
- 原産:日本/中国/朝鮮/ロシア
- 科:アジサイ(Hydrangeaceae)
- 属:アジサイ/ハイドランジア(Hydrangea)
- 種:ノリウツギ/パニキュラータ(paniculata)
- 別名:ノリノキ/トロロノキ/ハイドランジア・パニキュラータ/panicled hydrangea
- 品種:サマーラブ(hydrangea paniculata ‘summer love’)
- 開花時期:7月~9月
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約100~120cm
- 誕生花:7月9日/8月21日
- 花言葉:高慢/臨機応変/乙女の愛/しとやかな恋人
- 用途:日陰植物/生垣/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ノリウツギ(サマーラブ)とは!?
ノリウツギ(サマーラブ)は、白色から桃色へと徐々に変化する花色と、幅広な円錐形の花穂が魅力的な園芸品種です。花はは円錐花序、円錐花序は長さ約20~25cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色へと徐々に変化していくためツートンカラーの花色となります。樹形は株立ち状、高さ約100cm、幅は約120cmまで成長します。
ノリウツギとは!?
ノリウツギは学名Hydrangea paniculata、別名では「ノリノキ」や「トロロノキ」等とも呼ばれる日本及び中国、朝鮮、ロシアが原産の落葉低木です。日本では北海道から九州まで分布しており、林縁等に自生しています。
ノリウツギの語源(由来)
- 属名のHydrangeaは、古代ギリシア語で「水」を意味する「ὕδωρ(húdōr)」と、「容器」を意味する「ἀγγεῖον(angeîon)」の2語からきており、水を入れるカップの様な形状をした果実の形に由来すると言われています。
- 種小名のpaniculataはラテン語で「円錐花序の」「房のある」を意味しており、花の形に由来しています。
- ノリウツギ(糊空木)の由来は樹皮を剥がすと内側に粘りのある粘液があり、この粘液をねり(ノリ)として和紙漉きに利用していた事に由来します。
- 一方でウツギ(空木)は茎の中が空洞な事を意味しますが、ノリウツギの茎の中は空洞ではありません。
- 別名の「ノリノキ」や「トロロノキ」の由来は、樹皮を剥がすとネバネバとした粘液があり、これを和紙を作る際のねり(ノリ)として和紙漉きの時に利用された事からきています。
ノリウツギの特徴(魅力)
- ノリウツギは樹皮を剥ぐと粘りのある粘液があり、以前は粘液をねり(ノリ)として和紙漉きの際に利用されていた事から和名「ノリウツギ(糊空木)」の名前がついています。
- また花の形が円錐形をしている所も特徴で、種小名のパニキュラータ(paniculata)は「円錐花序の」を意味しており、ノリウツギの花の形が由来になっています。
- ノリウツギは一般的なアジサイよりも開花期が遅く夏から秋にかけて開花します。
- ノリウツギの花は両性花と装飾花で構成されており長さ約7~25cmの円錐形の巨大な花を咲かせます。
- 装飾花は雄蕊・雌蕊が不完全なため果実を作らない小花で、花弁(萼片)が大きく発達しているため非常に目立ち、直径約1~4.5cmの大きさがあります。
- 両性花は雄蕊と雌蕊の両方を備える小花で果実を作り、直径約0.2cmと非常に小さいです。
- 野生では殆ど両性花で装飾花が少ないですが、園芸品種は殆ど装飾花で構成されています。
- ノリウツギの花色は、普通のアジサイと違ってPHの影響を殆ど受けないため、花色がPHによって左右されることはありません。
- 樹形は株立ち状で、地際から多数の直立する茎を伸ばします。
- ノリウツギの花は収穫して切り花やドライフラワーなど、フラワーアレンジメントの素材として利用されます。
- 花は非常に大きく豪華なため、切り花を部屋に飾ることで華やかな印象を与えます。
- ドライフラワーとしては乾燥後も萼片が落ちにくくふんわりとしたボリュームある外観を長く保つため、存在感のあるフラワーアレンジメントとして利用できます。
- また新鮮な花を着色液に漬け込んでブリザードフラワーにすると綺麗な花色のまま長く楽しむ事ができます。
- ノリウツギは自然な樹形を生かしたインフォーマルな生垣として利用利用する事ができます。
- ノリウツギの生垣は他の生垣と比べて花を楽しめる所が魅力です。
- 葉は落葉性のため、冬になるとややオープンな構造になり目隠し効果が薄れるかもしれません。
- ノリウツギの生垣の植え付け間隔は約100~200cm、ノリウツギの品種の成熟した時の大きさによって変わってきます。
- 成熟時のノリウツギの幅が200cmなら植え付け間隔は200cm前後です。
- ノリウツギは基本的に丈夫で育てやすい植物です。
- ただし強い日差しによって葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり、乾燥によって萎れるなど弱る事もあるため植え付け場所には注意が必要です。
ノリウツギの樹高は約100(~500)cm、樹形は株立ち状(地際付近から幹・枝が立ち上がる茂る樹形)です。茎は直立もしく斜上して、樹皮の色は灰褐色もしくは褐色、樹皮は縦に割れます。
葉序は対生葉序もしくは輪生葉序、葉色は緑色、葉柄は0.5(~2.5)cm、葉身の大きさは長さ約5(~15)cm、幅約3(~10)cm、葉身の形は楕円形(~広楕円形)もしくは卵形、縁部分に鋸歯があります。
花序は円錐花序、円錐花序は長さ約7(~25)cm、幅約5(~18)cm、形は円錐型に咲きます。円錐花序は小花が約250(~1200)個つき、両性花と装飾花で構成されます。装飾花は直径約1(~4.5)cm、萼片は4(~5)個あります。両性花は直径約0.2cm、4~5個の花弁、雄蕊10個、雌蕊3個がつきます。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は半球形です。
ノリウツギの切り花の楽しみ方
- 切り花の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫のタイミングは花が完全に開いた所で行います。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りもしくは燃焼を行い、深水してしっかり水揚げを行います。
- 水切りした場合は茎の中の綿も取り除き、茎の外側の表皮も少し削ぎ落として吸水部分を増やしましょう。
- アジサイは水揚げが悪いことで知られています。水切りして切り戻しても上手く水揚げしない事もあるため、出来るだけ水揚げしやすいようにしておく事も大切です。
- 水切りした場合は茎の中の綿も取り除き、茎の外側の表皮も少し削ぎ落として吸水部分を増やしましょう。
- 花瓶に水と延命剤を入れて花を生けましょう。
- 延命剤の効果は高く日持ちが著しく長くなる傾向にあります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは燃焼を行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7~10日です。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
燃焼
燃焼とはコンロやバーナーの火で茎の先端(約1~3cm)を炙り炭化させた後に、冷えた水に浸け、熱で茎内部の気泡(空気)を膨張させて外に押し出し、水揚げを改善する方法です。原理としては湯揚げと似ています。茎が硬く水揚げが悪い花材等に向きます。水分を多く含み柔らかい茎の花材等には向きません。
深水
深水とは深い水に切り花を浸ける事で、水圧を高めて水揚げしやすくしたり、葉や茎からも吸水させて水揚げする方法です。深水は水の吸い上げが弱い花材(バラ・ラナンキュラス等)や葉が丈夫な花材に向いています。
【深水のやり方】
①新聞紙とバケツ(水入り)と切り花を準備します。
②花材を新聞紙でクレープの様に包みます。
③↳茎の下部数cmを新聞紙から出して、萎れた花がしっかり立つように新聞紙で包みましょう。
④茎の下部を水切りして水揚げしやすくしておきます。
⑤水の入るバケツの中に花材を半分以上浸かる様にして1~数時間放置します。
⑥水揚げが終わったら再度花瓶に生けて楽しみます。
ノリウツギのドライフラワーの楽しみ方
- ノリウツギのドライフラワーの収穫時期は梅雨明けの7月頃以降がいいでしょう。
- 開花したばかりの色鮮やかな花よりも少し時間が経ち色褪せてきた花の方が上手くいきます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- ノリウツギは、ドライ・イン・ウォーター法もしくはハンギング法でドライフラワーが作れます。
- ドライ・イン・ウォーター法は花瓶に少し水を入れて、収穫したノリウツギをさしておき徐々に乾燥させる方法です。
- ハンギング法は花を逆さに吊るして乾燥させる方法です。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
ノリウツギのブリザードフラワーの楽しみ方

- ブリザードフラワーに必要なものを準備します。
- 脱色液・着色液・容器2個・新聞紙(キッチンペーパーも可)・手袋(加工液に触れると手が荒れるため)・ピンセット(加工液に触れると手が荒れるため)・新鮮な花材を準備します。
- アジサイの花から小花を数個付けた状態で取り外します。
- 容器の長さに合わせて長さをハサミで切って調節しましょう。
- 容器の中に脱水・脱色液を入れます。
- 脱水・脱色液の中にアジサイの小花数個をピンセットで摘み、空気が入らないようにしっかり漬け込みます。
- 製品ラベルに従いおおよそ数時間~1日漬け込んだままにしましょう。
- 脱水・脱色液の中にアジサイの小花数個をピンセットで摘み、空気が入らないようにしっかり漬け込みます。
- 脱水・脱色液を漬け込んだアジサイを容器の中からピンセットで取り出します。
- 脱水・脱色液に漬け込んだアジサイを、新聞紙(キッチンペーパー)の上に一旦置いて、液を少し落とします。
- 容器の中に着色液を入れます。
- 脱水・脱色液の染みこんだアジサイをピンセットで摘み、着色液の中に空気が入らないようにしっかりアジサイを漬け込みましょう。
- 製品ラベルに従いおおよそ数時間~数日漬け込みます。
- 脱水・脱色液の染みこんだアジサイをピンセットで摘み、着色液の中に空気が入らないようにしっかりアジサイを漬け込みましょう。
- 容器の中から着色液の染み込んだアジサイをピンセットで取り出します。
- 新聞紙(キッチンペーパー)の上に着色したアジサイを広げて直射日光のない風通しのよい場所で乾燥させましょう。
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ノリウツギの園芸品種の紹介
バニラフライス(Hydrangea paniculata ‘vanille fraise’)は花色が白色から徐々に桃色へと徐々に変化していくためため、牛乳にとけこんでいくイチゴの様な可愛らしい印象を与えます。また花は殆ど装飾花で構成されており、巨大な円錐形をつくるため豪華でボリューミーな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。桃色と白色の2色の花色は、可愛らしい印象や清楚な印象などを与えます。そのため清潔感のあるお庭や、ぴゅあな印象を与える可愛らしいお庭などにおすすめです。樹形は株立ち状、高さ約200cm、幅は約200cmまで成長します。
ライムライト(Hydrangea paniculata ‘limelight’)は、明るく爽やかな印象を与えるライムグリーンの花色と、直径約2.5~4.5cmある大きな小花(萼)が円錐状に集まりボリューミーに咲く豪華な花姿が魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約15~25cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花は直径が2.5~4.5cm、色は黄緑色から白色へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約180(~240)cm、幅は約240(~300)cmまで成長します。
リトルライム(Hydrangea paniculata ‘little lime’)は、人気の高いライムライトの矮性品種です。リトルライムはライムライトと比べて高さ幅ともに半分程度しかないため、小さな花壇や鉢植えなどでも育てやすく、また背が低い一方でライムライトと同様に巨大な花を咲かせるため、花がより強調されるアンバランスな魅力溢れる雰囲気をつくります。花色は黄緑色から白色へとかわります。黄緑色と白色の2色の花色は清潔感と爽やかな印象を与えるため、明るい雰囲気のお庭などにおすすめです。樹形は株立ち状、高さ約100(~150)cm、幅は約100(~150)cmまで成長します。
グランディフローラ(Hydrangea paniculata ‘grandiflora’)は、一般的なノリウツギと比べて長さ幅ともに著しく大きく、巨大な花を咲かせ、花色がライムグリーンから白色、白色から薄桃色へと変化する魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約15~45cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は黄緑色から白色、白色から薄桃色へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約300(~750)cm、幅は約200(~450)cmまで成長します。
ボブシェル(Hydrangea paniculata ‘Bomb Shell’)は、分岐がとてもよく、高さ90cmまでのコンパクトな樹形をつくり、他のフジウツギよりも長く咲く傾向がある園芸品種です。花は円錐花序、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は上品な印象を与える白色です。樹形は株立ち状、高さ約90cm、幅は約120cmまで成長します。
バニラ ストロベリー(Hydrangea paniculata ‘Vanilla Strawberry’)は、イチゴミルクを連想させる様な【赤色・桃色・白色】の三色の小花が混じる花色と、円錐状に咲くボリューミーな花穂が魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色、桃色から赤色へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約150(~200)cm、幅は約150(~200)cmまで成長します。
シルバー ダラー(Hydrangea paniculata ‘silver dollar’)は、高さ幅ともに120cmまでのコンパクトな樹形をしており、殆ど枝分かれすること無く直立する茎に、円錐形をした白色の巨大な花を咲かせます。花は円錐花序、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は黄緑色から白色へと変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約120cm、幅は約120cmまで成長します。
ピンク・ウィンキー(hydrangea paniculata ‘pinky winky’)は、長さ40cmにも達する円錐形の巨大な花穂と、上部と下部で花色が分かれる白色と桃色のツートンカラーの2色の花色が魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約15~40cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色へと変化して、花穂の付け根から色がかわります。樹形は株立ち状、高さ約150(~250)cm、幅は約150(~250)cmまで成長します。
サマーラブは、白色から桃色へと徐々に変化する花色と、幅広な円錐形の花穂が魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約20~25cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色へと徐々に変化していくためツートンカラーの花色となります。樹形は株立ち状、高さ約100cm、幅は約120cmまで成長します。
ファイヤーライトは、咲き進むにつれて花全体が白色から桃色、桃色から殆ど赤色に見える濃い桃色へと花色が変化する所が魅力の園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約30~40cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色、桃色から濃い桃色へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約150(~200)cm、幅は約150(~200)cmまで成長します。
メガミンディー(hydrangea paniculata ‘mega mindy’)は、咲き進むにつれて花全体が白色から桃色、桃色から赤色へと変化する花色が魅力の園芸品種です。花は円錐花序、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色、桃色から赤色へと変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約120(~180)cm、幅は約120(~180)cmまで成長します。
ダイヤモンド・ルージュ(hydrangea paniculata ‘diamant rouge’)は、花の形が幅広な円錐形をしているためポチャとした可愛らしい外観をしており、花(装飾花)が白色から桃色、桃色から濃い桃色(赤色)へと変化していく魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約15~35cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色・桃色・濃い桃色(赤色)へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約120(~150)cm、幅は約90(~120)cmまで成長します。
リトルクイックファイヤー(hydrangea paniculata ‘little quick fire’)は、他のノリウツギよりも1ヶ月ほど早くから開花する早咲性の性質があり、花は咲き進むにつれて白色から桃色、桃色から赤色へと変化する花色が楽しめる園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約15cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色・桃色・赤色へと徐々に変化していきます。樹形は株立ち状、高さ約90(~120)cm、幅は約120(~150)cmまで成長します。
リトルホイップ(hydrangea paniculata ‘ilvobo’)は、樹形がとてもコンパクトでありながら溢れるように盛上がる形になることから、小さな花壇や鉢植えなどで育てやすく、また開花期になると株を覆うように咲く白色の花が圧巻の景観をつくる魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約27cm、幅約16cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色で成熟すると桃色へと徐々に変化します。樹形は株立ち状、高さ約90cm、幅は約100cmまで成長します。
スカイフォール(hydrangea paniculata ‘skyfall’)の花は非常に大きく花序の中に装飾花が溢れるように密につくため豪華な花姿をしており、また装飾花は普通のノリウツギの萼片と比べて幅狭で細長く、後ろにカールするように広がるため「ヒヤシンス」を思わせるような上品な花の形をしている所が魅力です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約25cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色もしくはクリーム色です。樹形は株立ち状、高さ約120cm、幅は約70cmまで成長します。
マジカルサマー(hydrangea paniculata ‘magical summer’)は魔法のように緑色から白色、白色から桃色へと変化していく花色が魅力の園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約20~25cm、小花は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は緑色・白色・桃色へと変化します。樹形は株立ち状、高さ約100(~150)cm、幅は約100(~150)cmまで成長します。
コンフェッティ(hydrangea paniculata ‘confetti’)は直立するコンパクトで行儀のよい樹形をしている事から鉢植えや小さな花壇等でも育てやすく、また紙を思わせるような小花(装飾花)が花序の中に疎らに咲くため「紙吹雪」が舞っているかのような繊細な外観をつくり、花には香りがある魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約20~30cm、円錐花序は装飾花と両性花で構成されており、装飾花の色は白色から徐々に桃色へと変化します。樹形は株立ち状、高さ約90(~120)cm、幅は約75cmまで成長します。
サンデーフレーズ(hydrangea paniculata ‘sundae fraise’)は人気の高いバニラフライスから派生した矮性品種です。サンデーフレーズはバニラフライスと比べて高さが半分程度(約120cm)までしか成長しないため、小さな花壇や鉢植えなどでも育てやすい所が特徴で、花色は白色から徐々に桃色へと徐々に変化していくためため、牛乳にとけこんでいくイチゴの様な可愛らしい印象を与えます。花は円錐花序、円錐花序は殆ど装飾花で構成されており、装飾花の色は白色から桃色へと徐々に変化します。樹形は株立ち状、高さ約90(~120)cm、幅は約150cmまで成長します。
ファントム(hydrangea paniculata ‘phantom’)はフジウツギの中でも突出して大きな花を咲かせるため、非常に派手で豪華な雰囲気を作る園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は幅広な円錐形で長さが25~35cm、殆ど装飾花で構成されており、装飾花は白色から成熟するにつれて桃色に変化して行きます。樹形は株立ち状、高さ約150(~200)cm、幅は約200(~250)cmまで成長します。
マジカル・ムーンライト(hydrangea paniculata ‘magical moonlight’)は長さ30cmにも達する巨大な花穂と、装飾花が非常に密に集まりモコモコと盛上がる円錐状のボリューミーな花穂、爽やかな印象を与えるライムグリーンから清潔感を感じさせる白色へと変化する花色が魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は長さ約20~30cm、殆ど装飾花で構成されており、装飾花は黄緑色から白色へと変化して行きます。樹形は株立ち状、高さ約150(~200)cm、幅は約150(~200)cmまで成長します。
パンドラ(hydrangea paniculata ‘pandora’)は一般的なフジウツギよりも早く咲く早咲性の性質があり、爽やかでナチュラルな印象を与えるライムグリーンの花は、成熟するにつれて桃色から赤色へと変化していく魅力的な園芸品種です。花は円錐花序、円錐花序は殆ど装飾花で構成されており、装飾花は緑色で成熟すると桃色から赤色へと変化して行きます。樹形は株立ち状、高さ約100cm、幅は約100cmまで成長します。
ジンフィンドール(hydrangea paniculata ‘zinfin doll’)は非常に多花性なため株を覆うように沢山の花が咲き、開花期は約2~3ヶ月に渡り圧巻の景観を作ります。花は白色で成熟するにつれて桃色、赤色へと変化していき、1個の株で白色・白色(花上部)と桃色(花下部)・桃色・赤色の4種類の花色が楽しめます。花は円錐花序、円錐花序は殆ど装飾花で構成されており、装飾花は白色で成熟すると桃色から赤色へと変化して行きます。樹形は株立ち状、高さ約150(~180)cm、幅は約100(~180)cmまで成長します。
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リビング・シリーズは巨大な花を支える丈夫な茎、非常に豊富なカラーバリエーション、3ヶ月にわたる長い開花期間などの特徴をもつシリーズです。
- リビング・インフィニティ(hydrangea paniculata living infinity)は花色が白色から桃色、桃色から赤色へと変わる特徴がある品種です。高さ幅ともに約90cmまで成長します。
- リビング・カラフルカクテル(hydrangea paniculata living colorful Cocktail)は白色から桃色、桃色から濃い桃色へと変わる花色が特徴の品種です。高さ幅ともに約100cmに成長します。
- リビング・コットンクリーム(hydrangea paniculata ‘living cotton cream’)はクリーム色の花色が特徴の品種です。高さ幅ともに約80cmに成長します。
- リビング・サマースノー(hydrangea paniculata living summer snow)は花色が白色から変化しない品種です。高さ約90cm、幅約100cmに成長します。
- リビング・サマーラブ(hydrangea paniculata living summer love)は花色が白色から、成熟するにつれて疎らに桃色へと変化する品種です。高さ約120cm、幅約100cmに成長します。
- リビング・シュガーラッシュ(hydrangea paniculata ‘living sugar rush’)は花色が白色から変化しない品種です。高さ幅ともに約100cmに成長します。
- リビング・ストロベリーブロッサム(hydrangea paniculata living strawberry blossom)は花色が白色から、成熟するにつれて下側から桃色へと変わっていく品種です。高さ約120cm、幅約100cmに成長します。
- リビング・タッチオブピンク(hydrangea paniculata living touch of pink)は花色が白色から成熟するにつれて、ほんのり淡い桃色へと変化していく品種です。高さ約80cm、幅約60cmに成長します。
- リビング・ピンク&ローズ(hydrangea paniculata living pink & rose)は花色が白色から成熟するにつれて縁部分から濃い桃色に変わる品種です。高さ約120cm、幅約130cmに成長します。
- リビング・ピンキープロミス(hydrangea paniculata living pinky promise)は花色が白色から、成熟するにつれて桃色へと変わる品種です。高さ約80cm、幅約70cmに成長します。
- リビング・ミルク&ハニー(hydrangea paniculata living milk&honey)はクリーム色の花を咲かせる品種です。高さ約70cm、幅約60cmに成長します。
- リビング・ラズベリーピンク(hydrangea paniculata living raspberry pink)は花色が白色から、成熟するにつれて縁部分から桃色へと変化する品種です。高さ約90cm、幅約100cmに成長します。
- リビング・リトルパッション(hydrangea paniculata ‘living little passion’)は花色がライトグリーンから白色、白色から薄桃色へと変化する特徴がある品種です。高さ約80cm、幅約60cmに成長します。
- リビング・リトルブロッサム(hydrangea paniculata living little blossom)は花色がクリーム色から白色、白色から桃色へと変化する特徴がある品種です。高さ約70cm、幅約80cmに成長します。
- リビング・リトルロジー(hydrangea paniculata living little rosy)は花色が白色で、成熟すると濃い桃色へと変化する品種です。高さ幅ともに約60cmまで成長します。
- リビング・ロイヤルフラワー(hydrangea paniculata living royal flower)は花色がライムグリーンから白色、白色から薄桃色へと変わる品種です。高さ約75cm、幅約100cmに成長します。
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アジサイ(ハイドランジア)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アジサイ(ハイドランジア)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2021】
ノリウツギ(サマーラブ)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ノリウツギ(サマーラブ)は日向(直射日光6時間以上)から半日影(直射日光3~5時間)で育てられます。ただし夏の暑さの厳しい地域では、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥で萎れやすくなりったりして、生育不良になりやすいため、西日の当たらない半日影で育てた方が良いでしょう。
土壌の土質
ノリウツギ(サマーラブ)は通気性と保水性のバランスがよく水分が均一に保たれる状態にあり、また有機物(腐植)がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。そのため植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよい肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ノリウツギ(サマーラブ)は日向(直射日光6時間以上)から半日影(直射日光3~5時間)で育てられます。ただし夏の暑さの厳しい地域では、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥で萎れやすくなりったりして、生育不良になりやすいため、西日の当たらない半日影で育てた方が良いでしょう。
培養土
ノリウツギ(サマーラブ)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 黒土+腐葉土+パーライト(極小粒)=5:3:2
水やりの仕方
ノリウツギ(サマーラブ)は茎葉の健康な成長や大きな花を咲かせる為にも、生育期間中は十分な水分を必要とします。過剰な水分の含まれるジメジメとした土壌はよくないですが、水分が均一に含まれる状態を好むため、土壌の表面が乾燥してきたら水をしっかり与えるようにしましょう。
肥料の与え方
ノリウツギ(サマーラブ)の肥料は、晩冬から早春に1回、花後に1回、計2回行います。基本的に肥沃な土壌を好むことから、晩冬から早春は堆肥と寒肥を与え、花後には翌年の開花のためお礼肥を与えましょう。
ノリウツギの寒肥と堆肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
ノリウツギのお礼肥の与え方
- ノリウツギのお礼肥は開花後の初夏から夏に行います。
- お礼肥は翌年の開花のため株を充実させる目的で有機肥料(発酵油カス)もしくは配合肥料を与えると良いでしょう。追肥に近いため、効果が早く出る発酵済みのものがおすすめです。
- 有機肥料は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れて土を上から被せましょう。
おすすめの発酵油カス
剪定のやり方
ノリウツギ(サマーラブ)を剪定する目的は樹形を整える目的だったり、良質な花を咲かせる目的で行われます。また普通のアジサイと違い新枝に花が咲くため、剪定の時期や方法が少し違う所も気をつけるポイントです。
ノリウツギの株立ち樹形の剪定方法
剪定時期は早春から春(3月~4月)です。
- 剪定は茎に最低でも2個の芽を残すようにして、地面から約30~60cmの間で株全体を切り戻し剪定します。
- 低く切り戻すほど株はコンパクトになり大きな花が咲き、高いほど小さな花が沢山咲きます。
- 地面から出る主幹は5~10本に絞ると大きな花を咲かせやすいため、地面から出る細い茎や古い茎を必要に応じて間引き剪定しましょう。
ノリウツギの単幹樹形の剪定方法
ノリウツギを単幹(根元から上部まで幹が1本)として育てる場合は、地面から出てくる主幹を選択して残します。地面から出てくる競合する茎は根元から間引き剪定して取り除き、主幹の下部で成長する芽も取り除きましょう。
夏越しする方法
ノリウツギ(サマーラブ)は夏の暑さでも問題なく成長しますが、強い日差しで葉焼け(葉の縁部分や一部が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり、乾燥により株全体が萎れ元気がなくなることがあります。そのため必要に応じて夏越し対策を行いましょう。
ノリウツギの夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥を苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。