原産:地中海沿岸/西アジア 科:セリ(Apiaceae) 属:コエンドロ(coriandrum) 種:コリアンダー(sativum) 和名:コエンドロ 別名:チャイニーズ・パセリ(Chinese parsley)/シラントロ(cilantro) 開花時期:7月~8月 花の色:白色〇桃色● 葉色:緑色● 香る部位:果実 草丈:約30~60cm 草姿:直立 分類:一年草 誕生花: 花言葉: | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
コリアンダーは学名Coriandrum sativum、別名「コエンドロ」や「チャイニーズ・パセリ(Chinese parsley)」等とも呼ばれる地中海沿岸と西アジアが原産の一年草です。
コリアンダーの語源(由来)
- 属名のCoriandrumは古代ギリシア語の「koriandron」からきており、コリアンドロンの由来は恐らくコリアンダーの葉の匂いに関連して、悪臭を放つトコジラミ(κόριςkóris)からきています。
- 種小名のsativumはラテン語で「栽培」を意味しています。
コリアンダーの最大の特徴(魅力)
- コリアンダーの果実は「柑橘類」や「フローラル」等を思わせる爽やかな香りがあります。
- コリアンダーの葉は「カメムシ」や「脂肪臭」を連想させる臭いがあります。
- コリアンダーは根・葉(パクチー)・実(果実)の全てが食用とされます
- 葉は上部の葉は細く裂けますが根元付近は幅広です
- 花は小さな白色の小花が茎頂部に集まり可憐な花を咲かせます
- 種から育てる事が出来るため大量植栽しやすいです
コリアンダーの茎は直立で高さ30~60cmの間で成長します。葉は下部の葉では浅く切れ込みの入る円形の小葉が羽状複葉につき、上部の葉では非常に細く糸状で2回羽状複葉しており、茎に対して互生につきます。花は白色(~薄桃色)で個々の花は花弁の大きさが不均一で外側が長くなり、花序は小花が茎の頂部に集まり傘を開いた様な形(複散形花序)に花を咲かせます。果実は秋頃になり直径約0.3~0.4cmの球形で成熟すると褐色になります。
開花時期は夏から晩夏、花色は白色から薄桃色、茎の頂部に小花が集まり複散形花序に花を咲かせます。草姿は直立で分枝がよく高さは約30(60)cm × 幅は約20(30)cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は縁部分が裂けた円形もしくは糸状で、1~2回羽状複葉して、葉序は互生葉序もしくは根生葉につきます。
コリアンダーの香りと成分
コリアンダーは種に「柑橘類」「フローラル」「コショウ」等と表現される爽やかで辛い芳香があり、また甘くスパイシーな風味(フレーバー)をもっています。コリアンダーの香りの由来となる精油は、主成分の「リナロール(5~8割)」をはじめ、その他に「テルピネン」「α-ピネン」「p-シメン」「酢酸ゲラニル」等が含まれ、コリアンダーの爽やかな香りをつくる元となってます。
コリアンダーは葉に「カメムシ」「脂肪臭」「雑草」「腐敗臭」等と表現される香りがあり、また柑橘類と油っぽい風味(フレーバー)をもっています。コリアンダーの香りの由来となる精油は、強い脂肪臭がある「ドデカナール」や油っぽい匂いがある「デカノール」等が含まれ、コリアンダーの葉の独特な香りをつくる元となってます。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- テルピネンは「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」等に例えられる爽やかでシャープな香りがあり、ウッディで柑橘類を感じさせる風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではマジョラムやカルダモン等に含まれており、香水等の原料に利用されています。
- α-ピネンの香りは「木の香り」「松」「樟脳」「甘い」等に例えられる香りがあります。一般に植物ではユーカリやローマンカモミール、ローズマリー等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘系(僅か)」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
- 酢酸ゲラニルは「ラベンダー」「バラ」「柑橘系」「石鹸」等に例えられるフローラルな香りがあります。一般に植物ではレモングラスやイランイラノキ等に含まれています。
コリアンダーの利用方法
コリアンダーは爽やかな香りのある果実と、腐敗臭やカメムシとも言われる臭いで好き嫌いの分かれる葉が一般的(根も食べられる)に食用として利用されます。
コリアンダーの果実は、油で炒め(テンパリング)て香りを高め香りの移った油ごと様々な用途(野菜炒めやカレー等)に利用します。またコリアンダーの葉は加熱すると風味が失われるため通常はサラダにしたり、料理の最後に彩りとして利用されたりしますが、逆に風味がなくなるまで茹でてスープ等の料理に使うのもいいかもしれません。
コリアンダーの栽培
コリアンダーは秋もしくは春のおだやかな気温(約20度)の時期に種を撒き、夏から晩夏に花を鑑賞して種を収穫した後は枯れる一年草として楽しみます。基本的には夏の暑さや冬の寒さに強く、土質も殆ど選ぶことなく丈夫に育ちます。
コリアンダーの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。