- 原産:日本/中国
- 科:グミ(Elaeagnaceae)
- 属:グミ(Elaeagnus)
- 種:ナワシログミ(pungens)
- 別名:トキワグミ/タワラグミ/カングミ/ソーニー・オリーブ(thorny olive)/スピニー・オレアスター(spiny oleaster)/シルバーソーン(silverthorn)
- 開花時期:9月~11月
- 果実時期:3月~6月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約200~400cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ナワシログミとは!?
ナワシログミの学名Elaeagnus pungens、別名では「タワラグミ」や「トキワグミ」等とも呼ばれる日本および中国原産の常緑低木です。日本では本州・四国・九州に分布しており、山地や林縁、海辺近辺に自生しています。
ナワシログミの語源(由来)
- 属名のElaeagnusは古代ギリシャ語の「ἐλαίαγνος」からきており、「ἐλαία」は「オリーブ」、「ἂγνος」は「純粋」や「貞操」を意味します。
- 種小名のpungensはラテン語で「刺す」を意味しており、茎にしばしば棘がある事に由来します。
ナワシログミの特徴(魅力)
- ナワシログミは春から初夏に実る果実を鑑賞もしくは収穫する目的や生垣や盆栽として楽しむ目的で育てられます。
- ナワシログミは秋に花が咲き翌年の早春から初夏に果実が実ります。
- 花は葉の付け根に1~3個が束生します。
- 花には花弁がなく筒状の萼と裂片が4個あります。
- 花には甘い香りがあります。
- 果実は甘みとタンニン由来の渋みがあります。
- 主に完熟した果実が生食されジャム等に加工されて食べられることもあります。
- ナワシログミの果実は赤く目立ち甘いため鳥がよく食べにきます。
- そのため果期には果実の周りを元気に飛び回る様々な鳥の姿が見られるかもしれません。
- ナワシログミの葉は常緑のため1年を通して落葉する事がありません。
- 葉は革の様に厚く光沢があり表面は緑色で裏面は灰白色をしています。
- 幾つかの品種では葉の色が黄色をしているためカラーリーフとして楽しむ事も出来ます
- ナワシログミの茎は非常に枝分かれがよく密に茂ります。
- 枝は優雅に横へと広がる傾向にあります。
- ナワシログミは家の境界等に等間隔(約50~70cm)で植えて生垣として利用される事があります。
- 葉は常緑のため冬の間も目隠し効果を発揮します。
- 茎には棘があるため人の侵入を遮る効果が高いです。
- 黄色の班入りの品種を利用した場合明るい雰囲気をつくります。
- ナワシログミは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ナワシログミの茎は木質で樹皮は褐色や暗褐色をしています。茎は長さ最大8cmの棘があり直立して枝分かれがとても良く、枝分かれした枝は垂れ下がる傾向があり、高さ約200(~400)cmの間で成長します。葉序は互生葉序、葉色は緑色(裏面は灰白色)で革のような質感と光沢があり、新しい葉の表面には星状毛がある。葉身の大きさは長さ約5(~10)cm、幅約2(~5)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)です。花は葉の付け根に1個から3個集まりなり垂れ下がる様に咲き、個々の花(萼)は白色(~薄黄色)しており、形は筒状で4個の裂片があります。花後の果実は偽果で、長さ約1.5cmある楕円形、熟すと赤色になり銀色の点状のスポットが入ります。
ナワシログミの収穫時期や食べ方の紹介
- 食用部分:果実
- 収穫時期:5月~7月
- 食べ方:生食・ジャム・ゼリー
ナワシログミの食用部分
ナワシログミは果実が食用にされます。基本的には加工せずに生のまま食べられますが、ジャムなどに加工して食べられる事もあります。果肉はジューシーで渋みのある甘さが魅力です。
ナワシログミの果実の食べ方(ジャム)
- 必要な物を準備します。
- ナワシログミの果実・砂糖(グラニュー糖等)・レモン果汁・瓶(殺菌済)
- ナワシログミの果実から花柄をとり水洗いします。
- 鍋でお湯を沸かし果実を入れて軽く3分~5分程度茹でます。
- 茹でた果実をザルに上げて水気をきります。
- 果実を木ベラで潰し濾して果肉(果汁)と種に分けます。
- 果肉(果汁)の重さを計ります。
- 鍋の中に果肉(果汁)と果肉(果汁)の半分程度の砂糖と適量のレモン果汁を入れます。
- 例:果肉(果汁)200gなら砂糖100g
- 鍋の中で果肉(果汁)を弱火で煮詰めます。
- 果肉(果汁)にトロミが出てきたら完成です。
- 殺菌した瓶等に保存して必要な時に取り出し食べましょう。
ナワシログミの栽培方法
園芸では秋に開花する花や翌年の春から初夏に実る果実を鑑賞もしくは収穫する目的や、幾つかの品種で見られる黄色の葉をカラーリーフとして楽しむ目的で育てられる事が多いです。ナワシログミは枝分かれがとてもよく密に茂るため生垣等にもよく利用され、また盆栽としても親しまれます。
ナワシログミを育てる際に注意する事は基本的にありません。夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため、放ったらかしでも育ちます。
グミの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
グミの珍しい種類、主な種やオススメの園芸品種等の紹介【2022】
ナワシログミの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ナワシログミは直射日光が6時間以上あたる日向から3時間から5時間の半日陰までで育てる事ができます。
土壌の土質
ナワシログミは栄養の乏しい土壌にも耐え、土質をあまり選ばず育てる事が出来ます。基本的には幅広い土壌に耐えますが、植え付けの前に土壌診断を行い通気性と保水性のバランス良い土壌に植えてあげるとよいでしょう。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ナワシログミは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
ナワシログミは一般的な培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ナワシログミは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ナワシログミを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ナワシログミは根粒菌と共生して窒素固定を行うため、多くの肥料を必要としません。晩冬もしくは早春に毎年1度だけ寒肥を与えましょう。
元肥(寒肥)の与え方
寒肥は冬から早春に与える元肥の1種です。
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸多め)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう。
また、土質は風雨等でどうしても年々劣化するため、土質を改善する牛ふん堆肥や腐葉土等も穴の中に入れたり、株の近くにマルチングする等して入れてあげるといいでしょう。
剪定のやり方
ナワシログミの剪定のやり方は、求める樹形により変わります。生垣(トピアリー)として形を維持しながら葉を密に茂らせたい場合は「刈り込み剪定」して育てます。庭木として花や実を楽しみながら育てたい場合は不要な枝を「間引き剪定」しながら育てます。
生垣(トピアリー)として育てる場合
ナワシログミを生垣として形状を維持しながら育てたい場合は「刈り込み剪定」を行いましょう。
刈り込み剪定を行う時期は晩春から初夏(6月~7月)に行います。
刈り込み剪定のやり方は1本1本の茎を選別しながら剪定するのではなく、株全体を見ながら剪定します。枝葉の表面全体を均一に撫でる様に剪定して切りそろえましょう。
庭木として育てる場合
ナワシログミを美しい自然樹形のまま庭木として、花実を鑑賞して育てたい場合は間引き剪定を行いましょう。
間引き剪定を行う時期は何時でも行えます。
間引き剪定のやり方は枯れた茎や損傷した茎、交差した茎等の不要な茎を根元から強く剪定して取り除きます。
間引き剪定を行う事で、生産的な若い茎もしくは新しく成長する芽にエネルギーが優先的に送られたり、光の通りや風通しをよくしたりして、健康な成長が促されます。また乱雑した樹形を整える事にも繋がります。