


原産:日本
科:ツツジ(Ericaceae)
亜科:ドウダンツツジ(Enkianthoideae)
属:ドウダンツツジ(Enkianthus)
種:ドウダンツツジ(perulatus)
別名:エンキアントゥス・ペルラタス
開花時期:4月~5月
花の色:白色〇
葉色:緑色●赤色●橙色●黄色●
分類:落葉低木
草丈:約100~300cm
誕生花:4月14日/4月16日
花言葉:上品/節制/かわいい人/私の思いをうけて
用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ドウダンツツジとは!?
ドウダンツツジは学名Enkianthus perulatus、別名では「灯台躑躅」や「エンキアントゥス・ペルラタス」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州・四国・九州に分布しており、岩山等に自生しています。
ドウダンツツジの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- 種小名のperulatusは、は葉のつぼみの鱗を意味する「perula」と、接尾辞の「atus」の2語からなり、葉の蕾に目立つ鱗がある事に由来します。
ドウダンツツジの特徴(魅力)
- ドウダンツツジはすずらんを思わせる様な吊り下がる可愛らしい花を鑑賞する目的や秋に真っ赤に紅葉する葉を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- 花は秋の紅葉と比べると控えめですがすずらんを思わせる様な上品な白色の花を咲かせます。
- 花の形は直径約0.5~0.9cmのツボ形で長い花柄に吊り下がり開花します。
- ドウダンツツジは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤橙色)に強く色付き美しい景観をつくります。
- ドウダンツツジは枝分かれがよくて刈り込み剪定にも強いため生垣に利用されます。
- ただし落葉性のため冬の間は枝のみの姿となり目隠し効果はうすれます。
- ドウダンツツジは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ドウダンツツジの樹形は株立ち状になります。茎の色は灰褐色もしくは灰色をしており、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約100(~300)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、秋になると赤色(~赤橙色)や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約2(~6)cm、幅約0.8(2)cm、葉身の形はひし形もしくは倒披針形をしています。花序は散形花序、個々の花は直径約0.5(~0.9)cm、白色のツボ形で花柄に吊り下がり開花します。花後の果実は蒴果です。
ドウダンツツジの栽培方法

園芸では、美しい樹形や秋に紅葉する葉、花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、また等間隔(30~50cm)に並べ人の侵入や騒音等を軽減する生垣として利用する目的だったり、底の浅い鉢で根域を制限して盆栽に仕立て楽しむ目的で育てられたりします。
ドウダンツツジを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育てられます。
ドウダンツツジの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ドウダンツツジの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ドウダンツツジの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ドウダンツツジは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。基本的には直射日光が6時間以上当たる日向、もしくは3時間から5時間あたる半日影で育てましょう。
土壌のPH
ドウダンツツジは土壌のPH5.0~6.0前後の酸性土壌を好みます。PHが高すぎるアルカリ性の土壌ではドウダンツツジが必要とする栄養がとれず生育不良になる可能性があります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたりすると良いでしょう。
土壌の土質
ドウダンツツジは地表近くに沢山の細根を出し極端な乾燥を嫌うため、土壌の通気性と保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌に植えて上げましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ドウダンツツジは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし夏場は強い日差しで葉焼けを引き起こす事もあるため必要に応じて西日の当たらない半日影に移動します。
培養土
ドウダンツツジは酸性土壌を好むためツツジやサツキの培養土を選ぶとよいでしょう。自作する場合は酸性用土を使いながら通気性が良く適度に肥沃な培養土を作ります。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土+黒土=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+ピートモス(無調整)=3:3:4
水やりの仕方
地植え
ドウダンツツジを地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
ドウダンツツジを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ドウダンツツジに与える肥料は元肥(寒肥)とお礼肥の2回です。また土壌が風雨などで劣化している場合や、必要に応じて堆肥(腐葉土・ピートモス等)を入れて土壌を改善しましょう。
元肥(寒肥)
ドウダンツツジの元肥(寒肥)は休眠中の冬から早春の間に与えます。
寒肥はドウダンツツジと同様に酸性土壌を好むツツジやサツキの肥料を選ぶと良いでしょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施します。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
お礼肥
ドウダンツツジのお礼肥は花が終わる初夏から夏に与えます。翌年の開花の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
ドウダンツツジのお礼肥は多くの場合は速効性の高い配合肥料(ぼかし肥料)等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
おすすめの肥料
剪定のやり方
ドウダンツツジの剪定のやり方は、求める樹形により変わります。生垣(トピアリー)として形を維持しながら葉を密に茂らせたい場合は「刈り込み剪定」しながら育てます。庭木として花や実を楽しみながら育てたい場合は不要な枝を「間引き剪定」しながら育てます。
生垣(トピアリー)として育てる場合
ドウダンツツジを生垣として形状を維持しながら育てたい場合は「刈り込み剪定」を行いましょう。
刈り込み剪定を行う時期は晩春から初夏(5月~6月)に行います。秋にも刈り込みを行う事が出来ます。ただし8月以降に剪定を行うと紅葉に影響を与えたり、花芽を切ってしまい翌年の開花に影響を与えます。
刈り込み剪定のやり方は1本1本の茎を選別しながら剪定するのではなく、株全体を見ながら剪定します。枝葉の表面全体を均一に撫でる様に剪定して切りそろえましょう。
庭木として育てる場合
ドウダンツツジを美しい自然樹形のまま庭木として、花実を鑑賞して育てたい場合は間引き剪定を行いましょう。
間引き剪定を行う時期は晩冬(1~2月)に行います。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、交差した茎等の不要な茎を根元から強く剪定して取り除きます。
間引き剪定を行う事で、生産的な若い茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーが優先的に送られたり、光の通りや風通しをよくしたりして、健康な成長が促されます。また乱雑した樹形を整える事にも繋がります。
冬越しする方法
Hardiness:6b~8a
ドウダンツツジは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。