- 原産:日本
- 科:グミ(Elaeagnaceae)
- 属:グミ(Elaeagnus)
- 種:ビックリグミ(multiflora var. gigantea)
- 開花時期:4月~5月
- 果実時期:6月~7月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:落葉低木
- 草丈:約200~400cm
- 誕生花:6月1日/6月24日
- 花言葉:野生美/用心深い/心の純血
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ビックリグミとは!?
ビックリグミは学名Elaeagnus multiflora var. gigantea、別名では「ダイオウグミ」とも呼ばれます。ビックリグミはトウグミの中から特に果実が大きいものが選抜されたナツグミの変種の落葉低木です。
ビックリグミの語源(由来)
- 属名のElaeagnusは古代ギリシャ語の「ἐλαίαγνος」からきており、「ἐλαία」は「オリーブ」、「ἂγνος」は「純粋」や「貞操」を意味します。
- 種小名のmultifloraはラテン語で「たくさん」「多く」を意味する「multi」と、ラテン語で「花」を意味する「flora」の2語からなり、たくさんの花を咲かせる所に由来します。
ビックリグミの特徴(魅力)
- ビックリグミは夏に実る赤色の大きな果実を鑑賞もしくは収穫する目的で育てられる落葉小高木です。
- 花は葉の付け根に1個もしくは2個ペアで垂れ下がる様に咲きます。
- 花には花弁がなく筒状の萼と裂片が4個あります。
- 花の色は白色(~薄黄色)で非常に多花性です。
- ビックリグミの果実は夏に塾します。
- 果実は甘みとタンニン由来の渋みがあります。
- 主に生食されジャム等に加工されて食べられることもあります。
- ビックリグミの果実は赤く目立ち甘いため鳥がよく食べにきます。
- そのため果期には果実の周りを元気に飛び回る様々な鳥の姿が見られるかもしれません。
- ビックリグミは特に大きな果実を実らせるものをトウグミの中から選抜された種です。
- 果実はグミの中でも最大の大きさになります。
- ビックリグミは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ビックリグミの茎は木質で樹皮は褐色や暗褐色をしています。茎(幹)は直径約30cmまでの太さになり、直立して高さ約200(~400)cmに成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色で、葉表面には灰白色の星状毛があり、葉裏面には灰白色の鱗片が残ります。葉身の大きさは長さ約3(~8)cm、幅約1(~3)cm、葉身の形は楕円形(~長楕円形)もしくは卵形です。花は葉の付け根に1個もしくは2個ペアになり垂れ下がる様に咲き、個々の花(萼)の長さは約1.5cm、筒状で4個の裂片があります。花後の果実は偽果で、長さ約1(~2.5)cmある楕円形、熟すと赤色になり銀色の点状のスポットが入ります。
ビックリグミの収穫時期や食べ方の紹介
- 食用部分:果実
- 収穫時期:5月~7月
- 食べ方:生食・ジャム・ゼリー・果実酒
ビックリグミの食用部分
ビックリグミは果実が食用にされます。基本的には加工せずに生のまま食べられますが、ジャムなどに加工して食べられる事もあります。果肉はジューシーで渋みのある甘さが魅力です。
ビックリグミの果実の食べ方(ジャム)
- 必要な物を準備します。
- ビックリグミの果実・砂糖(グラニュー糖等)・レモン果汁・瓶(殺菌済)
- ビックリグミの果実から花柄をとり水洗いします。
- 鍋でお湯を沸かし果実を入れて軽く3分~5分程度茹でます。
- 茹でた果実をザルに上げて水気をきります。
- 果実を木ベラで潰し濾して果肉(果汁)と種に分けます。
- 果肉(果汁)の重さを計ります。
- 鍋の中に果肉(果汁)と果肉(果汁)の半分程度の砂糖と適量のレモン果汁を入れます。
- 例:果肉(果汁)200gなら砂糖100g
- 鍋の中で果肉(果汁)を弱火で煮詰めます。
- 果肉(果汁)にトロミが出てきたら完成です。
- 殺菌した瓶等に保存して必要な時に取り出し食べましょう。
ビックリグミの栽培方法
園芸では春に開花する花や夏に実る果実を鑑賞もしくは収穫する目的で育てられます。ビックリグミは大きく成長して目立つため、シンボルツリーとしたり、また管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しむといいでしょう。
ビックリグミを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため、放ったらかしでも育ちます。
グミの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
グミの珍しい種類、主な種やオススメの園芸品種等の紹介【2022】
ビックリグミの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ビックリグミは直射日光が6時間以上あたる日向から3時間から5時間の半日陰までで育てる事ができます。
土壌の土質
ビックリグミは栄養の乏しい土壌にも耐え、土質をあまり選ばず育てる事が出来ます。基本的には幅広い土壌に耐えますが、植え付けの前に土壌診断を行い通気性と保水性のバランス良い土壌に植えてあげるとよいでしょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ビックリグミは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ビックリグミは一般的な培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ビックリグミは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ビックリグミを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ビックリグミは根粒菌と共生して窒素固定を行うため、多くの肥料を必要としません。晩冬もしくは早春に毎年1度だけ寒肥を与えましょう。
元肥(寒肥)の与え方
寒肥は冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
剪定のやり方
ビックリグミは一般的に花や実を楽しみながら庭木として育てられます。剪定は基本的に不要ですが必要に応じて「間引き剪定」しながら育てる事ができます。
間引き剪定を行う時期は晩冬(1~2月)に行います。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、交差した茎等の不要な茎を根元から強く剪定して取り除きます。
間引き剪定を行う事で、生産的な若い茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーが優先的に送られたり、光の通りや風通しをよくしたりして、健康な成長が促されます。
夏越しする方法
ビックリグミは夏の暑さに強いため、夏越し対策は基本的に不要です。
冬越しする方法
Hardiness:5b~9a
ビックリグミは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ビックリグミは挿し木で増やすことが出来ます。
ビックリグミの挿し木の方法
- ビックリグミの挿し木時期は初夏から夏が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を長さ7~10cmとりましょう。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 茎の下部の葉を取り除きます。
- 挿し穂の切り口を水の中に30分程浸けて水揚げを行います。
- 挿し木用の培養土に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ビックリグミの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
ビックリグミは種からも増やせますが、発芽までに一年以上かかることもあります。
植物の病気
ビックリグミの病気
ビックリグミの害虫