ケストルム(キチョウジ)は属の中に約246種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、夜に香りが漂う事で知られその強く甘い香りは香りがする花の中でも最強ともくされる夜香花、開花期間がとても長く橙色の花がトロピカルな雰囲気をつくるケストルム・アウランティアクム等が親しまれています。
ケストルム(キチョウジ)属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ケストルム(キチョウジ)の主な種の目次 | |
①夜香花 開花時期:6月~10月(理想的な環境では周年) | ②ケストルム・アウランティアクム 開花時期:5月~10月(理想的な環境では周年) |
原産:西インド諸島
学名:cestrum nocturnum
草丈:約200~400cm
分類:常緑低木
開花時期:6月~10月(理想的な環境では周年)
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
花言葉:「高貴な心」
特徴:夜香花は学名cestrum nocturnum、別名「ヤコウボク(夜香木)」や「夜咲きジャスミン(night-blooming jessamine)」等とも呼ばれる西インド諸島が原産の常緑低木です。
夜香花の語源(由来)
- 属名のケストルム(cestrum)はラテン語で「カットする」を意味する「caed」と接尾語の「trum」の2語からなります。
- 種小名のnocturnumはラテン語で「夜」を意味しており、夜に香りがする花に由来します。
- 和名の夜香花の由来は、その名前の通り夜に花が香る事からきています。
夜香花の特徴(魅力)
- 夜香花はその名前からもわかる通り夜に香りを漂わせます。
- ↳香りは非常に強く最強の香りといわれることもあり
- ↳窓の近く等で育てると部屋の中まで香りで圧倒される可能性があります。
- ↳夜香花の香りは強い甘い香りがあり芳香剤に似ています。
- 夜香花はあまりの香りの強さから悪臭と感じる人も多く
- ↳1部の人には呼吸器系に問題を引き起こしたり頭痛を引き起こす可能性があります。
- 花は初夏から晩秋まで咲きますが
- ↳暖かく理想的な環境であれば周年開花します。
- 植物は全草が有毒なため食べられません
- ↳子供やペットがいる家庭では注意が必要です。
夜香花の茎は若い時は緑色で成熟すると木質化して灰褐色になり、茎は直立して枝は細く弧状に曲がる事もあり高さ約200~400cmの間で成長します。葉は茎に対して互生葉序に配置され、葉色は緑色で濡れたような光沢があり、葉の長さは約6~20cm、葉身は披針形もしくは楕円形をしています。花序は花と花穂が円錐状に集まり円錐花序をつくり、個々の花は白色で長さ2~2.5cmの筒状をしていて裂片が5個あり、筒内部に雄蕊・雌蕊があります。花後の果実は白く直径0.8~1cmあります。
開花時期は初夏から晩秋(理想的な環境では周年)、花色は白色、個々の花は長さ2~2.5cmの筒状で裂片が5個あり、花序は円錐花序です。樹形は直立で枝分かれがよく高さ約200(400) × 幅は約200(400)まで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形もしくは楕円形、葉序は互生葉序につきます。
夜香花の香りの印象と精油成分
夜香花の花には「クローブ」「果物」等に例えられる強い甘い香りがあり、花の香りを特徴づける精油は季節や育てられる環境等によって含有率が変わりますが 「フェニルエチルアルコール」「ベンジルアルコール」「オレイン酸」「エイコサン」等が含まれています。
- フェニルエチルアルコールは「バラ」「蜂蜜」「フローラル」等に例えられる甘く快い香りがあり、風味(フレーバー)はフローラルな甘みを感じさせます。一般に植物ではバラやカーネーション、ヒヤシンス等に含まれており、精油は食品(飲料)の香料や化粧品等の様々な場面に使われています。フェニルエチルアルコールの精油の効果には「抗不安作用」「防腐作用」等があります。
- ベンジルアルコールは「アーモンド」「フルーティー」「フローラル」等に例えられる甘く快い香りがあり、マイルドでフルーティーな風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではジャスミンやイランイラノキ等に含まれていて、殺菌作用があるため石鹸等に利用されています。
- オイゲノールは「クローブ」「甘い&辛い」「スパイス」「木の香り」「シナモン」等に例えられる濃厚でスパイシーな香りがあり、風味(フレーバー)は辛さの中に甘さがあるスパイシーな味です。一般に植物ではクローブやシナモン、バジル等に含まれており、精油は食品の香料やアロマセラピー等の様々な場面に使われています。オイゲノールの精油の効果には「抗菌作用」「抗真菌作用」「抗炎症作用」「抗酸化作用」「鎮痙」「殺虫作用」等の複数の効能が知られています。
夜香花の毒性(既知の危険性)
夜香花は全草に有毒なアルカロイドのソラニンを含み人間や家畜(犬や猫等)に対して有毒です。
夜香花を摂取した場合の主な症状としては胃腸や神経に障害を引き起こし嘔吐・下痢・頭痛・呼吸困難・めまい等を引き起こす可能性があります。
また夜香花の香りも、1部の人々(呼吸器系に問題を抱えてる場合等)には、様々な問題を引き起こす可能性があります。原因は恐らく夜香花の強すぎる香りや、夜香花に含まれるクロロゲン酸を由来とするアレルギーにあり、症状としては呼吸困難を引き起こしたり、頭痛や吐き気を催したり、鼻や喉の炎症を引き起こす可能性があります。
夜香花の栽培
園芸では、遠くまで漂わせる強い香りのある花を楽しむ目的だったり、初夏から秋まで長く開花する花を鑑賞する目的等で育てられます。花の香りを楽しむ為に窓際等に植えて楽しまれる事も多いですが、夜香花の強い香りは好みも分かれるため、最初は管理がしやすい鉢植え等で育て様子を見る方がいいかもしれません。
夜香花を育てる際に注意する事は「冬の寒さ」です。基本的には放ったらかしでも育つ程に丈夫でお世話も殆ど不要ですが、冬の寒さには弱いです。暖地であれば地植えでも越冬する事が可能ですが、強い霜に当たると枯れる可能性があるため、冬場は屋内に入れるなどの対策が必要でしょう。
原産:北・南アメリカ
学名:cestrum aurantiacum
草丈:約200~300cm
分類:常緑低木
開花時期:5月~10月(理想的な環境では周年)
花色:橙色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ケストルム・アウランティアクムは学名cestrum aurantiacum、別名「オレンジ・ケストルム(orange cestrum)」や「イエロー・ケストルム(yellow cestrum)」等とも呼ばれる北・南アメリカ原産の常緑低木です。
ケストルム・アウランティアクムの語源(由来)
- 属名のケストルム(cestrum)はラテン語で「カットする」を意味する「caed」と接尾語の「trum」の2語からなります。
- 種小名のaurantiacumはラテン語で「橙色」を意味しており、花の色に由来します。
ケストルム・アウランティアクムの特徴(魅力)
- ケストルム・アウランティアクムは開花期間が長く
- ↳色鮮やかな橙色の花を咲かせる所が魅力です。
- 枝は細くアーチ状に広がる傾向があります。
- 植物は全草が有毒なため食べられません
- ↳子供やペットがいる家庭では注意が必要です。
開花時期は晩春から晩秋(理想的な環境では周年)、花色は橙色、個々の花は筒状で裂片が5個あり、花序は円錐花序です。樹形は直立で高さ約200(300) × 幅は約200(300)まで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形もしくは卵形、葉序は互生葉序につきます。
ケストルム・アウランティアクム |