原産:南アフリカ
科:ヤマモガシ(Proteaceae)
属:プロテア(Protea)
種:クイーンプロテア (magnifica)
英名:クイーンプロテア(queen protea)
別名:クィーン・シュガーブッシュ(queen sugarbush)/ベアド・シュガーブッシュ(bearded sugarbush)/ウーリー・ベアド(woolly beard)
開花時期:4月~10月
花の色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
分類:常緑低木
草丈:約30~250cm
誕生花:10月24日
花言葉:栄光/豊かな心/自由自在/王者の風格
用途:切り花
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クイーンプロテアとは!?
クイーンプロテアは学名Protea magnifica、別名では「クィーン・シュガーブッシ(queen sugarbush)」や「ウーリー・ベアド(woolly beard)」とも呼ばれる南アフリカ原産の常緑低木です。
クイーンプロテアの語源(由来)
- 属名のProteaはギリシャ神話の海神で他のものへと変身する能力がある「プロテウス(Proteus)」に由来していると言われます。
- 種小名のmagnificaは「壮大」「素晴らしい」を意味します。
クイーンプロテアの特徴(魅力)
- クイーンプロテアはキングプロテア(直径30cm)に次ぐ直径10~20cmに達する大きく豪華な花を咲かせます。
- 花は非常にカラフルな花弁の様に見える苞葉とフワフワとした綿毛のような本物の花からなります。
- クイーンプロテアの花はキングプロテアと同様に切り花に利用されています。
- クイーンプロテアの花は乾燥しても形が崩れにくいためドライフラワーとしても高い人気があります。
- クイーンプロテアの葉は白色の毛で覆われるため柔らかな外観をつくります。
- クイーンプロテアは栄養の多過ぎる土壌や多湿を嫌い育てる難度がやや高い植物になります。
- その一方で乾燥に非常に強く肥料も基本的に与える必要がありません。
クイーンプロテアの根は直根で、茎は太く緑色(~赤みがかる緑色)をしており、直立(殆ど垂直に伸びる)もしくは傾状茎(地表を這い途中で立ち上がる)に伸び、高さ約30(~250)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で白色の毛が生えるためふさふさした外観をしており、葉身の形は線形もしくは狭楕円形をしています。花序は直径約10(~20)cmある頭花で、花(花頭)の周囲には緑色や赤色(~桃色)や黄色や白色の苞葉があります。
クイーンプロテアの切り花の楽しみ方
- クイーンプロテアの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫したら水揚げを悪くする葉を出来るだけ取り除きましょう。
- 水に漬けて水切りを行います。
- 水切りしたら延命剤(栄養入り)入りの花瓶に生けましょう。
- 延命剤の効果によって日持ちが長くなります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは7~14日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
おすすめの延命剤
クイーンプロテアのドライフラワーの作り方
- クイーンプロテアの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花が綺麗に開き最高の色が出ている花を選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法もしくはグリセリン法(切り花タイプ)でドライフラワーを作ります。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
グリセリン法
グリセリン法とは、グリセリン溶液を切り花に吸わせる、もしくはグリセリン溶液の中に花(葉)を漬け込んで作る、ドライフラワーです。グリセリン法はハンギング法と比べて、花や葉の形や色が綺麗に残るため、生花と変わらないような質感にドライフラワーが作れる所が魅力になります。
グリセリン法に必要な道具
花材・容器(タッパ・花瓶等)・グリセリン・熱湯・剪定ハサミ
グリセリン法のやり方
- 容器の中に3対1の割合で熱湯(3)とグリセリン(1)を入れて溶けるまでかき混ぜます。
- 容器は切り花として吸わせる場合は花瓶等を利用して、漬け込む場合はタッパ等を利用しましょう。
- 溶液が冷めたら花材をいれます。
- 切り花として茎から吸わせる場合は新鮮な花材(水揚げが良い)を準備して茎の先端を水切りして花瓶(グリセリン溶液)の中に挿します。
- 漬け込む場合は花材をタッパ(グリセリン溶液)の中に漬け込んでしまい蓋をします。
- 直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所で1~2週間保管しましょう。
- 切り花として染み込ませたものは花材からグリセリンがシミ出してきたら完成です。
- 漬け込んだ場合はグリセリン溶液から花材を取り出して表面についた溶液を丁寧に拭き完成です。
おすすめのグリセリン
プロテアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
プロテアの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
クイーンプロテアの育て方
花壇の土づくり
日当たり
クイーンプロテアは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌の土質
クイーンプロテアは、野生では砂岩に自生しています。乾燥気味の土壌を好み、基本的に雨で浸水する様な排水性の悪い土壌を許容しません。また栄養の多過ぎる肥沃な土壌も生育不良を引き起こす原因となります。そのため通気性と排水性のよい土壌(砂壌土など)に植えて上げるとよいでしょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなります。土の色が薄い場合は土壌が肥沃じゃない可能性があります。
土壌診断後、作土層が十分でない場合はスコップで土を深くまで掘り起こし石等を取り除きます。土壌が粘土質な場合は必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れましょう。また肥沃さはそれほど必要ありませんが、必要に応じて腐葉土や牛糞等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
クイーンプロテアは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また長雨に当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
クイーンプロテアは水のやり過ぎで浸水したりすると、根腐れを引き起こしたり病気になる等して生育不良を引き起こす可能性があります。そのため土壌の状態を見ながら水やりを行いましょう。
水やりの方法
水やりの最高のタイミングは茎葉が萎れてきたタイミングですが、萎れたタイミングを逃すと株に致命的なダメージを残す可能性があるため、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきタイミングで水やりを行うといいでしょう。乾燥の確認は土の色を目視で見て確認するか、指の第1関節まで入れて土の乾燥を確認します。
肥料の与え方
クイーンプロテアの肥料は不要です。特にリン(肥料成分)が多く入る土壌では、植物が上手く育たず枯れさせる原因になる事もあります。
剪定のやり方
クイーンプロテアの剪定は「花がら摘み」と「間引き剪定」を行います。
花がら摘み
クイーンプロテアは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら花がら摘みをする事で次シーズンに向けて花が生成され、また花が種作りをしない事で株が弱り生育が衰える事を防ぎます。
花がら摘みの方法は切り戻しをかねて行います。花が萎れてきたら、花が咲いている茎の半分程度の場所で剪定します。木質部まで完全に切り戻すと芽が出なかったり出にくくなり枯れる事があるため避けます。
間引き剪定
クイーンプロテアの間引き剪定は、生育期間中必要に応じて行いましょう。
間引き剪定の目的は不要な茎を取り除く事で、光合成を行う主要な葉にエネルギーを優先的に送ったり、光の通りや風通しをよくしたりする事で健康な成長を促す所にあります。
間引き剪定は、枯れた茎や病気の茎、損傷した茎、弱々しい茎等の不要な茎を根元から剪定して取り除くだけです。
夏越しする方法
クイーンプロテアは夏の暑さに強いですが、基本的に多湿を許容しません。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
クイーンプロテアの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は軒下等に移動して雨に当てない工夫をするといいでしょう。
- 地植えする場合は雨にあたりにくい場所に植えてあげるのも1つの対策です。
- 多湿に弱いため土壌の排水性を高めて、浸水しないようにしておく事も大切です。
冬越しする方法
Hardiness:8b~11a
クイーンプロテアは強い霜の降りない地域であれば屋外で越冬する事も可能ですが、基本的には霜の降りる地域では冬越し対策をした方がよいでしょう。
クイーンプロテアの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
クイーンプロテアは挿し木によって増やす事ができます。
クイーンプロテアの挿し木の手順
- 挿し木の時期は生育が活発で発根力が高い初夏から夏が適します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約7~15cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
クイーンプロテアの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
クイーンプロテアの病気
- 根腐れ病
- 斑点病
クイーンプロテアの害虫