
原産:南アメリカ
科:ナス(Solanaceae)
属:ペチュニア(Petunia)
種:hybrida
品種:ホイップマカロン
開花時期:4月~11月(理想的な環境では周年咲き通常は4月から8月に最も開花)
花の色:茶色●白色〇
葉色:緑色●
分類:多年草
草丈:約30cm
誕生花:5月18日/7月22日/8月16日/9月25日
花言葉:心が和む/心の平安/決して諦めない/あなたと一緒なら心が安らぐ
用途:開花期間長い/グランドカバー
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ペチュニア(ホイップマカロン)とは!?
ペチュニア(ホイップマカロン)は、花日和さんオリジナルの栄養系八重咲きペチュニアです。クリーム色をした八重咲きの小ぶりの花は、ホイップを搾りデコレーションしたかのような可愛らしい花姿をつくります。そのため甘いお菓子で作られた様な可愛いお庭をつくる時や、柔らかてロマンチックでロマンチックな雰囲気のお庭をつくる時等におすすめの品種です。
開花時期は春から晩秋(理想的な環境では周年咲き通常は4月から8月に最も開花)、花色は茶色と白色、個々の花は花弁が幾重にも重なる八重咲きで、花序は腋生します。草姿は高さ約15~20cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は披針形か卵形か楕円形、葉序は対生葉序もしくは互生葉序につきます。
ペチュニアとは!?
ペチュニアは学名Petunia × hybrida、属の中に約20種がありますが、一般に園芸で親しまれるペチュニアは1800年代にPetunia axillaris(南アメリカ)やPetunia integrifolia(アルゼンチン)が交雑されてうまれた雑種の多年草です。
ペチュニアの語源(由来)
- ペチュニアの由来はグアラニー語の「pety」からきており、そこからポルトガル語で「タバコ」を意味する「petum」、同様にフランス語で「タバコ」を意味する「petun」となり、最後に現在の「Petunia」に変化しています。
ペチュニアの特徴(魅力)
- ペチュニアの草姿は「ドーム状」「匍匐性」の2タイプあるためそれぞれ目的に合わせて利用するといいでしょう。
- ↳こんもりドーム状タイプは花壇の中でボリュームを出したり鉢植えの中でも均一にモコモコ育つ姿が魅力的です。
- ↳匍匐性タイプは花壇の縁どりとして利用したりハンギングバスケット等で下垂する優雅な草姿と花を鑑賞したりします。
- 園芸品種が非常に多くあるため様々な花形や花色があります。
- 花は品種により夏に休んだり切り戻しにより開花が途切れる場合もありますが、春から秋まで持続的に開花する品種が多いです。
- 品種の中には花が自ら落ちて自浄作用がある品種(スーパーチュニア等)もあります。
- ペチュニアは種から容易に増やせるため大量植栽しやすいです。
- 茎は白色の腺毛が生えるためベトベトとしています。
- ↳虫(アリ)が登ってこないようにする為といわれています。
- ペチュニアは雨に弱いため長雨時には管理に注意が必要です。
- 霜に当たると枯れてしまうため通常は冬に枯れる一年草として扱われます。
ペチュニアの草姿はコンパクトなドーム状もしくは匍匐する様に地面を広がります。茎の色は緑色で白色の毛(腺毛)が生えており粘付き、茎はよく分枝して高さ約15(~45)cm幅は15(120)cmの間で成長します。葉は茎に対して対生葉序もしくは互生葉序に配置され、葉色は緑色で白色の毛が生えており、葉身は披針形か楕円形か卵形です。花序は腋生して、個々の花の大きさは約2(~13)cmで花冠は漏斗形で花先が5裂、もしくは八重咲きします。花後に出来る果実は蒴果で多数の小さな種をつけます。
ペチュニアの分類(タイプ)
ペチュニアは均一なサイズや特性等で幾つかのタイプ(シリーズ)に分けられることがあります。
- グランドフォリア系(Petunia grandiflora)
- マルチフローラ系(Petunia multiflora)
- フロリバンダ系(petunia floribunda)
- ミリフローラ系(Petunia milliflora)
- ウェーブ系(petunia spreading or Wave)
- スーパーチュニア系(petunia supertunia)
- サフィニア系(petunia Surfinia)
グランドフォリア系(Petunia grandiflora)
グランドフォリア系とは、1950年代に生まれた最も古いタイプのペチュニアの品種の1つです。グランドフォリア系の特徴は直径10~13cmになる非常に大きな花にあります。花は大きい反面、雨に弱いため傷ついたり腐敗しやすく、また花数が少ない傾向にあります。草姿は一般的にドーム状になり高さ40cm程度まで成長しますが、匍匐する様に広がるタイプもありハンギングバスケット等で楽しまれる事もあります。
マルチフローラ系(Petunia multiflora)
マルチフローラ系とは、マルチ(複数)フローラ(花)の名前からも分かる通り多花性のペチュニアです。花は直径約5cmと小さめですが、花色が豊富にあり、降雨熱・湿度に優れた耐性があります。草姿はグランドフォリア系と比べてコンパクトな傾向があります。
フロリバンダ系(petunia floribunda)
フロリバンダ系とは、グランディフローラとマルチフローラの交雑種です。それぞれの良い特性を受け継いでおり、マルチフローラの様に沢山の花を咲かせ、降雨に優れた耐性があり、花の大きさはグランドフォリア系とマルチフローラ系の中間程の大きさがあります。
ミリフローラ系(Petunia milliflora)
ミリフローラ系とは非常にコンパクトな草姿と小さな花が魅力の品種です。草姿は高さ幅ともに20cm以下と小さくコンパクトで、基本的に摘芯や切り戻しが不要です。花は直径約2~4cmと非常に小さく、持続的に非常に沢山の花を開花させます。
ウェーブ系(petunia Wave)
ウェーブ系とは1995年に導入されたペチュニアのシリーズです。地面を匍匐する様に広がる草姿が特徴で、成長が早く最大150cmまで広がる事もあります。ウェーブ系は基本的に花がら摘みが不要です。ただし夏の暑さで弱る事があるため、必要に応じて切り戻しした方がいい場合もあります。
ペチュニア・ウェーブ(petunia wave)
ペチュニア・ウェーブは成長が速く、高さ約10(20)cm幅約90(120)cmまで成長します。
ペチュニア・イージーウェーブ(petunia easy wave)
ペチュニア・イージーウェーブは成長が早く、高さ約15(30)cm幅約60(90)まで成長します。
ペチュニア・タイダルウェーブ(petunia tidal wave)
ペチュニア・タイダルウェーブは非常に成長が早く、高さ約30(50)cm幅約90(150)cmまで成長します。
スーパーチュニア系(petunia supertunia)
スーパーチュニア系はProvenWinnerからでる品種群です。スーパーチュニア系の特徴は花が自ら落ち自浄作用がある所で、花がら摘みが必要ありません。非常に品種が多く、多くの花色と花形(一重・八重咲き等)がある所も魅力です。また優れた耐病性や丈夫さがあります。スーパーチュニアは肥料を沢山欲しがります。しっかり肥料を与えると葉が見えなくなる程の花と、持続的な開花が見込まれます。
スーパーチュニア・ビスタ(Supertunia Vista)
スーパーチュニア・ビスタは非常に成長が早く、草姿は高さ約30(40)cm幅約80(100)cmまで成長して、花は通常は5(~ 6)cmです。ビスタ・ミニは高さ約30(40)cm幅約70cmまで成長して、花は通常約3(4)cmです。
スーパーチュニア・チャーム(Supertunia charm)
スーパーチュニア・チャームは非常に枝分かれがよく多数の茎と花を生み出す所が特徴で、草姿は高さ30(45)cm幅約45(60)cmに成長します。
スーパーチュニア・プラス
スーパーチュニア・プラスは高さ約20cm幅約60cmに成長するペチュニアです。優れた耐暑性があります。
サフィニア系(petunia Surfinia)
サフィニア系とは1989年にサントリーと京成バラ園芸が共同で作出したペチュニアの園芸品種です。滝の様に垂れる草姿が魅力で、ハンギングバスケットやウィンドウボックス等で育てる際に人気の高い品種です。また滝の様に垂れる草姿からカスケーディア系に含め扱われる事もあります。優れた耐候性(太陽光・温度・湿度・風雨)があるため、高温多湿の日本でも育てやすく、また世界でも人気がある高い品種です。非常に多花性で長い期間、花が楽しめて、また不稔性(種を付けない)が高いため株が弱りにくい所も魅力です。
サフィニア
サフィニアは花色が豊富で草姿は高さ約30cm幅約70(100)cmにします。花径は中輪約4(6)cm、大輪約7(10)cmあります。
サフィニアアート
サフィニアアートはアートの名前からも分かる通り個性的な班が入る所が魅力です。草姿は高さ約30cm幅約60(100)cmにします。花径は約4(6)cmあります。
サフィニアブーケ
サフィニアブーケは節間が短く花束の様にキュッと詰まる花姿が魅力の品種です。枝分かれが良いため摘芯が不要で、また花がら摘みも不要(切り戻しは必要)とされています。草姿は高さ約20(30)cm幅約40(60)cmにします。花径は約3cmになります。
サフィニアフリル
サフィニアフリルはフリルの様に波打つ花弁が幾重にも重なり八重咲きする華やかな花姿が魅力の園芸品種です。草姿は高さ約20(30)cm幅約40(60)cmにします。花径は約3(4)cmになります。
ペチュニアの栽培方法
園芸では、春から秋まで持続的に開花する花を鑑賞する目的だったり、地面や鉢縁を被覆するように広がる優雅な草姿を鑑賞する目的等で育てられる事が多いです。また非常に豊富な花色があるため、お庭の雰囲気に合わせて品種を選べる所も魅力です。
ペチュニアを育てる際に注意する事は「長雨」「肥料切れ」です。ペチュニアは基本的には丈夫で育てやすい多年草(冬に枯れる一年草)ですが、雨に当たると花が傷んだり病気になりやすいため管理に注意が必要になります。また肥料食いのため持続的な開花の為にはしっかり肥料を与える必要があるでしょう。ペチュニアは多年草ですが、基本的には冬の寒さに当たると枯れる一年草として扱われています。
ペチュニアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ペチュニアの珍しい種類、主な種や園芸品種の紹介【2022】
ペチュニア(ホイップマカロン)の育て方
花壇の土づくり
ペチュニア(ホイップマカロン)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。一方で日当たりの悪い場所では開花が悪くなります。そのため植える場所は、直射日光が6時間以上当たる日向が理想です。
ペチュニアは土壌のPH5.5~6.5の間を好み、また土は比重が軽めで有機物(腐植)が豊富に入る肥沃な土壌を好みます。
植付けの前に土壌診断を行い、土壌を掘る時に土が硬かったり濡らした土を握った時に塊が崩れない等する場合は通気性を高めるパーライトを入れたり、膨軟性(ふわふわ)を高めたり肥沃さを高める腐葉土やピートモスを入れたりして土壌改善を行うといいでしょう。
ペチュニアの植付け時は、根鉢を崩す必要がある場合があります。ポットから苗を取り出し根が回っているようであれば、底の部分を軽く解して植え付けましょう。深植えすると泥跳ねで病気になりやすいため、標準植えしてください。また病気予防の為にバークチップ等でマルチングしてあげるのもおすすめです。
鉢土づくり
ペチュニア(ホイップマカロン)は基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし長雨が続く時や夏の暑さが厳しい時は、軒下に移動したり西日の当たらない半日影に移動したりした方がいいでしょう。
培養土は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(6割)+腐葉土(4割)+元肥
- 赤玉土(5割)+ピートモス(3割)+パーライト(2割)+元肥(適量)
- パーライト(4割)+バーミキュライト(3割)+ピートモス(3割)+元肥(適量)
水やりの仕方
ペチュニア(ホイップマカロン)は他の一般的な植物と同様に湿潤と乾燥の繰り返しで根を深く張り丈夫に成長します。水や泥が茎葉にかかると病気にかかりやすいため、水やりの際は注意が必要です。
水やりの手順
- 土の表面が乾燥しているのを、目視(土の色)もしくは土を触って確かめます。
- 触って確かめる場合は指の第1関節を土にさして、乾き具合を確かめると良いでしょう。
- ただし茎葉が萎れ気味になっている場合は直ぐに水を上げてください。
- 水をあげる時は葉や花に水がかからない様に、手で茎葉を持ち上げながら、泥跳ねをしないように水量を調節して優しく株元に水を上げてください。
肥料の与え方
ペチュニア(ホイップマカロン)は沢山の肥料を欲しがる肥料食いです。肥料食いとは肥料を吸う力が強く、ぐんぐん大きくなったり沢山の花を咲かせる性質です。反面肥料が切れると生育に悪影響を及ぼします。
ペチュニアの花をしっかり咲かせたい場合は、持続的にしっかりと肥料を施す必要があります。
- 植え付け時に元肥を入れましょう。一般的にはリンが多め山型の緩効性肥料が選ばれます。
- ↳規定された元肥を全面施肥(培養土もしくは土に均一に混ぜ込む)しましょう。
- 追肥は液肥で成分は元肥と同様に山型(リン酸が多め)の肥料を選びましょう。
- 追肥の期間は3月から11月の間で、2週間に1度のペースで液肥を与えてください。
剪定のやり方
ペチュニア(ホイップマカロン)の剪定は「摘芯」「花がら摘み」「切り戻し」の3つに分かれます。品種によって摘芯しなくても枝分かれがよい品種があったり、花がら摘みをしなくても自浄作用(自ら花を落とす)がある品種があるため剪定方法は一概ではありません。
傾向としては成長が早かったり、コンパクトで美しいドーム状の草姿を作る品種等は摘芯不要な場合が多いです。花がら摘みが不要かどうかは育てながら花が落ちるか確認すると良いでしょう。有名なものではスーパーチュニアの花が自浄作用があります。
ペチュニアの摘芯
ペチュニアはまだ小さい苗の時に成長点を摘み摘芯する事で、枝分かれして茎数が増えふさふさとした草姿が作る事が出来ます。
品種によっては枝分かれがよく、摘芯不要な場合もあります。
ペチュニアの花がら摘み
開花期間中は花がら摘みを行う事で、花が茶色く腐敗して病気にかかったり、種を作って株が衰弱したりすることなく健康な株に育てる事が出来ます。また花がら摘みを行う事で新しい花に栄養がまわり、持続的な開花を促す事が出来ます。
ただし品種によっては自ら花を落とす場合があります。
ペチュニアの切り戻し
生育期間中は定期的に切り戻しを行い、だらしなく伸びる茎や裸の茎(葉が少ない)を減らしましょう。
切り戻し剪定の方法は2パターンあります。
1つ目は開花が一段落した所で茎の半分程度を一律に切り戻す方法です。メリットは草姿が美しく保たれ開花が揃います。
2つ目は毎週数本ずつ茎を半分に切り戻します。メリットは持続的な開花が見られるところです。
冬越しする方法
Hardiness:10a~11b
ペチュニアは霜に耐えられないため、冬越しさせたい場合は屋内もしくは温室に入れて管理します。ただし一般的には冬に枯れる一年草として扱われています。
- 鉢植えで育てている場合は、明るい屋内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして温室などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
- 挿し木をとり冬越しさせた後に植え直される事もあります。
播種で増やす
ペチュニアの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20度~25度
発芽日数:約7日
発芽条件:
ペチュニアの種まき手順
- 種を撒くための容器と培養土を準備します。
- 容器の大きさに応じて種をばら撒きしたり、数個ずつ種を土に置き、種を軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上には薄く土を被せるか、覆土せずにおきます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
- 容器の大きさに合わせて、本葉が2・3枚出たら別のポットに仮移植して、7・8枚出てきたらプランターや花壇等に移植しましょう。