- 原産:北・南アメリカ
- 科:ノウゼンカズラ(Bignoniaceae)
- 属:タチノウゼン/テコマ(Tecoma)
- 種:キンレイジュ(stans)
- 別名:金鈴樹/テコマ・スタンス/イエロー・トランペットブッシュ(yellow trumpetbush)/イエローベルズ(yellow bells)/イエロー・エルダー(yellow elder)
- 品種:オレンジ・ジュビリー(tecoma stans ‘orange jubilee’)
- 開花時期:5月~11月(理想的な環境では周年)
- 花の色:橙色●黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑小高木
- 草丈:約350cm
- 誕生花:
- 花言葉:陽気
- 用途:開花期間長い
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)とは!?
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は、南国のリゾートを連想させるような橙色(赤橙色)と黄色の2色の花が魅力的な園芸品種です。高さは約350cm、幅は約300cmに成長します。
キンレイジュ(金鈴樹)とは!?
キンレイジュ(金鈴樹)は学名Tecoma stans、別名「テコマ・スタンス」や「イエロー・トランペットブッシュ(yellow trumpetbush)」とも呼ばれる北・南アメリカ原産の常緑小高木です。
キンレイジュ(金鈴樹)の語源(由来)
- 属名のTecomaはナワトル語のtecomaxochitlに由来しています。
- tecomaxochitlは、ナワトル語で液体の容器として利用される「ヒョウタン」を意味する「tecomatl」と、「花」を意味する「xochitl」の2後の造語です。
- 種小名のstansは「直立」を意味しており樹形に由来します。
キンレイジュ(金鈴樹)の特徴(魅力)
- キンレイジュ(金鈴樹)は、理想的な環境では1年を通して開花する能力があり、花は枝先に房状に密に集まり咲くためボリュームある花姿をつくります。また色鮮やかな黄色の花色は、遠くからでもよく目立つため美しい景観をつくり、明るく開放的な印象を与えるでしょう。
- 樹形は木のように1本の幹が長く伸びて成長したり、地際から複数の茎が伸びて株立ち状に成長したりします。
- 株立ち状に成長させたい場合は晩冬頃に地際付近から強く切り戻して、根元から沢山の茎を出させます。
- 開花時期はふつう春から秋にかけてですが、十分な温かさのある理想的な環境では1年を通して開花することが出来ます。
- 花は枝先で密に集まりくっつきながら沢山の花が咲くため、非常にボリューミーな印象を与えます。
- 花は筒状で、筒上部に向かい広がるため、ラッパのような外観をしており、花の先端はふつう5裂(裂片が5個)しています。
- 実は細長い円筒型で、豆のような外観をしており、長さ約10~30cmの大きさがあります。
- 葉は小葉が3個~13個集まり羽状に広がる形から、シダ植物の様な上品な外観をしており装飾的です。
- 商業的には、木材が建築物や家具などに利用されたり、また薬用植物として糖尿病や消化器系の病気に利用されたりします。
- また幾つかの地域では蛇(コブラ)の毒を抑制する目的で、咬傷に葉のペーストが塗られる事もあるようです。
- キンレイジュ(金鈴樹)は挿し木で簡単に増やすことが出来ます。
キンレイジュ(金鈴樹)の樹高は約300(~800)cm、樹形は単幹(根元から上部まで幹が1本)もしくは株立ち状(根元から茎がわかれ複数の茎が立ち上がる樹形)で、樹皮は灰白色をしています。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身は羽状複葉、羽状複葉は小葉が約3(~13)個集まり、小葉の長さ約3(~10)cm、幅は約1(~3)cm、小葉の形は披針形もしくは楕円形(~狭楕円形)で、葉のふち部分には鋸歯があります。
花序は総状花序または円錐花序、総状花序は枝先に密に花がつきます。花冠は漏斗形、漏斗形花冠は花冠全体が繋がり下部が細く上部が広がり先端が裂けて裂片が5個あり、花冠の長さ約3(~5)cm、幅は約1(~3)cm、花色は黄色または橙色です。
果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は細長い円筒型、長さ約10(~30)cm、色は緑色から成熟すると淡褐色になります。
キンレイジュ(金鈴樹)の園芸品種の紹介
タチノウゼン(テコマ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
土壌の土質
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は、荒廃した砂地や岩の多い場所などに自生地があるため栄養の少ない砂質の土壌などに耐性があります。一方で湿地のようなジメジメとした環境を嫌い根腐れなどの生育不良を引き起こしやすいため、粘土質な土壌や周囲から水が集まりやすい環境等で育てるのは避けた方が良いでしょう。
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は、基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ます。通気性と保水性のバランスがよく適度に肥沃な壌土、もしくは通気性や排水性が高めの砂壌土に土壌改良を行い植え付けを行うと良いでしょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向から、3時間から5時間の半日影で育てましょう。
培養土
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は荒廃した砂地や岩の多い場所などに自生しており、基本的にほとんど肥料を必要としません。ただし成長が遅いと感じる場合は、生育期の夏に一度だけ肥料を与えることができます。肥料は肥効が長く続く緩効性肥料を与えましょう。
剪定のやり方
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)の剪定の目的は、生産性が落ちた古い枝などを必要に応じて剪定して、花や葉の生産性の高い若い枝の成長を促したり、奔放に伸びた枝や自然に反して成長する枝(下がり枝等)を剪定して見た目の改善やエネルギーの分散を防いだりする所にあります。
剪定のやり方は求める樹形によって変わります。株立ち状(根元から茎がわかれ複数の茎が立ち上がる樹形)に育てたい場合は剪定のやり方①を参考にして、単幹(根元から上部まで幹が1本)のような木とした育てたい場合は剪定のやり方②を参考にしてください。
剪定のやり方
- キンレイジュの剪定は晩冬から早春に 1回おこないます。
- 剪定のやり方(必須)
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散されて健康に成長している茎の成長に悪影響を及ぼしたりしやすいからです。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを枝分かれしてる場所、もしくは被害を受けていない枝の途中の節(芽)の上で、剪定して取り除きましょう。
- 剪定のやり方①
- 株立ち状の樹形で楽しみたい場合または冬に地上部が枯れてしまった場合は、地面から約5~20cmの間で一律に強く切り戻し剪定しましょう。剪定する事で地上部の殆どがなくなりますが、春になると沢山の芽が出て株立ち状に地際から沢山の茎が伸びてきます。
- 剪定のやり方②
- 木とした自然な樹形で育てたい場合は、必要に応じて生産性の落ちた古い枝を剪定したり、枝が混み合っている場所の枝を間引き剪定したり、外観を崩している枝を剪定しましょう。
- 古い枝は若い枝と比べて葉や花の生産性が落ちており、またエネルギーが分散されるため若い芽の成長を抑制する事があります。そのため必要に応じて、色褪せた古い枝を根元から間引き剪定するか、もしくは枝の途中の節(芽・枝)の少し上で切り戻し剪定しましょう。
- 枝が混み合っていると風通しや日当たりを悪化させる事があります。そのため、太く伸びた枝、弱い枝、並行枝、逆さ枝、絡み枝などの不要と思われる不要枝を、株全体のバランスを見ながら、枝の根元から間引き剪定、もしくは枝の途中の節(芽・枝)の少し上で切り戻し剪定しましょう。
- 木とした自然な樹形で育てたい場合は、必要に応じて生産性の落ちた古い枝を剪定したり、枝が混み合っている場所の枝を間引き剪定したり、外観を崩している枝を剪定しましょう。
夏越しする方法
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は夏の暑さに強いため、基本的に対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:9b~11a
キンレイジュ(オレンジ・ジュビリー)は軽い霜に耐える事も出来ますが、基本的には霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
冬越し対策
- 軽い霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
キンレイジュ(金鈴樹)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- キンレイジュ(金鈴樹)の挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
キンレイジュ(金鈴樹)の種蒔の方法
播種時期:3~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
キンレイジュ(金鈴樹)の病気
キンレイジュ(金鈴樹)の害虫