原産:メキシコ/中央アメリカ 科:キョウチクトウ(Apocynaceae) 属:プルメリア/インドソケイ(plumeria) 種:インドソケイ(rubra) 別名:プルメリア/コモン・フランジパニ(common frangipani)/レッド・フランジパニ(red frangipani)/red paucipan 開花時期:4月~10月(理想的な環境では周年) 花の色:赤色●桃色●橙色●黄色●白色〇 葉色:緑色● 分類:落葉低木 草丈:約200~800cm 誕生日:1月27日/11月16日 花言葉:「気品」 「上品」「魅力」「しとやか」「内気な乙女 」「恵まれた人 」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
インドソケイは学名plumeria rubra、単にプルメリアと呼ばれる場合は属全体もしくはこの種をしており、別名では「コモン・フランジパニ(common frangipani)」や「レッド・フランジパニ(red frangipani)」とも呼ばれるメキシコおよび中央アメリカを原産とする落葉低木です。
インドソケイの語源(由来)
- 属名のプルメリア(plumeria)の由来はフランスの植物学者シャルル・プリュミエ(Charles Plumier)への献名です。
- 種小名のルブラ(rubra)はラテン語で「赤い」を意味しています。
- 和名のインドソケイは「インド」からきた「ソケイ(ジャスミン)」を意味しますが、正しくは中央アメリカ原産です。
インドソケイの特徴(由来)
- インドソケイは春から晩秋までと開花期間がとても長い所が魅力で
- ↳理想的な環境であれば周年開花する事も出来ます。
- 花は「バラ」「クチナシ」等に例えられるフローラルな香りがあり
- ↳特に朝と夕に強く香りが漂います。
- 花は南国の熟した果実を思わせる様なトロピカルな花色が魅力で
- ↳ワックスが塗られたかのような光沢をもちます。
- インドソケイの葉は倒披針形で葉先が少し尖ります
- インドソケイは人体に有毒なアルカロイドを含有しており
- ↳樹液を触ると炎症を引き起こす事があるため注意です。
- ↳一方で様々な薬効もあるため漢方薬や伝統医学等で利用されている事もあります。
- インドソケイは寒さに弱いため屋外での越冬は難しいです。
インドソケイの茎は多肉質で樹皮の色は灰褐色をしています。樹形は傘状に広がり高さは成熟すると約200~800cmの間で成長します。葉は緑色、大きさは長さ約15(~50)cmに達する事もあり、形は楕円形もしくは倒披針形をしていて、茎に対して互生葉序に配置されます。花は香りがあり、20~60個の花が集散花序状に集まり、個々の花は直径が約5~7.5cmで5個の花弁があります。花後に受粉すると暗紫色の鞘状の細長い果実(袋果)がなり、中には20~60個の翼果があります。※果実が出来ることは滅多にありません。
開花時期は春から秋(夏に最も開花して環境が合えば周年開花します)、花色は赤色や桃色、橙色や黄色、白色があり、個々の花は直径約5~7.5cmで花弁が5個あり、花序は集散花序状に茎の頂部に約20~60個の花が集まります。樹形は直立で高さは約200(800)cm × 幅約200(800)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は楕円形もしくは倒披針形、葉序は互生葉序につきます。
インドソケイの香りの印象と精油成分
インドソケイは花に「バラ」「柑橘類」「クチナシ」等に例えられる甘くフローラルな香りがあり、花の香りを特徴づける精油は季節や育てられる環境等によって含有率が変わりますが「リモネン」や「フェニルエチルアルコール」や「α-ファルネセン」等が含まれています。
- リモネンの香りは「柑橘系(オレンジ)」「フルーティー」等に例えられる甘い香りがあり、風味(フレーバー)はオレンジの様な甘みを感じさせます。一般に植物ではディルやベルガモット等に含まれており、精油は食品(ガム・飲料等)の香料や洗剤、医薬品等に利用されています。リモネンの精油の効果には「肥満の改善」や「血行促進作用」「抗ウィルス作用」「抗がん作用」等があります。またリモネンの香りはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、精油はアロマテラピーとしても利用されます。
- フェニルエチルアルコールは「バラ」「蜂蜜」「フローラル」等に例えられる甘く快い香りがあり、風味(フレーバー)はフローラルな甘みを感じさせます。一般に植物ではバラやカーネーション、ヒヤシンス等に含まれており、精油は食品(飲料)の香料や化粧品等の様々な場面に使われています。フェニルエチルアルコールの精油の効果には「抗不安作用」「防腐作用」等があります。
- α-ファルネセンは「柑橘系」「ラベンダー」「木の香り」等に例えられるマイルドで甘い香りがあり、一般に植物ではクチナシ等に含まれています。
インドソケイの毒性(既知の危険性)
インドソケイは人体に有毒なアルカロイドを生成しており、樹液に触れると皮膚炎を引き起こす可能性があり、樹液や樹皮等を摂取した場合は嘔吐や下痢、腹痛等を引き起こす可能性があります。またUS Forest Serviceでは、インドソケイを有毒植物に指定していて、触れたり食べたりしないよう警告しています。
一方で花や樹皮は発熱や百日咳等を治療する目的で漢方薬に使われていたり、結核菌の増殖を阻害するフルボプルミエリン等が含まれていたりします。また植物には「抗真菌性」「抗ウイルス性」「鎮痛性」「鎮痙性」等の効能がある事が研究で示されています。その他にも伝統医学では樹液や樹皮が下剤として利用されたり、花が喘息の治療に利用される事もあるようです。
何れにしても、インドソケイを触る場合は樹液に注意して長袖や手袋をしたり、また専門的な知識がない場合は絶対に樹液や樹皮などは摂取しない方がよいでしょう。
インドソケイの栽培
園芸では、トロピカルで華やかな花を鑑賞する目的だったり、バラやクチナシ等にも例えられる花の香りを楽しむ目的で育てられます。インドソケイは暖かな地域では地植えにして楽しまれることもありますが、一般的には寒さに弱いことから管理のしやすい鉢植えで管理されることが多いです。
インドソケイを育てる際に注意する事は「冬の寒さ」です。基本的に寒さに弱いため、霜の降りない地域以外での屋外での越冬は難しいです。そのため管理のしやすい鉢植えの中で育てられる事も多く、春から秋は屋外の日向で育てて、冬の間は温室や日当たりの良い屋内に入れられて管理されます。