シキミは属の中に約32種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、剪定しても葉の傷みが殆どなく毒が邪気を祓うという言伝えから枝葉が仏花等にも使われるシキミ、果実(八角)に甘い香りと風味があり調味料やポプリ等に利用されるトウシキミ等が親しまれています。
シキミ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
シキミの主な種の目次 | |
①シキミ 開花時期:3月~5月 | ②トウシキミ 開花時期:3月~5月 |
原産:日本
学名:illicium anisatum
草丈:約200~1000cm
分類:常緑小高木
開花時期:3月~5月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:「猛毒」
特徴:シキミは学名illicium anisatum、別名「シキビ」や「ジャパニーズ・スターアニス(Japanese star anise)」等とも呼ばれる常緑小高木です。シキミは日本が原産で、本州(宮城・石川県以西)・四国・九州・沖縄に分布して山地の林内等に自生しています。
シキミの語源(由来)
- 属名のイリシウム(illicium)はラテン語の「誘惑」を意味しており、魅力的な芳香に由来しています。
- 種小名アニサツム(anisatum)は「アニスの香り」を意味します。
- 和名のシキミの由来は諸説あり、実に毒をもつ「悪しき実」から「あ」が抜けて「シキミ」になったという説や、四季を通して美しい姿から「四季美」と呼ばれる説、実の形から「敷き実」と呼ばれる説等があります。
シキミの特徴(魅力)
- シキミの葉や樹皮には甘く快い香りがあります
- ↳葉や樹皮を乾燥させ粉末にしたものは「抹香」と呼ばれるお香の1つです
- ↳シキミが有毒で、また独特な香りがあるため邪気を払う力があると考えられています
- シキミは根や茎、葉や花、果実に至るまで有毒です
- ↳特に果実や種には毒性が強く食用にすると死亡する事もあります
- ↳果実は毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています
- シキミは剪定後も劣化しにくいため切り花として魅力的です
- ↳主に仏花として利用されています
シキミは暗褐色の樹皮をもち高さ約200~1000cmの間で成長する常緑小高木です。葉は長さ約4(10)cm × 幅約2(4)cmの長楕円形で、葉色は表面が濃い緑色に光沢があり葉裏は灰緑色をしています。花は葉腋から腋生して直径約2.5~3cmの花被片が10~24個ある花を咲かせます。また花後には8個の袋果が星のように並び、スターアニスを連想させる果実をつけます。
開花時期は3月~5月、花色は白色もしくは薄黄色、個々の花は直径2.5~3cmで花被片が10~24個あり、花序は腋生に葉腋から1個の花をさかせます。樹形は直立で高さ約200~1000cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は長楕円形、葉序は互生葉序につきます。
シキミの香りの印象と精油成分
シキミは樹皮や葉に「抹香」「甘い」「ウッディ(木の香り)」に例えられる香りがあります。シキミの香りの由来となる精油には「シネオール」「リナロール」「メチルオイゲノール」「サフロール」等があり、シキミの甘い香りをつくる元となってます。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- メチルオイゲノールは「クローブ」「シナモン」「甘い&辛い」等に例えられる香りがあり、一般に植物ではシキミ等に含まれています。
- サフロールは「アニス」「ウッディ(木の香り)」「フローラル」「甘い&辛い」等に例えられるスパイシーな香りがあり、一般に植物ではシキミ等に含まれています。
シキミの栽培
園芸では、シキミの枝葉を花材(切り花)や仏花として利用する目的で庭木として育てられたり、また人の侵入や暴風を遮り道路等からの騒音をやわらげる目的で生垣として植え込みに植えられたり、植木鉢の中でコンパクトに管理して育てられたりします。
シキミを育てる際は、基本的に強い日差しや乾燥を苦手にしているため植え場所や土壌の保水性等に気を使う必要があるでしょう。また比較的に寒さには耐えますが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。そのため寒冷地では管理のしやすい鉢植え等で育てた方がいいでしょう。増やし方は挿し木や播種によって行えます。
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原産:ベトナム/中国
学名:illicium verum
草丈:約800~1500cm
分類:常緑高木
開花時期:3月~5月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:
花言葉:
特徴:トウシキミ(スターアニス)は学名illicium verum、別名「チャイニーズ・スターアニス(Chinese star anise)」等とも呼ばれるベトナム及び中国が原産の常緑高木です。
トウシキミ(スターアニス)の語源(由来)
- 属名のイリシウム(illicium)はラテン語の「誘惑」を意味しており、魅力的な芳香に由来しています。
- 種小名はverumは「真/本物」を意味しています
トウシキミ(スターアニス)の特徴(魅力)
- トウシキミ(スターアニス)の果実にはアニスと同様にアネトールを豊富に含み強い甘い香りがあります
- ↳トウシキミ(スターアニス)の果実は「八角」と呼ばれアニスの風味を出す調味料として利用されます
- ↳香り良く個性的な形をした果実はポプリとしても人気です
トウシキミ(スターアニス)は高さ約800~1500cmの間で成長する常緑高木です。葉は長さ約5(15)cm × 幅約2(5)cmの細い披針形、また葉色は濃い緑色で光沢があります。花は葉腋から腋生して花被片が7~12個ある薄黄色の花を咲かせます。また花後には8個の袋果(果実)がなり、星のように放射状に配置する事から八角(中国の香辛料名)とも呼ばれます。
開花時期は3月~5月、花色は白色もしくは薄黄色、個々の花花被片が7~12個あり、花序は腋生に葉腋から1個の花をさかせます。樹形は直立で高さ約800~1500cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は披針形、葉序は互生葉序につきます。
トウシキミ(スターアニス)の香りの印象と精油成分
トウシキミ(スターアニス)は果実に「アニス」「甘草」に例えられる強い甘い香りがあり、また甘みの強い風味(フレーバー)をもっています。トウシキミ(スターアニス)の香りの由来となる精油には8~9割を「アネトール」が占めており、その他には「β-カリオフィレン」「メチルオイゲノール」「エストラゴール」等が含まれます。
- アネトールは「アニス」「甘草」等に例えられる甘い香りがあります。一般に植物ではアニスやフェンネル等に豊富に含まれており、精油は食品(お菓子や飲料等)の香料やお香等に利用されています。精油の効果には「抗菌作用」「去痰」等があります。
- β-カリオフィレンは「クローブ」「甘い&辛い」「木の香り」等に例えられるスパイシーな香りがあり、風味(フレーバー)は辛さの中にウッディな味です。一般に植物ではクローブやアサ等に含まれ、また多くの自然食品にも含まれています。
- エストラゴールは「アニス」「フェンネル」「甘い&辛い」等に例えられる甘くスパイシーな香りがあり、一般に植物ではアニスやフェンネル、スターアニス等に含まれます。
トウシキミ(スターアニス)の利用方法(食べ方)
トウシキミ(スターアニス)は星の様な形をした別名「八角」とも呼ばれる果実の部分を乾燥させた後に料理やデザートに入れる事で、強い甘い香りと甘み(風味)を付ける事が出来ます。
例えば、角煮を煮込む時に調味料としてトウシキミ(スターアニス)の果実を丸ごと1個入れて一緒に煮込んだり(果実は最後に取り出す)、フレーバーコーヒーとして楽しむならスターアニスを豆と一緒にミル(もしくは乳鉢で砕き)してコーヒーを入れると甘い香りのたつコーヒーを楽しめたりします。
トウシキミ(スターアニス)の栽培
園芸では、一般的にトウシキミ(スターアニス)の果実を収穫する目的で育てられます。育てる際は、基本的に強い日差しや乾燥を苦手にしているため植え場所や土壌の保水性等に気を使う必要があるでしょう。また比較的に寒さには耐えますが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。そのため寒冷地では管理のしやすい鉢植え等で育てた方がいいでしょう。増やし方は挿し木や播種によって行えます。
トウシキミ(スターアニス) |