花は6枚の花被片で構成され、花被片が合着した細長い筒部と、6枚の分離した裂片に分かれ、この裂片部分は漏斗状に開きます。基本的に地表に茎(花茎)はなく、花が直接地面から生えたように咲くため、個性的な外観を呈します。本種の花の色は薄い紫色を基調として花脈が濃い紫色をしており、色鮮やかな黄色の雄蕊と赤色の雌蕊が強いコントラストを生み出します。ただし、この雄蕊や雌蕊は不稔性のため結実することはありません。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の高山草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
- 食用:本種は主に食用として利用されており、雌蕊の柱頭はサフランと呼ばれる料理用スパイスになります。このスパイスは、1g集めるためには本種の雌蕊が約150個必要になるため、高価なスパイスとして扱われます。サフランはスペインのパエリア、イタリアのリゾット、フランスのブイヤベースなどの人気料理に欠かせないスパイスであり、独特な風味と鮮やかな黄金色の色彩を料理に加えることができます。
ハナサフラン


ハナサフランとは!
ハナサフラン(学名: Crocus vernus)は、別名で「スプリングクロッカス(spring crocus)」「ダッチ・クロッカス(dutch crocus)」「ジャイアント・クロッカス(giant crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
ハナサフランの原産地はフランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、スイス、バルカン半島で、自生地は山岳地帯の草原や疎林などに見られます。
ハナサフランの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、春の早い時期から地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:近縁種と比べて花が約4~7cmと大きく華やかなため、これを鑑賞する目的で栽培されることが多いです。開花期は2月~4月頃、まだ雪の残る時期に開花することもあります。花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状またはゴブレット状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。本種の花の色は紫色と白色で、個体によりボカシやベイン(脈斑)や覆輪などの斑入りが見られます。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の高山草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
- 毒性:本種は有毒なアルカロイドを含むため食べられません。誤って摂取した場合、嘔吐や下痢などの中毒症状が出る可能性があります。
ハナサフランの園芸品種の紹介
●ジャンヌダルク

学名:Crocus vernus ‘jeanne d’arc’
花の色:白色
草丈:約10~15cm
備考:白色の花色が、神聖さや清潔感を感じさせて、エレガントなお庭などによく調和する品種です。
●リメンブランス

学名:Crocus vernus ‘remembrance’
花の色:紫色
草丈:約10~15cm
備考:花の色は鮮やかな紫色をしているため、エレガントな雰囲気のお庭によく調和します。
ゴールデン・クロッカス

ゴールデン・クロッカスとは!
ゴールデン・クロッカス(学名: Crocus chrysanthus)は、別名で「クロッカス・クリサンサス」「スノー・クロッカス(snow crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
ゴールデン・クロッカスの原産地はバルカン半島(アルバニア、ブルガリア、ギリシャ、ルーマニア等)からトルコで、自生地は山地の斜面の草原や疎林などに見られます。
ゴールデン・クロッカスの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、晩冬から春の時期に地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:近縁種のハナサフランよりも開花が2週間程度早く、晩冬頃から開花するため、雪を割るように開花することも多くあり、花のサイズがやや小ぶりです。花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状またはゴブレット状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。本種の花の色は基本的に黄色ですが、個体により紫色・茶色・白色も見られます。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると黄色の花の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が山岳地帯の高山草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
- 毒性:本種は有毒なアルカロイドを含むため食べられません。誤って摂取した場合、嘔吐や下痢などの中毒症状が出る可能性があります。
ゴールデン・クロッカスの園芸品種の紹介
●アードシェンク

学名:Crocus chrysanthus ‘ard schenk’
花の色:白色・黄色
草丈:約10cm
備考:花の色は白色を基調として、花冠喉部に黄色の斑が入ります。そのため、明るさや清潔感のある御庭によく調和します。
●アドバンス

学名:Crocus chrysanthus ‘advance’
花の色:黄色・紫色
草丈:約10cm
備考:花被片6枚の内、外花被3枚の裏側が紫色を呈します。黄色と紫色の2色がネオンサインのような強いコントラストを感じさせてカラフルな印象を感じさせたり、クリームの上に乗るベリーを見てるような可愛らしいお菓子を想像させる品種です。
●ジプシーガール

学名:Crocus chrysanthus ‘gypsy girl’
花の色:黄色・茶色
草丈:約10cm
備考:花被片6枚の内、外花被3枚の裏側に茶色の縦筋の斑が入ります。この黄色と茶色の模様は、虎柄を想像させるため、個性的な花が好きな人に好まれます。
●ヘラルド

学名:Crocus chrysanthus ‘herald’
花の色:黄色・濃紫色
草丈:約10cm
備考:花被片6枚の内、外花被3枚の裏側が紫色を呈します。黄色と濃紫色の2色がネオンサインのような強いコントラストを感じさせてカラフルな印象を感じさせたり、クリームの上に乗るベリーを見てるような可愛らしいお菓子を想像させる品種です。
●プリンスクラウス

学名:Crocus chrysanthus ‘prins claus’
花の色:白色・紫色
草丈:約10cm
備考:花被片6枚の内、外花被3枚の裏側が紫色を呈し、白色と紫色の2色が上品さを感じさせる品種です。
●ブルーパール

学名:Crocus chrysanthus ‘blue pearl’
花の色:白色・薄い紫色
草丈:約10cm
備考:花被片6枚の内、外花被3枚の裏側が紫色を呈し、白色と薄い紫色の2色が上品さを感じさせます。
●ロマンス
学名:Crocus chrysanthus ‘romance’
花の色:黄色・クリーム色
草丈:約10cm
備考:花の色は鮮やかな黄色からクリーム色をしているため、明るく元気な印象を与えるお庭によく調和します。
クロッカス・トマシニアヌス

クロッカス・トマシニアヌスとは!
クロッカス・トマシニアヌス(学名: Crocus tommasinianus)は、別名で「アーリー・クロッカス(early crocus)」「ウッドランド・クロッカス(woodland crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
クロッカス・トマシニアヌスの原産地はブルガリア、ハンガリー、アルバニア、旧ユーゴスラビアで、自生地は標高1000m付近にある山地の斜面、疎林、草原などに見られます。
クロッカス・トマシニアヌスの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、晩冬から春の時期に地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:本種はハナサフランと比べて花が小ぶりで、筒部が細長く伸びてほっそりとしており、白色の筒部と紫色の裂片のコントラストが美しい植物です。花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状またはゴブレット状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。本種の花の色は個体差がありますが、基本的に筒部が白色で、裂片にかけて紫色になり、ボカシの斑が入ります。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の花の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が山地の高山草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
クロッカス・トマシニアヌスの園芸品種の紹介
クロッカス・シエベリ

クロッカス・シエベリとは!
クロッカス・シエベリ(学名: Crocus sieberi)は、別名で「シーバーズ・クロッカス(Sieber’s crocus)」「クレタン・クロッカス(Cretan crocus)」「スノー・クロッカス(snow crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
クロッカス・シエベリの原産地はバルカン半島で、自生地は高山の草原、林縁などに見られます。
クロッカス・シエベリの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、晩冬から春の時期に地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状またはゴブレット状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。花の色は紫色・黄色・白色で、喉部が黄色をしておりアイの斑が入る傾向があります。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の花の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が高山の草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
クロッカス・シエベリの園芸品種の紹介
クロッカス・ミニマス

クロッカス・ミニマスとは!
クロッカス・ミニマス(学名: Crocus minimus)は、別名で「ピグミー・クロッカス(pygmy crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
クロッカス・ミニマスの原産地はコルシカ島とサルデーニャ島で、自生地は疎林や草原などに見られます。
クロッカス・ミニマスの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、晩冬から春の時期に地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:本種は、花の色が薄い紫色を基調として、3枚の外花被の裏側に濃い紫色をした羽状の中斑が入る点が特徴となります。花序は単生で球根から地上に届かない極短い花茎を伸ばし、花茎の先端に花を付けます。この花は6枚の花被片で構成され、花被片が合着した細長い筒部と、6枚の分離した裂片に分かれ、この裂片部分は漏斗状またはゴブレット状に開きます。基本的に地表に茎(花茎)はなく、花が直接地面から生えたように咲くため、個性的な外観を呈します。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の花の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
クロッカス・ミニマスの園芸品種の紹介
クロッカス・スペシオサス

クロッカス・スペシオサスとは!
クロッカス・スペシオサス(学名: Crocus speciosus)は、別名で「ビーバーシュタイン・クロッカス(Bieberstein’s crocus)」とも呼ばれるアヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
クロッカス・スペシオサスの原産地はブルガリア、トルコ、イラン、コーカサス地方で、高山草原、牧草地、落葉樹林の林床、疎林などに見られます。
クロッカス・スペシオサスの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。秋になると休眠から覚めて球根から葉と花を展開し、冬は葉を展開したまま生育を続け、春も葉を展開し光合成を活発に行い球根を肥えさせ、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:本種の花の色は一般的に薄い青色から濃い青色(青紫色)で、花脈の色が濃くなり独特な模様が浮かぶ植物です。開花期は10月~12月頃で、秋咲きするクロッカスです。花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地面から花が直接開花するため、群生を形成させると紫色の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が高山草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
クロッカス・ルテウス
クロッカス・ルテウスとは!
クロッカス・ルテウス(学名: Crocus × luteus)は、アヤメ科クロッカス属(サフラン属)に分類される多年草です。
本種は野生に自生している原種ではありません。ウクライナやアルメニア等に自生する「Crocus angustifolius」と、ギリシャや旧ユーゴスラビア等に自生する「Crocus flavus」の交雑種とされています。
クロッカス・ルテウスの特徴
- 形態とライフサイクル:生活形は球根から葉と花を展開するロゼット型または、球根が増え多数の葉や花を叢生させる叢生型です。基本的に秋になると球根から根が出て、花芽や葉の分化が始まり、冬の低温で春化し、晩冬から春の時期に地上に葉と花を展開し、夏になると地上部が枯れて休眠します。
- 花の魅力:本種はバターのようなやや赤みを帯びる濃い黄色の花を咲かせる点が際立つ特徴になります。そのため、明るく元気な印象を感じさせるお庭によく調和します。花序は単生、地面から花が直接出ます。花は6枚の花被片が基部で合着して細長い筒部を形成し、これが地面から出るため茎のような外観を呈します。花の上部では裂片が6枚に分離し、漏斗状またはゴブレット状に上向きに開くため、まるで地面から花が直接咲いたかのように見えます。
- 花絨毯:本種は球根で増殖し群生を形成します。開花期になると地上に花茎を伸ばさず、地面から咲くように花が開花するため、群生を形成させると紫色の花の絨毯を敷いたような美しい景観を作り出すことができます。
- ロックガーデン:本種は自生地が高山の草原などにあり、砂礫が多く栄養の乏しい土壌に生息しています。そのため、土壌層が浅くて乾燥しやすいロックガーデンにも最適な植物のひとつとなります。
クロッカス・ルテウスの園芸品種の紹介









