- 原産:北アメリカ
- 科:ヒノキ(Cupressaceae)
- 属:ビャクシン(juniperus)
- 種:アメリカハイネズ(Juniperus horizontalis)
- 別名:クリーピング・ジュニパー(creeping juniper)/クリーピング・シダー(creeping cedar)
- 開花時期:4月
- 花の色:黄色●緑色●
- 葉の色:緑色●黄色●青色●紫色●白色〇
- 分類:常緑低木
- 草丈:約10~50cm
- 用途:コニファー/グランドカバー
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アメリカハイネズとは!?
アメリカハイネズは学名Juniperus horizontalis、別名では「クリーピング・ジュニパー(creeping juniper)」や「クリーピング・シダー(creeping cedar)」とも呼ばれる北アメリカ原産の常緑低木です。
アメリカハイネズの語源(由来)
- 属名のjuniperusはラテン語で「イグサ」や「アシ」を意味する「iuncus」に由来しています。
- 種小名のhorizontalisはラテン語で「地平線」を意味する「horizōn」と、接尾辞の「-ālis」の2語からなり、水平に広がる樹形に由来します。
アメリカハイネズの特徴(魅力)
- アメリカハイネズは地を這う習慣(決まりのように繰り返す癖)がある事から地被植物として高い評価をされており、園芸品種が豊富にあります。また葉の形態が針形と鱗片葉の2通りある所が特徴の植物です。
- 園芸では、コニファー(針葉樹)の仲間として流通している事が多く、茎が匍匐して地面を覆う性質がある事から、植え込みやロックガーデンの地被植物とした利用されたり、鉢植えで盆栽として利用されたりします。
- 葉は針のような針形の葉と小枝に鱗のようにくっつく小さな鱗片葉の2つの形態があります。
- 針形の葉は幼木でよく見られます。
- 鱗片葉は成木でよく見られる葉っぱで、小枝に鱗状に密につきます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、明るく開放的な印象を与える黄色の葉色や、洗練されたかっこいい印象を与える青白色の葉色などもあるため、品種を選んでカラーリーフとしても楽しめます。
- アメリカハイネズは地面を這うように広がる樹形から地被植物として利用される事がおおく、また盆栽としても利用されます。
- 盆栽では茎が匍匐もしくは前方下へと下垂するため個性的な樹形が楽しめます。
アメリカハイネズの樹高は10(~50)cm、樹形は匍匐性、樹皮は赤褐色をしており、縦に割れ不規則に剥がれます。
葉序は対生葉序もしくは輪生葉序、葉色は緑色、葉身は針形と鱗片葉の2つの形態があり、幼木では針形が優勢で、成木の殆どは鱗片葉となります。針形は長さ約0.5(~1)cmあり、鱗片葉の長さ0.1(0.2)cmです。
花は腋生で雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)が別々の木にあります。果実は球果、球果は球形で直径約0.5(~0.7)cm、色は白粉を帯びた灰緑色(~灰青色)で成熟すると濃い青色(~青黒色)になります。
アメリカハイネズの園芸品種
- バーハーバー(juniperus horizontalis ‘bar harbor’)は、葉全体が落ち着いた印象を与える青緑色をしていますが、冬になると赤紫色へと変わり上品な印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約15(~30)cm、幅は約150(~300)cmに成長します。
- ゴールデンカーペット(juniperus horizontalis ‘golden carpet’)は、その名前からも分かる通り、葉全体が鮮やかな黄色の葉色をしている所と、カーペットのように広がる樹形が特徴の園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10(~15)cm、幅は約150(~300)cmに成長します。
- ヤングスタウン(juniperus horizontalis ‘youngstown’)は、通常は葉色が緑色をしていますが、冬の間は紫色へと変わるため、上品な印象を与えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約15(~30)cm、幅は約100(~150)cmに成長します。
- ブルーチップ(juniperus horizontalis ‘blue chip’)は、葉全体が白色を帯びており、青白色もしくは青緑色の美しい葉色をしている事から、落ち着いた印象や洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10(~15)cm、幅は約100(~150)cmに成長します。
- ウィルトニー(juniperus horizontalis ‘wiltonii’)は、葉全体が落ち着いた印象を与える青緑色をしており、また冬になると紫色に変わるため上品な印象を甘えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10(~15)cm、幅は約150(~300)cmに成長します。
- ライムグロウ(juniperus horizontalis ‘lime glow’)は、葉全体が色鮮やかな黄色もしくはライムグリーン色の葉色をしているため明るく開放的な印象を与えます。また冬になると橙色から紫色の葉色へと変化するためカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約15(~30)cm、幅は約100(~150)cmに成長します。
- アイシーブルー(juniperus horizontalis ‘icee blue’)は、葉全体が強く白色を帯びているため葉色が白緑色もしくは青緑色をしています。そのため落ち着いた印象や洗練されたカッコイイ印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10(~15)cm、幅は約100(~150)cmに成長します。
- プリンスオブウェールズ(juniperus horizontalis ‘prince of wales’)は、葉全体が落ち着いた印象を与える青緑色をしており、また冬になると紫色に変わるため上品な印象を甘えるカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10(~15)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
- パンケーキ(juniperus horizontalis ‘pancake’)は、非常に成長が緩やかで白色を帯びた青緑色の落ち着いた葉色が魅力的な園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約10cm、幅は約100cmに成長します。
- フュージス(juniperus horizontalis ‘hughes’)は、葉全体が強く白色を帯びた青白色から青緑色をしているため落ち着いた印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。樹形は匍匐性のため地被植物として利用される事が多く、高さ約15(~30)cm、幅は約100(~200)cmに成長します。
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ビャクシンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ビャクシンの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種等の紹介【2022】
アメリカハイネズの育て方
花壇の土づくり
日当たり
アメリカハイネズは成長するために多くの光を必要とするため、基本的には直射日光が6時間以上あたる日向で育てましょう。
土壌の土質
アメリカハイネズは幅広い土壌に耐えますが、ジメジメした過湿が長く続く状態や浸水する様な土壌を許容しません。そのため植え付けの前に土壌診断を行いしっかり土作りを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アメリカハイネズは日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
培養土
アメリカハイネズの培養土を自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
生育初期
アメリカハイネズは植え付け後、根が張り活着するまでは、土が完全に乾燥しないように、水やりをしっかり行い育てましょう。
地植え
アメリカハイネズは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
アメリカハイネズを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
アメリカハイネズはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。また冬から晩冬に肥料を与える事で成長がよくなる事もありますが、与えなくても問題ありません。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年冬から晩冬(1月~2月)に与えます。基本的にある程度肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に配合肥料もしくは緩効性肥料を施しましょう。
剪定のやり方
アメリカハイネズは基本的に剪定せずに育てる事が出来ます。ただし、枝が混み合うと日照不足に陥り、葉が落ち枯れ込む事もあるため必要に応じて剪定しながら育てましょう。
- アメリカハイネズを剪定する場合は暖かな地域では早春、寒い地域では初夏に行います。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、エネルギーが分散して、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 基本的に剪定は不要ですが、形を整える目的で茎の途中で切り戻し剪定する事も出来ます。
- 切り戻し剪定する場合は、必ず葉の上で剪定しましょう。葉のない場所まで強く切り込むと葉のない枝は復活しないため注意が必要です。
夏越しする方法
アメリカハイネズは夏の暑さに耐えますが、多湿を苦手にしているため、長雨等で浸水したりジメジメとした過湿が続かない様に注意する必要があります。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:4b~9a
アメリカハイネズは耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
アメリカハイネズは挿し木で増やすことが出来ます。
アメリカハイネズの挿し木の方法
- アメリカハイネズの挿し木時期は秋が適します。
- 挿し穂は今年成長した部分を利用しましょう。
- 挿し穂を長さ約10~20cmとります。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 培養土に幾つかの節を入れ深く挿します。
- 節の部分からも発根する。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
アメリカハイネズの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アメリカハイネズの病気
- 赤星病
アメリカハイネズの害虫