シラーは属の中に約81種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、青色(~紫色)の小花が広い円錐状に集まり華やかな雰囲気の花を咲かせるオオツルボ、俯き気味に咲く青色の花が気品を感じさせるシラー・ビフォリアやシラー・シベリカ、また同義語としてシラー属に扱われる事もあるツルボやツリガネズイセン等が親しまれています。
シラー属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
シラーの主な種の目次 | |
①オオツルボ 開花時期:4月~6月 | ②シラー・ビフォリア 開花時期:2月~4月(3月に最も開花する) |
③シラー・シベリカ 開花時期:3月~5月(3月に最も開花する) | ④ツルボ 開花時期:8月~9月 |
⑤ツリガネズイセン 開花時期:4月~5月 |
原産:地中海沿岸
学名:Scilla peruviana
草丈:約15~40cm
分類:多年草
開花時期:4月~6月
花色:青色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:普通
誕生花:2月27日/3月13日/3月15日/5月30日/5月31日/6月7日
花言葉:「哀れ」「寂しさ」「辛抱強さ」「多感な心」「変わらない愛」
特徴:オオツルボは学名Scilla peruviana、別名「シラー・ペルビアナ」や「ポルトギース・スクィル(Portuguese squill)」等とも呼ばれる地中海沿岸原産の多年草です。
オオツルボの語源(由来)
- 属名のシラー(Scilla)は古代ギリシャ語の「σκίλλα(skílla)」に由来します。
- 種小名のペルビアナ(peruviana)は「ペルーの」を意味しますが、実際は地中海沿岸を原産としています。
オオツルボの特徴(魅力)
- オオツルボは青色(~紫色)の上品でエレガントな花色をしており
- ↳約40~100個の小花が円錐状に集まり優雅で華やかな花姿をつくります
- 葉は光に当たると反射する光沢があり
- ↳中央から外側に向かいロゼット状に広がります
- ↳葉は秋に現れて初夏頃に枯れ夏の間は休眠します
オオツルボは地面下に薄黄色をした直径6~8cmの球根があり、球根からは5~15個の葉と高さ約15~40cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は線形もしくは剣形で長さ約20(~60)㎝×幅約1(~4)㎝あります。花は花茎が約20(~40)cmまで伸び、小花が円錐状に約40~100個密に集まり総状花序をつくり、個々の花は直径約1(~2)cmで青色(~紫色)の花被片が6個と雄蕊6個と雌蕊があります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て3つに分かれた部屋の中に黒色の種子が入っています。
開花時期は春から初夏、花色は紫色や青色、白色があり、個々の花は6個の花被片が平開して直径約1~2cmあり、花序は小花が40~100個密に集まり総状花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さは約15(40)cm × 幅は約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形もしくは剣形、葉序は根生葉につきます。
オオツルボの栽培
園芸では、円錐状に小花が集まり咲く華やかな花を鑑賞する目的だったり、光沢のある美しい葉を鑑賞する目的だったり、地面を被覆する目的で利用されます。植える場所は花壇の縁どり等として植えられたりしますが、寒さの厳しい地域等では管理のしやすい鉢植えで楽しんだ方がいいかもしれません。
オオツルボを育てる際に注意する事は「冬の寒さ」や「長雨による過湿」です。オオツルボは環境が合えば放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要ですが、強い霜の降りる地域では球根が腐敗して枯れる事もあるため管理に注意が必要です。また夏の休眠期に高温多湿になると、球根が腐敗する事もあるため土壌の排水性を高めておいたり、球根を掘りあげる等の対策をした方が良いでしょう。
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原産:ヨーロッパ
学名:Scilla bifolia
草丈:約10~20cm
分類:多年草
開花時期:2月~4月(3月に最も開花する)
花色:青色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:2月27日/3月13日/3月15日/5月30日/5月31日/6月7日
花言葉:「哀れ」「寂しさ」「辛抱強さ」「多感な心」「変わらない愛」
特徴:シラー・ビフォリアは学名Scilla bifolia、別名「スキラ・ビフォリア」や「アルパイン・スクィル(alpine squill)」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の多年草です。
シラー・ビフォリアの語源(由来)
- 属名のシラー(Scilla)は古代ギリシャ語の「σκίλλα(skílla)」に由来します。
- 種小名の(bifolia)はラテン語で「2つ」のを意味する「bi」と、ラテン語で「葉」を意味する「folia」の2語からきており、1つの球根から2個(稀に3個)の葉をつける事に由来します。
シラー・ビフォリアの特徴(魅力)
- シラー・ビフォリアは青色(~紫色)の上品でエレガントな花色が魅力です
- ↳品種により桃色や白色もあります
- 花は6個の花被片が星の様に平開して直径約1cmの大きさがあり
- ↳1つの花茎に1個~10個の花がつらなります
- ↳花茎はやや赤みを帯び緑色から赤黒色をしています
- 葉は1個の球根に2(~3)個つき
- ↳種小名の由来にもなっています
- 葉は肉質で光に当たると反射する光沢があります
シラー・ビフォリアは地面下に薄黄色をした直径1~2cmの球根があり、球根からは2~3個の葉と高さ約20cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は線形で長さ約10(~15)㎝×幅約0.5(~2)㎝あります。花は花茎が約10(~20)cmまで伸び、小花が穂状に約1~10個集まり総状花序をつくり、個々の花は直径約1cmで青色(~紫色)の花被片が6個と雄蕊6個と雌蕊があります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て3つに分かれた部屋の中に褐色の種子が入っています。
開花時期は晩冬から春、花色は青色や桃色、白色があり、個々の花は6個の花被片が平開して直径約1cmあり、花序は小花が1~10個密に集まり総状花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さは約10(20)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉につきます。
シラー・ビフォリアの栽培
シラー・ビフォリアを育てる際に注意する事は基本的にありません。シラー・ビフォリアは休眠期に長雨で浸水したりすると過湿で球根が腐敗する事もありますが、基本的には環境が合えば放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要です。
原産:西ロシア/コーカサス地方/トルコ
学名:Scilla siberica
草丈:約10~20cm
分類:多年草
開花時期:3月~5月(3月に最も開花する)
花色:青色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:2月27日/3月13日/3月15日/5月30日/5月31日/6月7日
花言葉:「哀れ」「寂しさ」「辛抱強さ」「多感な心」「変わらない愛」
特徴:シラー・シベリカは学名Scilla siberica、別名「シベリアン・スクィル(Siberian squill)」や「ウッド・スクィル(wood squill)」等とも呼ばれる西ロシア・コーカサス地方・トルコ原産の多年草です。
シラー・シベリカの語源(由来)
- 属名のシラー(Scilla)は古代ギリシャ語の「σκίλλα(skílla)」に由来します。
- 種小名のシベリカ(siberica)はラテン語で「シベリアの」を意味しています。
シラー・シベリカの特徴(魅力)
- シラー・シベリカは俯きにながら咲く気品のある青色(~紫色)の花が魅力です
- ↳品種により白色の花もあります
- 花は6個の花被片が星の様に平開して直径約1~2cmの大きさがあり
- ↳1つの花茎に1個~3個の花がつきます
- ↳花茎はやや赤みを帯び緑色から赤黒色をしています
- 葉は春先に現れ夏に枯れて翌春まで休眠します
- ↳葉は1個の球根に2(~4)個つき
- ↳肉質で光に当たると反射する光沢があります
- こぼれ種から増えやすく
- ↳また球根からも増殖します
シラー・シベリカは地面下に暗赤色~薄黄色をした球根があり、球根からは2~4個の葉と高さ約20cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は広線形で長さ約10(~15)㎝×幅約0.5(~2)㎝あります。花は花茎が約10(~20)cmまで伸び、花茎には1~3個の花がつき、個々の花は鐘形で直径約1~2cmあり6個の青色の花被片と雄蕊6個と雌蕊があります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て3つに分かれた部屋の中に褐色の種子が入っています。
開花時期は晩冬から春、花色は青色や紫色、白色があり、個々の花は鐘形で6個の花被片があり、花序は花茎に1~3個の花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さは約10(20)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は広線形、葉序は根生葉につきます。
シラー・シベリカの栽培
園芸では、俯き気味に咲く気品のある花を鑑賞する目的だったり、光沢のある美しい葉を鑑賞する目的だったり、地面を被覆する目的で利用されます。植える場所は花壇の縁どり等として植えられたりしますが、管理のしやすい鉢植えで楽しまれたりします。
シラー・シベリカを育てる際に注意する事は基本的にありません。シラー・ビフォリアは休眠期に長雨で浸水したりすると過湿で球根が腐敗する事もありますが、基本的には環境が合えば放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要です。
シラー(スプリングビューティ)は青空を思わせるような鮮やかな青色の花と、俯き気味に咲く上品な花姿が魅力の園芸品種です。鮮やかな青色の花は、単体では落ち着きのある雰囲気を作りますが、青色の花の他に対比する赤色や黄色の葉や花と合わせるとカラフルで元気な雰囲気のお庭をつくる事も出来ます。高さは約15cm × 幅は約15cmまで成長します。 |
原産:日本/中国/朝鮮
学名:barnardia japonica
同義語:Scilla scilloides
草丈:約20~40cm
分類:多年草
開花時期:8月~9月
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:5月30日/5月31日/9月3日
花言葉:「不変」「寂しさ」「我慢強い」「風情のある」「流星のような」「誰よりも強い味方」
特徴:ツルボは学名barnardia japonica、別名「ジャパニーズ・ジャシンス(Japanese jacinth)」等とも呼ばれる日本・中国・朝鮮が原産の多年草です。日本では北海道から九州まで分布して、林縁や草地等に自生しています。
ツルボの語源(由来)
- 種小名のjaponicaは「日本の」を意味しており自生地に由来しています。
ツルボの特徴(魅力)
- ツルボは秋に開花します
- 花色は桃色(~白色)のロマンチックな花色をしており
- ↳小さな花が円筒形に集まり3~10cmの花穂をつくります
- ↳花穂は下から順に小花が開花していきます
- ↳葉は秋と春に現れて初夏には枯れ夏の間は休眠します
ツルボは地面下に褐色をした直径1~3cmの球根があり、球根からは2~10個の葉と高さ約15~40cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は線形で長さ約10(~25)㎝×幅約0.4(~0.6)㎝あります。花は花茎が約20(~40)cmまで伸び、小花が円筒形に密に集まり長さ3~10cmの総状花序をつくり、個々の花は桃色(~白色)の花被片が6個と雄蕊6個と雌蕊があります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て1~3個の種子が入っています。
開花時期は春から初夏、花色は紫色や青色、白色があり、個々の花は平開する6個の花被片と突出する雄蕊が6個あり、花序は小花が円筒形に集まり総状花序に花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さは約20(40)cm × 幅は約20(40)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は根生葉につきます。
ツルボの栽培
ツルボを育てる際に注意する事は基本的にありません。シラー・ビフォリアは休眠期に長雨で浸水したりすると過湿で球根が腐敗する事もありますが、基本的には環境が合えば放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要です。
ツルボ |
原産:スペイン/ポルトガル
学名:Hyacinthoides hispanica
同義語(syn.):Scilla hyacinthoides/Scilla campanulata
草丈:約20~50cm
分類:多年草
開花時期:4月~5月
花色:紫色●青色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:2月1日
花言葉:「冷静」
特徴:ツリガネズイセンは学名Hyacinthoides hispanica、別名「シラー・カンパニュラータ」や「スパニッシュ・ブルーベル」等とも呼ばれるスペイン・ポルトガルが原産の多年草です。
ツリガネズイセンの語源(由来)
- 属名のヒアシントイデス(Hyacinthoides)は、ヒアシンスに似ている事に由来しています。
- 種小名のヒスパニカ(hispanica)はラテン語で「スペインの」を意味しており、自生地に由来しています。
- 和名ツリガネズイセンの由来は「釣鐘」に似た花姿と「スイセン」に似た葉からきています。
ツリガネズイセンの特徴(魅力)
- ツリガネズイセンは釣鐘の様にぶら下がり咲く花姿が特徴です
- ↳俯く様に咲く青色の花は上品で気品があります
- ↳品種により白色や桃色の花もあります
- 花茎は最大50cmまでスラリと垂直に伸び
- ↳最大15個の花をつけます
- 葉は春先に現れ夏に枯れ休眠します
- ↳葉は肉質で光に当たると反射する光沢があります
- 1個の球根に葉は2(~6)個ついて
- ↳ロゼット状に広がり地面を被覆します
ツリガネズイセンは地面下に薄黄色をした直径1~2cmの球根があり、球根からは2~6個の葉と高さ約20~50cmまで伸びる花茎が生成されます。葉は球根から出る根生葉のみで構成され、葉の色は光沢のある緑色、葉の形は広線形もしくは剣形で長さ約20(~50)㎝×幅約1(~4)㎝あります。花は花茎が約20(~50)cmまで伸び、花茎には12(~15)個の花とがぶら下がる様に総状花序につき、個々の花は鐘形で青色(~紫色)の花被片が6個と青色の雄蕊6個と雌蕊があり、各花の付け根には青色の苞葉が1個あります。花は受粉すると果実(蒴果)が出来て3つに分かれた部屋の中に黒色の種子が入っています。
開花時期は春から晩春、花色は青色や紫色、白色があり、個々の花は鐘形で6個の花被片があり、花序は花茎に1~3個の花を咲かせます。草姿はロゼット状で高さは約10(20)cm × 幅は約15(30)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は広線形、葉序は根生葉につきます。
ツリガネズイセンの栽培
園芸では、スラリと垂直に伸びる花茎に釣鐘の様に咲く気品のある青色の花を鑑賞する目的だったり、光沢のある美しい葉を鑑賞する目的だったり、地面を被覆する目的で利用されます。植える場所は花壇の縁どり等として植えられたりしますが、管理のしやすい鉢植えで楽しまれたりします。
ツリガネズイセンを育てる際に注意する事は基本的にありません。シラー・ビフォリアは休眠期に長雨で浸水したりすると過湿で球根が腐敗する事もありますが、基本的には環境が合えば放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要です。
ツリガネズイセン |