- 原産:北アメリカ
- 科:ゴマノハグサ(Scrophulariaceae)
- 属:レウコフィルム(Leucophyllum)
- 種:フルテスケンス(frutescens)
- 別名:テキサス・セージ(Texas sage)/テキサス・バロメーターブッシュ(Texas barometerbush)/テキサス・レイン・セージ(Texas rain sage)/テキサス・シルバーリーフ(Texas silverleaf)/cenizo
- 開花時期:3月~10月(一年を通して疎らに咲きます)
- 花の色:桃色●紫色●
- 葉の色:緑色●白色〇
- 分類:常緑低木
- 草丈:約150~300cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/生垣
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
レウコフィルム(フルテスケンス)とは!?
レウコフィルム(フルテスケンス)は学名Leucophyllum frutescens、別名では「テキサス・セージ(Texas sage)」や「テキサス・シルバーリーフ(Texas silverleaf)」とも呼ばれる北アメリカ原産の常緑低木です。
レウコフィルム(フルテスケンス)の語源(由来)
- 属名のLeucophyllumはギリシャ語で「白色」「無色」を意味する「Leuco」と、「葉」を意味する「phyllon」の2語からきており、葉の色に由来しています。
- 種小名のfrutescensは「低木のような」を意味しており樹形に由来します。
レウコフィルム(フルテスケンス)の特徴(魅力)
- レウコフィルム(フルテスケンス)は、茎葉が白色の毛で覆われるため株全体が白色もしくは白緑色になりカラーリーフとして楽しめる所が魅力で、また花は1年を通して開花する能力があり、特に湿度が高くなると開花が多くなる所が特徴の植物です。
- 園芸では白色の茎葉をシルバーリーフとして楽しむ目的や、長期間に渡り開花する花を楽しむ目的で、庭木として育てられたり、境界に並べ生垣として育てられたりします。
- 樹形は丸みを帯びたブッシュ状になり、茎は枝分かれがよく密に茂ります。
- 茎は白色の毛が生えているため白色もしくは白緑色の外観となります。
- 茎は成熟すると毛がなくなり木質化して淡褐色にかわります。
- 茎は白色の毛が生えているため白色もしくは白緑色の外観となります。
- レウコフィルム(フルテスケンス)は開花期間が長く一年を通して開花する能力があり、また湿度が高くなると花が沢山咲く傾向があります。
- 湿度が高くなると、開花する性質がある事から、雨を予測する植物として扱われる事もあり、英名では「バロメーター・ブッシュ」や「テキサス・レインセージ」なんて呼ばれ方もしています。※基本的に乾燥した気候をこのみます。
- 花はふつう葉腋に1個(単生)つき、花の形は鐘形をしていて5個の裂片が水平に開きます。
- 花色は桃色から紫色をしており、白緑色の葉との相性もとても良い事から、エレガントな雰囲気のあるお庭や、ロマンチックな雰囲気のお庭などによく合うでしょう。
- 葉は長さが約2~3cmと小さめで、葉のふち部分が不規則に捻れる傾向があります。
- 葉は白色の毛が生えるため、白緑色の柔らかな葉色をしており、明るい印象や洗練された印象を与えます。
- レウコフィルム(フルテスケンス)の生垣は、自然な樹形をいかしたインフォーマルな生垣として使われる事が多く、剪定してきっちり形が整えられたフォーマルヘッジとはことなります。
- レウコフィルム(フルテスケンス)は白色の葉や桃色の花を楽しみながら生垣を作れる所が魅力です。
- レウコフィルム(フルテスケンス)の生垣の植え付け間隔は成熟時の横幅を目安にしながら植え付けましょう。
- 乾燥に長く耐えることからゼリスケープの庭などでも利用されます。
- 肥料もほとんど必要としないことから環境が合えば放ったらかしで育てる事ができます。
レウコフィルム(フルテスケンス)の樹高は約100(~300)cm、幅は約100(~250)cm、樹形はブッシュ状(Bushy)で枝分かれがよく密に茂ります。茎は若い時は白色の毛が密生しているため灰緑色もしくは白色をしており、成熟すると淡褐色になります。
葉序は互生葉序、葉色は緑色から白緑色、葉柄は長さ約0.1(~0.2)cm、葉身の大きさは長さ約2(~3)cm、葉身の形は楕円形もしくは倒披針形、葉は白色の毛が密生しており、質感は柔らかくビロード状です。
花序は腋花、腋花は葉腋に花がつきます。花冠の大きさは直径約2.5cm、形は鐘形、裂片は5個で水平に開き、花冠の色は桃色もしくは紫色です。
レウコフィルム(フルテスケンス)の園芸品種の紹介
- グリーンクラウド(leucophyllum frutescens ‘green cloud’)は、成長がとても早く、暑さによく耐える所が特徴で、青々とした緑色の葉色と、紫色の花を咲かせる所が魅力の園芸品種です。樹形はブッシュ状、高さは約150(~250)cm、幅は約150(~250)cmに成長します。
- コンパクタ(leucophyllum frutescens ‘compacta’)は、その名前からもわかる通り高さ幅ともに150cmまでしか成長しないため、小さな花壇などでも育てやすい園芸品種です。葉色は白色から白緑色をしているため、明るく清潔感を感じさせるカラーリーフとして楽しめる所が魅力で、また花は桃色(紫色)をしている事から上品な印象や可愛らしい印象を与えるお庭などによくあいます。
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レウコフィルムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
レウコフィルム(フルテスケンス)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
レウコフィルム(フルテスケンス)は、日当たりの良い場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的に直射日光が6時間以上当たる日向で育てる事が理想です。また直射日光が3~5時間の半日影でも育てられます。
土壌のPH
レウコフィルム(フルテスケンス)は自生地は石灰質でアルカリ性の多い岩場や砂場にあります。そのため、PHも中性(6.5)~アルカリ性(8.0)を好みます。PHが低すぎると生育不良になる可能性が高くなるため、植付け前にPHを診断して、PHが低い場合は苦土石灰を入れる等してPHの改善を行いましょう。
土壌の土質
レウコフィルム(フルテスケンス)は、栄養の乏しい土壌や乾燥した土壌に強い植物です。逆に、粘土質な土壌や有機物が豊富に入る肥沃な土壌を苦手にしています。何故なら、じめじめとした状態が続いたり、蒸れたりすると、根腐れや腐敗等をまねいて生育不良になり枯れる事があるからです。そのため植え付け前に土壌診断を行い、水捌けが良く有機物が少なめの砂壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
レウコフィルム(フルテスケンス)は日当りを好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また長雨に当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良い培養土をつくります。腐葉土等の堆肥は多いと夏に蒸れる原因にもなるため少なめにします。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土+くん炭=5:2:2:1
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土+苦土石灰(適量)=7:3
培養土作成時の注意点
レウコフィルム(フルテスケンス)はPH6.5~8.0の弱アルカリ性土壌を好むため、必要に応じて培養土にアルカリ性のくん炭や草木灰等を混ぜこむか、苦土石灰を混ぜこみましょう。
苦土石灰を混ぜ込む量は培養土の土質にも左右されますが、レウコフィルム(フルテスケンス)は砂質の土壌を好むため恐らく砂土に近い培養土を使っているはずです。
砂土のPHを1上げるには培養土10Lに対して苦土石灰10~15g程度を目安に使用します。基本的には1Lあたり1~1.5gの苦土石灰を混ぜ込むとよいでしょう。ただし培養土を強い酸性に傾ける無調整ピートモスや鹿沼土を利用した場合は話しが変わります。そのため培養土に使う用土は中性のものを利用する事がおすすめです。
水やりの仕方
地植え
レウコフィルム(フルテスケンス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし雨が長く降らず、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
レウコフィルム(フルテスケンス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
剪定のやり方
レウコフィルム(フルテスケンス)を剪定する目的は、古い枝を剪定して生産性の高い若い枝の成長を促したり、樹形を整えて美観や飛び出た枝が肌や服に引っかかる事を防ぐ目的で行われます。
レウコフィルム(フルテスケンス)の剪定のやり方
- レウコフィルム(フルテスケンス)の剪定は晩冬(1月~2月)に計1回おこないます。
- 晩冬の剪定は株へのストレスが少なく、春からの回復も早いため、最も適した剪定時期です。
- 剪定のやり方
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している茎の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 生垣やトピアリーなどで育てる場合は、形状を整える目的や、大きさを制御する目的で、好みの高さや幅で「バッサ」「バッサ」と刈り込み剪定を行います。自然なシルエットを作るように丸みを帯びた樹形に刈り込むとよいかもしれません。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
夏越しする方法
レウコフィルム(フルテスケンス)は夏の暑さに耐えますが多湿を苦手にしており、根腐れしたり腐敗する原因になる事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
レウコフィルム(フルテスケンス)の夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
レウコフィルム(フルテスケンス)は軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで育てることも可能です。ただし強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
レウコフィルム(フルテスケンス)の冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
レウコフィルム(フルテスケンス)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期は初夏から秋が適します。
- 挿し穂は、根の出にくい成熟した茎は避けて、今年成長した茎を利用しましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂を水に入れたコップに30分ほど入れて水揚げを行います。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 水揚げの終わった挿し穂をコップから取り出して、切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。