原産:中国/朝鮮
科:ミズキ(Cornaceae)
属:ミズキ(Cornus)
種:サンシュユ(officinalis)
別名:ハルコガネバナ/アキサンゴ/ヤマグミ/ジャパニーズ・コーネル(Japanese cornel)/ジャパニーズ・コーネル・チェリー(Japanese cornelian cherry)
開花時期:2月~4月
果実時期:10月~11月
花の色:黄色●
葉色:緑色●
分類:落葉高木
草丈:約500~1000cm
誕生花:3月17日
花言葉:持続/耐久/強健/気丈な愛
用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サンシュユとは!?
サンシュユは学名Cornus officinalis、別名では「ハルコガネバナ」や「アキサンゴ」とも呼ばれる中国および朝鮮が原産の落葉高木です。
サンシュユの語源(由来)
- 属名のCornusはラテン語で「角」を意味する「cornu」に由来しています。
- 種小名のofficinalisはラテン語で「薬用の」を意味しており、乾燥させた果実が生薬として利用されている所に由来します。
サンシュユの特徴(魅力)
- サンシュユは、グミに似た赤色の果実が生薬の材料となるため、これを収穫する目的で栽培される事が多い植物です。また晩冬から早春に咲く黄色の花は枝を覆うように咲き美しい景観をつくるため庭木としても魅力的です。
- サンシュユは開花が早く葉が展開する前辺りから花が咲くため、葉に邪魔される事なく花を鑑賞する事ができます。
- 木を覆うように咲く黄色の花は、開放的で明るい印象を与えるため、気分が向上する様な爽やかで明るいお庭や、様々な花色を組み合わせたカラフルなお庭などにおすすめです。
- サンシュユの花は収穫して切り花やフラワーアレンジメントなどに利用されます。
- サンシュユの果実は赤色で長球形の「グミ」のような外観をしており秋から晩秋頃に実り完熟します。
- 果実にはオレアノール酸(抗癌作用・肝臓の保護作用)やウルソール酸(抗癌作用)等が含まれており中国や日本で生薬として利用されています。
- 果実は鳥にとって貴重な食料源となっているため、木に集って赤色の果実を食べるメジロ・エナガ等の鳥の姿を観察する事が出来ます。
- サンシュユの葉は冬になると落葉しますが、落葉前の秋になると赤色もしくは紫色か橙色か黄色へと変わり紅葉するため美しい景観をつくります。
サンシュユの樹高は約500(~1000)cm、樹皮は淡褐色もしくは灰褐色をしており、古くなると樹皮は鱗状に剥がれます。葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約4(~10)cm、幅約2.5(~4.5)cm、葉身の形は楕円形もしくは広卵形、秋になると赤色(~赤紫色)や橙色や黄色に紅葉します。花序は散形花序、散形花序は直径約2(~3)cmの大きさがあり、花序の基部には4個の苞葉があります。花の大きさは直径約0.5cm、花弁4個、雄蕊4個、雌蕊1個あります。果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果の長球形、色は赤色です。
サンシュユの切り花の楽しみ方
- サンシュユの花の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは根元割りを行います。
- 水を入れた花瓶に花を生けましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに根元割りと、水換えも同時に行います。
根元割り法・根元叩き法
根元割り法・根元叩き法とは、硬い茎や枝の根元に縦にハサミを入れて割る、または金槌などで硬い茎や枝の根元を叩いて潰して、水揚げする方法です。
根元割り・根元叩きをする事で、吸水する場所の面積が増えて、吸水力が高まり水揚げしやすくなります。
根元割り
- 切り花の根元をハサミを使って斜めにカットします。
- カットした切り口に対して垂直に、ハサミを入れて、十時に切れ込みをいれます。
根元叩き
切り花の切り口を、金槌で叩いて潰します。
サンシュユの園芸品種
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ミズキの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ミズキの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
サンシュユの育て方
花壇の土づくり
日当たり
サンシュユは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。ただし夏の強い日差しで葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)する事もあるため、環境に合わせて直射日光が6時間以上当たる日向、もしくは3時間から5時間の半日影で育てましょう。
土壌の土質
サンシュユは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サンシュユは日向から半日影迄で育てる事が可能です。夏の暑さの厳しい地域では、必要に応じて株が弱らないように西日の当たらない半日影に移動します。
培養土
サンシュユは一般的な培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
サンシュユを地植えしている場合は基本的には降水のみで育てられます。雨が降らず極端に乾燥が続く場合は必要に応じて散水しましょう。
鉢植え
サンシュユを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
サンシュユは適度に肥沃な土壌であれば多くの肥料は必要ありません。毎年一度、晩冬から早春の間に肥料と土質を改善する堆肥を与えましょう。
肥料の与え方
- 寒肥は晩冬から早春に与える肥料です。
- 肥料の種類は、肥沃な土を好むため有機肥料(配合肥料)が理想ですが、緩効性肥料でも問題ありません、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 寒肥は株元から少し離れた場所に穴を掘り肥料を入れるか置き肥しましょう。
- 有機肥料の場合は匂い等で虫がよってくる可能性があるため、株から少し離した場所に穴を掘り肥料を与えた方が良いでしょう。
- 緩効性肥料の場合は株の近くの土の上に置く、置き肥で問題ありません。
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 堆肥は寒肥を与える時期(初冬から早春の間)に、寒肥と一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を埋めましょう。
剪定のやり方
サンシュユは基本的に剪定を必要とせず、自然樹形で育てます。剪定する目的は樹形を整える目的だったり、不要な枝を落として健康な枝に栄養を集中させて健康な成長を促す事にあります。ただし剪定が多くなると花芽を落とす事になるため、剪定のやり方や量には注意が必要です。
庭木として剪定する方法
- 剪定する時期は晩冬に1回行います。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 株全体のバランスを見ながら、枝が混み合っている場所の枝を間引き剪定したり、外観を崩す不要枝を間引き剪定します。
- 枝が混み合っていると風通しや日当たりを悪化させる事があります。そのため生産性の落ちた古い枝や、弱い枝などの不要と思われる枝を根元から間引き剪定、もしくは枝の途中の節や芽のある場所から切り戻し剪定しましょう。
- 外観を崩す不要枝とは自然に反して、枝(下がり枝)が下向きに成長したり、ふつうとは逆方向に成長したりする枝などです。※詳しくは不要枝のリンクからご覧下さい。これらの枝は外観を崩すだけでなく、エネルギーの分散を引き起こし、健康に成長してる枝のエネルギーを奪ってしまいます。また不要枝は自然な成長に反して育っているため自然淘汰されて枯れてしまう事もおおいです。そのため株全体のバランスも見ながら根元から間引き剪定しましょう。
播種で増やす
サンシュユの種蒔の方法
播種時期:9月~11月・3月~4月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- サンシュユを種から増やす場合は完熟した果実を採取します。
- 採取した果実から種子を取り出し一晩水に漬けます。
- 播種の準備が整ったら直ぐに種を土に撒きましょう。
- 春に種を撒く場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で約3ヶ月保管して寒さを経験させます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- そのあと種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。