原産:ヨーロッパ
科:ニシキギ(Celastraceae)
属:ニシキギ/ユオニマス(euonymus)
種:セイヨウマユミ(europaeus)
別名:スピンドル(spindle)/ヨーロピアン・スピンドル(European spindle)/コモン・スピンドル(common spindle)
開花時期:4月~6月
果実時期:9月~12月
花の色:黄色●緑色●白色〇
葉色:緑色●黄色●赤色●
分類:落葉低木
草丈:約300~600cm
用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
セイヨウマユミとは!?
セイヨウマユミは学名euonymus europaeus、別名では「ヨーロピアン・スピンドル(European spindle)」や「コモン・スピンドル(common spindle)」等とも呼ばれるヨーロッパ原産の落葉低木です。
セイヨウマユミの語源(由来)
- 属名のeuonymusは古代ギリシャ語で「良い」を意味する「εὖ(eû)」と、古代ギリシャ語で「名前」を意味する「ὄνομα(ónoma)」の2語からなり、「縁起が良い」「評判が良い」等を意味しますが、実際は実が有毒なため皮肉をこめて付けられたとも言われています。
- 別の説ではギリシャ神話に出てくる復讐の女神の母である「Euonyme」に由来するとも言われます。
- 種小名のeuropaeusはラテン語で「ヨーロッパ」を意味します。
セイヨウマユミの特徴(魅力)
- セイヨウマユミは秋に大量に作られる果実を鑑賞する目的で育てられます。
- 果実は鮮やかな赤色(~桃色)をしていて熟すと橙色の種子を放出します。
- 果実は有毒なアルカロイドを含むため基本的に食べられません。
- セイヨウマユミは秋に紅葉した後に落葉する落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤紫色)もしくは黄色に紅葉します。
- セイヨウマユミの花は白色(~薄緑色)で小さく目立たないため鑑賞価値は低く重要視されません。
- セイヨウマユミは一般的に果実や紅葉する葉を鑑賞する目的で庭木として育てられますが生垣として利用される事もあります。
- セイヨウマユミは夏の暑さ冬の寒さに強く肥料も基本的に不要なため放ったらかしで育てる事も可能です。
セイヨウマユミの茎は木質で樹皮は褐色もしくは灰褐色をしています。茎は直立して枝分かれがよく高さ約300(~600)cmの間で成長します。葉序は対生葉序、葉色は緑色で秋になると黄色もしくは赤色(~赤紫色)に紅葉します。葉身の大きさは長さ約3(~8)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形(~倒卵形)です。花序は集散花序です。個々の花は白色(~薄緑色)の花弁4個、緑色の雄蕊4個。花後の果実は直径1(~1.5)cmの長球形の赤色(~桃色)の蒴果で、熟すと4裂して橙色の種子を放出します。
セイヨウマユミの栽培方法
セイヨウマユミを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため、放ったらかしでも育ちます。
ニシキギ(ユオニマス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ニシキギ(ユオニマス)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
セイヨウマユミの育て方
花壇の土づくり
日当たり
セイヨウマユミは直射日光が6時間以上あたる日向から間接光のみが当たる様な日陰まで、幅広い環境で育てる事が可能です。ただし美しい紅葉を見たい場合は日当たりよい場所で育てた方が良いです。
土壌の土質
セイヨウマユミは土壌の土質をあまり選びません。基本的には通気性と排水性が良く、適度に肥沃な土壌であれば問題なく育ちます。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
セイヨウマユミは日向から間接光のみが当たるような日陰迄で育てる事が可能です。
培養土
セイヨウマユミは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
生育初期(植付け後数ヶ月)
セイヨウマユミが根をしっかり張り活着するまでの数ヶ月は、土壌を完全に乾燥させないように気をつけましょう。基本的には土の表面が乾燥してきたタイミングで水やりを行います。
地植え
セイヨウマユミを地植えしている場合は基本的には降水のみで育てられます。雨が降らず極端に乾燥が続く場合は必要に応じて散水しましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
セイヨウマユミは適度に肥沃な土壌であれば多くの肥料は必要ありません。毎年一度、晩冬から早春の間に肥料と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥
セイヨウマユミの元肥は植え付け時もしくは、植付け2週間前(有機肥料の場合)に与えましょう。
元肥は緩効性肥料もしくは配合肥料を選びましょう。肥料の成分は水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びましょう。
元肥の与え方は花壇の場合も鉢植えの場合も、基本的に土壌に均一に混ぜこむ全面施肥です。規定された量を入れましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
播種で増やす
セイヨウマユミの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
セイヨウマユミは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)に入れて寒さを経験させて発芽させる必要があります。
種まき手順
- セイヨウマユミは発芽の為に寒さの経験が必要なため、低温処理した後で春に種を撒きます。
- 春に種を撒く場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で約3ヶ月保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。