原産:日本/アジア/ヨーロッパ/北アメリカ
科:イノモトソウ(pteridaceae)
亜科:vittarioideae
属:アジアンタム/ホウライシダ(adiantum)
種:ホウライシダ(capillus-veneris)
別名:ビーナス・ヘアー・ファーン(venus hair fern)/サウザーン・メイデンヘアー・ファーン(Southern maidenhair fern)/ブラック・メイデンヘアー・ファーン(black maidenhair fern)
開花時期:-
花の色:-
葉色:緑色●
分類:常緑多年草
誕生花:
花言葉:
用途:グランドカバー/日陰植物
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ホウライシダとは!?
ホウライシダは学名Adiantum capillus-veneris、別名「カラクサホウライシダ」や「デルタ・メイデンヘアー・ファーン(Delta maidenhair fern)」とも呼ばれる日本およびアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する常緑多年草です。日本では本州(関東以西)・四国・九州に分布しており、海岸や川沿いの岩場などに自生しています。
ホウライシダの語源(由来)
- 属名のアジアンタム(adiantum)は古代ギリシア語で「濡れていない」「乾いている」を意味する「ἀδίαντον(adíanton)」からきており、葉が濡れることなく水を流れ落とす能力に由来します。
- 種小名のcapillus-venerisはラテン語で「髪」を意味する「capillus」と、「金星」を意味する「veneris」の2語からなります。
- ↳英名のvenus hair fernは種名に由来します。
- ホウライシダの由来は桃源郷の「蓬莱」に由来すると言われています。
ホウライシダの特徴(魅力)
- ホウライシダの葉柄は黒紫色で光沢があります。
- 小羽片(小葉)は「扇」を連想させる個性的な葉の形をしており
- ↳2回羽状複葉に葉をつけます。
- 一般的な植物が嫌う様な湿気の多い日陰で育ちます。
- ↳そのため湿気が多く間接光しか当たらないような浴室等で楽しむ事も出来ます。
- ↳一方で乾燥する場所では葉が変色したり落ちるため育てられません。
ホウライシダは地面下に短く匍匐する根茎をもっており、根茎から何本も葉柄を伸ばし叢生します。葉柄の色は黒紫色で光沢があり、葉柄の下部には明るい褐色の鱗片が多数つき、葉柄は基部から弧状に広がり長さ約10~40cmの間で成長します。葉の色は緑色、葉身の大きさは長さ6(~27)cm幅約8(~24)cmあり、葉身の形は2回羽状複葉して小羽片は扇形もしくは倒三角形で、縁部分が浅裂する。包膜は小羽片の縁部分(裂片の間)にあり胞子囊群は偽包膜に保護されています。
ホウライシダの栽培方法
園芸では、個性的な葉の形や優雅に枝垂れる草姿を楽しむ目的で鉢植えにして楽しまれる事が多く、屋内で観葉植物として楽しまれたり、またシェードガーデン(日陰の庭)で地面を被覆する植物として利用される事もあります。
ホウライシダを育てる際に注意する事は「強い日差し」や「乾燥」です。ホウライシダは基本的に強い日差しに当たると葉やけを引き起こし葉がボロボロになりやすいため、直射日光が当たらない日陰等で育てられます。また基本的に乾燥を許容しません。そのため土壌の保水性をよくしたり、土壌が乾燥しているようだったら必要に応じて水やりを行う必要があります。
アジアンタム(ホウライシダ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アジアンタム(ホウライシダ)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
ホウライシダの育て方
花壇の土づくり
ホウライシダは直射日光が何時間も当たる環境では、光合成能力を越えてしまい葉焼けする事があり、また土壌も乾燥しやすくなります。そのため間接光のみが当たるような日陰、もしくは午前中のみ日があたる半日影で育てます。
また湿度の高い場所を好むため、湿気の高い場所(日陰・池の近く等)を選び植えてあげるといいでしょう。一般的に乾燥しやすい場所では葉が変色したり、葉が落ちたりしやすくなるため注意が必要です。
ホウライシダはPHが中性からややアルカリ性の土壌を好みます。基本的に土壌の乾燥を許容しませんが、同時に通気性の良い土壌を好みます。そのため粘土質な土壌は避けてください。
植付けの前に土壌診断を行い、必要に応じて土壌をアルカリ性に傾ける苦土石灰を入れたり、通気性を高めるパーライトや軽石等を入れたり、肥沃さと膨軟性を高める堆肥等の改良用土を入れて土壌を改善をするといいでしょう。
鉢土づくり
ホウライシダは強い日差しを嫌うため、間接光のみがあたる日陰、もしくは午前中のみ日があたる半日影で管理しましょう。
また湿度の高い環境を好むため、室内で楽しむ場合は加湿器を利用したり、霧吹き等で1~数日ごとに水をかけてあげるといいかもしれません。
培養土は保水性と通気性のバランスがよく肥沃な培養土を利用しましょう。
培養土の例
- 赤玉土5割+腐葉土4割+パーライト1割+元肥(適量)
水やりの仕方
ホウライシダは乾燥に弱く、一貫してやや湿り気のある土壌を好みます。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。また乾燥を防ぐために腐葉土等でマルチングするのもおすすめです。
肥料の与え方
ホウライシダは有機物がしっかり入る肥沃な土壌であれば基本的には肥料を必要としません。多すぎる肥料は葉焼けを引き起こしたり根が傷み生育不良を引き起こす原因にもなります。
ホウライシダの肥料の与え方
- 肥料は基本的に不要ですが、与える場合は早春に施肥しましょう。
- 肥料は必要に応じて土質を改善する堆肥と有機肥料(魚粉)を入れます。
剪定のやり方
ホウライシダの剪定は、葉が枯れた場合等に葉柄を根元から切り戻しましょう。
夏越しする方法
ホウライシダは夏の暑さに耐えますが、強い日差しや乾燥を苦手にしています。
ホウライシダの夏越し対策
- 暑さ乾燥対策として日向にある場合は直射日光の当たらない日影に移動すると良いでしょう。
- 地植えしたものでも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- ↳鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
ホウライシダは強い霜の降りない地域であれば屋外での越冬も可能ですが、強い霜の降りる地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
ホウライシダの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
ホウライシダは株分けや胞子によって増やす事ができます。
株分けの方法
ホウライシダの株分け時期は早春から春が適します。地面から株を掘りあげたら、根茎を芽や根を付けた状態でナイフやカッターを使って株を数個に切り分けましょう。
胞子での増やし方
ホウライシダの胞子を滅菌した腐食土の上にまき、上部をビニールやプラスチックで覆い高い湿度を保ちながら水で土を湿らせ管理しましょう。
播種で増やす
ホウライシダの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ホウライシダの病気
ホウライシダの害虫