原産:日本/朝鮮/中国/フィリピン
科:ニシキギ(Celastraceae)
属:ニシキギ/ユオニマス(Euonymus)
種:ツルマサキ(fortunei)
別名:リュウキュウツルマサキ/ナガバツルマサキ/マルバツルマサキ/スピンドル(spindle)/フォーチュン・スピンドル(Fortune’s spindle)/ウィンター・クリーパー(winter creeper)
品種:ハーレクイーン(euonymus fortunei ‘Harlequin’)
開花時期:6月~7月
果実時期:10月~12月
花の色:黄色●緑色●白色〇
葉色:緑色●白色〇
分類:常緑ツル性木本/常緑低木
草丈:約50~100cm
花言葉:気長に努力
用途:カラーリーフ/グランドカバー/壁面緑化
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ツルマサキ(ハーレクイーン)とは!?
ツルマサキ(ハーレクイーン)は、葉に不規則に白色の班が入るためカラーリーフとして使える魅力的な園芸品種です。葉色は新しい葉では葉全面が白色をしており、成熟するにつれて白色の散班(細かい斑点が全面に散在)となり、完全に成熟すると緑色へと変化します。白色の葉色は、明るく輝くような印象や洗練された印象を与えるため、上品なお庭などによくあうでしょう。樹形はマウンド状に成長する傾向が強く、高さ約50~100cm、幅約50~100cmに成長します。
ツルマサキとは!?
ツルマサキは学名Euonymus fortunei、別名では「リュウキュウツルマサキ」や「ウィンター・クリーパー(winter creeper)」等とも呼ばれる日本および朝鮮、中国、フィリピンに自生する常緑ツル性木本もしくは常緑低木です。日本では北海道・本州・四国・九州・沖縄の全土に分布して林縁等に自生しています。
ツルマサキの語源(由来)
- 属名のeuonymusは古代ギリシャ語で「良い」を意味する「εὖ(eû)」と、古代ギリシャ語で「名前」を意味する「ὄνομα(ónoma)」の2語からなり、「縁起が良い」「評判が良い」等を意味しますが、実際は実が有毒なため皮肉をこめて付けられたとも言われています。
- 別の説ではギリシャ神話に出てくる復讐の女神の母である「Euonyme」に由来するとも言われます。
- 種小名のfortuneiはスコットランドの植物収集家のRobert Fortuneへの献名です。
- ツルマサキの由来は茎が「ツル(性質)」の「マサキ(属)」を意味します。
ツルマサキの特徴(魅力)
- ツルマサキは、その名前からもわかる通り茎がツル性のマサキです。茎から出る付着根により自力で壁などを登る能力があるため、園芸では壁面を被覆するウォールガーデンなどに利用されています。
- ツルマサキが覆う壁面は人工物と自然の境界が曖昧になるためナチュラルな景観を楽しむことが出来ます。
- ツルマサキの樹形はツル性で茎から出る気根(付着根)を壁等の物体にくっつけ登る習慣(決まりのように繰り返す癖)がありますが、定期的に剪定される場合は低木として成長したり、登る資材がない場合は地被植物として成長したります。
- 花は非常に小さく薄い緑色と目立たないためあまり鑑賞価値は高くありません。
- 秋には熟した果実から鮮やかな赤橙色の種子を放出します。
- 果実(種子)は有毒(嘔吐・下痢等)なため食べられません。
- 葉は革質で光沢があり魅力的です。
- 葉色はふつう緑色ですが、開放的で爽やかな印象を与える黄色の葉色や、清潔感や輝くような印象を与える白色の葉色もあるため、お庭の雰囲気に合わせてカラーリーフとして利用する事も出来ます。
- マサキの葉は常緑のため一年を通して鑑賞価値が保たれます。
ツルマサキの樹高は約200~2200cm、茎はツル性、茎から気根(地上部の茎から伸びる根)もしくは付着根(地上部の茎から伸びる根を物体に付着させ植物体を支える根)を出し上部に這い登る習慣(決まりのように繰り返す癖)があります。茎の色は若い時は緑色で成熟すると褐色になります。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約1.5(~6)cm、幅約0.7(~3)cm、葉身の形は楕円形もしくは長楕円形、ふち部分に鋸歯があります。
花序は集散花序、個々の花は直径約0.5cm、花弁の数は4個、花色は白色(~薄緑色)、雄蕊は4個、雄蕊の色は緑色です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は直径約0.5(~0.6)cmの球形で、熟すと4裂して赤橙色の種子を放出します。
ツルマサキの園芸品種
- シルバークィーンは、葉のふち部分に白色の覆輪が入るため、清潔感や明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はツル性、高さ約100~300cm、幅約100~300cmに成長します。
- エメラルドゴールド(Euonymus fortunei ‘Emeralds Gold’)は、葉のふち部分に幅が広めの黄色の覆輪が入ります。そのため、開放的な印象や明るい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形はブッシュ状になる傾向が強く、グランドカバーや低木として育てられます。高さは約50~100cm、幅約75~150cmに成長します。
- エメラルドガイディ(euonymus fortunei ‘emerald gaiety’)は、葉のふち部分に明るい印象を与える白色の覆輪が入り、また冬になると葉全体が桃色に染まる事からロマンチックな雰囲気をつくる魅力的な園芸品種です。樹形はブッシュ状になる傾向が強く、グランドカバーや低木として育てられます。高さは約50~100cm、幅約75~150cmに成長します。
- ハーレクイーン(euonymus fortunei ‘Harlequin’)は、葉に不規則に白色の班が入るためカラーリーフとして使える魅力的な園芸品種です。葉色は新しい葉では葉全面が白色をしており、成熟するにつれて白色の散班(細かい斑点が全面に散在)となり、完全に成熟すると緑色へと変化します。白色の葉色は、明るく輝くような印象や洗練された印象を与えるため、上品なお庭などによくあうでしょう。樹形はマウンド状に成長する傾向が強く、高さ約50~100cm、幅約50~100cmに成長します。
- ダンズ・デイライト(euonymus fortunei ‘dan’s delight’)は、葉のふち部分に幅が広めの白色の覆輪が入るため、洗練された印象や明るく輝くような印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。また背が低くコンパクトな樹形をつくるため地被植物や低木として育てられます。高さは約50cm、幅約75cmに成長します。
楽天で購入 | |||
ニシキギ(ユオニマス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ニシキギ(ユオニマス)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ツルマサキ(ハーレクイーン)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ツルマサキ(ハーレクイーン)は日向(直射日光6時間以上)から明るい日陰までの幅広い環境で育てる事が出来ます。
作土層
ツルマサキ(ハーレクイーン)がしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ツルマサキ(ハーレクイーン)は通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ツルマサキ(ハーレクイーン)は日向(直射日光6時間以上)から明るい日陰までの幅広い環境で育てる事が出来ます。
培養土
マサキ(ハーレクイーン)の培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
地植え
ツルマサキ(ハーレクイーン)を地植えしている場合は基本的には降水のみで育てられます。雨が降らず極端に乾燥が続く場合は必要に応じて散水しましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ツルマサキ(ハーレクイーン)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば多くの肥料を必要としません。隔年に1度だけ、晩冬もしくは早春に肥料(寒肥)を与えましょう。
寒肥の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料や有機肥料(配合肥料等)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 緩効性肥料の場合は株元から少し離れた場所に置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
剪定のやり方
ツルマサキ(ハーレクイーン)は基本的にそこまで剪定を必要としません。剪定は外観を整えたり、成長範囲を制御したり、枝分かれを促したりしたい場合などに必要に応じて剪定が行われます。
ツルマサキの剪定方法
- ツルマサキの剪定は花後すぐに行いましょう。
- 剪定が遅れると翌年の開花に悪い影響を与える可能性があります。
- 株全体を観察して【枯れ枝・損傷した枝・病気の枝】などを剪定して取り除きます。
- 枯れ枝はいつでも剪定して取り除く事が出来ます。
- 剪定は樹形を制御する目的で行われます。
- 突出して伸びた徒長枝、範囲を逸出して邪魔になる枝などの不要枝を間引き剪定もしくは切り戻し剪定しましょう。
- また健康な芽の上で剪定すると枝分かれしやすい為、枝分かれさせたい場所で剪定すると、ふさふさとした樹形となりやすいです。
夏越しする方法
ツルマサキ(ハーレクイーン)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
ツルマサキ(ハーレクイーン)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ツルマサキは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木手順
- ツルマサキの挿し木時期は生育が活発で発根力が高い晩春から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分(新鞘)を利用します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約10~20cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 水を入れたバケツに30分程浸けて水揚げを行いましょう。
- 切り口に発根ホルモンを付けます。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿して下さい。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
ツルマサキの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ツルマサキの病気
- うどんこ病
- すす病
- 根頭がんしゅ病
- 灰色こうやく病
- モザイク病
ツルマサキの害虫
- カイガラムシ
- ユウマダラエダシャク