原産:地中海沿岸/中央アジア 科:シソ(Lamiaceae) 属:コウスイハッカ/メリッサ(Melissa) 種:オフィキナリス(officinalis) 英名:レモンバーム(Lemon balm) 別名:コウスイハッカ/セイヨウヤマハッカ/メリッサ/メリッサ・オフィキナリス/スイート・バーム(Sweet Balm) 開花時期:6月~8月 花の色:白色〇 葉色:緑色●黄色● 分類:多年草 草丈:約30~90cm 誕生花:2月11日 花言葉:「同情」「共感」「思いやり」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レモンバーム(コウスイハッカ)は学名Melissa officinalis、別名「メリッサ」や「セイヨウヤマハッカ」等とも呼ばれる地中海沿岸および中央アジア原産の多年草です。
レモンバーム(コウスイハッカ)の語源(由来)
- 属名のメリッサ(Melissa)は、ギリシャ語で「蜜蜂」を意味する「μέλισσα」に由来しており、ギリシャ人は庭の中で蜂に人気があったメリッサを「蜜蜂(melissa)」と「葉(phyllon)」を意味する「melisophyllon」と呼んでいました。
- 種小名のオフィキナリス(officinalis)はラテン語で「薬用の」を意味しています。
レモンバーム(コウスイハッカ)の特徴(魅力)
- 葉にはレモンや柑橘類を思わせるフルーティーな香りがあり
- ↳食用ハーブとして幅広く利用されています
- ↳また薬効としては抗菌・殺菌作用や認知機能の改善等があります
- 花は古くから蜜蜂を誘引する蜜源植物として利用されており
- ↳メリッサ(蜜蜂)の語源にもなります。
- レモンバームはミントと違い根茎で旺盛に広がらず管理しやすい所も魅力です
- 環境が合えば放ったらかしでも育ちます
開花時期は初夏から晩夏、花色は白色、個々の花は唇形(下唇が3裂・上唇が浅く2裂)、花序は節に小花が複数集まり輪散花序に花が咲きます。草姿は直立で分枝がよく高さ約30(90)cm × 幅は約30(90)cmまで成長します。葉色は緑色や黄色があり、葉身は長さ約2~8cmの卵形で縁部分に鋸歯があり、葉序は対生葉序につきます。
レモンバーム(コウスイハッカ)の香りの印象と成分
レモンバーム(コウスイハッカ)の葉には、「レモン」や「柑橘類」を想像させるフルーティーで甘い香りがあり、香りを特徴づける精油には「ゲラニオール」や「シトロネラール」や「リナロール」等が含まれています。
- ゲラニオールは「フローラル」「柑橘系」「甘い」「ローズ」等に例えられるマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーです。一般に植物ではゼラニウムやクチナシ等に含まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されています。ゲラニオールの精油の効果には、まだ研究段階で科学的根拠が不十分なものもありますが「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等があります。
- シトロネラールは「ローズ」「ゼラニウム」「柑橘類」等を想像させる濃厚でフローラルな香りがあり、甘くフルーティな風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではバラやゼラニウム等に含まれており、シトロネラールの精油の効果には「抗菌作用・抗真菌作用」「効炎症作用」「鎮静作用」「昆虫忌避作用」等があります。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
レモンバーム(コウスイハッカ)の効能
レモンバーム(コウスイハッカ)には伝統医学や最近の研究によって「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「鎮静・抗不安作用」「認知機能の改善」「鎮痙」「頭痛の改善」等の様々な効能が認めらていたり期待されています。そのため適量を食事に取り入れたり、香りを楽しむ事で健康増進にも繋がるでしょう。
1.抗菌・抗真菌作用
レモンバーム(コウスイハッカ)に含まれるゲラニオールやシトロネラールが、カビやバクテリアの増殖を抑制したり殺菌するため、食品の腐敗を防ぐ効果や、口内のバクテリアを退治して口の中を爽やかにする効果等が期待できます。
2.抗酸化作用
レモンバーム(コウスイハッカ)に含まれるゲラニオールは、体の中で過剰に増えた活性酸素の働きを抑制して体の酸化(体の中が錆びる)を抑える働きがあります。これにより例えば、老化防止やガン防止、生活習慣病の予防等が期待出来ます
3.鎮静作用・抗不安作用
レモンバーム(コウスイハッカ)に含まれるシトロネラールやリナロール等の香りには、イライラや興奮といった神経系の過活動を抑える事で気分を落ち着けリラックスする効果(鎮静作用)や、不安や緊張を和らげてリラックス効果(抗不安作用)があるため、アロマセラピーにも使えます。
4.認知機能の改善
レモンバーム(コウスイハッカ)には、記憶力や学習力等に関連している神経伝達物質(アセチルコリン)を分解してしまう酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の働きを抑制する効果があります。そのためレモンバームをハーブティー等で適量を摂取する事で認知機能の改善が期待出来ます。
レモンバーム(コウスイハッカ)の楽しみ方(食べ方)
レモンバーム(コウスイハッカ)の葉には、レモンや柑橘類を連想させるフルーティーな香りと、苦味や辛味を感じさせる風味があります。料理では一般的に新鮮な葉をサラダに混ぜて食べたり、新鮮な葉を肉の下処理(マリネ)として利用したり、また手軽にハーブティーとして楽しまれたりします。
ハーブティーとして楽しむ場合は「新鮮な葉」もしくは「乾燥させた葉」どちらも利用可能です。新鮮な葉を利用する場合はミントの葉を一掴み程度(10g)とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて5~10分間蒸らします。蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーを茶こしでこしながらカップに注ぎましょう。その際、ハーブティーにお好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。乾燥させた葉を利用する場合は葉を粉末にして、お湯の中に小さじ一杯の葉を入れましょう。スプーンで掻き回しレモンバームの精油と風味を出してそのまま飲みます。また、粉末にしたレモンバームの舌触りが気になる場合は茶こしでこして飲むことも出来ます。
レモンバーム(コウスイハッカ)の収穫
レモンバーム(コウスイハッカ)の葉の収穫は、何時でも行えますが最も適した開花直前です。何故なら風味を生み出す精油が最も多く含まれており美味しいからです。収穫は株の半分程度を目安に形を揃えて全体を切り戻しするといいでしょう。健康に成長すれば秋に再度収穫する事が出来るでしょう。
レモンバーム(コウスイハッカ)の栽培
園芸では、一般的に蜜蜂を誘引する目的で育てられたり、香りの良い葉を収穫する目的でハーブガーデン等で育てられます。育てる際に注意する事は、殆どありませんがやや湿り気のある土壌を好むため土質を改善しておくといいかもしれません。基本的には、環境が合えば放ったらかしで育てられる程に丈夫です。
メリッサ(コウスイハッカ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。