原産:日本
科:ツツジ(Ericaceae)
亜科:ドウダンツツジ(Enkianthoideae)
属:ドウダンツツジ(Enkianthus)
種:サラサドウダン(campanulatus)
別名:更紗灯台/更紗満天星/フウリンツツジ/redvein enkianthus
開花時期:4月~5月
花の色:白色〇黄色●赤色●桃色●
葉色:緑色●赤色●橙色●黄色●
分類:落葉低木
草丈:約200~500cm
誕生花:7月28日
花言葉:節制/明るい未来/控えめな愛/控えめな幸せ
用途:
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サラサドウダンとは!?
サラサドウダンは学名Enkianthus campanulatus、別名では「更紗灯台」や「フウリンツツジ」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では北海道・本州・四国に分布しており、山地等に自生しています。
サラサドウダンの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- 種小名のcampanulatusら恐らくラテン語で「ベル(鈴)」を意味する「campanula」からきており、花の形に由来します。
- サラサドウダンの由来は花の模様が「更紗模様」に似ている所からきています。
サラサドウダンの特徴(魅力)
- サラサドウダンは一般的に赤色と白色(~薄黄色)の模様の入る鐘形の可愛らしい花と、秋に真っ赤に紅葉する葉を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- 花は中央がやや膨んだ鐘形で枝から吊り下がる様に開花します。
- 花色は白色(薄黄色)に赤色と模様が入り「更紗」を思わせることから和名の由来にもなっています。
- サラサドウダンは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤橙色)や黄色に強く色付き美しい景観をつくります。
- サラサドウダンはドウダンツツジと比べて耐暑性がやや劣ります。
- 一方で寒さには強い傾向にあります。
サラサドウダンの茎の色は褐色もしくは灰色で樹皮は滑らか、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約200(~500)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、秋になると赤色(~赤橙色)や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約3(~6)cm、幅約1.5(2)cm、葉身の形は楕円形もしくは倒披針形(~倒卵形)をしています。花序は総状花序で約10個の花が長さ約1(~2)cmの花柄が垂れ下がり咲きます。個々の花の色は白色(~薄黄色)と赤色(ふち部分)、大きさは長さ約0.8(~1)cm、鐘形で裂片が5個あります。花後の果実は蒴果です。
サラサドウダンの栽培方法
サラサドウダンを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さをやや苦手にしていますが、基本的には丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育てられます。
ドウダンツツジの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ドウダンツツジの珍しい種類、主な種やおすすめの園芸品種の紹介【2022】
サラサドウダンの育て方
花壇の土づくり
日当たり
サラサドウダンは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。基本的には直射日光が6時間以上当たる日向、もしくは3時間から5時間あたる半日影で育てましょう。
土壌のPH
サラサドウダンは土壌のPH5.0~6.0前後の酸性土壌を好みます。PHが高すぎるアルカリ性の土壌ではサラサドウダンが必要とする栄養がとれず生育不良になる可能性があります。そのため植付け前にPHを診断して、PHが高い場合はピートモスを入れたりすると良いでしょう。
土壌の土質
サラサドウダンは地表近くに沢山の細根を出し極端な乾燥を嫌うため、土壌の通気性と保水性のバランスが良く、適度に肥沃な土壌に植えて上げましょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
サラサドウダンは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。ただし夏場は強い日差しで葉焼けを引き起こす事もあるため必要に応じて西日の当たらない半日影に移動します。
培養土
サラサドウダンは酸性土壌を好むためツツジやサツキの培養土を選ぶとよいでしょう。自作する場合は酸性用土を使いながら通気性が良く適度に肥沃な培養土を作ります。
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土+黒土=5:3:2
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+ピートモス(無調整)=3:3:4
水やりの仕方
地植え
サラサドウダンを地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
サラサドウダンを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
サラサドウダンに与える肥料は元肥(寒肥)とお礼肥の2回です。また土壌が風雨などで劣化している場合や、必要に応じて堆肥(腐葉土・ピートモス等)を入れて土壌を改善しましょう。
元肥(寒肥)
サラサドウダンの元肥(寒肥)は休眠中の冬から早春の間に与えます。
寒肥を選ぶ際は酸性土壌を好むツツジやサツキの肥料を選ぶと良いでしょう。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施します。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
お礼肥
サラサドウダンのお礼肥は花が終わる初夏から夏に与えます。翌年の開花の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
サラサドウダンのお礼肥は多くの場合は速効性の高い配合肥料(ぼかし肥料)等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
おすすめの肥料
剪定のやり方
サラサドウダンは一般的に庭木として花や紅葉を楽しみながら育てられるため「間引き剪定」しながら育てます。
庭木として育てる場合
サラサドウダンを美しい自然樹形のまま庭木として、花実を鑑賞して育てたい場合は間引き剪定を行いましょう。
間引き剪定を行う時期は晩冬(1~2月)に行います。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、交差した茎等の不要な茎を根元から強く剪定して取り除きます。
間引き剪定を行う事で、生産的な若い茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーが優先的に送られたり、光の通りや風通しをよくしたりして、健康な成長が促されます。また乱雑した樹形を整える事にも繋がります。
おすすめの剪定鋏
夏越しする方法
サラサドウダンは夏の暑さをやや苦手にしており、夏場は生育が衰える傾向にあります。そのため必要に応じて夏越し対策が必要です。
サラサドウダンの夏越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、暑さと乾燥対策として、西日の当たらない半日影に移動するといいでしょう。
- 地植えで育てている場合は、株を弱らせない為に、必要に応じて遮光ネットを張るのも1つの対策です。
- 乾燥対策として地植えした株でも土の表面が乾燥してきたらしっかり水やりを行います。
- 鉢植えで育てている場合は、より乾燥が早いため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
サラサドウダンは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。春からの成長に備えて株の周囲に穴を掘り寒肥(配合肥料)を入れたり、腐葉土を入れるかマルチングして上げるといいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
サラサドウダンは挿し木や取り木で増やすことが出来ます。
サラサドウダンの挿し木の方法
- サラサドウダンの挿し木時期は初夏から夏(半熟枝)もしくは初冬から晩冬(熟枝挿し)が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 半熟枝では挿し穂を長さ約7~10cmをとります。
- 熟枝挿しでは挿し穂を長さ約10~20cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 半熟枝では下部の葉を取り除きます。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
サラサドウダンの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
サラサドウダンの病気
サラサドウダンの害虫
- ハダニ