ドウダンツツジは属の中に約13種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、春にはすずらんの様な可愛らしい花を咲かせ秋には真っ赤な紅葉を見せるドウダンツツジ、花に更紗模様の様な白色と赤色の模様が入るサラサドウダン等が親しまれています。
ドウダンツツジ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
ドウダンツツジの主な種の目次
ドウダンツツジの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Enkianthus perulatus
草丈:約100~300cm
分類:落葉低木
開花時期:4月~5月
花色:白色〇
葉色:緑色●黄色●橙色●赤色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:4月14日/4月16日
花言葉:上品/節制/かわいい人/私の思いをうけて
用途:生垣
ドウダンツツジとは!?
ドウダンツツジは学名Enkianthus perulatus、別名では「灯台躑躅」や「エンキアントゥス・ペルラタス」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州・四国・九州に分布しており、岩山等に自生しています。
ドウダンツツジの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- 種小名のperulatusは、は葉のつぼみの鱗を意味する「perula」と、接尾辞の「atus」の2語からなり、葉の蕾に目立つ鱗がある事に由来します。
ドウダンツツジの特徴(魅力)
- ドウダンツツジは、秋に真っ赤に葉が色付くため美しい景観をつくる植物です。また春には「スズラン」を思わせるような可愛らしい花が見られる植物です。
- 花はツボ形で風船のように膨らむ可愛らしい外観をしており、長い花柄が垂れ下がり、スズランのような可愛い花姿をつくります。
- ドウダンツツジの紅葉は他の植物と比較しても圧倒的に美しく、燃え上がるように真っ赤な紅葉する葉が美しい景観をつくります。
- 葉が落葉性で紅葉した後は、全て落ちてしまいます。
- ドウダンツツジは形が綺麗に整えられるフォーマルヘッジの生垣として利用されます。
- ドウダンツツジの生垣は真っ赤に色付く美しい紅葉が楽しめる所が魅力です。
- ただし冬の間は葉が落ちるため枝のみとなり目隠し効果は薄れるかもしれません。
- 生垣として利用する場合の植付け間隔は約50cmです。
- ドウダンツツジは底の浅い鉢で仕立てられながら盆栽として育てられる事もあります。
- ドウダンツツジは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ドウダンツツジの樹形は株立ち状になります。茎の色は灰褐色もしくは灰色をしており、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約100(~300)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、秋になると赤色(~赤橙色)や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約2(~6)cm、幅約0.8(2)cm、葉身の形はひし形もしくは倒披針形をしています。花序は散形花序、個々の花は直径約0.5(~0.9)cm、白色のツボ形で花柄に吊り下がり開花します。花後の果実は蒴果です。
ドウダンツツジの主な園芸品種
サラサドウダンの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Enkianthus campanulatus
草丈:約200~500cm
分類:落葉低木
開花時期:4月~5月
花色:赤色●黄色●白色〇
葉色:緑色●黄色●赤色●橙色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:7月28日
花言葉:節制/明るい未来/控えめな愛/控えめな幸せ
用途:
サラサドウダンとは!?
サラサドウダンは学名Enkianthus campanulatus、別名では「更紗灯台」や「フウリンツツジ」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では北海道・本州・四国に分布しており、山地等に自生しています。
サラサドウダンの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- 種小名のcampanulatusら恐らくラテン語で「ベル(鈴)」を意味する「campanula」からきており、花の形に由来します。
- サラサドウダンの由来は花の模様が「更紗模様」に似ている所からきています。
サラサドウダンの特徴(魅力)
- サラサドウダンは一般的に赤色と白色(~薄黄色)の模様の入る鐘形の可愛らしい花と、秋に真っ赤に紅葉する葉を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- 花は中央がやや膨んだ鐘形で枝から吊り下がる様に開花します。
- 花色は白色(薄黄色)に赤色と模様が入り「更紗」を思わせることから和名の由来にもなっています。
- サラサドウダンは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤橙色)や黄色に強く色付き美しい景観をつくります。
- サラサドウダンはドウダンツツジと比べて耐暑性がやや劣ります。
- 一方で寒さには強い傾向にあります。
サラサドウダンの茎の色は褐色もしくは灰色で樹皮は滑らか、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約200(~500)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、秋になると赤色(~赤橙色)や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約3(~6)cm、幅約1.5(2)cm、葉身の形は楕円形もしくは倒披針形(~倒卵形)をしています。花序は総状花序で約10個の花が長さ約1(~2)cmの花柄が垂れ下がり咲きます。個々の花の色は白色(~薄黄色)と赤色(ふち部分)、大きさは長さ約0.8(~1)cm、鐘形で裂片が5個あります。花後の果実は蒴果です。
サラサドウダンの栽培方法
サラサドウダンを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さをやや苦手にしていますが、基本的には丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育てられます。
サラサドウダンの主な園芸品種
ホンコンドウダンの特徴や園芸品種
原産:中国
学名:Enkianthus quinqueflorus
草丈:約100~300cm
分類:落葉低木
開花時期:1月~3月
花色:赤色●桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
用途:
ホンコンドウダンとは!?
ホンコンドウダンは学名Enkianthus quinqueflorus、別名では「コヤスドウダン」とも呼ばれる中国原産の落葉低木です。
ホンコンドウダンの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- 種小名のquinqueflorusはラテン語で「5」を意味する「quinque」と、「花」を意味する「florus」の2語からなり「5花の」を意味しており、花に裂片が5個ある所からきます。
- ホンコンドウダンの由来は「ホンコン(香港)」に自生する「ドウダンツツジ属」の植物です。
ホンコンドウダンの特徴(魅力)
- ホンコンドウダンは一般的に風船のように膨らむ桃色の可愛らしい花を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- ホンコンドウダンは開花が早く葉が展開する前もしくは展開する直前に開花するため殆ど葉に邪魔される事なく花を鑑賞する事ができます。
- 桃色と白色の2色の花色はふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭等におすすめです。
- 花の形は直径約0.8~1.2cmの鐘形で長い花柄に吊り下がる様に開花します。
- 花の裂片は後方に強く巻く(カール)する傾向にあります。
- ホンコンドウダンは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
ホンコンドウダンの茎の色は灰褐色もしくは赤褐色をしており、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約100(~300)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の大きさは長さ約5(~15)cm、幅約1.6(~5)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形(~披針形)をしています。花序は散形花序で約3(~8)個の花が長さ約1(~2)cmの花柄が垂れ下がり咲きます。個々の花の色は白色と赤色(~桃色)、大きさは直径約0.8(~1.2)cm、鐘形で裂片が5個あります。
ホンコンドウダンの主な園芸品種
ベニドウダンの特徴や園芸品種
原産:日本
学名:Enkianthus cernuus f. rubens
草丈:約100~300cm
分類:落葉低木
開花時期:5月~6月
花色:赤色●
葉色:緑色●黄色●赤色●橙色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
用途:
ベニドウダンとは!?
ベニドウダンは学名Enkianthus cernuus f. rubens、別名では「チチブドウダン」や「コベニドウダン」とも呼ばれる日本原産の落葉低木です。日本では本州・四国・九州に分布しており、山地等に自生しています。
ベニドウダンの語源(由来)
- 属名のEnkianthusはギリシャ語で「妊娠中」を意味する「enkyos」と、ギリシャ語で「花」を意味する「anthus」の2語からきており、ドウダンツツジ属の中の1部の花が妊娠している様に見える所からきていると言われています。
- ベニドウダンの由来は晩春から初夏に色鮮やかな赤色の花を咲かせる所からきています。
ベニドウダンの特徴(魅力)
- ベニドウダンは風船の様に膨らむ真っ赤な花と、秋に真っ赤に紅葉する葉を鑑賞する目的で育てられる落葉低木です。
- 花は中央がやや膨んだ広鐘形(ツボ形)で枝から吊り下がる様に開花します。
- 色鮮やかな赤色の花はポップでエネルギーに満ちた印象や、愛情や情熱を感じさせるため、明るく元気なお庭やチャーミングなお庭等におすすめです。
- ベニドウダンは秋に紅葉した後に葉が落ちる落葉低木です。
- 秋になると葉は赤色(~赤橙色)に強く色付き美しい景観をつくります。
- ベニドウダンは枝分かれがよくて刈り込み剪定にも強いため生垣に利用されます。
- ただし落葉性のため冬の間は枝のみの姿となり目隠し効果はうすれます。
- ベニドウダンは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ベニドウダンの茎の色は灰褐色もしくは褐色をしており、茎は直立に伸びて枝分かれがよく高さ約100(~300)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、秋になると赤色(~赤橙色)や黄色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約1.5(~3)cm、幅約0.7(1.5)cm、葉身の形は倒卵形もしくは倒披針形をしています。花序は総状花序で約5(~8)個の花が下垂する花柄に付き下向きに咲きます。個々の花の色は赤色、花冠は広鐘形(~ツボ形)で裂片が5個あります。花後の果実は蒴果です。
ベニドウダンの栽培方法
園芸では、美しい樹形や秋に紅葉する葉、花を鑑賞する目的で庭木として育てられたり、また等間隔(30~50cm)に並べ人の侵入や騒音等を軽減する生垣として利用する目的で育てられます。
ベニドウダンを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため、放ったらかしでも育てられます。