


原産:中国
科:バラ(Rosaceae)
亜科:サクラ(Amygdaloideae)
属:ボケ(Chaenomeles)
種:ボケ/スペシオサ(speciosa)
別名:コモン・フラワーリング・クインス(Common Flowering Quince)/フラワーリング・クインス(Flowering Quince)
開花時期:3月~5月
果実時期:9月~10月
花の色:赤色●桃色●橙色●白色〇
葉色:緑色●
分類:落葉低木
草丈:約100~200cm
誕生花:2月4日/2月5日/2月9日/2月17日
花言葉:平凡/早熟/先駆者/妖精の輝き/魅惑的な恋
用途:
ボケとは!?
ボケは学名Chaenomeles speciosa、別名では「コモン・フラワーリング・クインス(Common Flowering Quince)」や「フラワーリング・クインス(Flowering Quince)」とも呼ばれる中国原産の落葉低木です。
ボケの語源(由来)
- 属名のChaenomelesは古代ギリシャ語で「口をあける」「あくび」を意味する「χάσκω(kháskō)」と、古代ギリシャ語で「リンゴ」を意味する「μῆλον(mêlon)」の2語からきており、
- 種小名のspeciosaはラテン語で「素晴らしい」「派手」「美しい」を意味しています。
- ボケは花後の果実が「瓜」に似ていた事から、元々は木になる瓜で「木瓜(ぼっくわ)」と呼ばれていました。その後「木瓜(ぼっくわ)」と呼ばれていたものが転訛して「ボケ」になったと言われています。
ボケの特徴(魅力)
- ボケは春に開花する花と、秋に実る果実を鑑賞もしくは収穫する目的で育てられる落葉低木です。
- 花の開花は葉が展開する前辺りから開花し始めます。
- そのため初めのうちは葉に邪魔される事なく花を鑑賞する事ができます。
- ボケの果実は秋頃に実り成熟すると緑色から黄色へとかわります。
- 果実は食用で果実酒やジャムに調理されたあと食べられます。
- また果実は木瓜と呼ばれる生薬としても知られており薬効には強壮や鎮痛鎮痙等があります。
- ボケは地際から蘖がよく出るため株立ち状の樹形になります。
- 生育旺盛で枝が沢山出て奔放に伸びるため樹形は暴れやすいです。
- そのため横へと大きく広がる傾向にあります。
- ボケの小枝は鋭い棘になるため剪定の際などは注意が必要です。
- ボケは家の境界等に等間隔(約30~50cm)で植えて生垣として利用される事があります。
- ボケの枝には鋭い棘があるため人の侵入を遮る効果が高いです。
- ただし落葉性のため冬の間は枝のみの姿となり目隠し効果はうすれます。
- また枝が奔放に伸びて樹形は非常に暴れやすいため管理が大変です。
- ボケは底の浅い鉢植えで盆栽に仕立てられ育てられる事もあります。
- ボケは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ボケは蘖がよくでるため一般的に株立ち状(地際から多くの茎が出る)の樹形になります。茎の色は褐色(~暗褐色)もしくは灰褐色をしており、茎は直立して枝分かれがよく枝は奔放に伸びる傾向にあり、また短い枝は棘になります。株の高さは約100(~200)cm、幅約150(~300)cmの間で成長します。葉の基部には腎形の目立つ托葉があり、葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約5(~9)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形をしています。花は短枝の脇に束生(束の様に花が数個付く)して、個々の花は直径約2.5(~3.5)cm、花弁5個(八重咲き品種あり)、雄蕊約30個、雌蕊1個がつきます。花後の果実は直径約3(~10)cmの楕円形をしたナシ状果で、熟すにつれ緑色から黄色へとかわります。
ボケの栽培方法
園芸では、花や実を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、また等間隔(30~50cm)に並べ人の侵入や騒音等を軽減する生垣として利用する目的だったり、底の浅い鉢で根域を制限して盆栽に仕立て楽しむ目的で育てられたりします。
ボケを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育てられます。
ボケの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
リンク
ボケの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ボケは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たる半日影で育てましょう。
土壌の土質
ボケは通気性が良ければ、基本的に土壌の土質をあまり選びません。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ボケは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ボケは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒)+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
生育初期
ボケは植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
ボケを地植えしている場合は乾燥に強いため、極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。 ただし葉や花が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ボケを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ボケに与える肥料は元肥(寒肥)とお礼肥の2回です。また土壌が風雨などで劣化している場合や、必要に応じて堆肥(腐葉土・ピートモス等)を入れて土壌を改善しましょう。
元肥(寒肥)
寒肥とは休眠中の冬から晩冬に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
お礼肥
ボケのお礼肥は花が終わる初夏から夏に与えます。翌年の開花の為にも、花の開花で消耗したエネルギーを肥料でしっかり補いましょう。
ボケのお礼肥は多くの場合は速効性の高い配合肥料(ぼかし肥料)等が利用されます。
お礼肥の施し方は、株元から少し離した場所に置き肥するか、5cm程度穴を掘って、その中に肥料を埋めます。
おすすめの肥料
剪定のやり方
ボケは剪定する事で、花芽の形成が刺激され翌年の開花が増える傾向にあります。またボケは生育旺盛で、剪定しないと枝が奔放に伸び暴れてしまいます。そのため一般的には花後と冬の休眠中の2回、剪定をして樹形を整えます。
ただしボケを花後に剪定してしまうと、果実は実りません。果実をとりたい場合は剪定せずにおきましょう。
花後の剪定
- ボケの花後の剪定は4月から6月に行います。
- 樹形を制御するために地際から出てくる不要な蘖を、根元から「間引き剪定」して取り除きましょう。
- 樹形を乱す原因となる、交差枝や徒長枝等の不要枝は根元から約1~3cm残して「切り戻し剪定」します。
- 生育旺盛で樹形が乱れやすいため出来るだけスッキリさせましょう。
冬の剪定
- ボケの冬の剪定は12月頃です。
- この頃になると花芽が確認できるため剪定しやすいです。
- 花芽がついている枝は花芽を残して枝を10cm程度残し切り戻し剪定します。
- 花芽のついていない枝は1cm程度まで強く切り戻し剪定してスッキリした樹形にしましょう。
おすすめの剪定鋏
播種で増やす
ボケの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
ボケの種まき手順
- ボケを種から増やす場合は完熟した果実を採取します。
- 採取した果実を水の中で洗いながら発芽を抑制する果肉を種から綺麗に取り除きます。
- 果肉を取り除いた種子は直ぐに土に撒きましょう。