原産:中央アジア
科: ツルボラン(Asphodelaceae)
亜科:ツルボラン(Asphodeloideae)
属:エレムルス(Eremurus)
種:ロブスタス(robustus)
別名:エレムルス・ロブスタス/フォックステイル・リリィ(foxtail lily)/ジャイアント・デザート・キャンドル(giant desert candle)
開花時期:5月~7月
花の色:黄色●桃色●紫色●
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約150~300cm
誕生花:5月11日/11月17日
花言葉:忍耐/高き理想/大きな希望/変わらぬ心
用途:背が高い花/切り花
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
エレムルスとは!?
エレムルスとは学名Eremurus robustus、別名では「エレムルス・ロブスタス」や「フォックステイル・リリィ(foxtail lily)」とも呼ばれる中央アジア原産の多年草です。
エレムルスの語源(由来)
- 種小名のrobustusは「強度」「強い」等を意味しており、恐らく成長する様子に由来します。
エレムルスの特徴(魅力)
- エレムルスは垂直に150~300cmまで花茎がのびます。
- 花穂は長さ90~120cmまでの長さがあり非常に目立ちます。
- 花は切り花としても非常に魅力的です。
- 葉は細く長く最大120cmまで伸びてロゼット状に優雅に広がります。
- 葉は開花後の夏には枯れてしまいます。
- エレムルスは地面下に「タコ」や「ヒトデ」に例えられる太い塊茎をもっています。
エレムルスは地面下にヒトデの様な形をした塊茎が広がっています。茎の色は緑色、垂直に伸びる茎は分枝することなく高さ約150(~300)cmの間で成長します。葉は基部から出てロゼット状に広がり、葉の大きさは長さ約120cm幅約10cmあり、葉身は剣形になります。花序は花が集まり長さ90(~120)cmに総状花序になり、個々の花は直径約3(~4)cmあり、白色(~桃色)の花弁が6個あり、突出する黄色の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は晩春から夏、花色は黄色や白色、桃色等があり、個々の花は花弁が5個と雄蕊が長く突出しており、花序は花が総状花序に集まり咲きます。草姿は直立で高さ約150(300)cm × 幅は約60(90)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は剣形です。
エレムルスの切り花の楽しみ方
- エレムルスの収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- エレムルスの収穫は花が4分の3程度開いてる時に行うと良いでしょう。
- 収穫したエレムルスを水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは管理の仕方で変わりますが約7~10日程度です。
- 管理は出来るだけ涼しく直射日光を避けた場所に置きます。
- ↳必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行いましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。※導管に気泡が入ると水揚げが悪くなり萎れやすくなります。
エレムルスの栽培方法
園芸では、鉄塔のようにスラリと伸びて咲く長さ約90~120cmの花穂を鑑賞する目的で育てられたり、切り花として利用する目的で育てられたりします。花壇の中央や後方に植えても非常に目立つため美しい背景となるでしょう。
エレムルスを育てる際に注意する事は「ジメジメとした多湿」です。基本的には乾燥に強く肥料も殆ど必要としないため、理想的な環境では放ったらかしで育てる事も出来ますが、長雨等でジメジメした環境が続くと多湿で枯れてしまう事もあります。そのため長雨に当たらない様にしたり、土壌の排水性を高めておくなどの対策も必要になるでしょう。
エレムルスの育て方
花壇の土づくり
エレムルスは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
エレムルスは水分が停滞する様な水捌けの悪い土壌では根腐れをしてしまいます。そのため排水性と通気性の良い土壌に植える必要があり、また適度に肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌が粘土質で硬かったりする場合は、必要に応じて通気性を高める川砂やパーライト等を入れたり、また肥沃さと膨軟性を高める目的で腐葉土やバーク堆肥を入れ土壌改善を行いましょう。
エレムルスの塊茎を埋める深さは約10~20cmの間です。塊茎の大きさに合わせて深さを調整しましょう。
エレムルスは成長すると花茎が最大3mに達します。花茎は強風に当たると倒れやすいため、必要に応じて支柱を立てておきましょう。
鉢土づくり
エレムルスは直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土6割+腐葉土4割+元肥(適量)
- 赤玉土(4割)+ボラ土(2割)+腐葉土(4割)+元肥(適量)
水やりの仕方
エレムルスを地植えしている場合は一度根付くと水やりは基本的に不要で降水のみで育てられます。
鉢植えで育てていたり、降水がなく乾燥が続いたりする場合等は、土の表面が乾燥してきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
エレムルスの肥料は早春に一度だけ施します。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期は早春です。
- ↳バランスがいい水平型の固形肥料もしくは緩効性肥料を、規定された量だけ施肥しましょう。
剪定のやり方
エレムルスは種子が必要な場合をのぞいて、開花後に花茎を根元から切り戻す事が出来ます。
夏越しする方法
エレムルスは開花が終わり夏になると地上部が枯れて休眠します。土壌が浸水して塊茎が腐敗しないように注意して管理しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
エレムルスは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。ただし芽が霜で傷つく事もあるため、不織布で保護する事も出来ます。
挿し木や株分けで増やす
エレムルスは春に塊茎を分割して株分けする事が可能です。根はもろいため、傷つけないように注意しながら株分けしましょう。
播種で増やす
エレムルスの種蒔の方法
播種時期:10月~11月・3月~4月(低温処理)
発芽適温:約15~20度
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
エレムルスは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)に入れて寒さを経験させて発芽させる必要があります。
種まき手順
- エレムルスの種を秋に撒き、春に発芽させる場合はそのまま種を撒いて問題ありません。
- 冬の寒さを経験させない場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で8~12週間保管して種を撒きます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に軽く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
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